街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 05月 08日 ( 1 )

ドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園の一歳半のリリーのお別れ会が開催される ~ 残る後味の悪さ

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お別れ会でのリリー Photo(C)Zoo am Meer Bremerhaven

ドイツのブレーマーハーフェン臨海動物園で2015年12月11日にヴァレスカお母さんから誕生した一歳の雌(メス)のリリー (Lili) が、が母親であるヴァレスカから攻撃的な態度をとられたために別居を余儀なくされ、そしてさらに早々ともう欧州の雌の若年個体の集中プール基地であオランダのエメン動物園に移動することになった件についてはすでにご紹介しています。そのリリーのお別れ会が昨日5月7日に開催され、多くのファンがリリーに別れを告げに動物園にやってきたという報道が流れてきています。
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お別れ会でのリリー Photo(C)Zoo am Meer Bremerhaven

この「お別れ会」では好物の入った氷のケーキなど、いくつかのプレゼントがリリーに与えられたとのことです。母親であるヴァレスカは春になって自分のパートナーである雄(オス)のロイド(別飼育になっていますが)に多くの関心を抱き娘のリリーの存在を邪魔と感じて攻撃的な姿勢を示したためリリーはプールに逃げ込まねばならなくなったという状態だったそうです。こうした例は今までこのブログを開設以降、世界の他の動物園ではなかなったシーンです。やはりヴァレスカという母親はあまり評価できない雌(メス)であるように思います。非常にスッキリとしない今回のこの時期のリリーのエメン動物園への移動だというのが率直な印象です。ましてやウスラーダやらシモーナやらララといった母親を見てきた私にとってはヴァレスカというのは理解しがたいホッキョクグマであるようです。

このヴァレスカは2013年12月に最初の子供である娘のラーレ (Lale) を出産していますが、その時はラーレが母親に反抗的態度をとったためにやはり一歳半の時にオランダのエメン動物園に移動となっています。移動したのは2015年6月だったにもかかわらず、母親のヴァレスカは再び同居となったパートナーのロイドとの間で繁殖行為を行い、そしてその年の12月に誕生したのが今回のリリーです。つまり結果としては近年では欧米では行われていない「二年サイクル」での繁殖が実現してしまったことになるわけです。リリーは今週エメン動物園に向けて出発するそうですが、その後に仮にヴァレスカがロイドとの同居を再開した場合、おそらくまた今年の年末に赤ちゃんが誕生する可能性が高いとは思いますが、ブレーマーハーフェン臨海動物園は今年については繁殖行動期の続く期間はヴァレスカとロイドとの同居は行わないと語ってます。つまり二度目の「二年サイクル」の繁殖は回避させたいという意向なのだろうと思われます。つまりこれは、「二年サイクル」の繁殖はホッキョクグマの本来の生態の繁殖では行われないサイクルであるからだという考え方が背景にあるとみて間違いないでしょう。つまり母親の体に負担がかかることは避けたいということを意味します。その考え方は正しいと私は思っています。

札幌のララはかなりの年数この「二年サイクル」での繁殖を行ってきたわけですし、ロシアの動物園では伝統的にこの「二年サイクル」での繁殖が行われてきたわけです。現在でもノヴォシビルスク動物園のゲルダはこの「二年サイクル」での繁殖を行うことが求められているというわけです。

(資料)
kreiszeitung.de (May.7 2017 - Abschiedsparty für die kleine Eisbärin „Lili“)
Nord24 (May.7 2017 - Tschüß Lili – Abschiedsparty für Eisbärin aus dem Zoo am Meer)
Nordwest-Zeitung (May.7 2017 - Tschüss, „Lili“!)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2017-05-08 03:00 | Polarbearology

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