街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 04月 22日 ( 2 )

ベルリン動物公園で死亡した赤ちゃん、フリッツの死因が依然として不明 ~ ヴァロージャが同園に帰還へ

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故フリッツとトーニャお母さん Photo(C)Tierpark Berlin

ベルリン動物公園で昨年2016年の11月3日にトーニャお母さんから誕生した雄(オス)の赤ちゃんであるフリッツは今年の3月6日に亡くなってしまったわけで、世界中から多くの弔意が示されたことはまだ記憶に新しいところです。それから一月半が経過しました。ベルリン動物公園はこのフリッツの死因の解明をライプニッツ(野生動物)研究所に依頼し、同研究所はベルリン自由大学と共同で生物学者、病理学者、獣医などの専門家が故フリッツの細胞組織、血液、尿などの徹底的な調査を行っているそうです。このライプニッツ研究所というのはあのクヌートの死因解明も行ったドイツでも有名な研究所です。

さて、そのフリッツの死因についてですが、依然として解明できていない状態であることをベルリン動物公園と同研究所は明らかにしました。現時点ではウィルスが原因である形跡はないとのことで、現在は6億ものDNA配列に異常があるかどうかを調査中であり、それを解明するまでまだ2~3週間を要するとのことです。
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ヴァロージャ Photo(C)Sabeth Stickforth/Berliner Kurier

ともかくフリッツの死はウィルスが原因となっているという証拠が発見できない以上、現在旧西ベルリンのベルリン動物園に期間限定で移動していたフリッツの父親であるヴァロージャの旧東ベルリンのベルリン動物公園への帰還には何の問題もないことになり、ヴァロージャは本日4月22日にベルリン動物公園に帰還し、再びトーニャとの同居が行われることとなるそうです。まだまだ現在はホッキョクグマの繁殖行動期ではありますので、ヴァロージャとトーニャのペアは今年の繁殖シーズンに参戦することになる可能性は十分にありそうです。

さて、フリッツの件に戻りますが、生後四カ月ほどのホッキョクグマの死因というものは所詮は容易には解明できないのではないでしょうか。しかしさすがにドイツの動物園というのは凄いですね。徹底的に解明せねば気が済まないといった気迫のようなものを感じてしまいます。

(資料)
Tierpark Berlin (Apr.21 2017 - Eisbär Wolodja zieht zurück in den Tierpark Berlin)
rbb24 (Apr.21 2017 - Todesursache von Eisbär Fritz noch immer nicht gefunden)
Berliner Zeitung (Apr.21 2017 - Eisbären Wolodja und Tonja wieder vereint)
B.Z. Berlin (Apr.21 2017 - Eisbär Wolodja zieht wieder zurück in den Tierpark)

(過去関連投稿)
ベルリン動物公園(Tierpark Berlin)でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 第一関門は週末
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、第一関門の生後72時間を見事に乗り切る ~ 授乳音確認
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃんは生後五日を乗り切る ~ 生後10日間を最初の関門ととらえる同園
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、一頭が産室内で姿を消す? ~ 生存は一頭と同園が発表
ベルリン動物公園、産室内のトーニャお母さんに若干の余裕が生まれる ~ 隣室での水分補給
ベルリン動物公園の赤ちゃんが生後20日が経過 ~ 産室内のトーニャお母さんにニンジンとリンゴの差し入れ
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後25日が経過し前脚で踏ん張って前に進もうとし始める
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、順調に満一ヶ月へ
ベルリン動物公園のトーニャお母さんと生後一か月を越した赤ちゃんの様子が公開
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後40日で立ち上がり始める ~ 同園がトーニャを「熟練の母親」と評価
ベルリン動物公園のヴァロージャ(Володя/Wolodja)の来園の経緯 ~ 霧の中に浮かぶ真相
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後50日が経過する
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後約二ヶ月が経過
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃんの性別は雄(オス)と判明 ~ "Es ist ein Junge!"
ベルリン動物公園の雄(オス)の赤ちゃんの故クヌートと重なり合うもの、合わないもの
ベルリン動物公園のトーニャお母さん、散らかった床を片付ける ~ 初めて肉に挑戦した赤ちゃん
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃんの命名投票が始まる
ベルリン動物公園で誕生の雄の赤ちゃんの名前が "フリッツ(Fritz)" に決まる
ベルリン動物公園がフリッツのために飼育展示場を一部改修の予定 ~ 父親のヴァロージャはベルリン動物園へ
ベルリン動物公園の赤ちゃん、フリッツの近況 ~ 「国際ホッキョクグマの日」に間に合わない一般公開
ベルリン動物公園のフリッツが間もなく生後四カ月へ ~ 自分での行動よりも母親の真似の段階
ベルリン動物公園の赤ちゃん、フリッツの一般公開は三月中~下旬の予定
ベルリン動物公園がフリッツのために飼育展示場を一部改修の予定 ~ 父親のヴァロージャはベルリン動物園へ
ベルリン動物公園の赤ちゃんのフリッツが肝臓に広範囲の炎症で重体となる ~ 憂慮すべき病状
ベルリン動物公園の生後四カ月の赤ちゃんのフリッツが死亡! ~ さようならフリッツ......
ベルリン動物公園のトーニャが息子のフリッツと引き離された後の状態 ~ 難しい今年のシーズンの繁殖再挑戦
ベルリン動物公園のトーニャが息子フリッツの死後初めて屋外に登場 ~ 世界中からの弔意に感謝する同園
by polarbearmaniac | 2017-04-22 01:00 | Polarbearology

ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のプール開き ~ フェリックスとオーロラの夏の季節の始まり

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Photo(C)Красноярский зоопарк "Роев ручей"

ロシアのシベリア中部にあるクラスノヤルスク動物園(正確には、ロエフ・ルチェイ・クラスノヤルスク動物園 - Красноярский зоопарк "Роев ручей")といえば以前から何度も述べていますが野生出身同士のペアである11歳の雄のフェリックスと7歳の雌のオーロラ(本名ヴィクトリア)が飼育されており、このペアの間での繁殖が大いに期待されているわけです。おそらく世界中の動物園のなかで最も繁殖が期待されているペアの一つでしょう。

このクラスノヤルスク動物園では昨日、夏期シーズンのためのプール開きが行われたそうです。毎年このクラスノヤルスク動物園のプール開きは地元で大きく報道され映像などもTVニュースなどで紹介されるのですが今年は映像はないようです。しかし同園が述べるところによりますと、この二頭は水しぶきを上げて豪快にプールに飛び込み、プールの中で与えられたおやつを食べていたそうです。ちょうど一年前のこの二頭の様子、そして2014年秋のおもちゃのプレゼントを報じる地元メディアのニュース映像をご紹介しておきます。





(*後記)今年のプール開きの映像が入ってきましたのでご紹介しておきます。



野生出身同士のこのペアの繁殖成功の果実は「新血統」の誕生となるわけで、これは現在の飼育下の世界のホッキョクグマ界においては貴重な存在となるわけですが、その繁殖の果実を入手することは日本の動物園にとっては、ほぼ道を絶たれたような状況です。以前に「モスクワ動物園が、今後ロシア国内で誕生の個体はロシア国内と欧州だけで飼育の意向を表明」という投稿していますが、ロシア国内で誕生した個体は今後はロシア国内の動物園か欧州の動物園で飼育されることになるという方針が出されているためです。モスクワ動物園はこのクラスノヤルスク動物園の野生出身ペアの間に誕生することが期待されている個体の権利を持つわけではないのですが、ロシアの動物園を主導する立場にいるのがモスクワ動物園であり、そしてロシアにも「ロシア動物園・水族館協会」が設立されたわけで、この組織のなかでロシア国内で誕生する個体の配置を行うこととなるのは必至の情勢なのです。

(資料)
НГС.Красноярск (Apr.20 2017 - Белые медведи открыли купальный сезон в зоопарке и нуждаются в игрушках)
Комсомольская правда (Apr.20 2017 - Белые медведи из красноярского зоопарка открыли купальный сезон)
Sibnet.ru (Apr.20 2017 - Красноярские белые медведи открыли купальный сезон)
ТВ-Новости (Feb.27 2017 - Время белого: в красноярском зоопарке отмечают День полярного медведя)


(*後記資料)
ТВ-Енисей (Apr.22 2017 - Белые медведи в "Роевом ручье" открыли купальный сезон)

(過去関連投稿)
(*オーロラ関連)
ロシア極北・タイミール半島でホッキョクグマの2頭の赤ちゃんを保護!
ロシア・タイミール半島で保護された赤ちゃん孤児の続報
ロシア・クラスノヤルスク動物園の2頭の赤ちゃん孤児、同市に留まり同居の継続が決定!
ロシア・クラスノヤルスク動物園で暮らすタイミール半島で保護された双子の孤児の名前が決まる
ロシア・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園 ~ 「さすらいのホッキョクグマ」ピムの安住の地となるか
モスクワ動物園がカザン市動物園に1頭のホッキョクグマを贈与 ~ 帰属意識と権利関係の狭間で
ロシア・クラスノヤルスク動物園で保護の双子の孤児に別れの時来る ~ オーロラがイジェフスク動物園へ
(*フェリックス関連)
ロシア・クラスノヤルスク動物園の2頭の伊達男たち ~ 華麗なる独身生活を謳歌?
ロシア・クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックス、米大統領選挙でのトランプ氏勝利の予想が的中
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックス、米大統領選挙予想的中のご褒美はトランプケーキ
(*フェリックスとオーロラ関係)
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の野生出身の新ペアの繁殖への期待 ~ 日本は果実を狙え
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の「プール開き」 ~ 夏に向けたフェリックスとオーロラの姿
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の野生出身のフェリックスとオーロラのペア形成への準備
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の「国際ホッキョクグマの日」のフェリックスとオーロラの姿
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックスとオーロラの同居開始 ~ 新血統の誕生への大きな期待
ロシア・クラスノヤルスク動物園、野生出身のフェリックスとオーロラが繁殖に向け驀進
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のホッキョクグマたちに欧州の来園者からプレゼント
ロシア・クラスノヤルスク動物園の新飼育展示場計画発表 ~ 欧露の「囲い込み」体制に日本はどう対応するか
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックスとオーロラ、来年の繁殖シーズンへの大きな期待
ロシア・クラスノヤルスク動物園でホッキョクグマのバレンタインデーが祝われる ~ 冬期の新しいイベント
by polarbearmaniac | 2017-04-22 00:30 | Polarbearology

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