街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 09月 20日 ( 2 )

ピョートル(ロッシー)とクラーシン(カイ)、双子兄弟のそれぞれの生き方

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クラーシン(カイ)(Белый медведь Красин/Кай)(Eisbär Krasin/Kai)(2014年9月12日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)
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ピョートル(ロッシー)(Белый медведь Пётр/Россы) (Eisbär Pjotr/Rossy)(2017年6月2日撮影 於 静岡・日本平動物園)

2007年11月27日にロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園でウスラーダから誕生した双子兄弟のピョートル(ロッシー - 現 日本平動物園)とクラーシン(カイ - 現ノヴォシビルスク動物園)は生後半年前後で母親であるウスラーダから引き離されただけでなく双子同士でも離れ離れになっってしまったという不幸な幼年時代だったわけです。そういった彼らの不幸の原因を作ったのはレニングラード動物園であるわけで、この件については以前に何回か投稿していますので今回は繰り返しません。幼年期にあまりに早く母親から引き離すとその個体は成長しても常同行動が多くなったりなど、行動に不安定さが生じてくることは世界のいくつかの例を見てもよくわかるわけです。ウスラーダは世界でも屈指の偉大なる母ですが、その彼女にしても半年ほどでは子供たちをうまく教育することは難しかったというわけです。
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ウスラーダ (Белая медведица Услада/Eisbärin Uslada)
(2014年5月3日撮影 於 サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

ちなみにウスラーダの産んだ16頭の子供たちの中で最も彼女と同居した期間が長かったのは2004年12月に誕生したラダゴル(カイ - 現 仙台・ズーパラダイス八木山)と1994年11月に誕生したシモーナ(現 モスクワ動物園)で、いずれもウスラーダと一年半にわたって同居していますが、この二頭の精神的安定性は抜群なものがあります。

さて、ここでピョートル(ロッシー)とクラーシン(カイ)のレニングラード動物園時代の映像を股一つご紹介しておきます。多分これは以前にご紹介していなかったものだと思います。やや長い映像でウスラーダの姿も見ることができます。


レニングラード動物園時代のピョートル(ロッシー)とクラーシン(カイ) - Белые медвежата Пётр (Россы) и Красин (Кай) в Ленинградском зоопарке

さて、ノヴォシビルスク動物園に移動したクラーシンはカイと改名されたわけですが、その後の彼は急速に精神的な安定性を確立するようになったことはいくつかの映像でも見て取れます。彼は移動しあt直後からゲルダという遊び友達を得ましたが、繁殖可能な年齢となってからはそのゲルダをパートナーとして現在に至るまで二回の繁殖を成功させるに至っています。今さら申し上げるまでもなく、シルカとロスチクです。カイ(クラーシン)はこうして現在ではロシアのホッキョクグマ界において王道を歩む存在となっています。カイ(クラーシン)のこれから歩む道は彼の父である、あのあまりに偉大であった故メンシコフのあとを追いかけていくものとなるでしょう。
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故メンシコフ (Белый медведь Меншиков/Eisbär Menschikow)
(2012年9月18日撮影 於サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

ピョートル(ロッシー)については現時点においては多くの点で依然として課題が多いように思います。この双子兄弟には大きな差がついてしまっていることは明らかです。何故そうなったのかは考えてみる余地がありそうです。
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クラーシン(カイ)(Белый медведь Красин/Кай)
(2014年9月13日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)
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ピョートル(ロッシー)(Белый медведь Пётр/Россы)
(2017年6月2日撮影 於 静岡・日本平動物園)

私は今になって後悔しているのですが、もっと早く海外、特にロシアに行ってホッキョクグマたちに会う旅を始めておくべきでした。特にこのレニングラード動物園でピョートル(ロッシー)とクラーシン(カイ)が母親であるウスラーダと同居していた時期の姿を見ておきたかったと思っています。もっと欲張っていえば、ペルミ動物園でのアンデルマとゴーゴの同居も見ておきたかったと思います。

(過去関連投稿)
(*クラーシン/カイとゲルダの幼年時代関連)
・ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの戸外映像 ~ ゲルダとクラーシンの幼年時代
・ロシア・ノヴォシビルスク動物園のクラーシン(カイ)とゲルダの幼年時代の成長を映像と写真で追う
・ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「カイとゲルダ」の最近の話題 ~ このペアの名前の由来の真相を考える


小林麻耶さんとロシア語01 - サンクトぺテルブルク
by polarbearmaniac | 2017-09-20 06:00 | Polarbearology

ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたち、元気にヤロスラヴリ公演を続ける

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Photo(C)Владислава Куимова

ロシアのサーカス団のモーチャ (Мотя)、ウムカ (Умка)、クノーパ (Кнопа)、ドーラ (Дора)の四頭の雌(メス)は現在世界で唯一、サーカスでの演技を行うホッキョクグマです。本ブログではこのホッキョクグマたちの姿を追い続けていますが、それは私がサーカスにおけるホッキョクグマの存在を肯定しているためでは決してなく、彼らが元気でいるのかどうかを確認するためです。彼らのサーカスからの即時の引退を主張することは楽ですが、しかし現在のロシアでサーカス引退後の彼らを受け入れてくれる十分な施設が用意されているたといえば、それは非常に悲観的にならざるを得ないわけです。以前に「ロシアの巡回動物園「モスクワ・サファリ園」に暮らすウムカとスネジョーク ~ ロシアの闇の部分」という投稿を行っていますが、仮に現在の四頭のホッキョクグマたちがサーカスから引退したとしても、こういった巡回動物園に収容されてしまえばさらに悲惨な状況が待っているということになるからです。

さて、前置きが非常に長くなってしまったのですが、昨年暮れからのモスクワ公演に一区切りをつけて四頭のホッキョクグマたちは調教師であるユリア・デニセンコ女史とその夫であるユーリ・ホフロフ氏に率いられて今度はロシアのヴォルガ川沿いに位置する河港都市である古都ヤロスラヴリのサーカスに参加して演技を行っているようです。それを報じる地元のTVニュースを御紹介しておきます。ホッキョクグマたちが登場する部分から再生されるように設定してあります。



このホッキョクグマたちはケガもなく元気で演技を続けている姿を見ることはホッとすることでもあります。それは彼らが巡回動物園に入れられてしまう姿を見るよりもよほど安心できることのように思います。
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Photo(C)Владислава Куимова

(資料)
"Государственный Интернет-Канал "Россия" (Sep.18 2017 - В Ярославском цирке состоялась премьера ледового шоу)
Комсомольская правда (Sep.14 2017 - Белые мишки на арене цирка)
Аргументы и Факты (Sep.17 2017 - Цирк на льду «Айсберг» впервые в Ярославле)

(過去関連投稿)
(*サーカスのホッキョクグマ関連)
トスカ(クヌートの母)とサーカス団の悲しきホッキョクグマたち
サーカス団のホッキョクグマ今昔物語
サーカスを「引退」し余生を送るホッキョクグマ ~ ウクライナ・ハリコフ動物園のティムの夏
サーカス団(ロシア)のホッキョクグマの訓練風景
ロシアの氷上サーカスでスケート演技をするホッキョクグマのラパ ~ その引退の日は遠し
ロシアの氷上サーカスのホッキョクグマ ~ 現役で活躍するラパ、そして引退したホッキョクグマたちの余生
ロシアの氷上サーカスのホッキョクグマのラパ、ベラルーシ公演でも大好評となる
ロシアの氷上サーカスに出演のホッキョクグマたち、元気に公演を続ける
ロシアの氷上サーカスに出演のラパたち5頭のホッキョクグマの最近の様子
ロシアの氷上サーカス団のホッキョクグマたち、モスクワのボリショイサーカスに出演し大好評
ロシアの氷上サーカス団でスケート演技をするラパに遂に引退の日来る ~ スタロースコルィスク動物園へ
ロシア・クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官が陸路5日間で無事にスタロースコルィスク動物園に到着
ロシア西部、スタロースコルィスク動物園でのラパとセードフ司令官の近況 ~ ラパの健康状態への危惧
ロシア西部、スタールイ・オスコル市のスタロースコルィスク動物園で、ラパとセードフ司令官の同居が始まる
ロシア・スタロースコルィスク動物園のラパとセードフ司令官が黒海沿岸のゲレンジーク・サファリパークへ
ロシアの氷上サーカス団の四頭のホッキョクグマたち、元気にヴォルゴグラード公演を行う
ロシアのサーカス団の四頭のホッキョクグマたち、元気にロストフ・ナ・ドヌ公演に登場
ロシアのサーカス団の四頭のホッキョクグマたち、元気にサンクトペテルブルク公演へ
極地で死ぬかサーカスで生きるか? - "Смерть на полюсе или жизнь в цирке?"
ロシアのサーカス団の四頭のホッキョクグマたち、元気に今度はイジェフスク公演へ ~ 尊厳とは何か?
ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちがアストラハン、ヴォルゴグラードと元気に公演を続ける
ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちがヴォルガ河下流のサラトフで新演出の公演へ
ロシアのサーカス団の四頭のホッキョクグマたちのサラトフ公演が始まる ~ "Жизнь в цирке"
ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちが元気にウラル地方のキーロフ公演へ
ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちがキーロフ公演の準備のリハーサルを行う
ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちのペルミ公演が始まる
ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたち、首都モスクワのボリショイサーカスでの公演を開始
by polarbearmaniac | 2017-09-20 00:30 | Polarbearology

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