街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

2017年 04月 18日 ( 2 )

ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園がヤクーツク動物園の赤ちゃんの来園予定を告知

a0151913_14324623.jpg
ウスラーダ (Белая медведица Услада/Eisbärin Uslada)
(2014年9月14日撮影 於 サンクトぺテルブルク、レニングラード動物園)

ロシア北東部・サハ共和国のヤクーツク動物園で昨年2016年の11月30日にコルィマーナから誕生した雌(メス)の赤ちゃんの動向については極めて注目して見ていかねばならないことは今までも投稿してきた通りです。この赤ちゃんの権利を持つのがサンクトペテルブルクのレニングラード動物園であり、そして今年の6~7月にも早々と母親から引き離されてしまうという見通しがヤクーツクの地元の報道で流れているわけです。この赤ちゃんが本当にそんな早い時期に移動を強いられるのか、そして移動先はどこになるのかについて注目して見ていかねばならないわけです。

さて、そういった状況の中で本日レニングラード動物園はSNSなどを通じて告知を行い、このヤクーツク動物園で誕生した赤ちゃんについてはレニングラード動物園が自ら飼育することを明らかにしました。この件についてレニングラード動物園は、この赤ちゃんはウスラーダの孫にあたり「サンクトペテルブルクの傑出したホッキョクグマの王朝の継承 ("продолжается выдающаяся династия петербуржских медведей")」であると、この赤ちゃんの受け入れの意味を位置付け、非常な喜びを持っていることも述べています。同園としてはやはりまずウスラーダの後継者が必要であったということになるわけです。そして次に問題となるのは来園の時期なのですが、レニングラード動物園は「赤ちゃんが成長して単独生活の準備ができたとき ("Когда новорожденная малышка вырастет и будет готова начать самостоятельную жизнь")」 という非常に曖昧な言い方を行っています。また、ウスラーダとこの赤ちゃんとの同居の実現については特に触れてはいません。

欧米的な感覚では "самостоятельную жизнь" は離乳期後(つまり生後二年以降)を指す意味になるのが一般的と考えられますが、ロシアにおいては従来から異なる見解が存在し、それはまさに前回もご紹介したノヴォシビルスク動物園の故シロ園長の見解などがそれにあたるわけです。しかしレニングラード動物園もその故シロ園長のような見解を持っているのかについては明らかではありません。しかしあえてこの赤ちゃんの来園時期を明らかにしていないことを考えれば、レニングラード動物園は赤ちゃんは秋の来園でも差し支えないと考えていることも十分予想できます。となれば、前回ご紹介したようにヤクーツク動物園が赤ちゃんの移動を急ぐのは「一年サイクル」の繁殖を実現させたいという極めて不可思議な欲求以外の何物でもないということを意味するわけです。

ロシアのホッキョクグマ界は今までよくわからないことが多かったわけですが、細かい情報を積み上げることによって、かなりいろいろなものが見えてくるようになっています。

(資料)
Росбалт.RU (Apr.17 2017 - Внучка белой медведицы Услады переедет в Ленинградский зоопарк)



(過去関連投稿)
ロシア北東部・ヤクーツク動物園のコルィマーナ、出産成功が濃厚の模様 ~ 2月21日に正式発表となる予定
ロシア北東部・ヤクーツク動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 5歳のコルィマーナが見事に出産
ロシア北東部・サハ共和国、ヤクーツク動物園で誕生の赤ちゃんの産室内映像が遂に公開
ロシア北東部・サハ共和国、ヤクーツク動物園で誕生の赤ちゃんの近況 ~ 生後4ヶ月程でもう他園に移動か?
ロシア北東部・サハ共和国、ヤクーツク動物園で誕生の赤ちゃんが屋外に登場 ~ 早々と6~7月に移動の予定
ロシア北東部・サハ共和国、ヤクーツク動物園で誕生の赤ちゃんが地元で大人気 ~ 来園者が大幅に増加
ロシア北東部・サハ共和国、ヤクーツク動物園のコルィマーナ親子の追加報道映像 ~ 性別への憶測
ロシア・サハ共和国、ヤクーツク動物園の赤ちゃんは雌(メス)と判明 ~ サンクトペテルブルクへの移動時期
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(11) ~ 母子をいつ引き離すか
ロシア・サハ共和国、ヤクーツク動物園の赤ちゃんの早期移動に反対するヤクーツクの地元の人々
ロシア・サハ共和国、ヤクーツク動物園がホッキョクグマ繫殖に一年サイクルを採用 ~ 理解不能な方針の背景
by polarbearmaniac | 2017-04-18 16:00 | Polarbearology

デンマーク・オールボー動物園の二頭の雌(メス)の赤ちゃんたちが遂に泳ぎ始める

a0151913_19461530.jpg
メーリクお母さんと二頭の赤ちゃん
Photo(C)Ole Knudsen/TV2 

昨年2016年の11月26日にデンマークのオールボー動物園でメーリクお母さんから誕生した二頭の雌(メス)の赤ちゃんですが、とうとう15日からメーリクお母さんの厳しい監視の下でプールに入って泳ぎ始めたそうです。その様子を下の映像で追ってみましょう。



同園は赤ちゃんの成長過程のなかで、これを非常に大きな出来事だととらえているようです。これでこの二頭の赤ちゃんの遊びにもかなり幅が出てくるでしょう。
a0151913_19374811.jpg
a0151913_19425425.jpg
Photo(C)Ole Knudsen/TV2

(資料)
TV2 Nord (Apr.16 2017 - Isbjørneungerne er hoppet i vandet) (Apr.16 2017 - Så kom isbjørneungerne med bjørnemor i vandet)

(過去関連投稿)
デンマーク・オールボー動物園でホッキョクグマの赤ちゃん(複数)誕生! ~ メーリクが出産
デンマーク・オールボー動物園で誕生の赤ちゃんは三つ子であることが判明!
デンマーク・オールボー動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、最初にして最大の関門を全頭で通過するか
デンマーク・オールボー動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、一頭が最初の関門を突破できず死亡
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、元気に生後三週間が経過
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後40日目へ ~ ライブ映像配信と短時間映像の関係
デンマーク・オールボー動物園で誕生の二頭の赤ちゃんは生後六週間目に入り、取っ組み合いも始める
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後7週間が経過
デンマーク・オールボー動物園で産室内で育児中のメーリクに特別給餌が行われる
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後70日目となる
デンマーク・オールボー動物園の赤ちゃんが遂に姿を見せる ~ 屋外登場を母親の意思に任せた同園
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんがメーリクお母さんと一緒に遂に屋外に登場!
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんへの母親メーリクの厳しい監視の集中力
デンマーク・オールボー動物園のメーリクお母さんと二頭の赤ちゃんの姿 ~ 注目すべき同園での性別判定
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんの性別はいずれも雌(メス)と発表
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんが大きなプールのある飼育展示場に登場
by polarbearmaniac | 2017-04-18 00:30 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

モスクワ動物園の二歳半の雄(..
at 2017-04-24 01:30
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2017-04-24 00:30
オランダ・ヌエネン、「動物帝..
at 2017-04-23 00:30
ベルリン動物公園で死亡した赤..
at 2017-04-22 01:00
ロシア・シベリア中部、クラス..
at 2017-04-22 00:30
アメリカ・コロンバス動物園の..
at 2017-04-21 12:00
アメリカ・コロンバス動物園の..
at 2017-04-20 15:00
ロシア・サハ共和国、ヤクーツ..
at 2017-04-20 14:30
アメリカ・コロンバス動物園の..
at 2017-04-20 01:00
アメリカ・コロンバス動物園の..
at 2017-04-19 15:00

以前の記事

2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag


The Guest from the Future: Anna Akhmatova and Isaiah Berlin