街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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2017年 03月 15日 ( 3 )

フィンランド・ラヌア動物園の赤ちゃんが遂にヴィーナスお母さんと共に屋外に登場

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ヴィーナスお母さんと赤ちゃん Photo(C)Ranua Zoo

昨年2016年の11月25日にフィンランドのラヌア動物園で誕生した雄(オス)の赤ちゃんですが、遂に本日3月15日の現地時間正午過ぎにヴィーナスお母さんと一緒に初めて屋外に登場しました。その様子を下の映像でご覧下さい。



実は今日の赤ちゃん初登場は私が事前に知らなかったメディアのライブ中継があったわけで、気が付いたときは親子の登場からかなり時間の経った時だったためここでご紹介することができませんでした。しかし私は最後の方だけ少し見ていました。そのライブ映像の全て(2時間近くあります)を下でご紹介しておきます。かなり長いですので時間のある方だけお勧めします。親子の登場は映像開始18分後あたりからです。音声はonのほうが臨場感があります。



園長さんはこの赤ちゃんの性別は雄(オス)であると考えているものの正式な性別判定はまだこれから行うのだということを言っています。なんだかかなり危うい話ですね。大丈夫でしょうか。また性別取り違えということが起きかねません。
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Photo(C)Ranua Zoo

それにしてもホッキョクグマの赤ちゃん登場は雪の上というのがやはり最高です。そういったシーンを私たちは札幌で何度も体験しているわけで、欧州のファンの方々もそれには驚いているようです。何故なら札幌の緯度は欧州では南フランスのコートダジュールあたりですから、まさか雪があるとは欧州の方々は思わないわけです。それ以外の場所で雪の上のホッキョクグマの赤ちゃん登場ということならば、モスクワ、ノヴォシビルスクといったあたりでしょか。

(*追記)以下の今日の映像を見ますと、このラヌア動物園のホッキョクグマ飼育展示場は来園者が見る場所から非常に遠くにあるのには驚きます。これでは相当の望遠レンズを使用しないと無理ですね。



(資料)
YLE (Mar.15 2017 - Ranuan jääkarhunpentu kömpi ensimmäistä kertaa ulos pesästään – eläinpuisto valmistautuu kävijäryntäykseen)
Helsingin Sanomat (Mar.15 2017 - Ranuan eläinpuiston jääkarhunpentu pääsi ulkoilemaan)
KALEVA.fi (Mar.15 2017 - Ranuan jää­kar­hun­pen­tu on rohkea ja en­nak­ko­luu­lo­ton poika, katso kuvia ensimmäisestä ulkoilusta)
Kotimaa (Mar.15 2017 - Ranuan eläinpuiston jääkarhunpentu ulkoili ensi kertaa)


(過去関連投稿)
フィンランド・ラヌア動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 繁殖計画の成果を積み上げる欧州
フィンランド・ラヌア動物園での赤ちゃん誕生の瞬間の映像が公開
フィンランド・ラヌア動物園で誕生の赤ちゃん、生後7週間目に入り立ち上がって歩き始める
フィンランド・ラヌア動物園で誕生の赤ちゃん、生後50日が経過
フィンランド・ラヌア動物園の赤ちゃん、生後二ヶ月が経過
フィンランド・ラヌア動物園の赤ちゃんが外界に興味を持つ ~ 入り込んだ雪を取り除くヴィーナスお母さん
フィンランド・ラヌア動物園の赤ちゃんが生後13週間が経過 ~ 親子での屋外登場を待つばかり
フィンランド・ラヌア動物園の赤ちゃんの性別は雄(オス)と判明 ~ 水曜日3月15日に屋外登場の予定となる
by polarbearmaniac | 2017-03-15 21:30 | Polarbearology

デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園でボリス(イワン)が4歳のヌノと早々と同居が試行される

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ボリス(左)とヌノ(右) Photo(C)Skandinavisk Dyrepark

デンマークのコペンハーゲン動物園で飼育されてきた11歳の雄のホッキョクグマであるボリス(イワン)がパートナーである13歳のノエルとの相性が良くないためにペアが解消となり、ボリスは同じデンマークのスカンジナヴィア野生動物公園に移動してきたことは以前に投稿していますし、そのボリスがすでに5歳のシークーとの同居を行ったたこともご紹介しています。このボリスはこのスカンジナヴィア野生動物公園では現在は4歳である雌(メス)のヌノ (Nuno - 2012年11月21日生まれ)との間で繁殖を狙うわけですが、スカンジナヴィア野生動物公園で早々と、といいますか大胆にといいますか、思い切ってこのボリスとヌノの同居を試みてみたそうです。

結果は非常に良好でボリスとヌノは遊び始めたそうです。スカンジナヴィア野生動物公園としてはこのまま二頭が繁殖行動に至って今年の暮れにヌノが出産に至ることを期待はするものの、無理はさせるつもろはないようです。ヌノは4歳ですから雌(メス)のホッキョクグマとしての繁殖可能年齢に入ったばかりであるということだからでしょう。

横浜のズーラシアではジャンブイとツヨシが先日少しだけ同居したそうです。ジャンブイは現在、繁殖可能年齢上限が迫りつつある25歳で日本のホッキョクグマ界においては血統的孤立度の高い貴重な野生出身個体です。一方でツヨシは現在もう13歳になっています。ツヨシは昨年3月に釧路から横浜に繁殖目的で移動してきたわけですが、この二頭の同居の試みが実行されるまで約1年が費やされているわけです。スカンジナヴィア野生動物公園の11歳のボリスは今年の1月に来園し、そしてそれから約二か月ほどでまだ4歳であるヌノとの同居の試みがもう行われているわけです。環境や条件の違いというものはあるにせよ、この二つの例の間に横たわる違いの大きさを考えてみるべきでしょう。この件について私には、それぞれにそれぞれのやり方の価値を認める相対的な見方をすることは非常に困難であると考えます。


(資料)
Skandinavisk Dyrepark (Mar.10 2015 - Ivan og kærligheden)

(過去関連投稿)
デンマーク ・ コペンハーゲン動物園の新施設 “Den Arktiske Ring” の完成 ~ 期待される若年ペアの繁殖
デンマーク・コペンハーゲン動物園のボリスがスカンジナヴィア野生動物公園に期限付きで移動
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園に出張中のボリスがコペンハーゲン動物園に帰還
デンマーク・コペンハーゲン動物園のノエルが超音波検査を受ける ~ 今年の繁殖成功は困難か?
デンマーク・コペンハーゲン動物園のボリスに2.5トンの雪のプレゼント
デンマーク・コペンハーゲン動物園で男がホッキョクグマ展示場に侵入 ~ 警告発砲を受けたボリスは無事
デンマーク・コペンハーゲン動物園、ノエルとボリス(イワン)の有望なペアの繁殖への期待と挑戦
デンマーク・コペンハーゲン動物園のボリスとノエルに予期せぬ氷のプレゼント
デンマーク・コペンハーゲン動物園がボリスとノエルの相性を否定的に評価し同ペア間の繁殖を断念へ
デンマーク・コペンハーゲン動物園のボリスがスカンジナヴィア野生動物公園へ
デンマーク・コペンハーゲン動物園のボリスがスカンジナヴィア野生動物公園に到着 ~ 繁殖に必要な「非情」
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園に到着したボリス(イワン)のその後
by polarbearmaniac | 2017-03-15 21:00 | Polarbearology

ドイツ・カールスルーエ動物園でのホッキョクグマの移動訓練 ~ 繁殖技術の一部としての欧州での位置付け

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フィトゥスへの移動訓練 Photo(C)ka-news

ドイツにおいてホッキョクグマの繁殖のために個体の再配置が予定されているケースとして先日、カールスルーエ動物園とノイミュンスター動物園との間の個体交換が実現することになった件は「ドイツのカールスルーエ動物園とノイミュンスター動物園の個体再配置 ~ 繁殖できぬ個体に迫った「退出」」という投稿でやや詳しくご紹介いたしました。カールスルーエ動物園から16歳の雄(オス)のフィトゥス (Vitus)と26歳の雌(メス)のラリッサ(Larissa)がノイミュンスター動物園に移動し、ノイミュンスター動物園からは16歳の雄のカップ(Kap)がカールスルーエ動物園に移動して同園の16歳の雌(メス)のニカ(Nika)とペアを組むという個体の再配置が決定したわけです。これを日本の場合に当てはめたアナロジーでいえば、豊橋で雄のチャッピーと雌のクッキー、キャンディの三頭が飼育されていた時代にチャッピーとクッキーを一緒に他園に移動させてキャンディを残し、そしてそのキャンディに他園からの雄をパートナーとして迎え入れるといったことにあたるわけです。豊橋の場合は現実にはキャンディが札幌に移動して繁殖を狙うということになったわけで、今回のドイツの場合とは逆の話として進行したわけでした。

三頭の移動が行われる今回の二園間の個体再配置は復活祭、つまり今年は4月16日のあたりに移動日が設定されているようです。しかしカールスルーエ動物園ではすでにフィトゥスとラリッサに対して移動のための訓練(トレーニング)が行われているそうです。雄のフィトゥスはすでに自ら移動用ケージに入ることに抵抗のない状態になっているそうです。そのフィトゥスの様子を見てみましょう。



一方で雌のラリッサについてはまだうまくいっていないそうです。この移動用ケージには警戒的な態度を見せているようです。最近はホッキョクグマの移動に際しては麻酔銃を使用しないやり方が一般的になっており、訓練によってホッキョクグマが自発的に移動用ケージに入るように時間をかけて訓練を行うというのが欧州では一般的な方針となっています。日本では多くの場合にホッキョクグマの移動作業のどこかの過程で麻酔が用いられる例が圧倒的に多いわけです。しかし以前にピリカが札幌から旭川に移動した際にはピリカには麻酔銃を使用する必要がなかったほど彼女は「協力的」なホッキョクグマだったというわけです。それから、以前の「ロシア・クラスノヤルスク動物園がフェリックスの園内移動に3週間も費やす ~ ロシア人の大陸的な悠長さ」という投稿でご紹介したことがあるのですが、ホッキョクグマを園内移動させるために三週間も費やしたロシア人の悠長さというのも印象に残る話です。

ともかく、ホッキョクグマの繁殖成功のためには個体の移動が非常に大きな要素であり、それを安全に行うためにも移動訓練(トレーニング)というものの必要性は非常に大きくなっており、そういったことのトータルが欧州では「繁殖技術」といったカテゴリーを形成しているということを我々は知っておくべきでしょう。

(資料)
ka-news.de (Mar.14 2017 - Eisbären-Tausch: So bereitet sich der Karlsruher Zoo auf den Umzug vor)

(過去関連投稿)
ドイツ・ノイミュンスター動物園のマイカ逝く ~ その数奇なる生涯の終焉
ドイツ・ノイミュンスター動物園、悲願へのハードルの高さ ~ カップのパートナー探し難航
モスクワ動物園のムルマ(3) ~ 初産、そして訪れた危機
ドイツ・ノイミュンスター動物園のカップが同園展示場の地表改良工事のため一時的にハノーファー動物園へ
ドイツ・ハノーファー動物園のカップ (豪太の兄)が施設改修工事の終了したノイミュンスター動物園に帰還
ドイツ・ノイミュンスター動物園のカップ、パートナー獲得の見込みはあるか? ~ 苦戦するムルマの子供たち
ドイツのカールスルーエ動物園とノイミュンスター動物園の個体再配置 ~ 繁殖できぬ個体に迫った「退出」
ホッキョクグマの移動準備訓練の意義 ~ 麻酔使用の危険性の回避と移動時のストレス軽減の効用
by polarbearmaniac | 2017-03-15 00:30 | Polarbearology

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