街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 04月 17日 ( 2 )

ロシア・カザン市動物園のマレイシュカの近況 ~ 「甘いおやつの日」のイベント

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マレイシュカ (Белая медведица Малышка) 
Photo(C)Про Город Казань

ロシア・タタールスタン共和国のカザン市動物園では現在21歳の雌(メス)のホッキョクグマであるマレイシュカが一頭で飼育されています。彼女も彼女の姉であるウスラーダと同様に「偉大なるロシアの母」の一頭であり、すでに4頭の子供たちを立派に育て上げているものの現在はパートナー無しで暮らしています。このマレイシュカも非常に情報が少ないホッキョクグマなのですが私は三回このカザン市動物園を訪問して彼女に会っており、実は非常に応援しているホッキョクグマなのです。

さて、そうした情報の少なさではあるものの、昨日4月16日に "День медведя - сладкоежкин день" (「熊のための甘いものの日」とでも訳せましょうか)というイベントが開催され、カザン市動物園に飼育されている熊たちに甘いアイス菓子のプレゼントが行われました。そこで彼女にもアイスクリームのプレゼントがあったそうです。
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マレイシュカ (Белая медведица Малышка) 
Photo(C)Про Город Казань

いつもながらですが厳しい飼育環境の中で逞しく暮らしているのがこのマレイシュカなのです。さて、昨日のイベントの後でのマレイシュカの姿が映像になっていますのでご紹介しておきます。このように小さなプールしかないというのですから悲惨な話です。しかしこのようなプールでのマレイシュカの激しい動きを見て子供たちは大喜びであったと記者は伝えています。



このカザン市動物園も現在は新動物園が建設中です。この映像は昨年10月のものですがドローンを用いて上空から撮影された新動物園の建設サイトです。



マレイシュカ、及び現在ブラジルのサンパウロ動物園に預けられているピリグリムとオーロラの年少ペアが新しいホッキョクグマ飼育展示場に入る予定です。ホッキョクグマの飼育展示場に関してはロシアの石油会社であるロスネフチ社が多大な資金援助を行っていますので、歩いて程度きちんんとしたものが出来上がるだろうと思います。

(資料)
Про Город Казань (Apr.17 2017 - Пломбир в стаканчиках и ныряние в «бассейне»: в казанском зооботсаду прошел день медведя)
Комсомольская правда в Казани (Apr.17 2017 - В Казанском зооботсаду прошел «День сладкоежек»)
Казанский зооботсад (Jan.23 2017 - Компания ПАО "НК "Роснефть")
ProKazan.ru (Feb.2 2017 - Богатейшая компания России начнет содержать 21-летнюю Малышку в Казани)
БИЗНЕС Online (Feb.2 2017 - Сечин нашел в Казани Малышку: «Роснефть» взяла под опеку медведицу из казанского зоопарка)
Вечерняя Казань (Feb.2 2017 - Роснефть взяла под опеку белую медведицу Казанского зоопарка)
Inkazan (Feb.2 2017 - В Казани «Роснефть» оплатит содержание белой медведицы в зоопарке)
(追加資料)
Казань Информ (Apr.18 2017 - День сладкоежек прошел в казанском зооботсаде)

(過去関連投稿)
ロシア・カザン市動物園の「国際ホッキョクグマの日」のマレイシュカの姿 ~ 昨年末には出産に成功せず
ロシア・カザン市動物園に短期出張したアルツィンがチェリャビンスク動物園に帰還 ~ 行方不詳のユーコン
ロシア連邦・タタールスタン共和国 カザン市動物園の20歳のマレイシュカ、昨シーズンは出産ならず
ロシア・タタールスタン共和国 カザン市動物園のマレイシュカの夏の日 ~ 知られざる偉大な母
ロシア・カザン市動物園のマレイシュカの近況 ~ 再び母としての姿を見せるチャンスはあるか?

(*2011年9月 カザン市動物園訪問記)
カザン市動物園へ ~ 貧弱な飼育環境と大きな繁殖実績との間の巨大なパラドックス
カザンの星、マレイシュカお母さんの素顔
カザンで見たユーコン (天王寺動物園、ゴーゴの父) の素顔
カザン市動物園訪問2日目 ~ 疑惑から事実の確定へ
(*2013年9月 カザン市動物園訪問記)
成田からモスクワ、そしてカザンへ ~ 別れが目前に迫った母娘への想い
シャリアピンパレスからカザン市動物園へ ~ 別れの時が迫ったマレイシュカとユムカの母娘の姿
マレイシュカお母さんの性格と母性
ユムカの性格と素顔 ~ カザンに初雪の降った日...そして別れ
(*2015年8月 カザン市動物園訪問記)
カザン市動物園、その疑惑と謎に満ちた不可解な状況 ~ マレイシュカとの再会
マレイシュカは年末に出産するか? ~ 劣悪な飼育環境にも逞しく生きるホッキョクグマのロシア魂
ユーコン (Белый медведь Юкон - 姫路ホクト、白浜ゴーゴの父)   (1988 ~ 2014)
by polarbearmaniac | 2017-04-17 18:00 | Polarbearology

札幌・円山動物園の新ホッキョクグマ飼育展示場が2018年2月のオープンとなる


札幌・円山動物園の新ホッキョクグマ飼育展示場が2018年2月のオープンとなると報じられています。これが完成するまで随分と長い時間を要したという感じが率直なところです。同園内の施設の整備が行われる基本計画の中でスケジュール的には順番が最後の方になってしまったということは残念ではあります。そもそもホッキョクグマの飼育展示場については欧州との個体交換を実現するために課されている基準をクリアするために新しい施設が必要であるというのが発想の順番であるべきでしたが、それが同園の基本計画の中に組み入れられ進行する過程の中で、この「基準」という要素が埋没してしまったという点でも残念であったと思います。熊本のマルルや徳島のポロロの預託契約期間の終了時期と重なってくるこの新ホッキョクグマ飼育展示場のオープン時期ということになりますが、これはなかなか意味深長な点ではあります。

「自分の頭で考える」というのは非常に重要なことです。そしてそうやって自分の頭で考えることによって抽出されたアイディアを具現化させて実行に移し、そしてそれによって物事が成し遂げられたという成功体験は素晴らしいものです。ただし、ことホッキョクグマの飼育についてだけはこれは当てはまらないように思います。つまりホッキョクグマに関しては「己で思考すること」よりも「他からの情報を得ること」のほうが重要なのです。それも海外の情報です。ホッキョクグマの飼育(& 繁殖)に関しては「自分の頭で考える」といった「超ドメ」的な発想では、もはや立ち行かないわけです。ましてや「自分の頭で考える」ことによってなされた過去の成功体験がそうした「超ドメ」的発想の範囲内でのことであるにすぎないとすれば、もっと問題でしょう。そのような成功体験を持つ動物園界のカリスマ的人物が仮に存在し、そしてその人物が自分の夢としての北海道におけるゾウの飼育を推進する立場にいるとすればもっと大きな問題でしょう。そして仮にそういった人物がホッキョクグマの飼育について同園において何らかの発言を行うとすればさらに問題でしょう。

円山動物園はホッキョクグマ飼育に関して情報や協力関係を海外に求めるべきであり、仮に身近なところから「尊大なる雑音」が聞こえてくるようなことが万が一あったとしても、そういったものは無視すべきでしょう。
by polarbearmaniac | 2017-04-17 14:30 | 動物園一般

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