街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 05月 21日 ( 2 )

モスクワ動物園のホッキョクグマたちの近況 ~ 雌(メス)のスネジンカが間もなくハンガリーへ移動

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ハンガリーのソスト動物園に移動するスネジンカ (Белая медведица Снежинка)  (2015年10月3日撮影 於 モスクワ動物園)

ロシアの首都であるモスクワの動物園は私にとっては最も身近に感じられる動物園の一つです。日本の動物園で私にとってモスクワ動物園以上に身近に感じられるのは札幌・円山動物園と大阪・天王寺動物園くらいでしょう。これは誇張ではありません。モスクワ動物園の魅力といえば何と言ってもロシアホッキョクグマ界のスターである個体が何頭も存在しているということです。そして彼らは非常に個性的です。街の中心にあって交通の便がよく、そしてホッキョクグマたちの姿の観察を終えた後もモスクワという街は興味のあるものがたくさん存在しており、モスクワ動物園のすぐそばにある地下鉄の駅から地下鉄を利用してそういった場所に簡単に行くことができるというのも便利なのです。
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シモーナとハバル、スネジンカの双子 (Белая медведица Симона и медвежата Хабар, Снежинка)
(2015年10月1日撮影 於 モスクワ動物園)

さて、そのモスクワ動物園のホッキョクグマたちの近況を伝えるTVニュースが今日放送されましたので番組を御紹介しておくことにします。いかに(飼育下)のホッキョクグマの頭数を維持するかといったことがテーマとなっています。興味ある映像がいくつも挿入されています。全てモスクワ動物園の所有しているホッキョクグマたちです。音声はonのほうがよいと思います。



解説しておきますと、開始後24~28秒がシモーナ、28~37秒がシモーナと彼女が2014年11月に産んだ双子、37~55秒がロシアから移動したノルドとコペンハーゲン動物園の飼育員さん、55~59秒がシェールィとビェールィ、59秒~1分19秒がモスクワ動物園とヴォリコラムスク附属保護施設などの様子でニカ、ミラーナ、シェールィとビェールィなどの姿が登場しています。シェールィとビェールィはイジェフスク動物園時代の映像も用いられています。1分19秒~1分29秒で登場しているのはシェールィとビェールィが無事に到着したブダペスト動物園の獣医さんです。そしてそれ以降はモスクワ動物園の本園でのウランゲリとムルマの様子です。飼育員さんのバショーノヴァさんやアクーロヴァ園長も登場しています。
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ムルマ (Белая медведица Мурма)
(2015年10月1日撮影 於 モスクワ動物園)

語られている内容ですが、飼育下の欧州のホッキョクグマたちは頭数の減少と同じ血族関係のホッキョクグマたちが増加 ("больше родства")し、新しい血統を入れる必要があり、そういった血は野生孤児個体からしか得られないわけで、モスクワ動物園としてはそういった個体が孤児となっているのを保護する必要があるという内容が述べられています。そしてそういった野生孤児個体をペアにして誕生する「新しい血」を欧州に配給できるのがモスクワ動物園であるという意味で言っているのでしょう。

ウランゲリとムルマというペアの組み合わせは今までモスクワ動物園では繁殖実績がありません。ウランゲリのパートナーはシモーナ、そしてムルマのパートナーは故ウムカ(ウンタイ)なのですが、ウムカが亡くなったためにムルマにウランゲリをパートナーとしてあてがったわけですが、やはり相性はあまり良好とは言えないようです。私が2年前に会った時もウランゲリとムルマとは相性が悪いと感じました。
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ウランゲリ (Белый медведь Врангель)
(2015年10月1日撮影 於 モスクワ動物園)

そしてさらに注目すべきことは、二歳半のシモーナの娘(つまり2014年11月にシモーナから誕生した双子の一頭)は間もなくハンガリーに移動すると述べられています。もう一頭はすでにハバロフスク動物園に移動した雄(オス)のハバルであることは御承知の通りで、双子のもう一頭の雌(メス)は以前からすでの本ブログではこの移動計画について述べてきました。モスクワ動物園はシモーナが2014年11月に産んだ双子はいずれも雄(オス)であると血統登録を行っているわけですが、やはり雄(オス)と雌(メス)の双子であることがさらに今回明確になったわけです。(モスクワ動物園の血統登録の問題点については「モスクワ動物園のアクーロヴァ園長が語る同園のホッキョクグマへの方針 ~ 野生孤児保護の新施設をオープン」という投稿で簡単に触れてあります。モスクワ動物園が関与した個体については、血統登録情報にそう書いてあるからそうなのだという態度は正しくなく、今まで本ブログで行ってきたように報道の情報を細かくチェックして情報を積み上げていって真実を把握するのが最も正しい方法なのです。) そしてハンガリー、つまりソスト動物園に移動する二歳半の雌(メス)の名前が "スネジンカ (Снежинка)" であることを明らかにしています。私は彼女のことを仮称で「雪ちゃん」と呼んできたわけですが、それは彼女が人工雪の山で遊ぶことが大好きであることを2015年に何回もモスクワ動物園を訪問した際に見てきたからです。"スネジンカ (Снежинка)" は雪片を意味していますので、まさに私の仮称とピッタリ呼応する名前が付けられていたのは驚きと共に嬉しさも感じます。

(資料)
МИР 24 (May.21 2017 - Хозяева Арктики: как сохраняют популяцию белого медведя)

(過去関連投稿)
ロシア動物園水族館協会(RAZA)が設立 ~ ロシアでモスクワ動物園の主導的地位が一層強まる
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(2015年9、10月 モスクワ動物園訪問記)
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by polarbearmaniac | 2017-05-21 22:00 | Polarbearology

フィンランド・ラヌア動物園の雄(オス)の赤ちゃん、間もなく生後半年へ

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Photo(C)Ranua Zoo

昨年2016年の11月25日にフィンランドのラヌア動物園でヴィーナスお母さんから誕生した雄(オス)の赤ちゃんですは、間もなく生後半年を迎えようとしており、順調な成育を続けています。ごく最近の公開された映像を見てみましょう。ラップランド地方は北極圏に近く、なかなか雪が消えないようです。

最初の映像ですがヴィーナスお母さんの優しさがよく現れているように思います。



次に映像ですが、雪穴掘りやトンネル掘りというのはララの子供たちもやっていました。ララ親子の場合は母親もそれに加わっていましたがヴィーナスお母さんもおそらくそれをやっているでしょう。そうでありませんとこのように大きな穴にはなりません。



雄(オス)の赤ちゃんということで一年前のノヴォシビルスク動物園のロスチクとゲルダお母さんの姿と比較しながらこのラヌア動物園の赤ちゃんの成長を追っていくのもおもしろいかもしれませんね。

(資料)
ILTALEHTI (May.14 2017 - Äidinrakkautta Ranualla – jääkarhuemo hoivasi suloista pentuaan)

(過去関連投稿)
フィンランド・ラヌア動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 繁殖計画の成果を積み上げる欧州
フィンランド・ラヌア動物園での赤ちゃん誕生の瞬間の映像が公開
フィンランド・ラヌア動物園で誕生の赤ちゃん、生後7週間目に入り立ち上がって歩き始める
フィンランド・ラヌア動物園で誕生の赤ちゃん、生後50日が経過
フィンランド・ラヌア動物園の赤ちゃん、生後二ヶ月が経過
フィンランド・ラヌア動物園の赤ちゃんが外界に興味を持つ ~ 入り込んだ雪を取り除くヴィーナスお母さん
フィンランド・ラヌア動物園の赤ちゃんが生後13週間が経過 ~ 親子での屋外登場を待つばかり
フィンランド・ラヌア動物園の赤ちゃんの性別は雄(オス)と判明 ~ 水曜日3月15日に屋外登場の予定となる
フィンランド・ラヌア動物園の赤ちゃんが遂にヴィーナスお母さんと共に屋外に登場
フィンランド・ラヌア動物園の赤ちゃんとヴィーナスお母さんの近況 ~ 雪の上で過ごす五時間の毎日
フィンランド・ラヌア動物園の雄(オス)の赤ちゃんの近況 ~ 命名を急がない同園
フィンランド・ラヌア動物園の雄(オス)の赤ちゃんの近況 ~ のんびりとした親子の姿
by polarbearmaniac | 2017-05-21 01:30 | Polarbearology

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