街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 02月 16日 ( 1 )

カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園でエサクバクとイレの同居始まる ~ 幸運を待つだけか?

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イレ(左)とエサクバク(右)
Photo(C)Zoo sauvage de Saint-Félicien

カナダ・ケベック州のサンフェリシアン原生動物園 (Zoo sauvage de Saint-Félicien) におけるホッキョクグマ繁殖への試みは今までかなりその推移を追いかけてきたつもりです。この動物園で飼育されている野生出身で現在は14歳の雌(メス)のエサクバク (Aisaqvaq /Aisakvak) は彼女がまだ7歳となったばかりである時期の2009年の11月にタイガとガヌークという双子の出産に成功して以来、全く出産からは遠ざかってしまっているという現実を見てきたわけです。繁殖への試みの最初の段階で見事繁殖に成功したときに「ホッキョクグマの繁殖は簡単である」という観念を関係者が安易に抱いたでろうことは否定できないようにも思います。こういったことは何もこの動物園だけではなく、世界のいくつかの施設でも容易に見出せそうです。そうこうしているうちに毎年段々と期待値が下がっていくというのもとりわけ意外な話ではありません。

さて、このエサクバクは彼女が最初の出産に成功したときのパートナーであったイヌクシュクから欧州から来園したイレ(Yellé)に変わり、そして次にはエディに変わるといった経緯を経て今年のシーズンは再びイレをパートナーとしたわけですが果たしてどのようなことになるかは一応注目しておきたいことではあります。

このエサクバクが産室のあるエリアから飼育展示場に復帰したというのが前回の投稿時点の状況でした。さて、その後にエサクバクとイレ(Yellé)の同居が始まったようです。その映像を確認しておきましょう。これは同居開始の日の映像です。



次は上の数日後の映像ですがエサクバクはプールに入りイレは彼女の姿を陸の上で追っているという状態です。



さらに上の映像から2~3日後の映像が以下です。



さて、こういった経緯の中でエサクバクとイレの同居については繁殖行為に一歩手前というところまでは行ったようです。以下の Radio-Canada の記事をクリックして開いていただくと映像を見ることができます。


毎年こういうことが繰り返され、そしてエサクバクは秋から産室のある別のエリアに移動し、そして出産を待つということの繰り返しです。本当になかなか容易ではありません。このサンフェリシアン原生動物園の場合はペアを変えてみるという試みを行っていて出産・育児の成功経験のあるエサクバクに期待するわけですが、まだあと数年はこういったことの繰り返しでしょう。試行錯誤といったことではなく、ただただ幸運を待つという感じです。しかしどうでしょうか、一度イレの検査を行って彼の繁殖能力の有無を確認したほうがよいように私は思います。そのほうが実りあるように思うのですが.....。

(資料)
Radio-Canada (Feb.8 2017 - La sexualité chez les animaux à l’occasion de la Saint-Valentin)

(過去関連投稿)
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、展示場に復帰 ~ 本命の意外な失望結果
カナダ・ケベック州 サンフェリシアン原生動物園のエサクバクとイレのペアへの大きな期待
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by polarbearmaniac | 2017-02-16 23:00 | Polarbearology

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