街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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2017年 03月 03日 ( 3 )

エストニア・タリン動物園で誕生の雄(オス)の赤ちゃんがフリーダお母さんと戸外に登場 ~ 見事な映像記録

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フリーダお母さんと赤ちゃん Photo(C)Tallinna Loomaaed

エストニアのタリン動物園で昨年2016年の11月26日にフリーダお母さんから誕生した雄(オス)の赤ちゃんですが、とうとう3月1日にフリーダお母さんと一緒に室内を出て飼育展示場に姿を見せたようです。生後95日目ということになるでしょうか。その様子を見てみましょう。

フリーダお母さんは外の様子を非常に警戒しています。赤ちゃんが前に出ようとすると口で咥えて室内に戻そうとしています。その後もフリーダお母さんは赤ちゃんが外に出ようとするのを抑制するような行動をとっています。



続いてこの下の映像は上の映像の翌日の3月2日の様子です。これはかなり長い映像ですが実に見応えがあります。さすがにフリーダお母さんは赤ちゃんが外に出ることを制止することはしなくなったにせよ徹底的に赤ちゃんの行動を監視し、そして赤ちゃんを守ろうという態度が顕著です。



まだ一般公開にはなっていないそうです。今週末の日曜日3月5日がタリン動物園での一週間遅れの「国際ホッキョクグマの日」のイベントだそうですから、その日が一般への正式なお披露目となるはずで、その日の報道の映像などで多く紹介されるでしょう。
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フリーダお母さんと赤ちゃん Photo(C)Tallinna Loomaaed

今回の二つの映像を撮影したのはタリン動物園のスタッフの方だそうですが、なかなか素晴らしい映像だと思います。この親子の姿のしっかり捉え、そして勘所をおさえた編集がなされています。記録としての価値も高いと思いました。それから、現在この赤ちゃんの名前の公募が行われています。こちらのページです。

ちなみに前回のこのフリーダの出産は2013年11月24日で、その時に誕生した雌(メス)のノラは翌年2014年3月13日に屋外に登場しています。生後109日目でした。その時のTVのニュース映像をご紹介しておきます。生後95日目で登場した今回の赤ちゃんと比較してみて下さい。約15日間の違いは大きいようです。



この時の件は「エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃん、フリーダお母さんと共に遂に戸外に登場!」、及び「エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんとフリーダお母さんの戸外初登場の追加映像」という二つの投稿を御参照下さい。

(*追記)エストニアのロシア系住民のための夜のTVニュースで紹介されたタリン動物園の赤ちゃん登場のニュース映像です。



(資料)
Delfi (Mar.2 2017 - Tallinna loomaaia jääkarupoeg käis esimest korda õues)
err.ee (Mar.2 2017 - Tallinna loomaaia jääkarupoeg näitas ennast ilmarahvale)
Tallinna Loomaaed (Loomaaia jääkarupäev)
(*追記資料)
ERR (Mar.3 2017 - Помогите выбрать имя сыну Фриды и Норда, внуку Ольги и Эрика!)

(過去関連投稿)
バルト海沿岸・エストニアのタリン動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後10日目となる ~ ノラとノルトの誕生会が開催
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後3週間が経過 ~ 飼育マニュアルを無視した同園の謎
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後4週間が経過 ~ 映像から伝わってくる安定感
エストニア・タリン動物園の赤ちゃん、生後二ヶ月が経過 ~ 秋には新飼育展示場へ移動
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後12週間経過へ ~ 寝心地の悪そうな産室
エストニア・タリン動物園の赤ちゃんは雄(オス)と判明 ~ 一般公開は3月5日からの予定
by polarbearmaniac | 2017-03-03 19:00 | Polarbearology

アメリカ・シカゴ、ブルックフィールド動物園でナヌヤークとハドソンの同居が開始 ~ 高まる同園の期待

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ハドソン(左)とナヌヤーク(右) 
Photo(C)Jim Schulz/Chicago Zoological Society

野生出身の個体に飼育下で繁殖してもらうためには多くの機会を与えたいというのは欧米でもロシアでも共通した考え方です。日本でも同じであるはずです。数年前までは日本にも多くの野生出身の個体がいたわけですが、そういった個体の血統的孤立性の優位さを生かすことができず、結局のところそうした個体の中で「現役」なのは横浜のジャンブイだけにほぼなってしまっている状態です。

さて、アメリカの動物園がホッキョクグマの野生出身個体の「調達地」となっているのはアラスカ(州)だけであり、カナダも含めてその他の国から野生出身個体を入手することはアメリカでは法令上不可能となっています。いやそれだけではなく、アメリカという国は近年ではそもそもホッキョクグマを国外から入れたり国外に出したりすること自体がもう不可能なのです。そういったことからオハイオ州トレド動物園に暮らしていた野生出身の22歳の雌であるナヌヤークを繁殖に寄与してもらうためにシカゴのブルックフィールド動物園に移動させる方針を打ち出したのがAZAのSSPを推進している委員会であり、それに基づいてナヌヤークが2月にトレドからシカゴに移動してきた件は「アメリカ・トレド動物園のナヌヤークがシカゴのブルックフィールド動物園へ ~ 出産成功経験への期待」とい投稿を御参照下さい。そのナヌヤーク(シカゴでは彼女は「ナン(Nan)」と呼ばれています)のブルックフィールド動物園来園後の映像を一つご紹介しておくことにします。



さて、このナヌヤークとこのブルックフィールド動物園で生まれた現在は10歳となった雄のハドソンとの同居が開始されました。正確には飼育展示場に通じるハドソンの室内のスペースと同じ飼育展示場に通じるナヌヤークの室内のスペースの二つの扉を共に開放したということだそうです。もちろんこうした前提として室内のスペースで柵越しに互いを認識させるということを前もって行っていたわけです。

ナヌヤークとハドソンの同居開始の滑り出しは理想的な形であると担当飼育員さんは認識しているようで、年長であるナヌヤークが主導権をとってハドソンがそれを受け入れるといった関係で推移しているそうです。この二頭の様子の一部が公開されましたので映像を下にご紹介しておきます。



ブルックフィールド動物園としては非常に楽観的な見通しをもっているそうです。果たして同園で約10年振りにホッキョクグマの赤ちゃんが誕生するかどうかを見守っていきたいと思います。なんといってもナヌヤークには過去一回、出産と育児に成功した経験があるわけで、これは非常に大きな要素です。

(資料)
Chicago Sun-Times (Mar.2 2017 - Love is in the air for Brookfield Zoo’s polar bears)
Patch.com (Mar.2 2017 - Snow Got You Down? These Pictures Of Polar Bear Love Will Change That)

(過去関連投稿)
シカゴ・ブルックフィールド動物園を去り新天地のケンタッキーへ移動するアーキ
アメリカ・ケンタッキー州、ルイビル動物園のアーキ逝く ~ 長く暮らした生まれ故郷を離れての死
カナダ・ケベック水族館の11歳のティグアク、歯科治療の麻酔中に亡くなる
動物園による情報公開 ~ アメリカ・バッファロー動物園でのホッキョクグマ連続死亡事件
アメリカ ・ シカゴ郊外のブルックフィールド動物園のホッキョクグマたち ~ 氷のプレゼントと繁殖への展望
アメリカ・トレド動物園のナヌヤークがシカゴのブルックフィールド動物園へ ~ 出産成功経験への期待
by polarbearmaniac | 2017-03-03 15:00 | Polarbearology

デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんへの母親メーリクの厳しい監視の集中力

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メーリクお母さんと双子の赤ちゃん Photo(C)Aalborg Zoo

昨年2016年の11月26日にデンマークのオールボー動物園でメーリクお母さんから誕生した二頭の赤ちゃんは、つい先日の2月22日に初めて屋外に登場し、そして同時に一般公開になった件は映像と共にすでにご紹介していました。それ以降の映像というものはまだ目立ったものがないわけですがオールボー動物園は2月27日の「国際ホッキョクグマの日」にちなんでこの親子の映像を公開していますので見ておきましょう。



見ていて気が付くのですが、メーリクお母さんは自らのほとんどの集中力を二頭の赤ちゃんたちに注ぎ込んでいるように見えます。この二頭の赤ちゃんたちは生後88日目という、他園の過去などの例から比較してもかなり早い時期の屋外への登場ですので、まだ当分はメーリクお母さんの厳しい監視の眼が赤ちゃんたちに注がれるでしょう。特にこの二頭の赤ちゃんは顕著に性格が異なるように見えます。このあたりで例の「行動の差は性別差に起因しているのか性格差に起因しているのか」といった、ここ数年に渡って私が抱き続けてきた関心がまた頭をもたげてくるわけです。もうしばらく見守っていきたいと思います。
(*追記)新しい映像がオールボー動物園から公開されました。この映像を見る限り私の経験上では雄(オス)と雌(メス)という性別の異なる双子であるような気がしますが...。



私はこのメーリクという母親の育児は2011年7月に三日間に渡ってオールボー動物園を訪問して観察しているのですが(過去関連投稿を御参照下さい)、その時の記憶からすれば現在の彼女の姿は意外な感じもします。やはりあまりに赤ちゃんたちが幼すぎるから母親が全てを監視しなければならないということでしょう。6年前に会ったメーリクの子供はアウゴでした。彼は私が会って二年後に壕に落下して非業の死を遂げたわけです。あれは本当に悲しい事件でした。

(過去関連投稿)
デンマーク・オールボー動物園でホッキョクグマの赤ちゃん(複数)誕生! ~ メーリクが出産
デンマーク・オールボー動物園で誕生の赤ちゃんは三つ子であることが判明!
デンマーク・オールボー動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、最初にして最大の関門を全頭で通過するか
デンマーク・オールボー動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、一頭が最初の関門を突破できず死亡
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、元気に生後三週間が経過
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後40日目へ ~ ライブ映像配信と短時間映像の関係
デンマーク・オールボー動物園で誕生の二頭の赤ちゃんは生後六週間目に入り、取っ組み合いも始める
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後7週間が経過
デンマーク・オールボー動物園で産室内で育児中のメーリクに特別給餌が行われる
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後70日目となる
デンマーク・オールボー動物園の赤ちゃんが遂に姿を見せる ~ 屋外登場を母親の意思に任せた同園
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんがメーリクお母さんと一緒に遂に屋外に登場!
(*過去関連投稿  - 2011年オールボー動物園訪問記)
雨のオールボー動物園に到着、そして2組の親子と対面!
メーリクお母さん余裕のポリタンク遊び ~ 2組の親子同居の驚異!
アウゴ、その温和な性格が醸し出す満ち足りた時間
オールボー動物園2日目 ~ ホッキョクグマに魚のプレゼント
アウゴと来園者の子供たちとの交流
オールボー動物園3日目 ~ この動物園の質の高さは住民の品性の高さに見事に合致
アウゴ君は犬はお嫌い?
オールボー動物園のホッキョクグマ君たち、本当にありがとう! ~ 是非また近いうちにお会いしましょう!
by polarbearmaniac | 2017-03-03 00:30 | Polarbearology

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