街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園で誕生の2頭の赤ちゃんが遂に戸外へ

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Photo(C)de Volkskrant / Reuters

昨年暮れに生まれたホッキョクグマの赤ちゃんたちが続々と戸外に登場しています。今度はオランダ・レネンのアウヴェハンス動物園で昨年12月1日に誕生した2頭の赤ちゃんですが、本日29日にとうとうフギースお母さんと一緒に戸外に登場しました。 このフギースお母さんですが、以前にもご紹介している通り「スパルタ教育」「荒技教育」をするお母さんです。 顔を見てもなんだか怖そうな感じですね。 このユトレヒトTVの赤ちゃん登場のシーンを見ても、やはりフギースお母さんは赤ちゃんを噛んで引っ張っています。なにしろ荒っぽいお母さんなのです。 映像が入ってきましたのでご紹介いたします。 まずアウヴェハンス動物園の公式映像です。



この下はニュース映像です。



(資料)
de Volkskrant (Feb.29 2012 - IJsbeertjes voor het eerst naar buiten)
De Gelderlander (Feb.29 2012 - IJsbeertjes Ouwehands voor het eerst buiten)
RTV Utrecht (Feb.29 2012 - IJsbeertweeling voor het eerst naar buiten)

(過去関連投稿)
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園でのフギースの今回の出産を過去のデータと比較する
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園で誕生の赤ちゃん、順調に3週間目へ
オランダ・レネンのアウヴェハンス動物園で誕生の2頭の赤ちゃん、順調に生後8週間が経過
by polarbearmaniac | 2012-02-29 22:30 | Polarbearology

モスクワ動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、活動範囲が徐々に拡大する ~ 性別への憶測

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Image : Вести

モスクワ動物園で昨年暮れに生まれた4頭の赤ちゃんのうち、11月末に生まれた三つ子の赤ちゃんの映像がまたロシア第一TVのニュース番組と記事で入ってきましたので一番下の映像をご覧ください(要Flash再生)。 最初に戸外に登場したときよりも活動範囲が広がっていることがわかります。やはり冒険心のある赤ちゃんは好奇心で水の方に近づいたりしていますがシモーナお母さんは鼻を鳴らせて警告している様子がわかります。

この三つ子の赤ちゃんが映っているのは通常はムルマ(とウムカ)が使っているほうのLower Exhibitです。広いほうのUpper Exhibit には父親のウランゲリの姿が映っています。もう1頭のムルマお母さんが産んでいるはずの1頭はまだ姿を現せていないようですが、多分12月に生まれたためにまだ産室にいるということでしょう。 ムルマお母さんの赤ちゃんが登場すれば、今度はこの三つ子は広い方のUpper Exhibitに登場することになるのではないかと思われます。モスクワ動物園もなかなか手の込んだ展示の仕方をするものです。この赤ちゃんたちが戸外に出ている時間はまだ非常に短いらしく、(今の段階で)モスクワ動物園に行って赤ちゃんが見られた来園者は運が良いということを言っています。報道ではモスクワ動物園の飼育員さんの発言を紹介して、雪の傾斜を滑って遊んでいる1頭の赤ちゃんは雄らしいなどと言っていますが、本当にそうでしょうか? 写っている中で、活動量が多くて水に興味を持っている赤ちゃんがいますが、これはなんとなく感じが雄のような気がします。 3頭もいれば必ず1頭は甘えっ子ちゃんがいるのですが、映像で見ますとやはりそういう1頭がいるようです。



(*追記) さらにロシア第一チャンネルのニュース映像も入りましたので追加しておきます。 この再生にもFlash 再生が可能なブラウザでなければ視聴不可のはずです。



(資料)
Вести – Москва (Feb.28 2012 – Три медведя)
Первый канал (Feb.28 2012 - В московском зоопарке из берлоги вылезли белые медвежата)

(過去関連投稿)
モスクワ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 繁殖実績世界一の貫録を見せつける
モスクワ動物園の広報担当者、ホッキョクグマの赤ちゃん誕生を認める ~ ウランゲリ、また父親となる
モスクワ動物園がホッキョクグマの赤ちゃん4頭の誕生を正式発表 ~ シモーナ、遂に三つ子を出産 !?
モスクワ動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、初めて戸外に登場!
モスクワ動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、戸外で過ごす時間が次第に増える
by polarbearmaniac | 2012-02-29 01:00 | Polarbearology

デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーのライブカメラ映像、遂に公開開始!

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Photo(C)Skandinavisk Dyrepark

デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園で昨年11月22日に誕生し人工哺育で育てら得ている人気者のシークーですが、戸外の飼育場に設置された2つのライブカメラによって待望の飼育場のライブ映像を見ることができるようになりました。カメラは2つあります。
Siku cam 1
Siku cam 2
中央欧州時間(CET)を採用しているデンマークの時間は日本時間マイナス8時間です。 ここしばらくの間シークーはCETの午後3時から5時の間だけ戸外に出してもらうようです。つまりデンマークがサマータイムに入る前の時期の現時点では、日本時間の23時から午前1時までということになりますね。(*注 - 時間を訂正しました。 この時間以外でもSiku cam の1,2ではシークーの動き回る映像を見ることができますが、これは録画です。) それにしても実に広々とした場所です。

(過去関連投稿)
デンマーク・東ユトランドのスカンジナヴィア野生動物公園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園で人工哺育されている赤ちゃんの映像
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園のシークーの生後32日目の映像
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園のシークーの報道映像
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園で人工哺育されているシークーの生後66日目の映像が公開
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーが遂に屋外へ
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーの戸外初登場の映像
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーが飼育場に登場
by polarbearmaniac | 2012-02-28 08:30 | Polarbearology

北極圏の氷の減少と今後のホッキョクグマの生息数を考える

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ムルマお母さんと赤ちゃん (2010年7月25日撮影 於 モスクワ動物園)
Nikon D3s
AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED

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まずこの上のグラフですが、これはアメリカの海洋大気圏局(National Oceanic and Atmospheric Administration)が公に発表している北極圏における氷の量について1979年から2000年までの平均値と2001年から2011年までの平均値の1年間における変化を示したものです。明らかに最近の10年間の氷の量はその前の10年間と比較すると少ないことを示しています。特に9月と10月においては減少が目立っています。

次の分布図は、やはりこの海洋大気圏局が発表しているもので、ホッキョクグマの生息地をいくつかのエリアに分けてホッキョクグマの頭数の増減の傾向を示したものです。赤は減少を示している地域、緑が安定している地域、黄色はデータが不十分である地域を示します。
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次の分布表は国際自然保護連(International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)が発表しているホッキョクグマの生息数の地域分布です。
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上の分布図をその前の頭数増減傾向分布図と比較してみますと、頭数の減少傾向のある地域よりも頭数の安定している地域のほうがもともとホッキョクグマの数が多い地域であり、そのことを考えると少なくとも最近までにおいては北極圏の氷の量の減少という事実がホッキョクグマの全体生息数の減少をもたらせているとは言い難いように思われます。 ちょっと安心したい気もするのですが、しかし一方においてホッキョクグマの生息数の今後の状況は大きく変化することは確実のように思われます。現在までなんとか生息数は維持できていたとしても、今後の一層の氷の量の減少によって新しく生まれた個体が成育することができない状況が予想されます。それは、もう母親が十分に子供に授乳したり守ったりすることが難しくなるということです。

そういう例の一つとしてここでハドソン湾の西岸で撮影された非常に悲しい映像を御紹介しておきます。 このyoutubeの映像を是非見ていただきたいと思いますが、何が何でもとは到底申し上げられません。栄養状態の良くないお母さんは体力を消耗しないように双子の赤ちゃんと寄り添うように休んでいます。そこに1頭のホッキョクグマが近づくのですが、お母さんは子供たちを守るために痩せた体で決然とこの1頭を威嚇して追い払います。子供を敵から守ろうという母親の気迫でしょう。しかしそれから先が問題です。1頭の赤ちゃんは起き上がり、そして仰け反るような格好で体を不気味に痙攣させるのです。お母さんは子供たちを外敵から守ることはできましたが、赤ちゃんのこの状態をどうすることもできないのです。この赤ちゃんはこの映像が撮られた直後に死亡したそうです。もう1頭の赤ちゃんも2日後に亡くなったとのこと。赤ちゃんの死亡の原因は飢餓の可能性が高いと撮影者は書いていますが、飢餓で亡くなる直前にはこのような不気味な痙攣を起こすということなのでしょうか? ともかく北極圏の氷の量が減少すれば母親が十分に食料を得ることができない状態が生じ、それは赤ちゃんの死に直結することになります。今後10年ほどの間に新しい生命が誕生しても成育することが難しくなり、ホッキョクグマの生息数は急速に減少することは十分に予想できると言ってよいでしょう。

(資料)
National Oceanic and Atmospheric Administration
(Sea Ice – Nov.9 2011)
(Biodiversity - Status and Trends of Polar Bears - Nov.8 2011)
Le Cercle Polaire (Ours blanc : chronique d'une extinction annoncée)
by polarbearmaniac | 2012-02-28 07:00 | Polarbearology

International Polar Bear Day の日に考える ~ ホッキョクグマ、地球温暖化、原子力発電の関係

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ララとアイラ (2012年2月19日撮影 於 札幌・円山動物園)

今日2月27日は International Polar Bear Day です。「ホッキョクグマを考える日」、そういうことと理解してよいでしょう。ここで地球温暖化とホッキョクグマの未来に関しての啓蒙的な映像を2つご紹介しておきます。いずれも基本的・初歩的なポイントを押さえたものですから内容的にはとりたてて目新しいものはありませんが、基本に立ち返るという意味で見ておきましょう。一つ目はPolar Bear International の制作もの。二つ目はNational Wildlife Federation の制作したものです。





この地球温暖化ですが、次にアメリカの NASA が制作した 1880 年から 2011年までの地球の気温の変化です。1951年から1980年の平均気温をベースラインにして色が赤みを帯びてくるに従って気温が上昇していることを示しています。


地球温暖化の事実は疑いようがありませんが、その原因のすべてが人為的な二酸化炭素の排出増大がもたらす温室効果であるかについては、何とも言えない面が若干残るかもしれません。いろいろな要因を整理した非常に面白い映像を下にご紹介しておきます。


次に、この二酸化炭素排出を抑えるために原子力発電が有効か否かについてのレポートを2つご紹介しておきます。この2つのレポートの結論は大きく異なっています。この2つのレポートは最初から「結論ありき」で作成された感は拭えませんが、しかし読んでいて実に興味深い内容です。 いずれも日本語で、クリックしていたたくとpdf ファイルが開きます。

A.発電システムのライフサイクル分析 (電力中央研究所)
B.気候変動と原子力発電 (WWF)
by polarbearmaniac | 2012-02-27 07:00 | Polarbearology

憂愁のホッキョクグマ・ツヨシ、その寡黙なる歩みを見て思う

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今日はどこに行こうかといろいろ考えた。 旭川か釧路かと迷ったが結局は釧路にした。昨年のクルミのお別れ会に来て以来のことである。
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やあツヨシ、元気そうだね!
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ララの第一子であるツヨシは、今ではかつてほどの脚光を浴びていないような感すらある。
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ツヨシはやはり父親であるデナリに顔つきが似たところがある。 ホッキョクグマ界では「ララ似である」は褒め言葉であり、「デナリ似である」は貶し言葉であるように解釈されているらしい。 しかし敢えて言うが、デナリは美男子なのである。 デナリの、その過剰な甘さのない、まるで歌舞伎役者を思わせる痺れんばかりの流線型の顔付きは世界中の他のホッキョクグマにはあまり見いだせない。
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ただし「デナリ似」に問題があるとすれば、雌(メス)の流線型の顔付きへの評価だろう。 雌(メス)は丸顔のほうが美熊と感じる向きが多い。 アンデルマしかり、ララしかり。
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8歳になる彼女にはまだパートナーがいない。それは完全に我々人間の側の責任である。
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2年ほど前なら、イチかバチかでサスカッチやジャンブイと組ませてみる手はあった。駄目でもともとでトライしてみる手はあったのだ。 失うものは何もなかったはずである。
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しかしそうさせない「力学」が働いた。当事者たちはよほど懲りないとみえる。
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こうしてあのララの第一子は追い詰められていった。 我々人間の側の責任は重大である。 特に「某筋」は自分のところの様子が最近「忙しく」なってきた(らしい)ので、もうツヨシのことなど頭にはないのだろう。 ホッキョクグマ繁殖検討委員会の決断と強力な調整を期待する以外にはない。
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ツヨシは今日も黙々と歩みを続ける。
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今回の遠征は実に気分の晴れない旅行だった。

Nikon D7000
AF-S DX VR Zoom-Nikkor 55-200mm f/4-5.6G IF-ED
(Feb.26 2012 @釧路市動物園)
by polarbearmaniac | 2012-02-26 20:45 | しろくま紀行

ロシア・西シベリア、エカテリンブルク動物園のアイナとウムカ、同動物園の 「ベストペア」 に選ばれる

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アイナとウムカ Photo(C)Екатеринбургский зоопарк

過去何回かロシア・西シベリアのエカテリンブルク動物園の話題を投稿しています。 今回はこの動物園で毎年恒例になっているらしい「動物園の最もロマンティック(романтический)なペア」を投票で選ぶという催し物があり、見事それに選ばれたのはこの動物園のホッキョクグマであるアイナとウムカでした。第2位はベンガルトラのペアだったそうです。 アイナとウムカには選ばれたご褒美においしい魚と肉の特別プレゼントが与えられたそうで、ロシアの地方都市の動物園のなんともほほえましいトピックのように思われます。

さて、実は昨年11月の投稿(ロシア・西シベリアのエカテリンブルク動物園に冬将軍到来 ~ 「黒い噂」と衝撃の映像をどう考えるか?)で、このエカテルンブルク動物園にまつわる「黒い噂」の存在について書きました。この「噂」の究極的な部分にはホッキョクグマのアイナがまるで血を流して死亡しているのではないかと思われる映像の存在すらあったわけです。私はその後のエカテリンブルク動物園に関するニュースを注意深く観察していましたが、とりたててこの「黒い噂」の進展した話はネット上では見つけられなかったわけでした。これを考えるに、ロシアの地方都市特有の「陰謀」「謀略」「権力の腐敗」の存在を前提としたほうがよいように感じます。言えることは、エカテリンブルク動物園の内外に対立するグループの存在があり、その片方からこのような動物園の実態を暴露するような(本当にそれが事実か否かは不明です)報道記事が書かれていると考えて間違いないでしょう。実は政治的・社会的にもこのエカテリンブルクという街には得体の知れないような利害の対立が存在しているようで諸々の件に関して一部で実に生々しい報道がなされることのある街です。

さて、前回書きましたホッキョクグマのアイナの安否ですが、ノーボスチ通信が最新の映像を流しています、それが下の映像ですがアイナ(とウムカ)の元気な姿が確認できました。本当に一安心です。ただし、この街からのニュースについては今後も注目しておきたいと考えています。ロシアという国の地方都市の「暗部」を垣間見せるニュースを読むことができそうです。 (* Flash 再生可能なブラウザのみで視聴可)



それからこの下の映像は昨年秋のもののようですが2頭の様子を知ることができます。


(資料)
Екатеринбургский зоопарк (Feb.20 2012 - Жители города выбрали лучшую пару Екатеринбургского зоопарка)
РИА Новости (Feb.20 2012 - Белые медведи в Екатеринбурге выиграли конкурс на лучшую "пару")
Комсомольская правда (Feb.20 2012 - В екатеринбургском зоопарке выбрали самую романтичную пару)
Lenta.ru (Feb.20 2012 - Главными романтиками екатеринбургского зоопарка стали белые медведи)

(過去関連投稿)
ロシア・エカテリンブルク動物園の仲良しペアへの大きな期待 ~ ロシアの新しい繁殖基地を目指して
ロシア・エカテリンブルク動物園のウムカ ~ 「2011年ミスター動物園」に選ばれる
ロシア・西シベリアのエカテリンブルク動物園に冬将軍到来 ~ 「黒い噂」と衝撃の映像をどう考えるか?
by polarbearmaniac | 2012-02-26 02:00 | Polarbearology

アイラの輝きはどこへ消えたのか? ~ "Ich hab' im Traum geweinet"

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今日のおびひろ動物園の開園は11時のはずだが、10時40分頃に着いたらもう開園していた。
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今までのホッキョクグマ体験のなかで、今日ほど私にとって悲しい日は滅多になかったし、これからもあまり無いだろう。 今日のアイラは実に悲惨極まりない姿に見えた。 あの「送る会」で見たアイラと今日のアイラは全く別のホッキョクグマに見えた。まだ幼く小さな体でアイラが今日、私に見せてくれたのは「一丁前」の常同行動だった。 アイラよ、1歳と少しになったばかりのキミは、もうそんなことを覚えたのか! ピリカお姉さん譲りの「常同ピリカ・ターン」までマスターしたのかい! 

予期せぬアイラの常同行動
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常同行動だけではない。それに加えて、アイラの顔からはあの愛くるしい表情が完全に消え、精気さえ失っているように見えた。あたかもそれは幼くしてすでに精神が荒廃したかのようにさえ思えるホッキョクグマの幼年個体の表情であった。札幌からも円山動物園でよくお顔を知る方々が大勢来ていた。 私のような本州組も何人か来ていた。私はそういう、札幌でララとアイラの母娘の姿を1年間にわたって見てこられた札幌(そして本州)の方々のそれぞれが、今日のアイラを見てどう思われたかはわからない。 アイラと再会できて十分堪能された方も、もちろんいらっしゃるだろう。 人それぞれ、感じ方は違って当然だろう。 しかし私には、なにかホッキョクグマ舎周囲には重苦しい雰囲気を感じた。何人かの札幌の方とお話ししたが、その方々の受けた印象は私とほとんど同じのようだった。今日はマスコミも何社か取材に来ていた。 どうせ記事には、「多くの来園者はアイラの可愛らしい姿に歓声を上げた。」などと書くのだろう。 しかし私に言わせれば、それはまったく事実ではない。 小さな子供さんを除けば、誰も歓声などあげてはいないはずだ。 ホッキョクグマ舎を支配していたのは奇妙な「沈黙」だけのはずである。
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イコロも心なしか精彩に欠ける。

隣のセクターにいるアイラを気にしているイコロ

まさかこんな状態だとは予想もしていなかった。 ショックを受けた。 写真などほとんど撮る気になれなかった。 今週月曜日のララお母さんが娘を失ったあとの姿を思い出し、私はもういたたまれなくなって、早々と午前11時半過ぎに動物園を退散。 動物園滞在・自己最短記録樹立である。 私の中で当分破られることはないだろう。 明日どうするかは、これから考えたい。

Nikon D7000
AF-S DX VR Zoom-Nikkor 55-200mm f/4-5.6G IF-ED
(*1枚目のみ Lumix DMC-TZ20)

(Feb.25 2012 @おびひろ動物園)
by polarbearmaniac | 2012-02-25 13:45 | しろくま紀行

モスクワ動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、戸外で過ごす時間が次第に増える

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Photo(C)Комсомольская правда /Никита Миронов
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Photo(C)«Вечерняя Москва», Петр Болховитинов
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Photo(C)Московский комсомолец /Владимир Романовский

昨年の11月にモスクワ動物園でシモーナお母さん(間違いないでしょう)から誕生した三つ子の赤ちゃんが22日から戸外に出たことはご紹介しています。 最初の22日はたった5分間だけのお目見えでしたが、それから二日経った24日には15分間、お母さんと戸外で過ごすようになったそうで、3日間で少しずつ活動の範囲は広がっているそうです。 シモーナお母さんの監視の眼も行き届いているようですね。 これらの写真で見るシモーナお母さんは、非常に余裕のある表情に見えます。赤ちゃんが三つ子であっても全く動じない態度であることがうかがえます。 シモーナお母さんは、やはりたいしたものです。

参考までに、このシモーナお母さんが生んだ過去の赤ちゃんの戸外初登場の時のロシア第一テレビのニュース番組を中心にご紹介しておきます。

まず下は2009年11月生まれの赤ちゃんが、翌年2010年3月2日に戸外に登場したときのシーンです。 最初の映像の番組の中で女性の広報担当のメンドーサさんの次に登場している男性がモスクワ動物園のホッキョクグマ担当主任のエゴロフさんですが、この方のホッキョクグマ飼育・繁殖の経験の蓄積は大変なもので、世界中の動物園の中で最も飼育下のホッキョクグマを知り尽くしている飼育担当者だろうと思われます。 イワンや豪太も非常にこの方のお世話になったということです。 それから、開始後1分30秒あたりから5秒間ほど、シモーナのパートナーであるウランゲリも登場しています。 (*注 - Flash の使用できないブラウザでは視聴不可)





次にこの下の2つのニュース番組の映像は2007年11月に誕生した赤ちゃんが翌年2008年3月6日に戸外に登場したときのシーンです。 実に力強い授乳シーンだと思います。(*注 - Flash の使用できないブラウザでは視聴不可)




シモーナお母さんは、ごく最近だけでもこうして1年おきに双子を出産し、そして今回は三つ子というのですから本当に大したものです。 これほど出産に関して安定して揺るぎのないお母さんというのも珍しいでしょう。 私の見てきた経験で言えばホッキョクグマのお母さんというのは、それぞれのお母さんの子育てのやり方は全て異なっていて3頭3様です。この上の2つの短い映像を見ただけでも、シモーナはララとはかなりタイプが違うことがわかります。 シモーナはシモーナのやり方で、ララはララのやり方でと、実際にモスクワや札幌で素晴らしいお母さんたちの実際の子育ての姿を見ることは興味深い体験です。

(資料)
Комсомольская правда (Feb.24 2012 - Медвежата вышли в свет)
Вечерняя Москва (Feb.24 2012 - Белые медвежата вышли на прогулку)
Московский комсомолец (Feb.24 2012 - Медвежатам в зоопарке устроили первый променад)

(過去関連投稿)
秋の日のモスクワ動物園のシモーナとウランゲリ ~ 再び期待されるこのペアの繁殖
さらなる出産が切望されるムルマ ~ 秋の到来を感じさせる気温のモスクワ動物園で
モスクワ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 繁殖実績世界一の貫録を見せつける
モスクワ動物園の広報担当者、ホッキョクグマの赤ちゃん誕生を認める ~ ウランゲリ、また父親となる
モスクワ動物園がホッキョクグマの赤ちゃん4頭の誕生を正式発表 ~ シモーナ、遂に三つ子を出産 !?
モスクワ動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、初めて戸外に登場!
by polarbearmaniac | 2012-02-25 08:30 | Polarbearology

上野動物園のレイコ逝く

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レイコ  Photo (C) 共同通信(2008年7月20日撮影

帯広到着後に大変悲しいニュースを知りました。 上野動物園(東京都恩賜上野動物園)からの正式発表によると、雌のレイコが本日24日の朝に亡くなっていることが確認されたそうです。 享年28際。 死因は肝腫瘍とのことです。 謹んでレイコの冥福を祈ります。 旭山動物園のコユキさん亡きあと、レイコは日本の首都・東京の動物園の看板ホッキョクグマとして「日本ホッキョクグマ会」の会長さんのような地位にありました。せっかく新しいホッキョクグマ飼育展示場が完成したばかりの時期に、このような訃報があるとは非常に残念なことです。 ホッキョクグマの訃報を聞くのは旅先でばかりだということも大変不思議です。

最近のレイコは病気だという話を聞いてはいましたし、関連情報から推し量ると彼女の病状は重いのではないかという予感はしていました。 昨年暮れに私は、「2012年の日本のホッキョクグマ界は上野動物園が鍵を握る」という意味のことを予想しました。 それがいきなり「訃報」という形をとったわけですから、不幸この上ないことです。 上野動物園では困っていることでしょう。 飼育している2頭のホッキョクグマの高齢化を危惧してモスクワ動物園から個体を入れようと一昨年に上野動物園が動いた件については、すでに昨年暮れに投稿しています。 なにか私にはこのレイコの死が日本のホッキョクグマ界にとって風雲急を告げる状況をもたらせたような気がします。 イコロ、アイラ、そしてこの子たちを巻き込んだ話になるのは必至ではないでしょうか?

最後に、重ねてレイコの冥福を祈ります。 本当に長い間ご苦労様でした。
安らかに...。
(帯広にて記す)

(資料)
上野動物園 (Zoo Net ニュース Feb.24 2012 - ホッキョクグマの「レイコ」よ、やすらかに)
時事通信 (Feb.24 2012 - 国内最高齢のホッキョクグマ死ぬ=28歳「レイコ」-上野動物園)
by polarbearmaniac | 2012-02-24 16:30 | Polarbearology

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人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Lenin's Tomb: The Last Days of the Soviet Empire


Resurrection: The Struggle for a New Russia


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


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