街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のホッキョクグマ、ウドに市民からおもちゃのプレゼント

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おもちゃをもらったウド Photo(C)Северский зоопарк

小さくて考えようによってはつまらないニュースであるにもかかわらず、やはりここで投稿しておきたい内容の記事がありました。 世界の大都市の有名な動物園で脚光を浴びているホッキョクグマたちには頻繁に光があたっても、ロシアの地方都市の名もない小さな動物園の不十分な環境で暮らすホッキョクグマに光が当てられることは皆無に等しいわけです。 このセヴェルスク動物園に一頭で暮らすウドはまさにそうしたホッキョクグマです。 誰にも注目されずひっそりと暮らし、そしてそこで人知れず一生を終ってしまうであろうホッキョクグマに対して私は同情の念を禁じ得ません。 ですので、彼についてのニュースはそれがどれほど小さなニュースであってもこのブログで記録しておきたいと考えています。

ロシア・西シベリアのセヴェルスク動物園で暮らす雄のホッキョクグマであるウドに地元企業グループからの援助の手が差し伸べられた件についてはすでに「ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のホッキョクグマ、ウドに地元企業から救いの手」という投稿で御紹介しています。 このウドに対して今度は市民から乳児用のバスタブがおもちゃとしてプレゼントされたそうです。 これはセヴェルスク動物園が市民に対して動物達のおもちゃとなるものの提供の呼び掛けに応じたものでした。おかげでウドはこのおもちゃで非常に長い時間遊びようになったそうです。
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Photo(C)crazy.werd.ru

このセヴェルスク動物園は財政的にも非常に厳しい状態であることは今まで何度か御紹介していますしHPを開設するほどの余裕すらない動物園だったのですが、ロシアで動物園ニュースサイトを開設していらっしゃる方がやはりこの動物園の窮状に心を痛めていらっしゃるのでしょう、ボランティアのような形で非常に整備されたセヴェルスク動物園のHPを作ってこの動物園のニュースを公開・更新しています。 こういったことをかってでる方がいることに救いを感じます。

(資料)
РИА НОВОСТИ (Sep.17 2012 - Северчане подарили мячики леопардам и детскую ванночку белому медведю)
Независимый Городской Сайт Томска(Sep.17 2012 - Горожане подарили белому медведю пластмассовую ванну)
Томский Обзор (Aug.18 2011 - Зоопарки России-3. Северский зоопарк)

(過去関連投稿)
ロシア・セヴェルスク動物園で空腹に悩むホッキョクグマ ~ 地方小都市動物園の窮状
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のウドに差し入れによるご馳走のプレゼント
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園で暮らすウドの避暑 ~ 新動物園計画への子供たちの夢
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のホッキョクグマ、ウドに地元企業から救いの手
by polarbearmaniac | 2012-09-30 01:00 | Polarbearology

チェコ・ブルノ動物園のコーラの出産準備万端 ~ 出産・成育成功の条件は?

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コーラ  Photo(C)Gabriela Peringerová / Blesk.cz

毎年毎年、無事の出産と赤ちゃんの成育があるのかどうかにやきもきさせられるのがチェコ・ブルノ動物園で飼育されていて間もなく14歳になるコーラです。 彼女は1998年11月にロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園であのウスラーダから生まれており、昨日も投稿しているモスクワ動物園のシモーナの妹であるわけです。

コーラの最初の出産は2005年でしたが、その時には赤ちゃんは食害となり、翌年も同様でした。 2007年11月には三回目のトムとビルの双子を出産し無事育て上げています。 その後は2010年、2011年にも出産がありましたがいずれも赤ちゃんは食害の犠牲になっています。 2010年のコーラの出産映像はこちらでご覧になれます。 また、2011年の出産についてはその食害の映像を「チェコ・ブルノ動物園がコーラの出産に園の浮沈をかける ~ 食害の瞬間を映した貴重な映像記録の公開」という投稿でご紹介しています。 さらに下に2007年11月に誕生したトムとビルの双子とコーラの映像をまた一つご紹介しておきましょう。



こうして、調べた限りでは合計5回の出産があったわけですが4回が食害という結果になっています。 最新のチェコの報道によりますと、今年の11月にもコーラの出産の可能性は極めて高いとブルノ動物園では考えており、すでにコーラの出産準備のためすでに雄のウムカがバックヤード飼育になり、そしてコーラには産室への出入りが自由な状態にさせているそうで、産室内にモニターカメラの設置を終了し、今年も産室内映像のネット中継が予定されているようです。 ブルノ動物園がコーラの出産の可能性は高いと考えている理由は、やはり彼女の2007年の双子出産の成功という実績を重視しているからに違いありません。 ブルノ動物園の期待はもっともなことだと思われます。

コーラが過去何度も食害で赤ちゃんを「消して」しまった理由にですが、マスコミ報道によるブルノ動物園の発言の意味するところを私なりに言い換えてみれば、それはやはり赤ちゃんが生まれた瞬間にお母さんにその赤ちゃんの母親となるだけの心理状態、あるいは心の準備があるかどうかということになるでしょう。 どうもコーラはやや神経質な性格であるようです。 母親ウスラーダとも姉シモーナとも違った性格であるように思われます。 しかし出産・育児の成否にはお母さんの性格も多少は影響しているかもしれませんが、それ以外の部分が大きいでしょう。 「この子を育てていける。」という確信をお母さんに抱かせる要素としては周囲の環境も影響があるでしょう。

国外であれ国内であれ、やはり出産経験のある雌に期対する方が無難でしょう。今年の暮れは世界でいったい何頭の赤ちゃんが誕生・成育するでしょうか。ロシアも欧州も大物お母さんたちの多くはみな子育て中で今年の年末は出産がありません。 ですので、まず出産を期待してよいのは過去に実績のある雌ということになるでしょう。 正直言ってそれ以外は過度の期待をしないほうがいいのかもしれません。 いずれにせよ、淡々と見守りたいと思います。

(資料)
Blesk.cz (Sep.27 2012 - Lední medvědice Cora opět čeká mláďata!)
Aktuálně.cz (Sep.27 2012 - Loňská mláďata medvědice sežrala, teď má druhou šanci)

(過去関連投稿)
チェコ・ブルノ動物園での別れ(前) ~ トムとビルを愛した人々
チェコ・ブルノ動物園での別れ(後) ~ トムとビルを愛した人々
チェコ・ブルノ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
チェコ・ブルノ動物園で誕生のホッキョクグマの赤ちゃん食害の犠牲に!
来シーズンの繁殖に向けて動き出したチェコ・ブルノ動物園 ~ コーラとウムカの同居開始
チェコ・ブルノ動物園のコーラに11月の出産の期待
チェコ・ブルノ動物園のコーラの出産が秒読み ~ 画期的な産室内部のライブ映像中継
チェコ・ブルノ動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 1頭が生存中
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、2頭目も死亡!
チェコ・ブルノ動物園がコーラの出産に園の浮沈をかける ~ 食害の瞬間を映した貴重な映像記録の公開
by polarbearmaniac | 2012-09-29 01:00 | Polarbearology

理性のウスラーダと情愛のシモーナ ~ 偉大なるホッキョクグマ母娘の性格の違い

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ウスラーダ (2012年9月17日撮影 於 サンクトペテルブルク・レニングラード動物園)
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シモーナ (2012年9月20日撮影 於 モスクワ動物園)

今回の旅行の目的はウスラーダ(すでに15頭出産)とシモーナ(すでに13頭出産)という現在ロシアの誇る2頭の名ホッキョクグマ母娘が子供たちにどう接しているかをじっくりと観察することが目的だったわけですが、レニングラード動物園3日間、モスクワ動物園4日間と開園からほぼ閉園まで、じっくりと時間をとれたことにより目的はほぼ達成されたと考えています。

このウスラーダ(現レニングラード動物園/1987年 カザン市動物園生まれ)とシモーナ(現モスクワ動物園/1994年 レニングラード動物園生まれ)は現在のロシアを代表するホッキョクグマ母娘であり、同時に日本との関係も非常に深いホッキョクグマです(今更ここで繰り返しません)。 しかしこの母娘が子供たちへのアプローチは正反対なものと言ってよいように思います。 それはさしずめ、理性のウスラーダ、情愛のシモーナと呼んで差支えないでしょう。 つまり理性のホッキョクグマ・ウスラーダから生まれた長女シモーナは、いざ自分が母親になった時にはウスラーダと正反対のアプローチで子供たちに接しているということになります。 というよりも、シモーナは母親ウスラーダとは全く異なる性格を持っていると考えた方が正確でしょう。 母親が子供に接する態度はその母親の性格が大きく影響しているであろうことは容易に想像がつくわけで、そういった意味ではこのウスラーダとシモーナの母娘は正反対の性格を持っていると思われます。

ウスラーダ (2012年9月17日撮影)

シモーナ (2012年9月21日撮影)

さて、ではこのウスラーダをカザン市動物園で生み育てた往年の名ホッキョクグマであったディクサ (1973~2006) がどのような性格を持ちどのように子供たちに接していたかについては全く資料がありませんので何とも言えません。 このディクサの姿は以前私がカザン市動物園を訪問した際に同動物園に展示してあった写真を撮影していますのでこちらをご参照下さい。 さて、ではこのディクサの性格を推し量ってみるとすれば娘であるウスラーダ以外の子供の性格を探っていくことで何かのヒントが得られるかもしれません。 ディクサの娘、すなわちウスラーダの妹で現在もカザン市動物園で飼育されている雌のマレイシュカを見ていくことにしましょう。 このマレイシュカについてはやはり私が昨年9月にカザン市動物園で会っていますのでこちらをご覧ください。 私が彼女に会ったのはたった2日間だけですし、しかも子育てをしているのを見ていませんので確定的なことは言えませんが、しかし私の見た限りマレイシュカはやはり姉のウスラーダに似た理知的な性格であるようにも感じました。 このマレイシュカが2009年12月に産んだピムとの映像を下にご紹介しておきますが、これだけでマレイシュカの母親としての子供への接し方を知るのには全く不十分でしょう。



つまりどうやってもウスラーダとマレイシュカの母親であるディクサの性格まで推し量る材料は得られないということになります。 では今度はウスラーダの娘であるシモーナの生んだ雌の子供の性格を考えたいのですが、やはりそれはドイツ・ニュルンベルク動物園の雌のヴェラの性格を見ていくことになります。 実はこのヴェラにも昨年の4月に私は現地で会っています。その時のレポートである「ヴェラお母さんの性格と子育て」をご参照いただきたいのですが、このヴェラというのは非常に神経質な母親でした。 そういったヴェラの性格が表れている映像となると非常に難しいのですが、以下などはなんとなくその感じが出ているような気がしないでもありません。


ということでこのヴェラと彼女の母親であるシモーナとはまたかなり性格が異なるということになります。 つまり、ホッキョクグマは母娘だからといって性格(そして子供への接し方)が似るということはないのではないかという気がしますが例が少なくてそう断言することも難しいでしょう。 たとえば札幌・円山動物園のララの母親であるクーニャですが、少なくとも私がクーニャがまだ元気であるときに何度か会った印象では、彼女は来園者に対して親愛の情を示すようなホッキョクグマではなく、むしろ人間に対して警戒心と敵対心に満ちていたホッキョクグマという感じを強く持ちました。 そしてさらにクーニャというのは非常にプライドの高いホッキョクグマだという印象も持ちました。 つまり、クーニャとララの性格はかなり似ているように思います。 私に言わせれば私の会った雌のホッキョクグマの性格のうち対極にあるのが今は亡きクーニャとモスクワ動物園のシモーナだという印象を強く持ちます。 ウスラーダとララも性格は全く違いますね。 ララは幾分気分屋ですがウスラーダは怜悧な性格です。

ホッキョクグマのお母さんは人間に負けず劣らず個体によって母親像が大きく異なっていることに気が付きます。 こういう視点で見ていくと実に興味深いものがあります。

(過去関連投稿)
カザン市動物園へ ~ 貧弱な飼育環境と大きな繁殖実績との間の巨大なパラドックス
カザンの星、マレイシュカお母さんの素顔
ヴェラお母さんの性格と子育て
ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園でウスラーダが15頭目の赤ちゃんを出産!
by polarbearmaniac | 2012-09-28 07:00 | Polarbearology

中国・北京動物園に遂にホッキョクグマ戻る!

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Photo(C) 新京報

このブログを開設してから私は二度、北京動物園に行っていますがいずれもホッキョクグマに会うことができなかった件はすでに投稿しています(過去関連投稿参照)。 ホッキョクグマ展示場の大規模改修工事が計画されていたためにホッキョクグマを中国の他の都市の施設に移動させたらしいことまでは突き止めましたが北京動物園サイドの発言に一貫性がなく、彼らの言うように本当に青島や深圳の動物園に預かられているかも確証のないままでした。

ところが北京からの9月21日付けの報道によりますと、とうとう20日に北京動物園に2年振りに2頭のホッキョクグマが山東省の済南市から10時間かけて戻ってきたそうです。さらに国慶節(今年は9月30日から10月7日まで)までにさらに青島と深圳から2頭のホッキョクグマが戻るそうで合計4頭のホッキョクグマがこのほど完成した新展示場にお目見えするとのことです。 20日に北京動物園に戻った2頭は美美と乐乐という名前で一昨年にロシアからやってきた若いペアだと報じられていますから、これこそ2009年の暮れにロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園でウスラーダお母さんから生まれ、その後モスクワ動物園に移動となった雄のサイモン、そしてやはり2009年にモスクワ動物園でムルマお母さんから生まれた雌の一人っ子ちゃんのペアに間違いないでしょう。この件については是非、以前の投稿である「モスクワ動物園の幼年個体、ペアとして中国・北京動物園へ」をご参照下さい。

さて、それでは年内にどうしても北京動物園に行ってこなくてはいけませんね。 このウスラーダの息子のサイモンとムルマの娘には私はロシアですでに会っていますから北京で彼らに再会できることになりそうです。 検疫の問題とか、あるいは新展示場のオープンの日程とかの問題がありますから、彼らが本当に新展示場にお目見えした報道写真が発表された段階で北京に飛びたいと思います。 尖閣諸島の問題で反日デモが行われたりして現在は少し物騒となったため今週末の今年二度目の大連行きをキャンセルせざるを得なかったわけですが、少なくとも11月頃までに問題は沈静化すると考えていますので、その頃を目途に北京に出かけ、新展示場のレポートをしたいと願っています。

(資料)
北京日報 (Sep.21 2012)
新京報 (Sep.21 2012)
人民网北京视窗 (Sep.21 2012)

(過去関連投稿)
北京動物園から消えたホッキョクグマたち
モスクワ動物園の幼年個体、ペアとして中国・北京動物園へ
新たに”行方不明”となった2頭のホッキョクグマ ~ 北京動物園の怪
by polarbearmaniac | 2012-09-27 07:00 | Polarbearology

ホッキョクグマの授乳シーンに対するロシア人の反応

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三つ子に授乳するシモーナお母さん (途中で1頭が離脱)
(2012年9月22日撮影 於 モスクワ動物園)


ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園、及びモスクワ動物園でこうしてホッキョクグマ親子の姿を見てきたわけですが興味深いことに気が付きました。 それはホッキョクグマのお母さん(ウスラーダ、シモーナ)が子供たちに授乳を始めた時のロシア人の反応です。

日本 (とはいっても最近は札幌・円山動物園しかないわけですが) においてホッキョクグマのお母さん(すなわちララ)が子供に授乳を始めたときには来園者はその光景に見とれたり写真に撮ったりする人々が多いわけで、少なくともお母さんが子供たちに授乳を行う光景を素晴らしいシーンだと感じて足を止めて見入る人々が少なくないわけです。 ところがサンクトペテルブルクもモスクワも、こういった授乳シーンが始まると来園者の多くはその場から移動して他の動物の展示場に移動する傾向があるのには少し驚きました。 精力的に遊んでいた赤ちゃんたちを展示場前で足を止めて楽しんで見ていた人々の多くにとって、この授乳シーンの開始は、ホッキョクグマの展示場から他へ移動するきっかけになっているようです。 つまりロシア人にとって授乳シーンはさほど興味の湧かない光景らしいということです。 そして事実、この光景を写真に撮ろうという人をあまり見かけませんでした。

私個人的には、こういった授乳シーンは親子の絆を強く確認させてくれる素晴らしいシーンだと感じるのですがロシア人にとってそれは動物的というか即物的というか、つまり、あえて見るほどもないシーンだと感じるのでしょうか。 欧州(ニュルンベルク、レネン、オールボー、ロッテルダム)でも私はこの授乳シーンを見ていましたが、やはりロシア人のような無関心というものでもなかったように感じました。 ホッキョクグマの親子に何を見て何を感じるかは人それぞれだと思いますが、少なくともロシア人はホッキョクグマの授乳をあえて「癒し」に結び付ける感性はないように思いました。 国や民族が違えば物事に対する感じ方が違っても当然で、このケースもそういうことなのかもしれません。

(*追記)モスクワ動物園訪問の際のレポートにアップした動画の張り付けを完了しましたので、ご興味のある方は以下のページをご覧ください。
モスクワ動物園の三つ子ちゃんとの半年振りの再会 ~ シモーナお母さん、育児に大奮闘中
シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月20日) のアルバムより ~ 主役たちの魅力
シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月21日) のアルバムより ~ 多彩な表情
シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月22日) のアルバムより ~ 行動の力学
シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月23日) のアルバムより ~ お元気で!

(過去関連投稿)
ホッキョクグマのお母さんの三つ子の赤ちゃんへの授乳シーン ~ 大物お母さんだけの特権
by polarbearmaniac | 2012-09-26 15:00 | Polarbearology

アメリカ・ポートランドのオレゴン動物園が麻酔を使用せずにホッキョクグマの血液サンプル採取に成功

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Photo(C)Oregon Zoo

私のロシア滞在中に注目すべきニュースが一つ報道されています。 アメリカ・オレゴン州 ポートランドのオレゴン動物園が、飼育している2頭のホッキョクグマであるタサルとコンラッドから麻酔銃を使用せずに血液のサンプルをホッキョクグマから採取することに成功したというニュースです。 さてその方法ですが実に凝った装置を用いて行われたようです。 動物の飼育ケージを製造しているケーター2システム社の協力でアルミ製のホッキョクグマ用ケージにいくつかの方向からドアが開くような装置を用意したそうです。 担当の飼育員さんは前もってホッキョクグマがこのケージに入るように彼らを訓練しておき、本番時には以下の写真のようにホッキョクグマと顔と顔をつきあわせて食べものを与え、その間に獣医さんがホッキョクグマのちょうど後足の場所に開くドアから血液サンプルを採取するという方法だそうです。 オレゴン動物園のHPや報道など読む限りでは、この今回の方法の今一つ具体的なイメージが描きにくいわけですが、結果としてこうした方法によりタサルとコンラッドの2頭より血液の採取に成功したそうで、この方法についてオレゴン動物園の担当者は欧州動物園・水族館協会(EAZA)でも報告がなされるそうです。
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Photo(C)Oregon Zoo

このような方法で麻酔銃を使用せずにホッキョクグマの血液サンプルを採取することが可能であるならば彼らの健康チェックを行う上で非常に安全であることは間違いありません。 このような装置の開発はいささか「コロンブスの卵」的な感じがしなくもありませんが、ともかく麻酔銃の使用を少しでも減らせればそれに越したことはありません。 今回のこの方法については、世界で初めて麻酔銃を使用せずにホッキョクグマの血液サンプル採取に成功したという点で画期的なものと言えるでしょう。

(資料)
Oregon Zoo (Sep.19 2012 - Voluntary polar bear blood draw at Oregon Zoo is a species first)
OregonLive.com (Sep.19 2012 - Oregon Zoo makes a medical breakthrough with polar bears)

(過去関連投稿)
アメリカ・オレゴン州 ポートランド、オレゴン動物園のコンラッドとタサル ~ 別離なき永遠の双子兄妹
by polarbearmaniac | 2012-09-25 21:00 | Polarbearology

モスクワ・ドモジェドヴォ空港より成田空港に帰還 ~ 客室内気圧制御に優れたB787

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モスクワの南35キロに位置するドモジェドヴォ国際空港である。
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ロシアしろくま紀行を終え、これから日本に戻ることにする。 モスクワから成田までの飛行時間は約9時間である。
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復路ももちろんJALのB787である。
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往復長時間搭乗してみて気が付いたことだが、このB787の客室内の気圧調整は素晴らしい。 いつもだったら長時間飛行機に乗ると気圧の変化で肩や首筋が張ってくることもあったのだが、このB787はそれが全くない。 かなり以前に機内で気圧を測定してみたことがあるが880mbほどだった。つまり地上での平均気圧である1012mあたりよりもかなり低い気圧が設定されていたようだ。 ところがこのB787の客室内は多分、地上気圧に近いのではないだろうか?  そのために長時間乗っていても疲れないということなのだろう。 それから、客室内の湿度設定も優れているように思う。 口が渇いたりしないのである。
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新潟付近から日本上空に入る。
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成田空港に定刻到着。 今回はじっくりと腰を据えた充実のしろくま紀行だった。 もう次の旅行計画が頭の中で固まりつつある。

(Sep.25 2012 @成田空港・和食レストラン)
by polarbearmaniac | 2012-09-25 09:30 | 異国旅日記

シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月23日) のアルバムより ~ お元気で!

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シモーナお母さんと三つ子ちゃん、今日もよろしくお願いいたします。
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「おいお前、そこで何やってんだよ!」と冒険家ちゃんが振り返る。
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甘えっこちゃんが逃げ出した。 シモーナお母さんが、「ほらまた始まった」という顔をしている。
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お気に入りのタイヤに逃げ込もうとする甘えっこちゃん。
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冒険家ちゃんと慎重派ちゃんがタイヤを狙う。
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とうとう2頭はタイヤを奪い取って水に落としてしまう。

奪われて水に沈んだタイヤを必死に取り戻そうとする甘えっこちゃん
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結局シモーナお母さんがタイヤを取り戻してくれた。
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大好きなタイヤが戻ってきて安心した表情の甘えっこちゃんなのであった。
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午後になって雨が落ちてきた。 降りがだんだん強くなってきたのでシモーナお母さんと子供たちは室内で雨やどり。 ホッキョクグマも雨がやや強くなるとやはり室内に戻るのである。 彼らも雨は嫌なのである。 展示場と寝室の間の扉がいつでも開いているモスクワ動物園はその点で好都合だ。 そういえばペルミ動物園のアンデルマも雨が強くなってくると室内に避難していた。 その点、開園時間中に室内への扉が閉められてしまう日本の動物園のホッキョクグマは可哀想だ。 日本でも扉は原則として開放しておくべきだろう。
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やや強い雨は1時間半ほど降り続いた。 雨が止んで再びシモーナ親子が登場。
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さあ、また活動開始だ。
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シモーナお母さんが珍しくジャンプ!
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親子4頭の水遊びは豪快だ。
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シモーナお母さんも童心に戻ったようにプラスチックをおもちゃにして遊ぶ。
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いつの間にか甘えっ子ちゃんがお母さんのところにやってきた。
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冒険家ちゃんと慎重派ちゃんはまたバトルを開始。

人工雪を楽しむシモーナ親子
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遊び疲れて一息つくシモーナ親子。
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甘えっ子ちゃんはやはりお母さんのそばにいたがる。
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冒険家ちゃんと慎重派ちゃんは良い遊び友達だ。
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冒険家ちゃんだけ離れて寝ているのが不思議だ。

親子の寝姿
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やがて冒険家ちゃんもお母さんのところに戻ってきて親子4頭で眠ってしまった。 
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シモーナお母さん、本当にご苦労様です。
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アンデルマの孫でありウスラーダの娘であるこのシモーナ...実に偉大なる母である。 母親として、そして1頭の雌のホッキョクグマとして、欠点というものがまるで見当たらない。 その母性は輝きに満ちている。 大いなる賞賛を彼女に捧げたい。 
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この親子4頭の姿をいつまで見ることができるだろうか? おそらく1歳の誕生日の後で別の動物園に移動となるのだろう。 名残惜しい気がする。 滅多に見ることのできないホッキョクグマの三つ子の姿を、こうして3月に5日間、そして9月に4日間、合計9回このモスクワ動物園で間近に見られたのは実に貴重な体験だった。 しかも、シモーナという素晴らしいホッキョクグマを母親として2010年の雌の双子に引き続いてここで体験できたのは有意義だった。
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今日のモスクワは非常に気温が低く、吐く息も白くなるほどだった。 しかも途中で雨が降り、ホッキョクグマ展示場のガラスに水滴が付くなど写真撮影には厳しい条件だった。
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モスクワもすっかり秋である。
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できれば年内にまたここに戻ってきたいが、仕事の都合などで微妙だろう。戻ってこられたとしても三つ子ちゃんの姿を見られるかどうかはわからない。 いずれにせよ来年以降もこのモスクワ動物園には何度も戻ってくることになるだろう。 ここに来ると素晴らしいホッキョクグマ体験ができるからである。

Nikon D5100
AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR

(Sep.23 2012 @モスクワ動物園)
by polarbearmaniac | 2012-09-24 04:30 | 異国旅日記

シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月22日) のアルバムより ~ 行動の力学

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「私にはは少しだけ気にかけていることがある...。」とシモーナお母さんのつぶやく声。
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「それは、手前にいる甘えっこちゃんのこと。」
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「この子は日本にいるとかいうアイラちゃんに似てタイヤが大好きなの。」
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「でも他の2頭の子がすぐこの子にちょっかいを出すの。」
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「せっかく持って楽しんでいたテープを取り上げられちゃったようね。この子は力が弱いからいつも2頭にやられている様子。」
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「だから私は時々この子に声をかけてあげるの。」
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「この子は本当に甘えっこなのよ。」
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「甘えっこ」ちゃんはこうしてシモーナお母さんから可愛がられているのである。 この「甘えっこ」ちゃんは多分雌だと思う。

シモーナお母さんの今日1回目の授乳

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今日も「冒険家」ちゃんと「慎重派」ちゃんの戦いは続く...
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この「冒険家」ちゃんと「慎重派」ちゃんの2頭は間違いなく雄のように思う。 彼らの取っ組み合いを見ていると、これは雄のツインズ特有の取っ組み合いに似ているように思われる。


シモーナお母さんと三つ子の水中遊び

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19時10分より今日2回目の授乳があった。 今日も一日、本当にご苦労様でした!
シモーナお母さんの今日2回目の授乳

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ウランゲリは今日も一日、寝てばかりだった。 ウランゲリも偉大な雄のホッキョクグマだし私も大好きなのだ。 しかしやはりメンシコフの偉大さに比べるとちょっと物足りないのである。 
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モスクワ動物園というところは非常におもしろい。 閉園は19時なのだが閉園時間を知らせるアナウンスや音楽はまったくない。 19時を過ぎても来園者に帰宅を促すようなことは一切しないのだ。 だから閉園時間の19時になってもホッキョクグマ展示場には人が一杯いる。 一人、また一人と帰り始め、結局動物園から人がいなくなるのは19時40分頃である。「なんとなく閉園」、この感じが実に良い。 
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今日は土曜日のせいか、来園者が非常に多かった。 そういった中でこの三つ子それぞれの力関係や行動による相手への接し方を注意深く観察した。 おもしろかったが非常に疲れた。

Nikon D5100
AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
(Sep.22 2012 @モスクワ動物園)
by polarbearmaniac | 2012-09-23 04:30 | 異国旅日記

シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月21日) のアルバムより ~ 多彩な表情

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シモーナお母さんの三つ子への授乳

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「冒険家」vちゃんと「慎重派」ちゃんとの取っ組み合いが激しかった一日である。
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シモーナお母さんの背泳。 彼女は札幌・円山動物園のララと同じ年齢である。
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実に若々しい。 そして大変に容姿端麗なお母さんである。
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そして、みずみずしさに満ちている。
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「冒険家」ちゃんは今日は紐遊びに熱中。 目新しいものはなんでも好きなのである。
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「慎重派」ちゃんは今日も「冒険家」ちゃんに押され気味である。
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「甘えっこ」ちゃんはシモーナお母さんのそばにいる時間が多かった。
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夕方にリラックスするシモーナお母さんと三つ子
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夕方になって疲れてしまったシモーナお母さんと三つ子
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夕方の眠りにつくシモーナお母さんと三つ子
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夕方にはすっかりお疲れのシモーナお母さんと三つ子ちゃんたちである。
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今日は午後から下の展示場にウランゲリが登場した。 
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午後はずっと寝ていたウランゲリである。
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モスクワもそろそろ秋本番である。

Nikon D5100
AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
(Sep.21 2012 @モスクワ動物園)
by polarbearmaniac | 2012-09-22 04:30 | 異国旅日記

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