街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 05月 02日 ( 2 )

オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドでホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生!

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産室内でのリアお母さんと双子の赤ちゃん (C)Sea World

南半球のオーストラリア・クイーンスランド州のゴールドコーストにあるシーワールドから嬉しいニュースが入ってきました。4月26日に同園で飼育されている16歳のリアが双子の赤ちゃんを出産しました。このリアお母さんというのはサンクトペテルブルクのレニングラード動物園のウスラーダの娘で、2013年5月に雄のヘンリーを出産していますので今回で二度目の出産成功ということになります。シーワールドの責任者であるトレヴァー・ロング氏によれば、授乳は確認できているそうです。誕生してまだ一週間経過したかしないかの時期ですので、シーワールドとしてはまだまだ赤ちゃんたちは危険な時期にいるという認識です。地元のTVニュース、及びシーワールドが公開した産室内の映像を見てみましょう。音声はonにして下さい。オーストラリア訛りの英語を聞くことができます。"days" を「デイズ」ではなく「ダイズ」と発音しています。





南半球では当然北半球と季節が逆になりますので4月26日という誕生日は実質的には北半球の10月26日に比定できるかもしれません。つまり、ちょうど半年季節がずれているわけです。今回の双子の赤ちゃんの父親の名前は公式の発表や報道ではほとんど触れられていませんが、カナダの野生孤児出身のハドソンとネルソンの双子兄弟のうちの一頭でしょう。いくつかの報道によれはハドソンであるようです。
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ハドソン (Hudson the Polar bear)
Photo(C)ABC News/Tom Forbes

このハドソンとネルソンのうち一頭が実は豪太が来日する前の時点で秋田県の男鹿水族館に来るはずだったわけですが、その計画は中止になったという事件がありました。ハドソン又はネルソンの来日の話が消えて、代わりに豪太が男鹿水族館に来たということです。それについては「オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのホッキョクグマたち ~ 繁殖への期待、豪太との関係」という投稿を御参照下さい。また、母親であるリアについては「ウスラーダお母さんの2頭の子供たちとの別れ」、及び「女帝ウスラーダとシモーナ、コーラ、リアの三頭の娘たち ~ 偉大な母親たちの三代の系譜」という投稿を御参照下さい。

(資料)
Sea World Gold Coast (May.2 2017 - Twin Polar Bear Cubs born at Sea World)
Gold Coast Bulletin (May.2 2017 - Sea World on Gold Coast welcomes twin Polar Bear cubs)
ABC on line (May.2 2017 - Polar bear twins born at Sea World on the Gold Coast)
The Sydney Morning Herald (May.2 2017 - Twin polar bear cubs born)
NEWS.com.au (May.2 2017 - Twin polar bear cubs born to mother Liya in Sea World’s Gold Coast park)

(過去関連投稿)
ウスラーダお母さんの2頭の子供たちとの別れ
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのホッキョクグマたち ~ 繁殖への期待、豪太との関係
オーストラリア・クイーンズランド州、シーワールドでホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃん、元気に生後二週間が経過
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃん、元気に生後一か月が経過
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃん、生後9週間を経て産室内を歩き始める
オーストラリア、ゴールドコーストのシーワールドで5月誕生の赤ちゃんが遂に戸外へ! ~ 性別は雄(オス)
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドの赤ちゃん、ヘンリーと命名され明日から一般公開へ
オーストラリア、シーワールドのリアお母さんの出産時の産室内秘話 ~ 「初産成功」 を特別視すべきか?
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の雄の赤ちゃん、ヘンリーが遂に一般公開となる
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドで誕生のヘンリー、生後5か月が経過 ~ 力強い歩み
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのヘンリー、元気一杯に遊び回る ~ リアお母さんの母性
オーストラリア、シーワールドのヘンリーのハロウィーン ~ エンリッチメントとしての意味付け
女帝ウスラーダとシモーナ、コーラ、リアの三頭の娘たち ~ 偉大な母親たちの三代の系譜
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで生後7ヶ月が経過したヘンリーの近況
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのヘンリーが間もなく一歳へ
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのヘンリーが満一歳となる ~ お誕生会が開催
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのヘンリーがリアお母さんと共にメインの展示場に登場
オーストラリア・シーワールドのヘンリーがカナダ・コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」へ旅立ちが決定
オーストラリア・シーワールドのヘンリーがカナダ・コクレーンへの移動のためシーワールドを出発
オーストラリア・シーワールドのヘンリーがカナダ・コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」に無事到着
by polarbearmaniac | 2017-05-02 11:00 | Polarbearology

アメリカ連邦最高裁がホッキョクグマ保護の「重要指定地区」の無効を求めた州政府と業界の裁量上訴を棄却

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シルカ (Белая медведица Шилка/Eisbärin Shilka)
(2015年9月6日撮影 於 大阪・天王寺動物園)

朗報が深夜になってワシントンD.C.から飛び込んできました。

アメリカ合衆国・内務省の魚類野生動物保護局 (U.S. Fish and Wildlife Service - FWS) がアメリカ・アラスカ州の北部にホッキョクグマ保護のための「重要指定地区 (Critical habitat designation)」を設定し、その地区内での開発、その他の活動には内務省への事前教示申請によりFWSの承認を必要とさせるという行政規則を定めて事実上の開発規制を設定したことについてアラスカ州政府やアラスカ州の石油ガス協会が不満を抱いて、指定地区の設定及び行政規則の無効を求めて訴訟を提起して争っている件については、その経緯を全てご紹介してきました(過去関連投稿を御参照下さい)。こういった件については日本のメディアは全く報道しませんが、ホッキョクグマをテーマとする本ブログでは当然これをフォローしていくことは言うまでもありません。
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モモ (Белая медведица Момо/Eisbärin Momo)
(2015年9月6日撮影 於 大阪・天王寺動物園)

さて、2013年1月に第一審の連邦地方裁判所はアラスカ州と石油ガス協会の訴えを認めてFWSが設定したホッキョクグマ保護のための「重要指定地区」に関する行政規則の設定を無効とした決定を行ったわけですが、2016年3月に第二審の控訴裁判所はその第一審の連邦地方裁判所の決定を覆す評決を行いFWS側が勝訴したわけです。さて、この第二審(事実上の最終審)の評決の結果に不満を持ったアラスカ州と石油ガス協会は2016年11月に合衆国最高裁判所 (連邦最高裁判所 - Supreme Court of the United States) に裁量上訴の申し立て (Petition for writ of certiorari) を行ったというところまでがこれまでの経緯でした。
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リラ (Белая медведица Лилас/Eisbärin Lilas)
(2015年10月24日撮影 於 札幌・円山動物園)

前回も述べましたが通常はこういった件については管轄権の問題によって第二審の控訴裁判所が最終審となるわけですが、第二審で敗訴した側がそれを不服として連邦最高裁に対して裁量上訴の申し立てを行い、最高裁側がそれを受理して審理を行うケースもあるわけで、本件についてはたしてどうなるかは注目が集まっていたわけです。さて、こういった状況の中で月曜日の5月1日に連邦最高裁はアラスカ州政府と石油ガス協会の裁量上訴の申し立てを棄却 ("CERTIORARI DENIED") して最高裁は審理を行わないという決定を行い、関係者に告知を行ったというニュースが流れてきました。つまりFWSが勝訴した第二審の控訴裁判所の評決による決定が司法の最終的な判断となったことを意味します。

本当によかったと思います。これでアラスカ北部のホッキョクグマが出産するための巣穴などのある地域に資源開発の手が事実上及ばなくなったということです。

(資料)
U.S.Supreme Court (MONDAY, MAY 1, 2017)
Courthouse News Service (Mar.1 2017 - Justices Decline to Hear Polar Bear Habitat Challenge)
The Hill (Mar.1 2017 - Justices deny review of case challenging polar bear habitat)
U.S. News & World Report (May.1 2017 - Justices Won't Hear Challenge Over Alaska Polar Bear Habitat)
Alaska Dispatch News (May.1 2017 - Supreme Court rejects case challenging feds over polar bear habitat in Alaska)

(過去関連投稿)
アラスカにホッキョクグマ生息重要指定地区を設定へ
アメリカ・アラスカの連邦地方裁判所がホッキョクグマ保護の「重要指定地区」の設定を無効と判断
アメリカの控訴裁判所がホッキョクグマ保護の「重要指定地区」への開発規制を無効とした下級審の決定を覆す
米トランプ次期政権とホッキョクグマ ~ 保護地域開発規制撤廃を求め連邦最高裁への裁量上訴の申立てへ
by polarbearmaniac | 2017-05-02 03:00 | Polarbearology

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