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2017年 09月 02日 ( 1 )

ロシア・ペルミ動物園がミルカ(ユムカ)の妊娠・出産の可能性を言及 ~ 無名の彼女が脚光を浴びる日を期待

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ミルカ(ユムカ) (Белая медведица Милка/Юмка в Пермском зоопарке) (2017年7月20日撮影 於 ペルミ動物園)

ロシアのペルミ動物園で暮らす4歳の雌(メス)のホッキョクグマであるミルカ(ユムカ)について、同園は7~8月期にホッキョクグマたちがどのように暮らしていたかを述べた簡単なレポートの中で触れています。同園はミルカ(ユムカ)は滅多に水に入らず、あまり遊んだりもしないにもかかわらず非常にたくさんの量を食べ、そして長い時間を寝ているといった彼女の様子を述べています。こういったミルカ(ユムカ)の以前とは異なる状態について同園は、彼女の妊娠の兆候である可能性だと述べています。
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ミルカ(ユムカ) (Белая медведица Милка/Юмка в Пермском зоопарке) (2017年7月15日撮影 於 ペルミ動物園)

私が7月中旬にペルミ動物園を訪問した際にもミルカ(ユムカ)の行動の大きな変化には気が付いていました(これについては「ユムカ(ミルカ)は果たして今年の年末に出産するのか?」という投稿を御参照下さい)。しかしそれが直ちに彼女の年末の出産に繋がっていくかどうかについては必ずしも確信はなかったわけです。しかし彼女を飼育し、そして行動を観察しているペルミ動物園としてその可能性に言及したからには、やはりミルカ(ユムカ)の妊娠・出産については有望であるということになるでしょう。ミルカ(ユムカ)はまだ4歳ですがロシアという国の動物園は今までこういった年齢のホッキョクグマでも繁殖を成功させてきた歴史がありますので私はミルカ(ユムカ)の出産の成功はかなり有望だろうと考えています。
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ミルカ(ユムカ) (Белая медведица Милка/Юмка в Пермском зоопарке) (2017年7月15日撮影 於 ペルミ動物園)

私が7月にペルミ動物園でミルカ(ユムカ)を観察した限りでは彼女はセリクを非常に避けており、一頭だけで隣の区画に入り込んで長い時間を過ごすといった暮らしぶりでした。さらに彼女の体は巨大化していたのですが、それはペルミ動物園として彼女の出産準備のために多量の食事を与えていることを示しています。ミルカ(ユムカ)は時々その区画から飼育展示場に出てくるのですがアンデルマの傍らにいるといった傾向が強かったですね。アンデルマがそばにいるためにセリクがミルカ(ユムカ)にちょっかいを出すということはほとんどなかったわけです。ミルカ(ユムカ)が秋口に一頭で「隔離」されるまで彼女の心の平安を保ってやるためにはアンデルマの存在は有利に働くでしょう。やはりアンデルマが鍵を握っていると思います。メインの飼育展示場の隣の区画に入っていたミルカ(ユムカ)の様子を改めて映像でご紹介しておきます。


ユムカ(ミルカ)の表情の変化 - Yumka (Milka) the Polar Bear's facial expressions, at Perm Zoo, Russiam in Jul.16 2017.


一頭で過ごしたいと感じているらしいユムカ(ミルカ)- Is Yumka(Milka) the Polar Bear at Perm Zoo expecting her first offspring at the end of this year ? (Jul.19 2017)

このミルカ(ユムカ)というのはカザン市動物園で2012年1月にマレイシュカから誕生したわけですが欧米のホッキョクグマファンの方々にはほとんどその存在は無視されて話題にもしてもらえなかったわけでした。彼女がペルミ動物園に移動する直前、2013年の9月末にカザン市動物園で母親であるマレイシュカと過ごす最後の日に私はようやく日本から現地に駆けつけてカザン市動物園で母親と一緒であったミルカ(ユムカ)に会うことができました(過去関連投稿参照)。 カザン市動物園時代のミルカ(ユムカ)について写真や動画で紹介したファンは多分私だけだったはずです。それほどこの親子は世界のファンから無視され続けてきたわけです。地元カザンにはホッキョクグマファンなどいないらしく、またカザン市動物園も地元のメディアもホッキョクグマの赤ちゃんの成長に関する情報の発信は非常に少なかったのが現実です。このミルカ(ユムカ)は日本のマルル、ポロロ、ミルクと同じ年齢ですが、この三頭やシルカ、モモなどと比べると非常に気が強いです。飼育環境が悪くてもそれに負けないような逞しさを持っているホッキョクグマなのです。


カザン市動物園時代のミルカ(ユムカ) - Milka(Yumka)'s last day at Kazan Zoological Garden, Russia, on Sep 28 2013

彼女がペルミ動物園に移動した後も彼女の存在については欧州ではほとんど話題にされることもなく、ロシア国内においてはノヴォシビルスク動物園のゲルダとシルカの母娘だけが脚光を浴びていたというわけです。仮に年末にゲルダとミルカ(ユムカ)の両方が出産に成功しても、やはり光が当たるのはゲルダ親子だけでしょう。陽の当たらないホッキョクグマに光を当ててやりたいというのが私の願いです。欧米では全く話題になることもないロシアの地方都市の小さな動物園で暮らすホッキョクグマたちをどうしても応援してやりたいというのが私の率直な気持ちです。ペルミ動物園とミルカ(ユムカ)に対して大きな声援を送ってやりたいと思います。

(追記)今まで彼女のことを「ユムカ」あるいは「ユムカ(ミルカ)」と記述してきましたが、本日から「ミルカ(ユムカ)」と記述することにします。「ユムカ」というのはカザン市動物園で付けられた名前で非常に素晴らしい名前なのですがペルミ動物園はそれを改名して「ミルカ」にしてしまいました。今後ペルミ動物園における彼女に期待された出産や育児などの活躍を考えれば「ミルカ(ユムカ)」と記述したほうが将来のペルミのメディアの報道と合致した名前となり、彼女を広く知ってもらうためには有利だろうと思うからです。

(資料)
Пермский зоопарк (Aug.31 2017 - Дамские волнения белой медведицы Милки)
Комсомольская правда (Sep.1 2017 - В Пермском зоопарке медведица Милка забеременела)

(過去関連投稿)
(*ユムカ関連)
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園で誕生の赤ちゃんの命名について同動物園が告知
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の赤ちゃん命名のイベントは悪天候で延期となる
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の赤ちゃんの命名は最終的にネット投票へ
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の雌の赤ちゃんの名前が 「ユムカ 」 に決定!
ロシア連邦・タタールスタン共和国、カザン市動物園のユムカは順調に生後7か月が経過
ロシア・カザン市動物園のユムカのペルミ動物園への移動の日が迫る  ~ お別れ会が開催の予定
ロシア・カザン市動物園のユムカが来週ペルミ動物園へ移動 ~ 日曜日のお別れ会開催の告知
ロシア・タタールスタン共和国、カザン市動物園のユムカがペルミ動物園に無事到着
(*2013年カザン市動物園訪問記)
・成田からモスクワ、そしてカザンへ ~ 別れが目前に迫った母娘への想い
・シャリアピンパレスからカザン市動物園へ ~ 別れの時が迫ったマレイシュカとユムカの母娘の姿
・偉大なる男ユーコン、中年男の持ついぶし銀の魅力
・マレイシュカお母さんの性格と母性
・ユムカの性格と素顔 ~ カザンに初雪の降った日...そして別れ
(*ユムカとセリク関連)
ロシア・ペルミ動物園におけるセリクとユムカの近況 ~ テルペイがロストフ動物園に移動か?
ロシア・ペルミ動物園でのセリクとユムカの初顔合わせは不調に終わる
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園でアンデルマが気の強いユムカに手を焼く ~ 大物に挑みかかる小娘
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園のユムカと野生孤児のセリクとの関係が良好となる
(*ユムカ、セリク、アンデルマの三頭同居)
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でアンデルマとユムカ、そして野生孤児セリクの3頭同居は順調な滑り出し
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でのアンデルマ、ユムカ、セリクの三頭同居は大きな成果を上げる
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でのアンデルマ、ユムカ、セリクの三頭同居の近況 ~ 最新の映像が公開
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園のアンデルマ、ユムカ(ミルカ)、セリクの近況
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園、初冬のユムカ、セリク、アンデルマの姿 ~ 調和のとれた関係
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園で夏期恒例のホッキョクグマへの活魚のプレゼント始まる
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園の「ホッキョクグマの日」のイベントで訓練の様子が公開される
ロシア・ペルミ動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ アンデルマ、ユムカ、セリクと来園者たち
ロシア・ペルミ動物園でセリクとユムカ(ミルカ)が後見役のアンデルマの影響からの独立を指向へ
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園で夏期恒例の活魚のプレゼント始まる ~ ロシア最長老のアンデルマ健在!
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園の三頭のホッキョクグマたちの日常の小さなドラマ
by polarbearmaniac | 2017-09-02 06:00 | Polarbearology

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