街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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十勝に到来した夏 ~ イコロとアイラの日曜日

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やあアイラ、今日は暑いね!
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アイラというと、やはり札幌時代のタイヤに入り込んだ姿を思い出す。
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ピリカもこの場所で同じようなポーズをとっていた。 ゆったりと過ごす日曜日のアイラである。
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今日は風がなくて日差しが強い。 ややお疲れのアイラだった。

閉園時間間際にブイと遊ぶアイラ

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イコロは本当に堂々として風格が出てきた。
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イコロをこの角度から見ると、父親のデナリにそっくりなのだ。
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今日は比較的おとなしかったイコロである。 やはり温度が高いためだろう、
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十勝には本格的な夏が到来したようだ。 北海道独特の上からのしかかってくる暑さだ。

Nikon D7100
AF-S DX VR Zoom-Nikkor 55-200mm f/4-5.6G IF-ED
(Jun.30 2013 @おびひろ動物園)
by polarbearmaniac | 2013-06-30 23:45 | しろくま紀行

ロシア・シベリア中部 クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官が同園を出発し、五千キロの移動の旅へ

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移動用ケージでのセードフ司令官
Photo(C)"Роев ручей" Красноярский зоопарк

ロシアの氷上サーカスでスケートの演技をしていたラパが引退してスタールイ・オスコル市 (Ста́рый Оско́л) にあるスタロースコルィスク動物園 (Старооскольский зоопарк) に入園し、その彼女のパートナーとしてシベリア中部のクラスノヤルスク動物園で飼育されている人気者であるセードフ司令官がスタロースコルィスク動物園に3年間の期限で移動することになった件はすでに投稿していますので、「ロシアの氷上サーカス団でスケート演技をするラパに遂に引退の日来る ~ スタロースコルィスク動物園へ」 という投稿と「ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官が今週末に同園を出発し新天地へ」 という投稿をご参照下さい。
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Photo(C)"Роев ручей" Красноярский зоопарк

このセードフ司令官がとうとう28日の金曜日にクラスノヤルスク動物園を出発しました。 それに先立って前日にお別れ会があったようで、その様子をご紹介しておきます。 担当飼育員のガリーナさんは2004年にセードフ司令官がクラスノヤルスク動物園に来園したときからの担当で、セードフ司令官はガリーナさんの言うことには常に従うほど彼女に慣れているそうです。 ガリーナさんは、このお別れ会の日は一日中セードフ司令官の展示場の前から離れなかったそうです。やはりかなりの寂しさを感じているのでしょう。この下の映像でセードフ司令官に食べ物を与えているのがガリーナさんです。



セードフ司令官を移動用ケージにスムーズに入れるために、もう何日もケージの中に食べ物を置いてセードフ司令官がケージに入るのに抵抗のない状態にしておいたそうで、28日の出発の日にはケージの中で麻酔をかけられて30分間眠らされたそうですが、移動のための搬出はスムーズにいったようです。なにしろクラスノヤルスクからスタールイ・オスコルまでは5000キロの距離があるわけで、それを陸送で行こうというのですから大変です。道中は冷凍の肉と魚が与えられ、そして十分な水の補給も行われるそうです。セードフ司令官の無事の到着を祈りたいと思います。
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Photo(C)"Роев ручей" Красноярский зоопарк

セードフ司令官、お元気で!

(資料)
Страна.Ru (Jun.30 2013 - Медведь уехал к невесте на автомобиле)
Сибирское Агентство Новостей (Jun.28 2013 - Сегодня Командор Седов покидает "Роев Ручей")
СТС-Прима (Jun.28 2013 - Медведя Командора Седова отправили в свадебное путешествие)
Сибирское Агентство Новостей (Jun.30 2013 - Белый медведь Командор Седов покинул "Роев ручей")
"Роев ручей" Красноярский зоопарк (Jun. 26 2013 - Белый медведь Седов в конце этой недели отправится в Старый Оскол.)
"Роев ручей" Красноярский зоопарк (Jun. 28 2013 - Командор Седов собирает чемодан. Перед отъездом медведя угостят тортом.)
ТРК Прима-ТВ (May.28 2013 - Медведя Командора Седова отправили в свадебное путешествие)

(過去関連投稿)
ロシア・クラスノヤルスク動物園の2頭の伊達男たち ~ 華麗なる独身生活を謳歌?
ロシア・クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・クラスノヤルスク動物園の夏の始まり ~ プールを雌2頭に占領されてしまったセードフ司令官閣下
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・シベリア中部のクラスノヤルスク動物園のセードフ司令官の10歳のお誕生会 ~ 行方不明の兄弟たち
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官の希望無き恋 ~ 野生出身の雌は高嶺の花
ロシアの氷上サーカス団でスケート演技をするラパに遂に引退の日来る ~ スタロースコルィスク動物園へ
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官が今週末に同園を出発し新天地へ
by polarbearmaniac | 2013-06-30 23:30 | Polarbearology

2歳半となったアイラの青春 ~ “La vita è bella !”

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やあアイラ、半年ぶりだね。 どうですか、最近の感じは?
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早いものでこのアイラも二歳半になった。
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ララお母さんと離れてこのおびひろ動物園に来たときは、いったいどうなるかと心配するほど落ち着きがなかった。 しかし2~3ヶ月ほどしてみたらすっかりと落ち着いて生き生きとしたアイラが戻ってきたときには嬉しかった。
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これは私の勝手な想像だが、ララお母さんは現在の新ツインズまでも含めて、このアイラに対してはとりわけ丁寧に育てたように思うのだ。 ララお母さんはこのアイラにとりわけ思い入れがあったように思う。
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ララお母さんにとってこのアイラは、娘であると同時に友達ででもあったような印象を持っている。
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このアイラはそれだけララお母さんと密接な絆で結ばれていたように思う。 私もこのアイラにはやはり特別の思い入れを感じるのである。 イコロとキロルの雄のツインズ、そしてノワールとブランシュ(仮称)の雌のツインズの間に挟まっているこのアイラは、ベートーヴェンの第四交響曲のような存在かもしれない。 かつてシューマンはこの第四交響曲を「ギリシャの乙女」と呼んだのである。

水中でリラックスしたアイラ

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このアイラはやはり大物である。 それは上野のデアが大物であるのとはまた違った意味でそうなのである。
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このアイラにはなにか幸運を引き寄せるような独特の雰囲気があるのだ。 それはデアにも感じることである。
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このアイラにはララお母さんから一番多くのものが伝えられているような気がする。 ツヨシやピリカには必ずしもそれを感じないのである。 ピリカというのはララお母さんから独立した自由な存在のように思う時がある。 それだけピリカは優れた娘であることは間違いないだろう。 アイラにはピリカと比較すると足りない部分がかなりあったように思うのだが、ララお母さんが教育によってそれらを補ったような印象がある。 それだけこのアイラはララお母さんの手がかかっているのである。
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このアイラにはまだ「玉石混合」 のようなものを感じる。 何かいろいろな可能性を秘めているような娘に思うのだ。

アイラのゆったり水遊び

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偉大で優秀な母親の息子だからといって優れた雄になるとは言えない。 そうではない場合はいくらでもあるのだ。 しかし、偉大で優秀な母親の娘はやはり優秀であることが多いように思う。 ウスラーダの娘シモーナ、フギースの娘フリーダムなぢはそういった例である。 だからそれはララの娘たちも同様だろうと思う。 
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このアイラというのは、新ツインズまでも含めて、将来一番母性を発揮しそうな娘に見える。 ピリカは全てにおいて優秀すぎる点において、逆にそれが繁殖の面ではデメリットになるような気がしてしょうがない。 ピリカの場合は、彼女の稀有の知性と聡明さが繁殖の場合は逆方向のベクトルになってしまう気がするのだ。 繁殖だったらピリカよりこのアイラのほうがうまくいくような気もするのである。
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私は次の世代の日本のホッキョクグマ界の盛衰のカギを握っているのは、雌ではデアとこのアイラだろうと考えている。 そして雄は仙台のカイだろうと勝手に考えている。
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このアイラは、まだ先のことをあまり考えずに青春を十分に楽しむことのできる年齢である。 そして実際、彼女は彼女なりにこの狭い飼育展示場で青春を謳歌しているように見える。
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今日は素晴らしい天気の帯広である。 暑くなく寒くなく、爽快な気候である。

Nikon D7100
AF-S DX VR Zoom-Nikkor 55-200mm f/4-5.6G IF-ED
(Jun.29 2013 @おびひろ動物園)
by polarbearmaniac | 2013-06-29 23:50 | しろくま紀行

初夏の土曜日、おびひろ動物園で半年振りのイコロとの再会 ~ 若大将に備わってきた重厚な風格

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半年振りのおびひろ動物園である。 早く行かねばならないと思いつつ、なかなか来られなかった。 今日は快晴の土曜日である。 しかもそれほど暑くない。
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やあイコロ、久し振りですね!  もっと早く来るつもりだったのだけど、キミの双子の妹たちにすっかり心を奪われてしまっていたんだ。 キミのことは決して忘れていないからね。
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さて、このイコロについては、やはり最も今後の動向を注目しなければならない若年個体なのだ。
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彼がずっとこの動物園にいるという可能性は非常に小さいだろう。 仮に彼がこのおびひろ動物園に居続けるということは、すなわちララの子供たちの将来の展望が全く開けないという状態を意味する。
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このイコロは当初から海外の個体との交換の対象になっていた。 しかしそういった海外の個体との交換は、仮に話がうまくいったとしても2017年以降の話となる。 その頃にはもうこのイコロが交換個体候補であり続けることは幾分難しいだろう。
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そうなると彼はこの日本でパ^トナーを見つけなければならない。 これが現段階では展望が開けているとは言いにくい。 だから本当はこのイコロはやはり欧州に行ったほうがいいのかもしれない。
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日本で彼のパートナーとなり得るのは現時点では上野動物園のデアくらいしかいないだろう。 そしてそれは浜松のキロルにとっても同じである。
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だが実はデアのパートナーとしては本当はララの子供たちでないほうが次々世代の繁殖を考えると有利ではある。 仮にイコロがデアのパートナーになって繁殖に成功すれば、そういった子供たちまでララファミリーに入会してしまうことになるからである。
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そうは言っても日本のホッキョクグマ界は次第に追い詰められていっているというのは事実だ。 そうなると、このイコロにとってはキロルに先んじて上野に行ったほうが彼の将来を考えれば有利である。 現在イコロはキロルよりも圧倒的に有利な立場にある。 キロルは浜松で人気者になってはいるが、あくまでも札幌から貸し出された個体である。 上野動物園がキロルの入手を狙うということは有り得ない話だと思われる。 話があるとすればララの子供たちのストックポイントであるこのおびひろ動物園のイコロのほうだろう。 しかもこのおびひろ動物園では仮にイコロが移動しても、その代わりになるララの子供たちを受け入れることは比較的簡単なのである。 つまり、補充候補には事欠かないのだ。 おびひろ動物園のホッキョクグマ舎からホッキョクグマがいなくなるなどという事態は全くあり得ないのである。
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ともかく、すべては人間の決める話である。 上野動物園が現時点でイコロを入手したいかどうかは全くわからない。 私は予想では、過去はともかくとして現在は多分上野動物園はそれを考えていないのではないかと思われる。 今年の12月から来年の1月にかけては、日本のホッキョクグマ界は重大な局面を迎えるはずである。 札幌のキャンディをはじめとした何頭かの雌の個体が繁殖に成功するかどうかという点、そして男鹿水族館のミルクと札幌のノワールとブランシュ(仮称)に移動があるかどうかという点である。 このイコロにチャンスが巡ってくるとすれば、そういった一連の日本のホッキョクグマ界の激動伴う複数の個体の移動のスキームにうまく乗っかる形で、彼が東京にやってくる可能性に芽が出てくるような気がする。
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このイコロには半年会わないうちに風格が備わってきたのには驚いた。 このイコロにとって、ここ一年間は彼の将来が決まる重要な時期と言えるように思われる。 彼に備わってきた風格を見ていると、彼自身が無意識的に自己の人生(熊生)のターニングポイントに差し掛かりつつあることを自覚でもしているかのような印象を持つ。

Nikon D7100
AF-S DX VR Zoom-Nikkor 55-200mm f/4-5.6G IF-ED
(Jun.29 2013 @おびひろ動物園)

(過去関連投稿)
ドイツ・ハノーファー動物園と個体交換交渉を行った札幌・円山動物園 ~ その背景を読み解く
札幌・円山動物園の新ツインズ(ノワールとブランシュ – 仮称)、そして他のララの子供たちの将来 (上)
札幌・円山動物園の新ツインズ(ノワールとブランシュ – 仮称)、そして他のララの子供たちの将来 (中)
梅雨の合間の女神デアに会い彼女のパートナー候補を考える ~ イコロ、キロルの線はすでに消えた?
by polarbearmaniac | 2013-06-29 23:40 | しろくま紀行

アメリカ ・ カンザスシティ動物園のニキータ、体調が回復し展示場に完全復帰 ~ “Nikita is back !”

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ニキータ Image : foc4kc.com

ここ数日何回か投稿してきましたが、アメリカ・ミズーリ州のカンザスシティ動物園の6歳の雄のニキータが消化器系の機能不良が原因と思われる体調不良で治療を受けていましたが、とうとう完治したという診断が下り、昨日金曜日からカンザスシティ動物園の展示場である “Polar Bear Passage” にその元気な姿を復活しました。 KMBC と NBC と KCTV のTVニュースの映像をご紹介しておきます。 本当に大げさな話のような気がします。 (冒頭にCMが入る場合があります。)





それにしてもあまりにも報道が大げさですね。 ともかくもニキータの完全復帰は喜ばしいことです。

(資料)
KSDK.com (Jun.28 2013 - Sick polar bear back on display at Kansas City Zoo)
KCTV (Jun.28 2013 - Nikita returns to Polar Bear Passage)

(過去関連投稿)
アメリカ ・ コモ動物園のバーリンがカンザスシティ動物園へ ~ 「ニキータとバーリンの物語」は可能か?
アメリカ・ミネソタ州のスペリオル湖動物園で不在のバーリンのお誕生会 ~ “Berlin is our family."
アメリカ・コモ動物園のバーリンがカンザスシティ動物園に無事到着 ~ 繁殖に大きな期待を寄せる地元
アメリカ・ミズーリ州カンザスシティ動物園の展示場にバーリンが遂に初登場 ~ 期待に加熱する地元報道
アメリカ・カンザスシティ動物園の年齢差ペア、バーリンとニキータの初手合い ~ 圧倒的年齢差克服のカギ
アメリカ ・ ミズーリ州 カンザスシティ動物園の23歳のバーリンの出産への期待に湧く地元
アメリカ ・ カンザスシティ動物園のニキータの病状検査続く ~ 雌のバーリンへも投薬治療が再開
アメリカ ・ カンザスシティ動物園のニキータの病状快方へ ~ “Much Ado About Something ?”
by polarbearmaniac | 2013-06-29 21:00 | Polarbearology

ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園にモスクワ動物園から雄の幼年個体が到着 ~ 謎と暗黒の闇

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Photo(C)Новосибирский зоопарк

実に興味深いニュースがロシアから流れてきました。 ロシア・西シベリアのノヴォシビルスク動物園が本日28日に発表したところによりますと、一歳七か月になる雄のホッキョクグマがモスクワ動物園から到着したとのことです。 この幼年個体がノヴォシビルスク動物園に留まるのは、他の動物園との契約が正式に成立するまでのごく数か月間だけで、その後は契約が成立した他の動物園に移動となる予定だと述べています。

さて、モスクワ動物園からの一歳七か月の雄の幼年個体といえば、これはもうシモーナお母さんが一昨年の11月に産んだ三つ子のうちの一頭か、それとも先日 「モスクワ動物園、禁断・非公開のムルマお母さんと秘匿された2011年誕生個体の姿 ~ 闇に沈む深い謎」 という投稿でご紹介していますムルマお母さんの産んだ一人っ子のどちらかでしかあり得ません。 ノヴォシビルスク動物園では今回のモスクワ動物園からの幼年個体の到着を発表した際にHPでのこの冒頭の写真を掲載していますから、この写真が本当にそのモスクワから到着した幼年個体の写真であるとしますと、私の眼ではこれはシモーナお母さんの産んだ三つ子の一頭であることにほぼ間違いないようにも思われます。 ムルマお母さんの子供であればもっとはっきりと頭から鼻筋にかけての平坦なラインがあるからです。 ただしかし、到着して間もない個体をこうしてこの写真のようにプールで遊ばせるというには実に不自然ですし、いくらノヴォシビルスク動物園が他の動物園への中継地点であるに過ぎないにせよ、検疫なしにいきなり展示場に出すというのも不可解です。 ということで、このノヴォシビルスク動物園が掲載したこの冒頭の写真が本当にモスクワ動物園から到着した幼年個体の写真であるかについては私は判断を留保せざるを得ません。 ということは、今回ノヴォシビルスク動物園に到着した幼年個体の母親がシモーナなのかムルマなのかは依然としてはっきりしないことを意味します。 ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマ展示場にはライブカメラがありますが、今回モスクワ動物園から到着した個体はこの展示場の付属した場所で公開するそうですから、ライブカメラで姿を確認するのは困難でしょう。
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ノヴォシビルスク動物園 Photo(C)madammaman.narod.ru

実はこのノヴォシビルスク動物園というのはこういった形でよくホッキョクグマの移動の中継地になるわけです。 実は二年半ほど前に「モスクワ動物園、ロシア国内の幼少ホッキョクグマの売却一元管理を開始か?」という投稿を行っていますが、あの時もカザン市動物園生まれのピムがノヴォシビルスク動物園を経由して最終的にはイジェフスク動物園に移送されていました。

さて、今回ノヴォシビルスク動物園に到着した雄の幼年個体がいったいどこの動物園に行くことになるかが問題です。 ロシア国内なのか国外なのかが問題です。 実は最近ロシアの地方都市などの報道を細かく見ているのですが、一つだけ注目すべき小さな報道がありました。 それはロシアではなくウクライナのムィコラーイウ(ニコライエフスク)動物園 がホッキョクグマの幼年個体の入手を狙ってモスクワ動物園と交渉しているというニュースです。 ムィコラーイウ(ニコライエフスク)動物園...といいますと一度このブログでも触れたことがありました。 それは、「ホッキョクグマ・アイカ と レディン一家の物語 ~ 愛情の日々、そして悲劇的な終末へ」 という投稿です。 ここで登場したアイカという悲劇のホッキョクグマが生まれたのはこのウクライナのムィコラーイウ(ニコライエフスク)動物園だったわけです。 このムィコラーイウ動物園は以前にホッキョクグマを飼育しており繁殖に実績もあったわけですが現在はホッキョクグマは飼育されていません。 実はこの動物園におけるホッキョクグマについて私は単独で投稿したいと最近準備していたところに今回のニュースが入ってきましたので、またそれとの関連で後日投稿してみたいと思います。 少なくとも2001年の段階では2頭飼育されていたところまでは確認できています。 以下の写真はこのムィコラーイウ動物園で飼育されていたホッキョクグマのペアで、このうちの一頭(多分手前)がアイカの母親に間違いないでしょう。 
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ムィコラーイウ動物園でかつて飼育されていたホッキョクグマ
Photo(C)doroga.ua

さて、このムィコラーイウ動物園がモスクワ動物園からホッキョクグマを導入したいと交渉していることは興味深いのですが、雌の個体の入手を狙っているようですね。 そうなるとこの今回のノヴォシビルスク動物園に到着した個体は雄ですから、そこのところでやや食い違いがあるように思います。 ムィコラーイウ動物園が挙げているホッキョクグマ1頭の相場が25万ドルという金額は、実はモスクワ動物園がムィコラーイウ動物園に対して幼年個体の売却価格として提示した金額であることを臭わせる報道もあります。 ムィコラーイウ動物園は別の動物園を巻き込んで、購入ではなく複数の別の動物との個体の三角トレードでホッキョクグマを導入したいようです。 でもこれは相当に難しいかもしれません。 しかしいずれにせよやはり、このムィコラーイウ動物園は有力な候補であるような気がします。

モスクワ動物園、カザン市動物園を中心としたロシアの動物園のホッキョクグマ情報は実に謎に満ちています。 まず血統登録情報があまりあてにならないということです。 先日も少しだけ触れましたが、あの有名なフロッケのパートナーであるラスプーチンには双子の兄弟がいたというのは欧州のホッキョクグマファンの方々の間での確固とした定説です。 ラスプーチンの母親は男鹿水族館の豪太の母親と同じムルマお母さんです。 しかし血統登録情報では2007年にはムルマは一頭しか出産していないことになっています(*注意 - その後、訂正を取り込んだ最新の情報では2頭になっています)。 にもかかわらず欧州のホッキョクグマファンの方々はラスプーチンには双子の兄弟がいたことが定説になっているということは、欧州のホッキョクグマファンの方々は血統登録情報よりも別の情報からそう認識しているということです。 つまり、欧州のホッキョクグマファンの方々もロシアの動物園生まれの個体の血統登録などはあまり信用していないということです。 以下の映像を見て下さい。 これは2008年3月6日と13日のモスクワ動物園での双子の赤ちゃんの一般公開時の映像です。 映っている母親はどちらもムルマお母さんです。 この角度ですと頭から鼻筋のラインの特徴ですぐわかるからです。





前年2007年11月にムルマお母さんが産んだのは血統登録情報によれば実は一頭です(*注意 - その後、訂正を取り込んだ最新の情報では2頭になっています)。 それなのに何故この映像ではムルマお母さんと一緒に赤ちゃんが2頭いるのでしょうか? つまりこの2つの映像は、血統登録情報は信用できないということを裏付ける証拠なのです。 この映像のうち一頭はラスプーチンです。 残りの一頭を欧州のホッキョクグマファンの方々は雄と考えているのは私の知らない何かの情報があるからでしょう。 ところが、私の見解ではこの残りの一頭は雌です。 その雌こそ、今問題になっているノヴォシビルスク動物園で、ロッシーの双子の兄弟のもう一頭であるクラーシン(なんとノヴォシビルスク動物園ではこのクラーシンを「カイ」と改名してしまったのです。 あの仙台のカイと同じ名前です。)のパートナーであるゲルダであると強く推定が成り立つのです。 このゲルダの母親は血統登録情報ではシモーナお母さんとなっているのです。 ところは実際はムルマお母さんの娘である可能性が極めて強いのです。 2007年11月にモスクワ動物園では赤ちゃんが3頭生まれていますが、そのうち公開されたのはムルマお母さんの産んだ双子の2頭だけで、シモーナお母さんの産んだ1頭はシモーナお母さんと一緒にモスクワ動物園によって秘匿されたのです。 私の見解では、その秘匿された1頭の赤ちゃんは雄であり、シモーナが産んだと言われている雌のゲルダではないということです。 それは前回2011年11月にムルマお母さんが産んだ1頭の赤ちゃんがムルマお母さんとともに(現在も?)秘匿されているのと全く同じ状況だったのです。

こういった事例からも、ロシアの動物園で誕生した個体の血統登録情報はそのまま鵜呑みにできないということです。 一歩進んで言いますと、血統を偽って外国に売却している例があるのではないかと考えざるを得ないわけです。 もしそうであるならば、ここにはロシアの動物園関係者と動物商(ブローカー、代理人、仲介人を含む)との間に不適切な「黒い関係」の存在を想定せざるを得ないことになるでしょう。 仮にそうであるならば、間違いなくロシアの動物園関係者の特定の個人のポケットに流れている金銭があると考えるのが妥当でしょう。 それを裏付けると思われる一連の調査報道がロシアで数年前になされたことがありますが、これについても稿を改めたいと思います。 とにかく、ロシアというのは一筋縄ではいかない実に怖い国なのです。 そういったロシアの動物園で生まれた個体の謎こそが、こういった世界のホッキョクグマ界における最もディープな領域の問題であり、その解明を行うことはホッキョクグママニア冥利に尽きると言っても過言ではないでしょう。 血統登録情報を踏み越えていくことが求められるわけです。 私は血統登録情報上で誰が誰の子供であるかということよりも、実際の血統では誰が誰の子供であるかのほうに遥かに興味があるわけです。

さて、今回このノヴォシビルスク動物園に到着した雄の個体がシモーナお母さんの息子であれば、あの三つ子の一頭ということになります。そろそろロシアに行ってまた情報を集めたいと思っているのですが、いかんせん現在仕事で多忙なためになかなか出国できずにいます。 

(資料)
Новосибирский зоопарк (НОВОСТИ Jun.28 2013 - Пополнение коллекции зоопарка)
РИА Новости (Jun.28 2013 - Новосибирский зоопарк временно приютил белого медведя)
Новосибирские новости (Jun.28 2013 - Белого медведя привезли в Новосибирский зоопарк на передержку)
Любимый город (Jun.28 2013 - В зоопарке Новосибирска пополнение: белый мишка! )
mk.mk.ua (Jun.18 2013 - Николаевский зоопарк: 112 лет без выходных)
Дорога.УА (Николаевский зоопарк)
Первый канал (Mar.6 2008 - Посетители Московского зоопарка смогут увидеть 3 белых медвежат)

(過去関連投稿)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のライブカメラが高精細度(HD)映像となる ~ クラーシンの近況
モスクワ動物園、ロシア国内の幼少ホッキョクグマの売却一元管理を開始か?
モスクワ動物園の幼年個体、ペアとして中国・北京動物園へ
韓国・ソウル動物園がモスクワ動物園よりホッキョクグマ2頭を入手! ~ モスクワ動物園の個体選択
ロシア・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園 ~ 「さすらいのホッキョクグマ」ピムの安住の地となるか
ベルリン動物園、ロシアのロストフ動物園よりホッキョクグマを入手か?
亡きクヌートのパートナー候補だった個体、ロシア・ロストフ動物園で依然待機か? ~ 状況を推理する
モスクワ動物園のシモーナの娘、ロシア・ロストフ動物園より待望のベルリン到着!
モスクワ動物園がカザン市動物園に1頭のホッキョクグマを贈与 ~ 帰属意識と権利関係の狭間で
モスクワ動物園の一歳半の三つ子ちゃんの近況 ~ 同園でのホッキョクグマ一頭あたりの飼料費は?
モスクワ動物園、禁断・非公開のムルマお母さんと秘匿された2011年誕生個体の姿 ~ 闇に沈む深い謎
ホッキョクグマ・アイカ と レディン一家の物語 ~ 愛情の日々、そして悲劇的な終末へ
by polarbearmaniac | 2013-06-28 23:45 | Polarbearology

アメリカ ・ カンザスシティ動物園のニキータの病状快方へ ~ “Much Ado About Something ?”

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ニキータ Photo(C)Kansas City Zoo

数日前にアメリカ・ミズーリ州のカンザスシティ動物園で飼育されている人気者のホッキョクグマ、ニキータが消化器系統の異常と思われる原因で体調を崩し、同園の獣医さんを中心とした医療チームがニキータの治療に従事している件を投稿しています。

このニキータの体調不良によって彼が展示場に登場しなくなってからもう少しで2週間近くが経過することになるのですが、その間というもの地元のファンの方々の心配は大きなものだったようで、同園のSNSのページにはそういった心配が多く投稿されていましたし、動物園側も定期的にニキータの病状を園長さんからという形で直接ファンに対してネットで報告があったわけです。 地元のマスコミも一斉にこの病気のニキータについて報道を続けていましたし、子供たちにニキータへのお見舞いのカードを送るよう勧めた意見がマスコミにも登場するといった具合に、何から何まで「大騒ぎ」という感じでした。 私は今までこのカンザスシティという街には行ったことがないのですが、人々やマスコミの「大騒ぎ」というものをネット上で見るにつけ、カンザスシティはなにか独特な土地柄の街のような気がしました。

さて、そのニキータですがカンザスシティ動物園からのここ数日の発表やマスコミの報道から、彼は急速に体調を回復しており昨日は食欲も通常時にほぼ戻ってきたそうです。 現時点でも彼の病気の原因を特定するには至っていないそうですし、まだ少しの間は治療が続けられるようですが、ニキータの展示場への復帰はもう時間の問題という状況のようです。 この下はカンザスシティ動物園の園長さんが、ニキータの病状が回復してきたことをTVニュースの中で語っている映像です。 (再生のスクリーン画面が現れるまで時間がかかる場合があります。 それから、冒頭はCMです。)

このニキータが2010年の3月にオハイオ州のトレド動物園からこのカンザスシティ動物園にやってきて、それ以降の彼のカンザスシティ動物園での人気は大変なもので、彼はこの動物園では大スターとなっています。こういった彼の人気についてその年の秋にNBCの地元支局が伝える3年前のTVニュースをご紹介しておきます。 Polar Bears International の責任者であるブキャナン氏がホッキョクグマの魅力などを語っていますが、カンザスシティ動物園の新施設を絶賛するなど言っている内容はともかくとして、どうもジェスチュアが芝居がかっていて滑稽な感じです。



ともかくもニキータの回復は喜ばしいニュースです。

(*追記 - カンザスシティ動物園より発表があり、ニキータは金曜日9日(日本時間では9日から10日の深夜)に展示場に復活するそうです。 マスコミも一斉にそれを報道しています。 ホッキョクグマに関することは何から何まで実に騒がしくて大げさな報道です。)

(資料)
Kansas City Star (Jun.19 2013 - Kids should send get-well cards to zoo’s Nikita)
Kansas City Star (Jun.24 2013 - KC Zoo says Nikita the polar bear is recovering from illness)
KCTV Kansas City (Jun. 25 2013 - KC Zoo director: 'Nikita's TLC is working')
fox4kc.com (Jun. 24 2013‎ - Nikita's TLC is working, zoo says)
KSHB-TV Kansas City (Jun.25 2013 - Sick polar bear improving, KC Zoo says)
(*追記資料)
KCTV Kansas City (Jun.28 2013 - Nikita to return to Polar Bear Passage)

(過去関連投稿)
アメリカ ・ コモ動物園のバーリンがカンザスシティ動物園へ ~ 「ニキータとバーリンの物語」は可能か?
アメリカ・ミネソタ州のスペリオル湖動物園で不在のバーリンのお誕生会 ~ “Berlin is our family."
アメリカ・コモ動物園のバーリンがカンザスシティ動物園に無事到着 ~ 繁殖に大きな期待を寄せる地元
アメリカ・ミズーリ州カンザスシティ動物園の展示場にバーリンが遂に初登場 ~ 期待に加熱する地元報道
アメリカ・カンザスシティ動物園の年齢差ペア、バーリンとニキータの初手合い ~ 圧倒的年齢差克服のカギ
アメリカ ・ ミズーリ州 カンザスシティ動物園の23歳のバーリンの出産への期待に湧く地元
アメリカ ・ カンザスシティ動物園のニキータの病状検査続く ~ 雌のバーリンへも投薬治療が再開
by polarbearmaniac | 2013-06-27 18:00 | Polarbearology

ドイツ・NDR制作の “Wildes Russland” と “Among the Polar Bears – Adventure in Russia’s arctic”

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ウランゲリ島のホッキョクグマ親子 Photo(C)National Geographic

先日から北極圏に生息するホッキョクグマのドキュメンタリー映像をいろいろとご紹介しています。 イギリスBBC制作の一連のシリーズは大変に素晴らしいものですが、実はそれ以外にも秀作はいくつもあるわけです。 今回はNDR (北ドイツ放送) が2008年に制作した “Wildes Russland” (「ロシアの自然」)という一連のシリーズの中からウヴェ・アンデルス (Uwe Anders) 監督の、”Die Arktis” (北極圏) という作品をご紹介しておきます。
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ウランゲリ島  (C)Lawrence Millman
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ウランゲリ島 Photo(C)National Geographic

映像の舞台となっているのはロシア極北のウランゲリ島です。 なにしろ一年に500頭ものホッキョクグマが出産すると言われるこの地域のホッキョクグマ生息の中心地で撮影されており、非常に厳しい自然の中で生きる動物たちの姿が美しい映像でとらえられています。 実はこの作品はやや異なるバージョンであのナショナルジオグラフィック誌の提供する映像としてすでにアメリカですでに広く公開されています。 ナレーションも何か国語かのバージョンがあります。 日本でも、もうまもなく6月29日に放送されるようです。 今回ご紹介するのはロシア語版です(著作権等の関係で全編が見られるのはロシア語版だけのようです)。 全体で約45分の作品ですがホッキョクグマは開始後30分あたりからようやく本格的に登場します。 映像そのものとしてはホッキョクグマ以外の動物を映した部分のほうが美しいような気がします。



しかし私に言わせると、この上の作品を制作したときの4ヶ月間の制作風景や、そのエピソードをウヴェ・アンデルス監督自身が語っている下の作品、“Among the Polar Bears – Adventure in Russia’s arctic” (「ホッキョクグマ達の中で - ロシア極北の冒険」)のほうが興味深く思います。 これも著作権の関係でドイツ度の上にロシア語がかぶってナレーションが行われている版でのご紹介となります。 全体で約45分です。



このウランゲリ島でのツアーについては以前、「ロシア 『奥座敷・ウランゲリ島』 へのホッキョクグマツアー研究」でもご紹介していますが、なかなか大変です。

(資料)
Russia beyond the haedlines (Feb.10 2012 - Where the polar bears roam)
Яндекс (Среди белых медведей или приключения в русской Арктике)
ナショナルジオグラフィック (番組紹介 - ワイルド・ロシア 雄大な自然と動物たち

(過去関連投稿)
ロシア「奥座敷・ウランゲリ島」へのホッキョクグマツアー研究
by polarbearmaniac | 2013-06-27 01:00 | Polarbearology

アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園でのルナとカリーの同居は順調に推移

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ルナとカリー Photo(C)Buffalo Zoo

アメリカ・ニューヨーク州のバッファロー動物園で昨年11月27日に生まれ人工哺育で育てられた雌のルナ、そして野生孤児でアラスカ動物園からバッファロー動物園に移送されてきたカリー、この2頭の同居が始まったことは先日の投稿でもご紹介しています。 現地の報道映像がこの2頭の同居に至る一連の経緯をまとめていて便利ですので、まずそれをご紹介しておきます。 このルナの人工哺育を担当したアリス・ローハウアーさんがインタビューに答えていますが、こうしてここまでルナが成長したことを感慨深く思っている様子が良く伝わってきます。


このルナとカリーですが、なかなか相性がいいようで、ごく最近の様子を見てみましょう。







こういった映像を見る限りではルナとカリーの「適応化 (socialization)」は今のところ非常にうまくいっているようです。 3月にルナが一般公開されたときから入園者は増加しはじめ、カリーがアラスカから到着してルナとの同居が開始されてからは驚くほどの入園者の増加を示しているそうで、フェルナンデス園長は、「動物園の入口で人の列ができることはありましたが、今回のように個々の動物の前で人の列ができたのを見るのは初めてです。 人々はルナとカリーがお互いに遊ぶ様子に夢中になって見入っており、今まで過去20年間も動物園に来なかったような人が動物園に戻ってきているのです。」 と語っています。
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ルナ Photo(C)Buffalo Zoo

さて、バッファロー動物園はやはり新展示場の建設資金集めに依然として苦労しているようです。 まだ300万ドル(約3億円)不足しているということなのですが、この新施設 (“Arctic Edge Polar”) の総工費である1400万ドル(約14億円)というのはあまりにも大掛かりで背伸びした施設を計画しすぎてはいないでしょうか? ある程度の広ささえ確保できれば、もっと安価な施設は可能だろうと思います。 アメリカ国内の他の動物園の新施設もこのくらいの費用はかかっているのですが、バッファロー動物園では資金調達に見込みのないままあまりに安易に寄付に依存して計画が見切り発車してしまった件については、やはり見通しに甘さがあったと言わざるを得ません。
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カリー  Photo(C)Buffalo Zoo

(資料)
wbfo (Jun.24 2013 - Despite long lines, future of popular polar bears TBD)
wgrz.com (Jun.3 2013 - Buffalo Zoo's Polar Bear Buddies Together at Last)
Today.com (Jun.11 2013 - Orphaned polar bear cub Kali gets a playmate)

(過去関連投稿)
アラスカで保護された野生孤児カリーをめぐるバッファロー動物園とセントルイス動物園との微妙な関係
アメリカ ・ ニューヨーク州、バッファロー動物園で遂にルナとカリーが初顔合わせ
アメリカ ・ バッファロー動物園でルナとカリーの正式な同居展示が開始 ~ カリーの今後について

(*以下、ルナ関連)
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ その姿が突然公開
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃんの追加映像 ~ ララの子供たちの従妹であるルナ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の人工哺育の赤ちゃんのルナが初めて戸外へ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナの近況を伝えるTVニュース映像
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナが雪の舞う戸外へ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナが遂に一般公開へ
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園の赤ちゃんの「ルナ」が仮称から正式の名前となることが決定
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園のルナの近況 ~ 人間の視線への意識と興味
(*以下、カリー関連)
アメリカ・アラスカ州の北西岸でホッキョクグマの孤児の赤ちゃんが保護!
アメリカ・アラスカ動物園で保護された野生孤児のカリーが今春に期限付きでバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーの一般公開が始まる
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーを間近で撮り続けている専属カメラマンの視点
アメリカ ・ アラスカ動物園で保護されている野生孤児の赤ちゃん、カリーの近況と今後について
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリー、来週後半に ニューヨーク州のバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリーがニューヨーク州のバッファロー動物園に無事到着
by polarbearmaniac | 2013-06-26 01:00 | Polarbearology

ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官が今週末に同園を出発し新天地へ

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セードフ司令官 Photo(C) пресс-службы Роева ручья

先月、「ロシアの氷上サーカス団でスケート演技をするラパに遂に引退の日来る ~ スタロースコルィスク動物園へ」という投稿で、ロシアのサーカス団で氷上スケートの演技を長年行ってきた20歳の雌のラパがとうとう引退し、余生をロシア連邦ベルゴロド州の都市であるスタールイ・オスコル市 (Ста́рый Оско́л) にあるスタロースコルィスク動物園 (Старооскольский зоопарк)に入園したこと、そして彼女のパートナーとしてシベリア中部のクラスノヤルスク動物園で飼育されている人気者の10歳の雄のセードフ司令官 (Командор Седов) が3年間の予定でスタロースコルィスク動物園に繁殖のために貸し出されることが決定したことをご紹介しています。
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セードフ司令官 Photo(C)Комсомольская правда

このセードフ司令官がとうとう、今週末にクラスノヤルスク動物園を出発してスタロースコルィスク動物園に向かうことになったとのことです。 クラスノヤルスク市からスタールイ・オスコル市までは約5000キロの距離があるそうですが、陸路をトラックにて運送されるそうで、クラスノヤルスク動物園は移動用ケージに給水装置などを追加して設置する改良を行っているようです。 当然、道中の長い道のりでは暑さ対策のためにセードフ司令官には定期的に給水が行われるそうで、スタロースコルィスク動物園の担当者がセードフ司令官の移動に同行すると報道されています。
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セードフ司令官 Photo(C)Аргументы и Факты

クラスノヤルスク動物園では、セードフ司令官へのお別れと彼のこれからの無事と幸運を祈るために是非動物園に来てほしいと市民に呼びかけています。 是非彼には3年間、スタロースコルィスク動物園での大任を果たしてほしいと思います。 この春の彼の映像を一つご紹介しておきます。



(*追記 - 地元TVのニュース映像もご紹介しておきます。)




このセードフ司令官は以前にも 「ロシア・シベリア中部のクラスノヤルスク動物園のセードフ司令官の10歳のお誕生会 ~ 行方不明の兄弟たち」 でご紹介しました通り、サンクトペテルブルクのレニングラード動物園であのウスラーダお母さんから生まれた三つ子の一頭です。 三つ子の残りの2頭は中国へ行っていますが、現在どの動物園にいるのかも、元気でいるのかも全く不明なわけです。 ウスラーダのような偉大な母親の息子たちとしては、かなり不本意な運命ということになります。 そういった三つ子の兄弟の中で唯一、我々が所在を知ることのできるセードフ司令官、そして氷上サーカスの演技を長年黙々と務めてきたラパの組み合わせに、何としても素晴らしい結果を期待せずにはいられません。 クラスノヤルスクの地元TV局が「セードフの花嫁」という内容のニュース報道をしていますので、こちらもご覧下さい。 スケートの演技を行うラパの姿もあらためて紹介されています。
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ラパ Photo(C)CTV.by

(*追記 - セードフ司令官のクラスノヤルスク動物園でのお別れ会は28日の水曜日に行われるそうです。 たくさんの人に参加してもらいたいと同園では広く呼びかけています。)

(資料)
Комсомольская правда (Jun.25 2013 - Медведь Седов отправится к своей невесте в Старый Оскол из Красноярска уже на этой неделе)
Аргументы и Факты – Красноярск (Jun.25 2013 - Белый медведь Седов покинет красноярский зоопарк на три года)
Сибирское Агентство Новостей (Jun.25 2013 - Командор Седов уезжает в Старый Оскол к 20-летней медведице)
Аргументы и Факты – Красноярск (Apr.19 2013 - В красноярском «Роевом ручье» у белых медведей разыгралась любовная)
ТВК-6 (Jun.13 2013 - Невеста для Седова)
ctv.by (Nov.22 2011 - Белые медведи катаются на коньках, играют на трубе, дирижируют и поют – шоу «Полярное сияние»)
(追記資料)
Yarsk.ru (Jun.27 2013 - Командор Седов возьмет в дорогу большой рюкзак с игрушками)

(過去関連投稿)
ロシア・クラスノヤルスク動物園の2頭の伊達男たち ~ 華麗なる独身生活を謳歌?
ロシア・クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・クラスノヤルスク動物園の夏の始まり ~ プールを雌2頭に占領されてしまったセードフ司令官閣下
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・シベリア中部のクラスノヤルスク動物園のセードフ司令官の10歳のお誕生会 ~ 行方不明の兄弟たち
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官の希望無き恋 ~ 野生出身の雌は高嶺の花

(*以下、ラパ関連投稿)
サーカス団(ロシア)のホッキョクグマの訓練風景
ロシアの氷上サーカスでスケート演技をするホッキョクグマのラパ ~ その引退の日は遠し
ロシアの氷上サーカスのホッキョクグマ ~ 現役で活躍するラパ、そして引退したホッキョクグマたちの余生
ロシアの氷上サーカスのホッキョクグマのラパ、ベラルーシ公演でも大好評となる
ロシアの氷上サーカスに出演のホッキョクグマたち、元気に公演を続ける
ロシアの氷上サーカスに出演のラパたち5頭のホッキョクグマの最近の様子
ロシアの氷上サーカス団のホッキョクグマたち、モスクワのボリショイサーカスに出演し大好評
ロシアの氷上サーカス団でスケート演技をするラパに遂に引退の日来る ~ スタロースコルィスク動物園へ
アメリカ、デトロイト動物園のベアレ逝く ~ 20歳で初出産に成功したサーカス出身のホッキョクグマの生涯
by polarbearmaniac | 2013-06-25 18:30 | Polarbearology

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