街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 12月 06日 ( 2 )

ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園に到着したハールチャーナの姿

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レニングラード動物園に到着したハールチャーナ Photo(C)НВК Саха

ロシア北東部のヤクーツク動物園で昨年2016年の11月30日誕生した雌(メス)のハールチャーナ (Хаарчаана) は1日にヤクーツク動物園から彼女の父親であるロモノーソフの故郷であるサンクトぺテルブルクのレニングラード動物園に無事到着したわけですが、そのハールチャーナのレニングラード動物園での姿をサハ共和国のメディアが報じています。その映像をご覧いただきましょう。非常に意外なことにかなり落ち着いた様子に見えます。



ハールチャーナは本日6日にヤクーツク動物園からレニングラード動物園への引き渡し式が行われます。これはサンクトペテルブルクにおける「ヤクーチアの日」という啓蒙週間の催し物の一環として行われるそうです。レニングラード動物園ではバックヤードでのその式典の準備も完了しているようです。それが以下の映像です。



(資料)
НВК Саха (Dec.6 2017 - Сегодня медвежонка Хаарчаану передадут Ленинградскому зоопарку)
YakutiaMedia (Dec.6 2017 - Сегодня якутского медвежонка Хаарчаану передадут Ленинградскому зоопарку)

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by polarbearmaniac | 2017-12-06 17:30 | Polarbearology

カナダ・マニトバ州 チャーチルで保護された二頭の幼年孤児は生息地に戻さずにアシニボイン公園動物園へ

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リラ (Белый медвежонок Лилас/Lilas the Polar Bear)
(2015年5月31日撮影 於 札幌・円山動物園)

一昨日に「カナダ・マニトバ州チャーチルの当局者がホッキョクグマ孤児の保護方針の転換を主張 ~ 科学と倫理の相克」という投稿をしていましたが、カナダのチャーチル近郊で発見された一歳になったかならないかの二頭の孤児(双子ではないそうです)ですがチャーチルの市長や市議会が自然に戻せといった主張をしていたものの最新の報道によりますとマニトバ州の持続可能開発省 (Ministry of Manitoba Sustainable Development Minister) は、この二頭はウィニペグのアシニボイン公園動物園で保護・飼育させる従来の方針を堅持した決定を行ったようで、それによって二頭は同園に移送される模様です。

一歳になったかならないかの孤児を自然の生息地に戻すということは必然的に彼らの死を意味することになるわけで、やはりそれは納得できないですね。野性動物に人間が食べ物を与えてよいのかといった問題とは本質的に異なるテーマであると考えます。自然の営みにまかせるというのは頭の中の理想としての生命哲学という理屈としては意味を持っても、個別的場面における生命倫理の点では大いに問題があると私は考えます。しかし今回のような意見が出てくることはこれからも予想されるわけで注意が必要です。アシニボイン公園動物園も、なにしろ受け入れの余裕がなくなってきているわけでこれは大問題なのです。

私は今回のチャーチルの市長さんや市議会から聞こえてくる意見はやはり一聴に値すると思っていますし正しい部分もあると思っています。実はこれはかなり難しい問題なのです。動物園で飼育するために野生の個体を捕獲することなどは全くの論外ですが、孤児ならばよいのかというとそれを正当化するにはミニマリズムとしての生命の価値といった点を根拠にせざるをえないわけで意外にこれは強い根拠ではないと考えられます。これは簡単には答えられない問題です。日本に限らず世界の動物園ではホッキョクグマの誕生会の話題で溢れているのですが、敢えてそういったこの時期に今回のようにこういった難しい問題を考えてみたいというのが私の気持ちでもあります。

(資料)
Winnipeg Free Press (Dec.4 2017 - Churchill wants fewer polar bears shipped south) (Dec.5 2017 - Churchill polar bears headed to zoo)

(過去関連投稿)
カナダ・マニトバ州チャーチルの当局者がホッキョクグマ孤児の保護方針の転換を主張 ~ 科学と倫理の相克
by polarbearmaniac | 2017-12-06 00:15 | Polarbearology

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