街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2010年 11月 11日 ( 1 )

ルル(旭山動物園)への期待 ~ 醒めた性格の母性とは?

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ルル (2010年10月3日 於 旭山動物園 Docomo N02B)

旭山動物園で飼育されているルルについては、やはりそろそろ出産のニュースを期待したいところです。ルルは血統登録上では円山動物園のララの姉にあたるはずですが、そんなことは書類上のことでたいした意味はないでしょう。現在のララとルルを見ていて感じるのは血統登録とは逆に、ララのほうが姉というイメージです。

「道内ホッキョクグマ飼育4園共同声明にかかる中間報告」のデータによれば、1994年11月に大分県別府市の別府ラクテンチにララと双子の姉妹で生まれたルルが福島県の東北サファリパークへ移動したのが1997年の5月、そして旭山動物園へ移動したのが2004年の10月のことです。つまり10歳を目前にして旭川にやってきたわけです。当時の状況(とはいってもわずか6年前のことにすぎません)はよくわかりませんが、東北サファリパークに雄のホッキョクグマがいたとは考えにくい話です。おそらくルル1頭だけの飼育だったと思われます。そしてそこでは飼育環境がよかったという想像はしにくいです。そういった場所で、すでに2000年頃には繁殖可能になっていたはずのルルが、その後に旭山動物園に移動になるまでの約4年間は実にもったいないことをしたものだと思います。

実は2004年の春に、あの男鹿水族館(GAO)が開館を3ヶ月ほど後に控えてまだホッキョクグマを探していたときに東北サファリパークがこのルルをGAOに貸し出してもよいという意向があったようです。仮にその時にルルがGAOに貸し出されていたとしたら、これまた後から(2005年6月)やってきた豪太(2003年11月生まれ)が繁殖可能になるまでさらに4年間、繁殖のチャンスがなかったことになります。やはりルルは遅ればせながらでも旭山動物園に移動したのは正解だったわけです。

ルルの性格というのは単純ではないように思われます。というのも、ルルは見に行く都度に私に見せてくれる姿が大いに違ったわけでした。はしゃぎまくっている時もあれば、奇妙におとなしい時もあります。ただしかし言えることは、ルルは表に出ている姿とは別に本質的にはかなり醒めた性格のホッキョクグマであるように推察します。ララと比べるとルルは一筋縄ではいかない感じがしますね。こういったルルの性格は、ひょっとしたら母親のクーニャからの母性をララほどには十分に得ていなかったからのようにも思います。クーニャはルルよりもララを可愛がったのかもしれません。この点の断言は難しいですね。 というのも、ララが別府のラクテンチから札幌に旅立ったのが1996年の5月ですから、それからルルが東北サファリパークに移動するまでの1年間ルルは母親のクーニャを独占していたはずですから、クーニャと過ごした時間はルルのほうがララよりもずっと長かったわけです。
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そろそろルルの出産のニュースを聞いてみたいと思います。 「イワンとルルは相性が良い」という人が多いですね。そういった相性の良さをうかがわせる写真はネット上で何枚も存在しています。 しかしどうでしょうか、こういう写真でうかがわれる相性の良さは、「同居生活による相性の良さ」は意味するでしょうが「繁殖に関しての相性の良さ」とは別のような気もします。たとえば、あの円山動物園のデナリとララは果たして同居していて本当に相性が良いでしょうか? 私にはどうもそうは見えません。ララはデナリをバカにしている様子すら感じられます。しかし繁殖ということだったらララとデナリは大きな成果をあげています。釧路でのデナリを長い時間観察したところでは、デナリは単に同居の相性の良さだったらララよりもクルミとのほうが良好に見えました。

今までの北海道4園のホッキョクグマ移動の実績から考えて次の移動の大胆な予想をしてみましょうか。 もし今回ルルに出産がなくララとクルミに出産があったら、そして本州の動物園にホッキョクグマ移動についての動きがないという状況が生じたとすれば.....

ルル → 円山動物園に移動、ララが子育て中にデナリとペアリングも目指す
ピリカ → 旭山動物園に移動してイワンとペアリングを目指す


理由? あまりにも簡単です。イワンとルルとの間に何年も繁殖がないのだったらペアを取り替えるという方針を貫徹するならば、北海道内ではデナリしかルルの相手はいません。ピリカの相手は、デナリは父親ですからありえず、残るはイワンだけです。イワンはアンデルマ/ウスラーダ系とはいってもアンデルマからは4代目ですから、今後の世代の近親交配の危険性については比較的影響は少ないからです。ですからこれは十分に考えられますよ。  そしてさらに、イワンとピリカ(クーニャ系3代目)のペアのほうがイワンとルル(クーニャ系2代目)よりも生まれてきた子供の血統を考えれば有利だからです。しかしその一方で今度はデナリの子供が増えすぎてまた問題ではありますが.....。 本州の動物園がホッキョクグマ繁殖のための移動に消極的ならば北海道4園だけでなんとかしようとするでしょう。一気に北海道で赤ちゃんの頭数を増やせばそのうち何頭か雌が生まれるかもしれません。そういう雌の赤ちゃんと、今度は本当に海外の個体との交換を現実化させようとするでしょう。本州の動物園はなんとしても動かなければなりません。

話が本題からそれてしまいました。私はどうしてもルルの子育てを見てみたいです。ルルがララと違った「醒めた」母性を発揮するかもしれない光景を期待しています。
by polarbearmaniac | 2010-11-11 01:00 | Polarbearology

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