街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 04月 04日 ( 1 )

ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの欧州への移動は2018年以降の可能性が高い?

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ロスチク Photo(C)Анна Новикова

ロシアのノヴォシビルスク動物園で一昨年2015年の12月7日に当時8歳のゲルダお母さんから誕生した雄のロスチク (Ростик) は今年2017年の3月9日にゲルダお母さんと引き離されて同園内の別の場所で暮らしていることはすでに投稿しています。そのロスチクの最近の様子を確認すると同時に彼の他園への移動の予定についていったいどうなっているのかを考えてみたいと思います。まず前回の3月21日の投稿以降の映像をいくつか見てみましょう。









こういった映像を見ますと何か落ち着かない印象を受けるわけですが、それは何人かの来園者が親しげに彼に話しかけたりしているためにロスチクとしては普段以上にこういった行動をとっているという解釈でよいように思います。しかしやはり彼はこの場所に親しんで自分の空間として自らに取り込んでいるというようにはやはり見えません。前回のシルカがノヴォシビルスクを旅立ったのは2015年3月25日でしたからロスチクはすでにその"3月25日" という日を越しても依然としてノヴォシビルスクに留まっているわけですが、彼の移動先が決定しているのかどうかについても全く情報が聞こえてきません。仮に彼が欧州に移動するなら欧州側に何らかの動きのようなものがあってもおかしくはないのですが、少なくとも私がいろいろと探りを入れている範囲内ではそういった動きを感じ取ることができません。
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ロスチク Photo(C)Анна Новикова

しかしそういったことを探っていく上で一つ興味深い欧州における状況をご紹介しておきます。それは欧州屈指のホッキョクグマの繁殖基地であるオランダ・レネンのアウヴェハンス動物園のホッキョクグマの担当の専門員のヨゼ・コック(José Kok)さんが話している内容なのですが、同園で2014年11月にフリーダムから誕生した雄のアキアク(Akiak)と雌のスラ(Sura)の双子について、その移動先や移動時期は欧州内の複数の動物園が建設を予定していたり建設中であり2018年に完成するはずの新施設の完成によって決まってくるとネット上の Live Chat で発言している点です。以下の映像の開始後46分以降の発言に御注目下さい。それからこのアウヴェハンス動物園の専門員のヨゼ・コック(José Kok)さんは非常に多くの興味深いことを話しています。飼育下のホッキョクグマに関する過去からの調査によって、血統的に繋がりのある雌(メス)の二頭を同居させることは非常にうまくいくと発言しており、そして雌(メス)のスラを同園に留め置きたい意向であることも滲ませています。それからこの方はオランダ語ではなく英語で話していますので同園のホッキョクグマに対しては全てオランダ語読みではなく英語読みにして発音していますのでご注意下さい。ですからフギースは"ハギース"と発音されています。この方の発言内容については後日あらためて投稿したいと考えています。



さて、こうしたことからつまりロスチクより一歳年上のアキアクやスラの移動先や移動時期についてさえ2018年初頭にならないとわからないということから、仮にロスチクが欧州に移動するとしてもその移動先と移動時期が判明するのは、やはり2018年以降であると考えざるを得ないという根拠になるわけです。仮に上のアウヴェハンス動物園のヨゼ・コックさんが現在まだフリーダムと同居している彼女の娘であるスラを同園に留め置きたいと希望していれば、このスラのパートナーとしては一歳年下のロスチクがピッタリとはまってくるということになります。ただし欧州は血統登録情報を重視しますので、ロスチクの「血統問題」、それはすなわちゲルダの本当の母親は血統登録情報上のシモーナなのか、それとも実はムルマなのかについての決定的な結論が必要になるでしょう。それが解決可能ならばロスチクのオランダ・レネンのアウヴェハンス動物園への2018年春頃の移動は可能性はあるかもしれません。「神のみぞ知る」でしょう。尚、このアキアクとスラについては「オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園のアキアクとスラの成長 ~ 同年齢のモモやリラと比較する」という投稿を御参照下さい。また私はこの二頭に現地で会っていますので、過去関連投稿も御参照下さい。

さて、ロスチクのパートナーは果たしてスラ(Sura)になるのでしょうか......? ちょっと難しいかもしれませんが、何とも言えません。ロスチクの移動先が欧州でないのならば、意外に早く彼はノヴォシビルスクを離れるかもしれません。

(追記)以前に「日本のシルカに新年の挨拶を!」というキャンペーンがノヴォシビルスクで行われ、そこで日本語でシルカに挨拶をした女性がいたのを覚えていらっしゃるでしょうか? あの女性の方が以下の映像で登場しています。ノヴォシビルスク国立大学・日本語学科の学生さんのようです。開始後1分43秒あたりからです。


私たちの街 ノヴォシビルスク 3

(過去関連投稿)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとシルカの母娘が本日突然永遠の別れ ~ ゲルダお母さんの動揺
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクが母親ゲルダと別居となる ~ シルカもいた同園内の別の場所へ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「二つの愛の心」 ~ "Два любящих сердца"
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの別居は安全上の理由と同園は説明 ~ 移動先決定は難航か?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園でゲルダとクラーシン(カイ)の同居が始まる ~ 従来の繫殖方針維持
(*2015年5月 オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園訪問記)
・フリーダムお母さんお久しぶりです、二頭の赤ちゃん、初めまして! ~ レネン、アウヴェハンス動物園へ
・欧州屈指の偉大なる母フギースは今何を考える?
・アウヴェハンス動物園二日目 ~ 三世代同居の問題点
・アウヴェハンス動物園の双子の赤ちゃんの性格と素顔 ~ 「冒険家ちゃん」 と 「甘えっ子ちゃん」
・フリーダム、偉大なる母のその素顔 ~ 「細心さ」から「鷹揚さ」を取り込み、咲かせた大輪の花
by polarbearmaniac | 2017-04-04 22:00 | Polarbearology

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