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2017年 02月 06日 ( 1 )

ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子の近況 ~ ロスチクの成長によっても基本的に不変の親子関係

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Photo(C)Андрей Поляков/Новосибирский зоопарк

ロシア・西シベリアのノヴォシビルスク動物園で一昨年2015年の12月7日に当時8歳のゲルダお母さんから誕生した雄(オス)のロスチクですが、今までのロシアの動物園ではあまり見られなかったこととして依然としてゲルダお母さんと同居しています。つまりゲルダお母さんとの二年目の生活が事実上スタートしてしまっているように思うのですが、これはゲルダに「三年サイクル」の繁殖を採用したのだと考えてもよいかもしれません。モスクワ動物園はすでに事実上、それまでの「二年サイクル」の繁殖を止めているというのがここ2~3年の実情となっています。しかしまだ2月ですから、ノヴォシビルスク動物園が「二年サイクル」の繁殖をこれまでのように維持しようとすれば十分可能ではあるということです。

さて、最近のゲルダとロスチクの姿を現地の方の撮影された映像で見てみましょう。









ロスチクは本当に体が大きくなりましたし力も強くなっていることは明らかです。ただしかし上の映像で見る限りではロスチクの力の発達と彼の成長がこの親子の関係に何か大きな変化をもたらせたかと言えば、必ずしもそのようには見えないと思います。ゲルダ/シルカの関係は非常に複雑で一筋縄のものではなかったわけですが、それと比較するとゲルダ/ロスチクの関係は比較的明快であるように感じます。息子のロスチクはうまく母親であるゲルダのご機嫌をうかがいながら立ち回っており、そしてゲルダがそういった息子の行動を評価しつつも次第に息子を自由な行動に解放していくという流れで一貫しています。それからこの下は普段ではロシアではあまり見かけないおもちゃに興味を持つ親子です。



このロスチクを入手したいという複数の動物園があって交渉中であるという報道が以前になされているわけですが、依然として別居させられていないところから判断しますと、ロスチク入手の交渉自体が契約締結といった最終段階まで至っていないようにも思われます。こういったことは意外にもロシアの動物園というのは情報秘匿がうまくなされているケースが多いわけです。シルカの時は故シロ園長はマスコミに対して多くのことを発言していたわけですが肝心な移動先というものは完全に隠しきってしまったわけで、その一点において情報の管理は見事であったとは言えます。一方でこのロスチクが何故2月上旬になっても現実としてこうして母親と同居しているかという理由には、ロスチクを入手したい動物園が彼のパートナーをどうやって調達するかといった難問と格闘しているためなのかもしれません。あるいはロスチクの移動(売却)についてはモスクワ動物園からストップがかかった可能性があるかもしれません。ロスチクはいわゆる「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」に属しています。昨年暮れから今年にかけてモスクワ動物園は自らが所有するこの血統の個体をすでに4頭も欧州に出しているわけで、そうなるとどうでしょうか、ロスチクが仮に今年の春までに移動すると考えてみた場合には、私には移動先の候補は頭に浮かんできません。

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by polarbearmaniac | 2017-02-06 19:00 | Polarbearology

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