街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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2017年 04月 02日 ( 2 )

大阪・天王寺動物園で次に期待されるドラマ ~ 引き継がれる「演出者」のバトン

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シルカ (Белая медведица Шилка)
(2015年8月28日撮影 於 天王寺動物園)
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バフィンとモモ (Белая медведица Баффин и медвежонок Момо)  (2015年8月27日撮影 於 天王寺動物園)

大阪の天王寺動物園でホッキョクグマを7年間担当してきた飼育員さんが別の担当者の方に交代するそうです。本当に長い間どうもご苦労様でした。バフィンの大阪出張からモモの誕生と親子の浜松への帰還、それに加えてロシアのノヴォシビルスク動物園からシルカの来園、そして単独の飼育へと、まさに「激動の時代」を担当してこられたということで実に意義深いことでした。そしてとりわけ、「大阪での最後のシーズン」であるとみられていたバフィンの見事な出産成功という幸運を引き寄せたのは獣医さんをはじめ多くのスタッフの方々の努力があり、そしてこの親子の屋外登場からモモの順調な成育についてはとりわけこの飼育員さんの果たした「陰の演出者」としての功績は大きいと思います。



私はこの飼育員さんとは一回しかお話ししたことがありません。それは、「公開された産室内の映像を見ると赤ちゃんは二頭いるように見えましたが、あれはやはり二頭でしたか?」という質問をしましたところ、「当初から一頭でした。」というお返事でした。それ以外の会話をしたことはありません。私はもともと担当飼育員さんとは話をしないという方針なのですが、この件だけは確認しておきたかったということでした。


天王寺動物園ホッキョクグマ親子旅立ちへ 飼育員の熱き思い
(Mr.Shimomura of Tennoji Zoo talks about his days with Baffin and Momo, on their leaving Osaka for Hamamatsu)

これは関西のファンの方々とは意見が違うと思いますが、私はこの方は実は非常に危ない橋を渡りながらシルカへのエンリッチメントを見事に成功させてきた方であると思っています。そこには何か「紙一重」の危うさが常に存在していたように私は思っています。つまり、ホッキョクグマの個体(この場合はシルカ)に刺激を与えて反応を引き出す際に、ホッキョクグマが特定の対象(つまり飼育員さん)に対する依存心といいますが、そういったものが必然的に発生してしまい、ホッキョクグマの個体と担当飼育員さんの間に特別な関係が生じてしまうという危険性を常に併せ持ちながら、微妙にバランスを維持してシルカの単独飼育のあり方を切り開いていかれた方であると私は思っています。そしてひょっとして評価の多義性が生じてしまう領域にまで踏み込みつつ、それに見事に成功したと私は思っています。私はこの飼育員さんの考え方ややり方を100%支持しますが、批判する考え方が存在する余地を完全に否定はできないとも思っています。
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(2015年8月28日撮影 於 天王寺動物園)

担当者が交代しますと後任者の方がそれまでの路線を踏襲しても、幾分違った要素が出てくることは間違いありません。シルカにとってはまた新しい世界が見えてくることがあるでしょう。そうやってまた彼女は成長していくということだと思います。
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バフィンとモモ  (2015年8月27日撮影 於 天王寺動物園)

天王寺動物園のホッキョクグマ飼育も次のフェーズに入っていくことになるでしょう。何故ならシルカも成長を重ねているからです。これからどんなドラマが待っているでしょうか。バトンを引き継いだ次の「陰の演出者」の方に期待します。
by polarbearmaniac | 2017-04-02 21:30 | Polarbearology

ロシア北東部・サハ共和国、ヤクーツク動物園のコルィマーナ親子の追加報道映像 ~ 性別への憶測

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コルィマーナお母さんと赤ちゃん Photo(C)ГТРК Ямал

昨年2016年の11月30日にロシア北東部・サハ共和国のヤクーツク動物園でコルィマーナから誕生した一頭の赤ちゃんは3月24日に母親と共に初めて屋外に登場して一般公開になり、そして地元で大人気となっていることはご紹介しています。さらにもう一つのTVニュース映像が放送されていますのでご紹介しておきます。内容的には以前の映像と似たものですが一つ興味深いのは飼育部長さんの発言で、この赤ちゃんは性格的に非常に「攻撃的(наблюдается агрессия)」であると述べています。つまり「気が強い」ということを言いたいのでしょう。この赤ちゃんの性別判定はまだ行われていませんが飼育部長さんの発言の内容のニュアンスからは雄(オス)であると予想しているような印象を受けます。それから母親であるコルィマーナが野生孤児として保護されヤクーツク動物園に入園したときの映像も挿入されています。



さて、この赤ちゃんの性別は果たして飼育部長さんが予想しているように雄(オス)でしょうか? 私には飼育部長さんの言うようにこの赤ちゃんが雄(オス)らしいという予想は今までの映像では明確には掴みきれないのですが....。こういったことはあまり真剣に考えてもしょうがない話です。
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Photo(C)ГТРК Ямал

(資料)
ГТРК Ямал (Apr.1 2017 - Маленькому медвежонку из Якутии имя выбирает вся Россия)

(過去関連投稿)
ロシア北東部・ヤクーツク動物園のコルィマーナ、出産成功が濃厚の模様 ~ 2月21日に正式発表となる予定
ロシア北東部・ヤクーツク動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 5歳のコルィマーナが見事に出産
ロシア北東部・サハ共和国、ヤクーツク動物園で誕生の赤ちゃんの産室内映像が遂に公開
ロシア北東部・サハ共和国、ヤクーツク動物園で誕生の赤ちゃんの近況 ~ 生後4ヶ月程でもう他園に移動か?
ロシア北東部・サハ共和国、ヤクーツク動物園で誕生の赤ちゃんが屋外に登場 ~ 早々と6~7月に移動の予定
ロシア北東部・サハ共和国、ヤクーツク動物園で誕生の赤ちゃんが地元で大人気 ~ 来園者が大幅に増加
by polarbearmaniac | 2017-04-02 17:03

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