街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2010年 11月 25日 ( 2 )

チェコ・ブルノ動物園で誕生のホッキョクグマの赤ちゃん食害の犠牲に!

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コーラお母さん  Photo: ČT24

チェコ・ブルノ動物園のHPで正式発表がありました。 昨日お伝えしました同動物園で誕生した2頭の赤ちゃんですが、コーラお母さんの食害にあってしまったようです。モニターカメラでの映像で不自然な動きがあったため飼育員さんが産室を空けたところ、そこにいるはずの赤ちゃんの姿はなかったそうです。コーラお母さんが食べてしまったようですね。昨日23日(水曜日)のことだそうです。
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Image: ČT24

飼育員さんが落胆の表情でTVのインタビューに答えています。あのニュルンベルク動物園でのヴィルマのように「赤ちゃんが消えてしまう」という現象です。今回は事前に映像で赤ちゃんの姿を確認しているわけですから、声が聞こえなくなったので産室を開いてみたら影も形もないということは、これはもうお母さんのコーラが赤ちゃんを食べてしまったということ以外の結論はありえません。飼育員さん曰く、コーラは2005年の出産でも赤ちゃんを食べたことがあったそうです。さらにその前の出産でも2頭を生んでいたがやはり途中で亡くなったそうですね。今回もモニターを見ていたら不自然な動きのあとで体が動かなくなったので産室を開けてみたと言っています。

*(追記)チェコのマスコミがブルノ動物園がモニターした、食害となる直前の時間の産室内の映像を公開しています。映像はあまり鮮明ではないですね。しかしこの映像ですと赤ちゃんがお母さんに潰されているような印象を受けますが、この映像に続く時間帯に赤ちゃんが圧死してしまったために、お母さんが食べてしまったということでしょうか? ちょっと判然としません。

ウーン、このコーラについては3年前に双子を生んで立派に育てましたので今回も大丈夫だと思いましたけれどもねえ。難しいものです。動物園側の赤ちゃん誕生の発表が早すぎたかな? ブルノのホッキョクグマファンの前回のトムとビルの双子に対する愛情がすごかったですから、今回のこのニュースに落胆しているでしょうね。

以前ニュルンベルク動物園の園長さんがマスコミのインタビューに答えて、ホッキョクグマの食害というのは子供たちの体に何か病気や欠陥があってそれ以上生育できないことを母親が本能的に察知したときに生じる、という意味の発言をしていました。 それが事実とすれば「食害」というのはホッキョクグマという種が自分たちの生態を将来も正常に維持していくための、一種の「本能的優生保護」だろうという考えだと思われます。仮説だとは思いますが、ひょっとしたらそうかもしれません。「子育て拒否」ということがストレートに食害に移行するわけではなく、赤ちゃんの体に欠陥や病気があるわけではありませんので人工哺育で育てることができます。しかしこの「食害」というものはあっという間に起こるので赤ちゃんを救い出すことは不可能ですね。仮に救い出せたとしても....体に欠陥があったり病気だったりするのが食害の原因だという説が正しいとすれば、人工哺育も無理だということになるでしょう。

いや、しかし本当に今回の件は残念です。

*(追記)
チェコのマスコミの情報によると、ブルノ動物園の入場者数は年間約25万のようです。ところが前回トムとビルが誕生して一般公開された年の入場者数は年間32万に増えたそうです。これは前年比約28%増になります。そして現在はまた以前の水準に戻っているそうです。札幌・円山動物園の入場者数は2008年には約70万人ですがイコロとキロルが一般公開された年の2009年には約92万人に増えています。これは前年比約32%増ですね。この28%と32%という数字は比較的近い増加率です。とすれば、 「ホッキョクグマの双子の赤ちゃんが誕生すると動物園の入場者は約30%前後増加する。」、こう言えそうです。やはりホッキョクグマの赤ちゃん(特にツインズ)は凄い集客力があるということです。


*(資料)
Zoo Brno HP告知
České noviny (Nov.24 2010)
ČT24 (Nov.24 2010)
novinky.cz (Nov.25 2010)
by polarbearmaniac | 2010-11-25 16:15 | Polarbearology

アラスカにホッキョクグマ生息重要指定地区を設定へ

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アラスカのホッキョクグマ   Photo(C)AP

アメリカ内務省の魚類野生動物保護局(U.S. Fish and Wildlife Service - FWS)が24日に大変興味深い発表を行っています。それは、Service designates Critical Habitat for Polar Bear という発表で、概要はアラスカの北側の沿岸地区及び海上の約18万7千平方マイル(約48万4千平方キロ)を「重要指定地区(Critical habitat designation)」に定め、この地区内での開発、その他の活動には内務省への事前教示申請によりFWSの承認を必要とさせるという内容です。結果的にはこの地区の開発に大きな規制がかかる結果になるでしょう。18万7千平方マイルというのはカリフォルニア州よりも大きな面積のようですね。
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アラスカ州は当然これに反対しています。「ホッキョクグマは現在の海洋哺乳類保護法 (Marine Mammal Protection Act) による規制で十分守られている。」というのが言い分です。あの地区における石油や天然ガスを開発しているシェル石油なども苦々しい気持ちを抱いているようですが、すでに開発が開始されているものについてはこの新しい「重要指定地区」での規制は基本的には及ばない模様ですので、問題は今後の開発計画でしょう。

ただしこの「重要指定地区」の設定なでにはまだ紆余曲折がありそうです。先日のアメリカの中間選挙では共和党が大幅に躍進しましたし、このアラスカ州というのは非常に共和党が強い州です。かつてこのアラスカ州の知事を務めていたサラ・ペイリンという女性ですが、前回の大統領選挙では共和党の副大統領候補でした。このペイリン女史、現在は共和党の自称次期大統領候補だそうですが、あまりの低レベルの政治家であり、あきれるばかりです。彼女が共和党の大統領候補になることは多分ないでしょうが、ご本人は野心満々です。 しかしそれよりもなによりも、ペイリン女史が地球温暖化やホッキョクグマの保護に関してどう考えているかを示す記事がありますので御紹介しておきます。
ABC News (Aug.31 2010)




*(資料)
アメリカ合衆国 内務省 魚類野生動物保護局(U.S. Fish and Wildlife Service)
Reuters (Nov. 24 2010)
CNN (Nov 24 2010)
AFP (Nov.24 2010)
by polarbearmaniac | 2010-11-25 16:00 | Polarbearology

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