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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ラダゴル(カイ)に備わってきた威厳 ~ 飼育展示場の空間的支配力を完全に確立

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ラダゴル(カイ)(Белый медведь Ладогор/Eisbär Ladogor)

世界最高の雌(メス)のホッキョクグマという高い評価を持つレニングラード動物園のウスラーダの息子である現在12歳のラダゴル(カイ)である。彼は日本でカイと命名されているがノヴォシビルスク動物園のクラーシンもカイという名前が通名になっていてこの二頭は紛らわしいので仙台のこのカイについては彼がロシア時代に付けられた国際血統登録上の名前であるラダゴル(Ладогор / Ladogor)を用いることにしたい。彼が何故ラダゴルと命名されたかについては「カイ (仙台・八木山動物公園 / ロシア名:ラダゴル) とウスラーダお母さんの物語」を御参照頂きたい。ロシア語の発音では “ラダール” と「ゴ」にアクセントをつける。
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このラダゴル(カイ)は端正な容姿を持つホッキョクグマである。ウスラーダの数ある息子たちの中で容姿としては最高であると私は思っている。娘たちの中で最高なのはシモーナ(モスクワ動物園)だろう。
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このラダゴル(カイ)とシモーナには共通点がある。それはウスラーダの子供達の中では性格的に非常に温和であるということである。それには理由がある。ラダゴル(カイ)もシモーナも母親であるウスラーダと共に過ごした期間が非常に長かったのである。そのことがこの二頭の性格形成に大きく作用したことは間違いないと思われる。
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私の以前の経験では、このラダゴル(カイ)はパートナーであるポーラからさまざまな悪戯やちょっかいなどを受けていた。しかしそれに対して動ずることもなく適当にあしらってきたのである。器の大きさが彼の特徴である。
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ところが今回見たラダゴル(カイ)は飼育展示場の全てを完全に支配して超越的な存在として君臨するようになっていた。
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彼には真の貫禄が付いたということなのだ。そういった彼に対してポーラは気後れし、そして彼女は趣味の悪い悪戯をやめたように感じられる。


ラダゴル(カイ)とポーラ (Ladogor/Kai and Paula the Polar Bears have a time of their own, at Zoo Paradise Yagiyama, Sendai, Japan, on May.25 2017.)

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このラダゴル(カイ)はもともと常同行動をしないホッキョクグマである。少なくとも私は彼のそういう行動を一度も見たことがない。こういったホッキョクグマは珍しいだろう。
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あとは繁殖の成功を待つばかりである。ズーパラダイス八木山(八木山動物公園)の担当者の方の担っている責任は重いと思う。このラダゴル(カイ)ほどの素晴らしい若年個体を有して繁殖に成功しないとなれば日本のホッキョクグマ界の将来は暗黒である。
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上の写真で右がラダゴル(カイ)、左がナナである。あの偉大な故デビーの娘であるナナが繁殖には成功せず、そしてまた当代最高のホッキョクグマであるウスラーダの息子のラダゴル(カイ)が繁殖の成功に寄与できないとなれば理不尽な話である。
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ラダゴル(カイ)は素晴らしいホッキョクグマになったものである。だからこそ、より一層の高みにまで登ってほしいのである。

Nikon D5500
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
Panasonic HC-W870M
(May.25 2017 @仙台・ズーパラダイス八木山)

(過去関連投稿)
(*ウスラーダとラダゴル - カイ関連)
仙台・八木山動物公園のカイのロシア時代の写真
ウスラーダお母さんの10番目の子供、カイ (八木山動物公園 / ロシア名 : ラダゴル )のロシア時代の姿
ロシアのマスコミ、カイ(仙台)とロッシー(静岡)の地震・津波からの無事を大きく報じる
カイ (仙台・八木山動物公園 / ロシア名:ラダゴル) とウスラーダお母さんの物語
カイの素顔 ~ 「黄金の中庸(Aurea Mediocritas)」 としての存在、そして将来の可能性
初夏の日のカイ (ラダゴル) ~ 女帝ウスラーダが手塩にかけて育てた「正統派ホッキョクグマ」
by polarbearmaniac | 2017-05-25 23:10 | しろくま紀行

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