街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 09月 27日 ( 1 )

周南市・徳山動物園で動物供養祭が行われる ~ 亡くなっても光褪せることのないホッキョクグマ

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故ユキ (ca.1984 ~ 2016) (Eisbärin Yuki/Белая медведица Юки)(2012年6月13日撮影 於 徳山動物園)

山口県周南市の徳山動物園で9月25日に動物供養祭があったことを報道は伝えています。祭壇には昨年11月に亡くなったホッキョクグマのユキの写真も飾られ昨年9月から今年8月に同園で亡くなった34種59匹の動物たちと共に、供養祭に参加した170人の子供たちによってあらためて冥福が祈られたそうです。

これは私自身の注意力に問題があるのだろうと思いますが、海外の動物園で日本の動物園のように園内に亡くなった動物たちの慰霊碑があるのを私はまだ気が付いた経験はありません。動物園全体として行う動物供養祭というものは日本独特のものであるとまでは言い切れませんが、海外ではあまり聞かない話です。我々日本人の死生観のなかにこういった動物たちの供養祭を行ってやるということが存在する余地があることは間違いありません。それは大学においても同じで、筑波大学では "Laboratory animal memorial ceremony" という動物実験のために殺した動物たちの供養祭は行われているわけです。こういった動物たちの供養祭を行うという感覚は東日本よりも西日本に強いような気がします。そして北海道が一番淡泊であるように感じます。何故そうなのかについては日本の文化に対する考察が必要だろうと思いますが、神道の影響の強さにその理由を求めたくなる誘惑に駆られます。
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故ユキ (Eisbärin Yuki/Белая медведица Юки)
(2012年6月13日撮影 於 徳山動物園)

徳山動物園のユキが亡くなったのは昨年2016年の11月28日のことでした。いまだに彼女の姿はあざたかに私たちのまぶたの裏に記憶されています。故ユキは南アフリカのヨハネスブルク動物園の故ギービーと双子姉妹でした。その故ギービーは札幌・円山動物園で初めてホッキョクグマの繁殖に成功して誕生したポロのパートナーだったわけです。故ユキと故ギービーはそれぞれ別の道を歩んだわけですが、そういった物語を想像してみることの必要はないほど故ユキは周囲に発散する強い光を感じさせる素晴らしいホッキョクグマでした。さらに付け加えれば、故ユキのような印象を与えるホッキョクグマはロシアの動物園には見当たらないということです。ロシアのホッキョクグマは、その姿の背後に個体としての奥深い実像が隠されているわけですが、この故ユキはその姿そのものとして輝かしさを感じさせるホッキョクグマだったのです。彼女こそ「非ロシア的ホッキョクグマ」の典型だったということです。それはまさに光に満ちたものだったということです。

(資料)
毎日新聞 (Sep.26 2017 - 動物供養祭/徳山動物園で 愛護週間、園児170人も参加

(過去関連投稿)
徳山動物園のユキとヨハネスブルグ動物園の故ギービー(札幌生まれのポロのパートナー)は双子姉妹だった!
周南市・徳山動物園のユキが亡くなる ~ 「永遠の若さ」を抱いて星の彼方へ....
ユキ (ca.1984 ~ 2016)、「まぶたの裏」で永遠に記憶されるホッキョクグマ
by polarbearmaniac | 2017-09-27 06:00 | 動物園一般

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