街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ウスラーダお母さんの2頭の子供たちとの別れ

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Photo(C)The St.Petersburg Times

サンクトペテルブルクの動物園ですでに14頭を出産しているウスラーダですが、やはり育ててきた子供たちとの別れはつらいものだったようです。このサンクトペテルブルクの新聞記事は2001年11月に当時生後11ヶ月だった2頭の子供たち (リューティク と リア) が、オーストラリアのSea Worldに移送される時の様子を伝えたものです。雄のリューティクは飼育員さんの餌につられて運送用のケージにおとなしく入りましたが、雌のリアは飼育員さんが餌で釣っても、唸りながら6時間も飼育場からケージに入ることを拒んだそうです。 困った飼育員さんは、すでにケージに入っているリューティクをリアの入るケージのそばにおいて、リューティクがおとなしくしている姿を彼女に見せることによってリアがケージに入りやすいような気持ちにさせたそうです。 そうした一連の作業の時間中、お母さんのウスラーダは悲しい声で唸り続けていたとのこと。 2頭の子供たちが、その顔を良く知っている動物園の職員が同行し、オーストラリアの新しい施設で2頭が新しい生活に順応できるように現地の新しい飼育員さんと一緒に2週間を2頭の子供たちと過ごすそうです。サンクトペテルブルクの動物園も2頭になかなか気を遣っているようで素晴らしいことだと思いました。 

さらに興味深いことには、ここでは麻酔を使っていない点です。これも素晴らしいことだと思いました。そのために6時間も余分に時間がかかったとしても、麻酔を打つリスクに比べたればたいしたものではないということなのでしょう。

サンクトペテルブルクの動物園で生まれ土地の多くの子供たちに愛され、たちまち動物園の人気者になった2頭のこぐまは、こうしてウスラーダお母さんと土地の子供たちに別れをつげたのでした。2頭で3万ドルという金額でオーストラリアに譲渡されたわけですが、財政的に厳しい動物園としては、こぐまを1歳にもならないうちに母親から引き離すこととなってしまったのも、いたしかたのないところなのでしょう。

動物園で飼育されているホッキョクグマは、いずれもこのような母親との別れを経験しているわけです。ララもクーニャお母さんとこのような別れを体験して札幌に来ているわけですね。しかし、そうわかってはいるものの、やはりその場になれば見ている人間にとってもつらいものです。私たちはこういう別れのシーンに、間もなくまた接しなければなりません。

Photo(C)Alexander Beleenky / The St. Petersburg Times
by polarbearmaniac | 2010-02-18 20:20 | Polarbearology

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