街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

2017年 11月 13日 ( 1 )

アメリカ・テネシー州 メンフィス動物園のホッキョクグマたち ~ 米露のホッキョクグマたちの印象の相違点

a0151913_16425125.jpg
ペイトン (Payton the Polar Bear) Photo(C)Memphis Zoo

アメリカ南部テネシー州のメンフィスといえば私などはあのエルヴィス・プレスリーの名前が真っ先に頭に浮かんでくる都市です。この街にあるメンフィス動物園に暮らすホッキョクグマたちについて実は過去にこのブログでは取り上げたことはなかったと思います。しかし現在デンバー動物園で暮らすクランベアリー(Cranebeary)がメンフィス動物園で転落事故を起こしたことは「ホッキョクグマが堀に落ちたらどうなるか? ~ 大ケガから回復したホッキョクグマ、元気に故郷に里帰り!」という投稿で述べたことはありました。メンフィス動物園と日本のホッキョクグマ界との関連では札幌・円山動物園のデナリの母親であったシヌック (1977~2002) がこのメンフィス動物園の生まれであったということが重要なことになりますが、もうひとつの繋がりがあります。それは以下のことです。
a0151913_18474199.jpg
ヘイリー (Haley the Polar Bear) (*円山動物園のデナリの姪) 
Photo(C)Memphis Zoo

現在このメンフィス動物園で暮らしているのは14歳になったばかりの雄(オス)のペイトン (Payton) と間もなく15歳になる雌(メス)のヘイリー (Haley) の二頭です。このペアは非常に繁殖が期待され続けているわけですがヘイリーはまだ出産に成功していません。この雌(メス)のヘイリーの母親であったオーロラは札幌のデナリの姉にあたるわけで、そうなるとヘイリーはララの子供たちのいとこということになりますのでメンフィス動物園は日本のホッキョクグマ界とは不思議な縁で繋がっているわけです。今年もヘイリーは出産が期待されており、すでに雄(オス)のペイトンとは引き離されて産室のあるエリアに隔離されているようです。そのために現在展示されているのはペイトンだけですので週末に同園で行われたホッキョクグマの誕生会に登場したのはペイトンだけでした。その様子を報じる地元TV局のニュース映像をご紹介しておきます。以下をワンクリックして下さい。
a0151913_16281157.jpg

このメンフィス動物園は数年前まではヘイリーの出産に大きく期待して秋からの彼女の状態などを比較的頻繁に情報発信してましたが、数年間にわたって繁殖に成功できないままの状態が続いたためか最近ではそういった情報の発信を全くといってよいほど行われなくなってしまいました。こういったことは日本のホッキョクグマ界にも比較的よくある話です。ここにある種の「諦め」といったものを読みとることも不可能ではないのかもしれません。

さて、ここでメンフィス動物園のホッキョクグマたちの映像を少し見てみましょう。まず下は2015年の冬のペイトンの姿です。



次はプールで遊ぶヘイリーの姿です。



次は9年前の非常に貴重な映像で、現在デンバー動物園で暮らしているクランベアリーがプラスチック製の人形をもらって遊ぶ映像です。最後になってなんとペイトンが登場しています。クランベアリーはさすがに美クマですね。



次は夏に温度の高いメンフィスでのホッキョクグマの暮らし方についての説明です。プールの水温は華氏65℃(つまり摂氏18℃)以上にはならないシステムだそうです。ここでもクランベアリーが登場しています。



こういったアメリカの動物園のホッキョクグマたちを見ていますとロシア血統のホッキョクグマたちとはまるで雰囲気が違いますね。こういったアメリカの動物園のホッキョクグマたちの雰囲気に非常に近い日本のホッキョクグマたちはララの子供たちであるように感じます。非常に垢抜けしていてどこか豪奢で華麗なのです。それと比較してみると日本におけるロシア血統のホッキョクグマたち、たとえばイワン、豪太、ラダゴル(カイ)、ピョートル(ロッシー)、ルトヴィク(ホクト)、ゴーゴ、シルカといったホッキョクグマたちはどこかに重さと野暮ったさがあります。そこがまたロシア血統のホッキョクグマたちの魅力でもあるわけです。実は最近、欧州のホッキョクグマファンの方々がロシアの動物園に暮らすホッキョクグマたちの写真をだんだんと目にするようになってきているわけですが、そういった方々のお一人が言うには欧州に暮らすロシア血統のホッキョクグマたちには独特の雰囲気があると語っています。「やたらと自信があるように見えるものの愛すべき表情と体型をしている。」ということだそうです。それは間違いなく当たっているでしょう。裏返して言えば、それだけアメリカ(や欧州)のホッキョクグマたちは洗練されているということです。アメリカ(や欧州、そして日本のララファミリー)のホッキョクグマたちは「美しいホッキョクグマ」であり、ロシアのホッキョクグマたちは「愛すべきホッキョクグマ」であるということです。

(資料)
WMC Action News 5 (Nov.10 2017 - Memphis Zoo celebrates Payton the polar bear’s 14th birthday)

(過去関連投稿)
ホッキョクグマが堀に落ちたらどうなるか? ~ 大ケガから回復したホッキョクグマ、元気に故郷に里帰り!
by polarbearmaniac | 2017-11-13 01:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

ロシア・クラスノヤルスク動物..
at 2017-12-13 01:00
ベルリン動物公園で誕生の赤ち..
at 2017-12-12 00:15
大阪・天王寺動物園のシルカの..
at 2017-12-11 01:30
エストニア・タリン動物園のノ..
at 2017-12-11 00:30
カザフスタン・アルマトイ動物..
at 2017-12-10 00:30
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2017-12-09 00:30
ベルリン動物公園でホッキョク..
at 2017-12-08 18:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2017-12-08 01:00
カナダ・マニトバ州チャーチル..
at 2017-12-08 00:15
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2017-12-07 00:30

以前の記事

2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Lenin's Tomb: The Last Days of the Soviet Empire


Resurrection: The Struggle for a New Russia


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag