街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

2017年 03月 16日 ( 1 )

南フランス・アンティーブ、マリンランドの「国際ホッキョクグマの日」~ "Savoir-vivre au Marineland"

a0151913_2248815.jpg
Photo(C)Marineland

南フランス・コートダジュールのアンティーブにあるマリンランドで2014年11月26日にフロッケお母さんから誕生した雌(メス)のホープはもう二歳になっているわけですが他園に移動するといった話は出てきていないようです。移動するとなれば欧州の雌の幼年・若年個体の集中プール基地であるオランダのエメン動物園へということになるはずですが、欧州域内の他のこの年齢の個体も含めて最近は動きが鈍いようです。昨年暮れから今年にかけてモスクワ動物園(経由)で複数のロシアのホッキョクグマたちが欧州に移動してきていることが何らかの関係があるようにも思います。そういったなかでマリンランドでは今年の繁殖シーズンにフロッケとラスプーチンとの間での繁殖を狙うという話も出てきていないようです。ですからフロッケと娘のホープは依然として同居していると考えてもよいようです。

さて、先月の「国際ホッキョクグマの日」ですが、このマリンランドでも啓蒙的な展示などが行われたようで、そういった時期のマリンランドのホッキョクグマたち、特に雄のラスプーチンの姿を中心に作成された映像がありますので見てみましょう。彼は相変わらず回泳を楽しんでいるようです。



上の映像ではラスプーチンは一頭で映っていますので今年のシーズンの繁殖への試みはないと考えてよいのではないでしょうか。

(*追記) 以前にもご紹介したことがあったはずですが、以下の映像に御注目下さい。これは2008年2月28日のモスクワのTVニュース映像で、モスクワ動物園でこの日に屋外に出たムルマと双子の赤ちゃんの映像です。このうちの一頭がこのマリンランドのラスプーチンです。そしてもう一頭はノヴォシビルスク動物園のゲルダなのです。ところが欧州のファンの方々の考え方(そして血統情報上は)、これはラスプーチンとその双子の弟の姿であるということになります。しかしアナウンサーはこの時点で(つまりモスクワ動物園に取材した内容をもとに放送した時点で)双子は「男の子と女の子("Мальчик и девочка")」であると、ちゃんと述べているのです。よってこの双子はラスプーチンとゲルダという双子の姿であることは疑いようがないと私は考えます。「ラスプーチンには弟がいる」という考え方は成り立たないのです。ラスプーチンにいたのは双子の妹、つまりそれがゲルダなのです。これについて詳しくは「「ロシア血統の謎」に迫る(1) ~ ラスプーチン、ゲルダ、血統番号2893個体の三頭の謎を追う」に述べています。

2008年2月28日のモスクワ動物園でのムルマお母さんとラスプーチン(現 マリンランド)とゲルダ(現 ノヴォシビルスク動物園)の双子の屋外初登場
(Белая медведица Мурма, медвежата Распутин и Герда)



さて、ここで2015年3月9日のフロッケと彼女の赤ちゃんであるホープの屋外初登場の様子を映像で振り返ってみましょう。







このアンティーブのマリンランドに行ってみたいという方がいらっしゃいましたら、ちょっとアドバイスしておきましょう。多分ニースに宿泊されることになるかと思いますがマリンランドまでは何といってもレンタカーの利用が非常に便利なのですが仮に鉄道(SNCF)で行かれるのでしたらニースからはアンティーブの手前の駅である Biot で必ず下車して下さい。この駅からマリンランドは目と鼻の先ですし地図も不要です(アンティーブで下車するとマリンランドへはタクシーでないと行けません)。さて、鉄道を利用される際はこの Biot という駅は土曜日、日曜日は無人駅になりニースへの帰りの切符を購入しようとするとクレジットカードしか使えない自動販売機だけになります。こういった場合は注意が必要です。フランスではこういった自動販売機はよく壊れていることがあり、クレジットカードを挿入しますと購入後も吸い込まれたままカードが返却されないケースもありえますので注意が必要です。平日ですと窓口で現金で切符が買えますが、やはり平日であってもあらかじめニースで往復 ("aller et retour") の切符を買っておくことをお勧めしたいと思います。さて、マリンランドから直接ニースに戻らずアンティーブにある有名なピカソ美術館の訪問や街の散策などに行こうとしますと、やはりタクシーを呼ぶことになりますが、そういった場合はマリンランドの出口のスタッフに依頼して下さい。このマリンランドに夏に行くことはあまりお奨めできません。観光客が多すぎてホッキョクグマたちをゆっくり観察することが難しくなるからです。

(過去関連投稿)
南フランス・アンティーブのマリンランドでのフロッケとラスプーチン ~ マリンランドTVの映像より
南フランス・アンティーブのフロッケの誕生日 ~ 書かれうるか、人工哺育論の最終章のページ
南フランス・コートダジュール、アンティーブのマリンランドのフロッケに立ちはだかる「繁殖」 という壁
南フランス・アンティーブ、マリンランドでフロッケが出産に成功! ~ 雌の人工哺育個体繁殖不能論の崩壊
南フランス・アンティーブ、マリンランドで昨年11月下旬に誕生した赤ちゃんの産室内映像が公開
南フランス・アンティーブ、マリンランドでの 「ホッキョクグマ誕生の舞台裏」 を描いたTVドキュメンタリー
南フランス・アンティーブ、マリンランドで誕生のフロッケの赤ちゃん戸外に登場 ~ 性別は雌(メス)と判明
南フランス・アンティーブ、マリンランドで誕生の雌の赤ちゃんの戸外での様子を報じる映像公開
南フランス・アンティーブ、マリンランドのフロッケ親子の近況 ~ “Découvrez l'histoire de Flocke”
南フランス・アンティーブ、マリンランドのフロッケの雌の赤ちゃんの名前が "ホープ (Hope)" に決まる
南フランス・アンティーブ、マリンランドのフロッケお母さんと雌の赤ちゃんのホープの近況
「ロシア血統の謎」に迫る(1) ~ ラスプーチン、ゲルダ、血統番号2893個体の三頭の謎を追う
南フランス・アンティーブ、マリンランドのフロッケ親子を訪問したニュルンベルク動物園のスタッフ
南フランス・アンティーブ、マリンランドのフロッケ親子の近況 ~ 母親からの刺激の少ない親子か?
南フランス・アンティーブ、マリンランドのフロッケ親子の最近の映像 ~ 映像量と国際的認知度の不一致例
南フランス・アンティーブ、マリンランドのフロッケ親子の調和のとれた親子関係
南フランス・コートダジュールを襲った洪水 ~ マリンランドのフロッケ親子とラスプーチンは無事
南フランス・コートダジュールの洪水被害後二週間、マリンランドのホッキョクグマたちの近況
南フランス・アンティーブ、マリンランドのホープの一歳の誕生祝いがスタッフだけで行われる
南フランス・アンティーブ、マリンランドのフロッケ親子に遅れてやってきたクリスマス
南フランス・アンティーブ、マリンランドが洪水被害から営業再開 ~ フロッケ親子の近況南フランス・アンティーブ、マリンランドのフロッケとホープの母娘の際立った特徴を探る
南フランス・アンティーブ、マリンランドでホープの満二歳の誕生会が開催される ~ 美しき母娘
(2011年7月アンティーブのマリンランド訪問記)  
アンティーブのマリンランドへ! ~ フロッケとラスプーチンとの初対面
理念無き商業娯楽施設でのフロッケとラスプーチンの存在
ピカソ美術館からアンティーブの旧市街を歩く
(2015年1月アンティーブのマリンランド訪問記)
元旦事始めはアンティーブのマリンランドへ ~ 回遊のラスプーチンとの再会
by polarbearmaniac | 2017-03-16 23:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

ロシア・ペンザ動物園のベルィ..
at 2017-06-23 23:00
ロシア・西シベリア、セヴェル..
at 2017-06-22 23:00
ロシア・中部シベリアに記録的..
at 2017-06-21 18:30
アメリカ・フィラデルフィア動..
at 2017-06-20 23:50
デンマーク・オールボー動物園..
at 2017-06-19 22:00
オーストラリア・ゴールドコー..
at 2017-06-19 20:30
モスクワ動物園・ヴォロコラム..
at 2017-06-18 21:00
フランス・ミュルーズ動物園の..
at 2017-06-17 23:00
エストニア・タリン動物園の雄..
at 2017-06-16 23:55
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2017-06-15 23:55

以前の記事

2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag


The Guest from the Future: Anna Akhmatova and Isaiah Berlin