街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 03月 12日 ( 4 )

ベルリン動物公園のトーニャが息子フリッツの死後初めて屋外に登場 ~ 世界中からの弔意に感謝する同園

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飼育展示場に再登場したトーニャ Photo(C)Tierpark Berlin

去る3月6日にベルリン動物公園で生後四カ月のフリッツが亡くなってから数日が経過しています。母親のトーニャは一昨日の3月10日に数か月ぶりに飼育展示場に姿を見せました。改修工事も終了しており、おそらく3月10日はフリッツの一般公開開始の日になっていたように思いますが、登場したのはトーニャお母さんだけだったというわけです。このトーニャの金曜日の姿を映像で見てみましょう。





それからこの下は昨日の映像ですが、ベルリン動物公園の飼育展示場にファンからのカードなどが飾られている光景が冒頭に映され、その後はトーニャの姿なのですがやはり表情を見るとまだ彼女は普通の状態には回復していないように感じます。やがて飼育員さんの解説が始まります。音声はonにして下さい。全体的に素晴らしい映像だと思います。



ベルリン動物公園は幼いフリッツの死に際して寄せられた多くの人々の弔意に感謝し、HP内に "Für Fritz" というページでホッキョクグマのおかれた状況の厳しさを語り、そしてホッキョクグマの繁殖をこれからも目指すという決意を滲ませています。
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(C)Xiao Yan

(資料)
Berliner Morgenpost (Mar.10 2017 - Trauer: Tonja suchte ihren toten Fritz und war sehr nervös) (Mar.9 2017 - Tod von Eisbär Fritz berührt Menschen auf der ganzen Welt)
Rundfunk Berlin-Brandenburg (Mar.10 2017 - Mutter des toten Eisbärbabys Fritz erstmals wieder draußen)

(過去関連投稿)
ベルリン動物公園がフリッツのために飼育展示場を一部改修の予定 ~ 父親のヴァロージャはベルリン動物園へ
ベルリン動物公園の赤ちゃんのフリッツが肝臓に広範囲の炎症で重体となる ~ 憂慮すべき病状
ベルリン動物公園の生後四カ月の赤ちゃんのフリッツが死亡! ~ さようならフリッツ......
ベルリン動物公園のトーニャが息子のフリッツと引き離された後の状態 ~ 難しい今年のシーズンの繁殖再挑戦
by polarbearmaniac | 2017-03-12 17:00 | Polarbearology

ドイツ・オスナブリュック動物園のティプスが飼育展示場から逃亡し園内で射殺される

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ティプス Photo(C)Zoo Osnabrück
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園内で射殺されたティプス (C)NDR

悲惨な事件が起きました。日曜日の午後に投稿します。地元の報道が伝えるところによりますと昨日3月11日土曜日の午後2時過ぎにドイツのオスナブリュック動物園で数名の来園者が園内でハイブリッドのホッキョクグマの雌のティプスの姿を発見し同園のスタッフに通報しました。ティプスは飼育展示場のフェンスを破壊して飼育展示場の外に出たそうです。当時は4000人ほどの来園者が園内にいたそうですがスタッフは大至急で来園者に園内の建物の中に入るように避難の措置をとりました。 警察への通報も行われたそうです。同園は麻酔銃を使用してティプスを捕獲しようという考えは持てなかったようです。何故なら麻酔銃を発射して命中してから効果が生じるまで20分間は要するそうで、すでにティプスは園内で自由に動ける状態になっていたために麻酔の効果の生じるまでの時間に暴れ出すという事態が十分に想定できたからだそうです。来園者の安全を第一に考えて、警察が到着する前にオスナブリュック動物園当局がとった措置は射殺という手段であり、それが実行されたというわけでした。警察当局は同園の採ったこの処置を賢明なものであったと称賛しているそうです。このオスナブリュック動物園で飼育されているハイブリッドであるティプスとタプスについては「ホッキョクグマの雑種(Ursid hybrid)を考える(1) ~ ドイツ・オスナブリュック動物園のティプスとタプス」、及び「ドイツ・オスナブリュック動物園のハイブリッドのティプスとタプスに司教が神の祝福を祈る」を御参照下さい。

警察が同園に到着した時にはティプスは射殺された後だったわけですが、ティプスと同居していたもう一頭のハイブリッドのホッキョクグマの雄のタプスは飼育展示場に留まっていたそうで、早速室内に収容されたとのことです。ニュース映像を二つご紹介しておきます。





オスナブリュック動物園の危機管理、つまり来園者を避難させるという点に関するならば的確なものであったと思います。次に射殺という点についてもこういう状態になればいたしかたのないことではあるものの、飼育展示場に不備があってティプスがフェンスを壊したという点は動物園の管理の問題なのですが、最終的なところ責任を取らされるのは全て動物たちなのです。「動物園」というものの本質が抽出され、そしてその醜さが可視化されるのはこうした事件のあったときです。

亡くなったティプスに哀悼の意を表します。

(*追記)オスナブリュック動物園はこのティプスの飼育展示場からの脱出がいかに行われたのかについて頭を捻っているそうです。物理的に不可能であると考えているようです。最初に電流の流れているフェンスがあり次に35cm x 40cm というティプスが通れないほどの小さな開放口を突破した後もさらに別の障害があり脱出は不可能だというのです。大きな不可解な謎が残ります。脱出後のティプスはスタッフを見てまさに攻撃を行う態勢とったため、その時点で射殺が行われたともことです。これについてのTVニュース映像をさらにご紹介しておきます。



(資料)
NDR.de (Mar.11 2017 - Zoo Osnabrück: Ausgebrochene Bärin erschossen)
Neue Osnabrücker Zeitung (Mar.11 2017 - Bär im Zoo Osnabrück ausgebrochen – Tier erschossen)
WeltN24 (Mar.11 2017 - Bär aus Gehege ausgebrochen und erschossen)
Zoo Osnabrück (Mar.12 2017 - Hybridbär bricht aus Anlage aus)
(*追記資料)
NDR.de (Mar.12 2017 - Bärin erschossen - Wie konnte "Tips" entwischen?)

(過去関連投稿)
ホッキョクグマの雑種(Ursid hybrid)を考える(1) ~ ドイツ・オスナブリュック動物園のティプスとタプス
ドイツ・オスナブリュック動物園のハイブリッドのティプスとタプスに司教が神の祝福を祈る
by polarbearmaniac | 2017-03-12 01:30 | Polarbearology

とくしま動物園のポロロへの「三次元的エンリッチメント」

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ララ、そしてポロロ(当時は仮称「ブランシュ」)
(2013年3月24日撮影 於 札幌・円山動物園)
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ポロロ(当時は仮称「ブランシュ」)
(2013年3月23日撮影 於 札幌・円山動物園)

とくしま動物園のポロロ(2012年12月8日生まれ)はなかなか快進撃を続けているようです。毎日の生活のペースを完全に確立した、その土台の上にとくしま動物園の巧みなエンリッチメントによって生活の変化と言う彩りが加えられrています。最近は来園3周年とひなまつりを兼ねたイベントも行われたそうです。そしてまた、一つ興味深い映像が公式アカウントからアップされています。飼育展示場にバスケットゴールが設置され、どこかに当たるとポリタンクの中のおやつが落ちてくる仕組みになっているそうです。ポロロは見事にシュートを決めています。



(*後記)後日になって徳島新聞社も映像を公開しましたのでご紹介しておきます。



少なくとも私の見たところ、これはホッキョクグマに対する究極のエンリッチメントだと思います。ポロロはおもちゃというものを遊戯用として与えられ、そしてさらにポロロはそれを今度は道具として使用して投げあげ、そしてうまくいけば上の方にあるおいしいおやつが落ちてくるので水に飛び込んでいくというゲーム.....いくつもの要素が多層的に組み合わされた、まさに多次元的なエンリッチメントなのです。以前から述べていますが、ホッキョクグマのエンリッチメントについてはこの動物園は極めて優れていると思います。エンリッチメントそのものの方法論は欧米でも実践が進んでいますが、欧米やロシアの消費社会には日本の消費社会にあるようなプラスチック製の gadget が非常に少ないわけで、日本の方がホッキョクグマのおもちゃを用意するには有利です(つまり日本のほうがそれだけ物が溢れていて、あとになって廃棄物となるものが多いということなのですが)。このようにしてとくしま動物園は「三次元的エンリッチメント」に成功しているのですが、それは「機能(おもちゃ+道具)」、「空間(上下空間+陸/水)」、「欲求(欲求+成果」とでもいった三つの次元なのです。

さて、以前からも追いかけています「週刊ポロロ通信」です。今年に入ってからのもののうち比較的最近ものをいくつか見てみましょう。







双子姉妹であるポロロとマルルはあまりに異なる世界を歩んでいるように思います。それが単なる質の差異というならば納得できますが、残念ながら優劣の差というものとなってしまっているわけです。それはこの二頭の待遇の差というものから生じたことであるのは非常に残念です。

(資料)
とくしま動物園 (Mar.6 2017 - 「ひなまつりと来園3周年) (Mar.9 2017 - 号外「ナイスシュート」)

(過去関連投稿)
熊本市動植物園のマルル、とくしま動物園のポロロの預託期間が1年延長へ ~ Polar Bears on call
とくしま動物園のポロロの成長を追う「週刊ポロロ通信」を称える ~ 世界で最も優れた若年個体の成長記録
とくしま動物園のポロロの成長を追う「週刊ポロロ通信」に見るポロロの質的な成長 ~ 母親ララを凌いだ技術
とくしま動物園のポロロの成長を追う「週刊ポロロ通信」の平凡な映像が伝える雄弁さ
とくしま動物園のポロロの預託期間が2018年1月まで延長となる ~ 札幌の新施設との関係で読めぬ今後の動向
by polarbearmaniac | 2017-03-12 00:30 | Polarbearology

エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんアロンとフリーダお母さんに与えらえた大量の雪

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アロン (Aron)  Photo(C)Inari Leiman/Tallinna Loomaaed

エストニアのタリン動物園で昨年2016年の11月26日にフリーダお母さんから誕生した雄(オス)の赤ちゃんはアロン(Aron)と命名されたわけですが、その後のこの親子の画像や映像がタリン動物園から公開されましたので見てみましょう。これはもちろん公式映像なのですがやはり人止め柵を超えて格子の間から撮影されているためか、映像は非常に明瞭です。



このアロンですが今までの映像を見ていても気が付いたのですが、雪の上で足を滑らすシーンがいくつか見えます。登場したばかりの時期の過去のホッキョクグマの赤ちゃん(といっても登場した場所に雪があるという環境の動物園はロシアや北欧や札幌などに限られます)ではあまり見られないシーンだと思います。
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フリーダお母さんとアロン
Photo(C)Inari Leiman/Tallinna Loomaaed

それから、雪に穴を掘ったのはフリーダお母さんだと思いますが、これはまあホッキョクグマの習性でしょう。この檻という環境で暮らすホッキョクグマにはせめてこれだけの量の雪を与えてやるのは好ましいですね。

(過去関連投稿)
バルト海沿岸・エストニアのタリン動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後10日目となる ~ ノラとノルトの誕生会が開催
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後3週間が経過 ~ 飼育マニュアルを無視した同園の謎
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後4週間が経過 ~ 映像から伝わってくる安定感
エストニア・タリン動物園の赤ちゃん、生後二ヶ月が経過 ~ 秋には新飼育展示場へ移動
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後12週間経過へ ~ 寝心地の悪そうな産室
エストニア・タリン動物園の赤ちゃんは雄(オス)と判明 ~ 一般公開は3月5日からの予定
エストニア・タリン動物園で誕生の雄(オス)の赤ちゃんがフリーダお母さんと戸外に登場 ~ 見事な映像記録
エストニア・タリン動物園のフリーダお母さんと赤ちゃんの追加映像 ~ お披露目は本日のイベントでの予定
エストニア・タリン動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ 赤ちゃんの一般へのお披露目
エストニア・タリン動物園の雄(オス)の赤ちゃんの名前が「アロン (Aron)」に決まる
by polarbearmaniac | 2017-03-12 00:30 | Polarbearology

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