街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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オランダ・ロッテルダム動物園のオリンカとエリック、欧州の誇る名ペアの新たなる挑戦

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オリンカとエリック Photo(C)LC Photographs

オランダ・ロッテルダム動物園で飼育されている21歳の雌のオリンカと20歳の雄のエリックといえば欧州の誇る名ペアです。雌のオリンカはこのエリックとの間ですでに6頭の子供をもうけており、最近では2007年11月にウィーンのシェーンブルン動物園で産んだ雄の双子であるアルクトス(スコットランド・ハイランド野生公園)とナヌーク(ハノーファー動物園)の双子、そして2010年12月にロッテルダム動物園で産んだ雄のヴィックス(フランス・ミュルーズ動物園)は有名で、彼らについては何度もここでご紹介してきました。 雄のエリックについては彼はベルリン動物公園のアイカの息子であり、そして鹿児島の平川動物公園のホクトの弟、そして姫路のユキ、仙台のポーラの叔父であることで日本との繋がりがある点も以前にご紹介しています。

このペアについてはオリンカが昨年の繁殖シーズンの本命であり暮れに赤ちゃんを出産することが期待されていたものの、結局は繁殖には成功しなかったのが実に期待外れだったわけです。 出産はあったのかもしれまぜんが赤ちゃんが死亡してしまったのかもしれません。 そのあたりの事情をロッテルダム動物園は明らかにした情報に接したことがありません。 実は一昨年10月に一度ロッテルダム動物園から旅立った息子のヴィックスが事情によって昨年5月にまたロッテルダム動物園に戻ってくるということがあったわけですが、まさか別れたはずの息子の臭いや気配を再び感知したことがオリンカの出産に悪影響を与えたとは思えないわけで、本命のホッキョクグマとはいってもやはり繁殖には失敗することもあるといった例でしょう。
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オリンカお母さんと息子のヴィックス
(2011年5月3日撮影  於 オランダ・ロッテルダム動物園)

このオリンカとエリックのペアは今年の3月に繁殖行為があり、今年の年末にはまたオリンカの出産が期待されます。今年の3月のオリンカとエリックの繁殖行動を撮った映像がありますのでご紹介しておきます。



このオリンカお母さんというのも泰然自若の素晴らしい母親で、私は2011年5月にロッテルダム動物園を訪問して彼女と息子のヴィックスに会っていますが、彼女は生まれながらの「母親」だという印象を強く受けました(過去関連投稿参照)。 実はこのオリンカお母さんですが生まれ故郷のケルン動物園では父親との同居の体験があるそうで、その点では上野動物園のデアと同じ体験をしているということになります。 これは世界のホッキョクグマ界では「禁じ手」なのですが、稀にこれを試みた動物園があるということですね。 日本の動物園は絶対に真似しない方がよいと思います。 それから昨年暮れにも書きましたが、このオリンカお母さんの今後産むであろう雄は、将来的には札幌に来る可能性もあるように思います。 その雄はマルルかポロロのパートナー、あるいは今後ララお母さんが産むであろう雌のパートナーとなる...そういう可能性があります。しかしそれはあくまでも可能性です。 ですから我々は大物お母さんであるオリンカに今のうちから注目しておかねばならないのです。

(過去関連投稿)
オランダ・ロッテルダム動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
オランダ・ロッテルダム動物園で誕生の赤ちゃんの産室内の映像(追加)
オランダ・ロッテルダム動物園の赤ちゃん、産室から一歩を踏み出す
オランダ・ロッテルダム動物園の赤ちゃん、とうとう戸外に姿を現す!
オランダ・ロッテルダム動物園のヴィックスの性別への地元ファンの関心 ~ 要求された奇妙な写真
オランダ・ロッテルダム動物園、オリンカ親子の姿 ~ 発散するヴィックスの魅力
オランダ・ロッテルダム動物園で昨年12月に誕生したヴィックスの順調な成長 ~ 最近の映像より
オランダ、ロッテルダム動物園のヴィックスの1歳の映像
オランダ・ロッテルダム動物園のヴィックス、石でプール観客側のガラスを割る!
オランダ・ロッテルダム動物園のヴィックスが9月に他園へ旅立ち
オランダからスウェーデンへ ~ ヴィックスとセシの新ペアとしての旅立ちの日ついに来る
オランダ・ロッテルダム動物園のヴィックスの同園での最後の一日 ~ 最終移動先はウィーンか?
スウェーデンのオルサ・グレンクリットのベアパークに到着後のヴィックスとセシ
スウェーデン、オルサ・グレンクリットのベアパークのヴィックスが再び生まれ故郷のロッテルダム動物園へ
オランダ・ロッテルダム動物園のヴィックスの近況 ~ 故郷へ帰還の背景とオリンカお母さんの母性
フランス東部 ミュルーズ動物園でのヴィックスとセシの近況 ~ 優先されるオランダの若年個体のペア形成
フランス、ミュルーズ動物園の新施設 “l'Espace Grand Nord” が4月開館 ~ ヴィックスとセシの近況
(*2011年ロッテルダム動物園訪問記)
ロッテルダム動物園へ!
親子3頭の同居? ~ 常識に挑戦したロッテルダム動物園の方法
泰然自若のオリンカお母さん、その貫禄の子育て
お母さんの庇護の下で自由を謳歌するヴィックス
by polarbearmaniac | 2014-06-30 23:45 | Polarbearology

ロシア・ノヴォシビルスク動物園のクラーシン(カイ)の近況 ~ 水浴びの映像がロシアで大人気

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クラーシン(カイ) Photo(C)vlad-gabow2010/yandex

ロシア・西シベリアのノヴォシビルスクではここのところ気温が上昇し最高気温が30℃を超す日も出てきているようです。 こういったなかでノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんのシルカの父親である6歳の雄のクラーシン(現在、カイと呼ばれています)は毎週、プールの水を交換してもらう日を首を長くして待っているようです。 水が出てくる音を聞くだけでクラーシン(カイ)は大喜びだそうで早速、まだ水も溜まっていないプールの底に降りていくようです。 先週のこういったクラーシン(カイ)の様子がノヴォシビルスク動物園の来園者によって撮影され、その映像が現在ロシアのネット上で大人気になっています。 その映像をご紹介しておきましょう。 いやはや、これは本当に凄いものです。



このクラーシン(カイ)があの静岡のピョートル(ロッシー)と双子の兄弟であることは今まで何度もご紹介してきました。 このクラーシン(カイ)とピョートル(ロッシー) の共通点はプラスチックのおもちゃを来園者の方向に放り投げ、来園者がそれを投げ返すのを期待するという一種の来園者との交流を求める(求めた)という点です。 ピョートル(ロッシー)はかつてこれで来園者にケガをさせてしまったことすらありました。 クラーシン(カイ)は昨年までこれをやっていましたが、現在はパートナーのゲルダが子育て中ですので彼は一頭で暮らしており、来園者の関心のほとんどがゲルダお母さんと娘のシルカのほうに向かっているためかクラーシン(カイ)の相手をしてくれる来園者がいないのでしょう、最近では非常におとなしい状態のようです。 私の知る限り、こういう形で来園者との交流を図る(図った)ホッキョクグマはクラーシン(カイ)とピョートル(ロッシー) だけ(だった)ようです。 後からこれを真似したのがパートナーのゲルダでした。  こうしたクラーシン(カイ)、そしてゲルダの姿を映した映像を再度またここでご紹介しておきます。



このクラーシン(カイ)とピョートル(ロッシー)の双子兄弟は生後7~8か月ほどでウスラーダお母さんから引き離されてしまったわけですが、その事情についてはごく簡単に「ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの戸外映像 ~ ゲルダとクラーシンの幼年時代」という投稿でご紹介しています。 私は間違いなくこういったことが影響してクラーシン(カイ)とピョートル(ロッシー)がこういった形で来園者の反応を期待するような行動に向かわせた原因だろうと考えています。 レニングラード動物園の非が、何の罪もないウスラーダやクラーシン(カイ)とピョートル(ロッシー)の双子に大きな厄災をもたらせたのでした。

レニングラード動物園時代のクラーシン(カイ)とピョートル(ロッシー)の双子兄弟ですが、クラーシン(カイ)が大胆で積極的、ピョートル(ロッシー) が控えめで遠慮気味という性格の違いがあったそうです。 先の映像の姿を見ても、このクラーシン(カイ)は逞しさを感じさせる大物のホッキョクグマだと思います。 欧州のホッキョクグマや日本のララファミリーとはかなり肌合いの異なるホッキョクグマの若年個体でしょう。 ノヴォシビルスク動物園のクラーシン(カイ)の姿はライブカメラのこちらでご覧になれます。

(*追記 - 今回の件のTVニュース映像をご紹介しておきます。)



(資料)
Комсомольская правда (Jun.29 2014 - Видео, как белому медведю Каю из Новосибирского зоопарка дали воду, стало хитом Интернета)
Life News (Jun.29 2014 - Купающийся медведь из новосибирского зоопарка стал звездой Интернета)
(*追加資料)
Телерадиокомпания «Петербург» (Jun.30 2014 - Белый медведь Кай из Новосибирского зоопарка прославился в сети)

(過去関連投稿)
ピョートル(ロッシー)とクラーシンの双子兄弟の産室での映像
腕白小僧ロッシーの性格の変化?
ロッシー(日本平動物園)の双子の兄弟クラーシンの驚異的なジャンプ力!
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のクラーシンのポリ容器遊び
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ロシア・ノヴォシビルスク動物園のクラーシン (ロッシーの双子の兄弟) の近況 ~ déjà-vu の光景
ロシアのノヴォシビルスク動物園、来園者のホッキョクグマへの勝手な食べ物投げ入れに業を煮やす
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のライブカメラが高精細度(HD)映像となる ~ クラーシンの近況
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの戸外映像 ~ ゲルダとクラーシンの幼年時代
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の女帝ウスラーダの15頭の子供たちの姿
by polarbearmaniac | 2014-06-30 01:00 | Polarbearology

白浜のアドベンチャーワールドで昨年誕生の雄の赤ちゃんの近況

昨年11月21日に南紀白浜のアドベンチャーワールドで誕生し人工哺育で育てられている雄の赤ちゃんですが、前回の投稿からもう三か月ほど日が空いてしまいました。 この間にはアドベンチャーワールドではミライの急死といった不幸があったわけですが、こういった時期を挟んで今回の雄の赤ちゃんの様子を伝える公式映像を見てみましょう。

まずこの下は5月初旬のものです。



私の眼には、この時期にしては何か少し脚力が弱いような印象をもってしまのですが、まあそれは気のせいでしょうか。 次は6月初旬の映像で初めての水遊びの様子のようです。水泳教室といったような大袈裟なものではなく文字通り「水に親しむ」といった感じでしょうか。



まだまだ水を怖がっているようです。生後七か月で本来はもう泳いでいなければならない時期ですが設備の都合などで浅くて比較的大きなプールが用意できないということでしょうか、泳ぎの習得には時間がかかっているようです。 飼育下のホッキョクグマには泳ぎができるできないは死活問題ではないわけですが、アドベンチャーワールドという施設の性格からいえば、やはりそろそろ泳いでもらわねばならないといった要求があるのでしょう。

別にミライの突然の謎の死のことが頭にあって言うわけではないのですが、この今回の赤ちゃん、今まで以上に十分に目を行き届かせて大事に育ててやってほしいと思います。

(過去関連投稿)
白浜のアドベンチャーワールドでホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ "La fin justifie les moyens ?"
白浜のアドベンチャーワールドで誕生の赤ちゃんの生後5日目の映像が公開
白浜のアドベンチャーワールドで誕生の赤ちゃんの一般公開開始の日の映像
白浜のアドベンチャーワールドで誕生の赤ちゃんの生後2週間目の映像
白浜のアドベンチャーワールドで誕生の赤ちゃんの最近(生後一か月前後)の映像が公開
白浜のアドベンチャーワールドで誕生の赤ちゃんの最近(生後一か月半)の映像が公開
白浜のアドベンチャーワールドで誕生の赤ちゃんの最近(生後二か月経過)の映像が公開
白浜のアドベンチャーワールドで誕生の赤ちゃんの最近(生後66日経過)の映像が公開
白浜のアドベンチャーワールドで誕生の雄の赤ちゃん、初めての戸外散歩を行う
by polarbearmaniac | 2014-06-29 19:00 | Polarbearology

ポロロの二つの「動と静」のドラマ (後) ~ 休息と外界よりの刺激(おもちゃとおやつ)が無理なく共存 

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水中では「動(遊び)と静(避暑)」の二つの面を見せてくれるポロロである。 では、陸の上ではどうなのか?
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午前中、長い時間を水中ですごしたポロロは午後から陸に上がり昼寝を行う。 ただし、札幌時代のように長いものではない。 むしろ休憩といったほうが正しいだろう。
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ポロロの休憩
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そろそろ上から何かプレゼントがあるようだ。
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どこにいても上が非常に気になる。

上からの冷気が気になるポロロ

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上から来るものは何でも新鮮である。
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14時半からの氷のプレゼントである。

果物入りの氷のプレゼントに噛り付くポロロ

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この氷のプレゼントの後にスイカのプレゼントもあった。

スイカのプレゼント

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水中では「動と静」。
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水から上がると陸でも「動 (おやつ)と静 (昼寝)」である。
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こういったポロロの札幌の冬の雪の上での光景は素晴らしかった。
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中を地面にこすり付けるポロロ

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このポロロは水中にいても陸に上がっていても、どちらも「動と静」の対比の共存を見せてくれる。 前者では「遊びと避暑」、後者においては「おやつと昼寝」である。
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ポロロの一日は単調に見えるかもしれないが、しかし水中と陸上で二つの「動と静」が存在しており、内容的には実はメリハリのある一日を過ごしている。 このポロロは見事に自分の生活を自分のリズムに乗せたのである。
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このポロロ、ここまで見事にこの動物園に適応するとは予想もしていなかった。 何かフワリと柔らかい感触を醸し出すポロロは担当飼育員さんと波長が合っており、相性の良さを感じさせるのである。
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何かとても後味の良い印象で動物園を後にすることができる。
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私はふと考えるのである。 仮にポロロが熊本に行ってマルルがこの徳島に来ていたら果たしてどういうことが起きたかということである。 仮定の問題ではあるが、その予想も近いうちに是非投稿してみたいと思っている。

(*後記 - このとくしま動物園のホッキョクグマ舎でカメラで普通にホッキョクグマを撮影すると上の動画の映像のように全体に画面がかなり黄緑がかった色調に撮れるため、それを極力回避しようと私はいつもカメラのホワイトバランスや彩度の設定を写す角度でいじりまくり、幾分かは成功していると考えています。 しかし今度は逆にそれが災いして光の方向によってポロロの体の色が全て異なって写ってしまうという問題が生じています。 これらは全て私の撮影技術の非力さのためです。 ポロロの体が汚れていたり不健康に変色しているわけではありません。 ポロロの現在の体の色はこの投稿の上から二枚目が比較的近いと思います。)

Nikon D5300
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
(Jun.28 2014 @とくしま動物園)

(過去関連投稿)
とくしま動物園でのポロロ歓迎式、そしてポロロの自信に溢れた徳島での公式デビュー
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熊本市動植物園でマルルの歓迎会が開催される
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マルルに当分の苦境は続くか? ~ "Every cloud has a silver lining."
マルル、まどろみの日曜日
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マルルが取り戻した快活さの裏側 ~ 多大な労力で「幻影」の維持を強いられる飼育員さんへの同情
熊本の夏の入り口の暑さにも動きが鈍らないマルル ~ in/outdoorの扉開放方式の試験的導入が成功
夏の暑さの到来した徳島にあっても、立ち止まることなく前進するポロロの「快進撃」
ポロロこそララの後継熊なのか? ~ マルルを突き放し姉のアイラに肉薄する稀有の逸材の歩む道
真夏日の徳島、ポロロのゆったりとした日曜日
「正統派・アポロ的ホッキョクグマ」であるマルルの逆襲の条件を探る ~ 精神の自由の付与で「快適さ」へ
ポロロの二つの「動と静」のドラマ (前) ~ 水中での避暑と遊びとを共存させ 「痛みを経ての快感」 に変える
by polarbearmaniac | 2014-06-28 23:45 | しろくま紀行

ポロロの二つの「動と静」のドラマ (前) ~ 水中での避暑と遊びとを共存させ 「痛みを経ての快感」 へ

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すっかり自分のペースを掴んでしまったポロロである。 彼女に会うのは一か月振りである。
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今日の徳島は暑いとといえば暑いが、気温は30℃には達していない。 何か今年の6月は最高気温にリミッターでもかかっているかのように、ある程度以上は上昇しないような印象すら受ける。
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ポロロは午前中はほとんど水の中で過ごしている。 明らかに避暑の意図だろう。
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悠々としているかのようにすら見えるポロロである。

水中でゆったり過ごすポロロ(1)

水中でゆったり過ごすポロロ(2)

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そうした中でも、札幌時代からのこの黒い蓋を依然としてお気に入りのおもちゃにしているのを見ると、本当にうれしくなってしまうのだ。 札幌でも徳島でも、ポロロはポロロなのである。
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一時期この黒い蓋に飽きてしまって、あまり遊ばなくなっていたそうだが、最近はまたお気に入りとして復活してきたらしい。
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今日の午前中のポロロの黒い蓋遊びは実にスリリングだった。 この蓋を咥えて水中に潜り、そしてこれをプールの補助台のフレームの中に入れてしまい、そして今度はそれを自分で潜って取り出すという実に刺激的な遊びである。 これを5回ほど繰り返してやっていた。 こういう遊びを行う幼年個体を見た記憶がないのである。 わざわざ取りにくい場所に蓋を入れ、そしてそれを一生懸命回収するという実に冒険心に満ちた遊びである。 見ていてハラハラしたほどである。 その映像を下のように撮ってみた。



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こうしてお気に入りの黒い蓋を回収して満足感を味わうのである。 今までとは少し違うポロロの一面を見た気がする。 進化するホッキョクグマ、ポロロである。
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このポロロは、やはり徳島の気温は不快だとはっきりと感じているように見える。
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不快だからこそポロロは水の中にずっと留まっているのである。 ところが、やはり暑い土地の動物園で暮らすホッキョクグマには、あまり暑さを感じていないかのようにそれほど水に入らない個体もいるのである。 私はそういう個体はむしろ危険なのではないかと考えている。 「暑い土地にもかかわらず...」 という 「かかわらず」 を忘れては困るのである。 彼らに無理を強いていることを認識しておかなければならないだろう。
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このポロロは高い気温の不快感を自分なりのやり方で回避・克服しようとしている。
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それはまるで、「痛みの快感」 を感じさせるリヒャルト・ヴァーグナーの音楽のようですらある。
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モスクワ動物園の飼育担当主任がかつてこう言っていたのを聞いたことがある。 「ホッキョクグマの繁殖にとっては、夏の暑さは必ずしも問題があるとは言えない。 ただし、冬になってマイナスの気温が何日も続くことが重要である。 冬になって寒冷化しない土地では、雄(オス)の繁殖能力に悪い影響が出てくる...。」  ポロロは雌だからあまり関係がないということになるのだろうか。
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ポロロは避暑をしているだけではない。 遊び心を自ら点火させ、そして遊び始める。
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水中では「動(遊び)と静(避暑)」の二つの面を見せてくれるポロロである。

Nikon D5300
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
(Jun.28 2014 @とくしま動物園)

(過去関連投稿)
とくしま動物園でのポロロ歓迎式、そしてポロロの自信に溢れた徳島での公式デビュー
ポロロ、その優れた適応性、そしてその執着力が予感させる器の大きさ ~ 大輪晩開の花
熊本市動植物園での、いささか精彩に欠いたマルルの熊本公式デビュー ~ "Marle of Our Time"
マルル、その「正統派ホッキョクグマ」 が克服を期待される試練 ~ 「我らが時代」のホッキョクグマの姿
熊本市動植物園でマルルの歓迎会が開催される
大きく成長を遂げつつあるポロロ ~ クーニャよりもシヌックの影を強く感じるララファミリーの子供たち
冷雨の日曜日、間近に見るポロロの表情 ~ 亡きシロー爺さんに見守られているポロロが優位に立つ
マルルの "Perpetuum mobile" ~ 公開後、約一か月が経過したマルル
マルルに当分の苦境は続くか? ~ "Every cloud has a silver lining."
マルル、まどろみの日曜日
ポロロとマルルが暮らす徳島と熊本の二つの動物園の印象 ~ 「組織の徳島、人の熊本」
マルルが取り戻した快活さの裏側 ~ 多大な労力で「幻影」の維持を強いられる飼育員さんへの同情
熊本の夏の入り口の暑さにも動きが鈍らないマルル ~ in/outdoorの扉開放方式の試験的導入が成功
夏の暑さの到来した徳島にあっても、立ち止まることなく前進するポロロの「快進撃」
ポロロこそララの後継熊なのか? ~ マルルを突き放し姉のアイラに肉薄する稀有の逸材の歩む道
真夏日の徳島、ポロロのゆったりとした日曜日
「正統派・アポロ的ホッキョクグマ」であるマルルの逆襲の条件を探る ~ 精神の自由の付与で「快適さ」へ
by polarbearmaniac | 2014-06-28 23:30 | しろくま紀行

ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの16頭目の赤ちゃんは雌(メス)と判明

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ウスラーダの16頭目の赤ちゃん 
(2014年5月3日撮影 於 サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園で昨年12月6日にウスラーダお母さんから誕生した16頭目の赤ちゃんですが本日の金曜日にレニングラード動物園より正式発表があり、性別は雌(メス)とのことです。 それから同時にこの赤ちゃんの名前の公募についてその応募方法も発表しています。 同園のホッキョクグマ展示場に箱を設置して、この赤ちゃんの名前と応募した人の連絡先を書いた用紙を入れてもらうという、ごく平凡なやりかたです。 私はこれが一番いいだろうと思います。 やはり実際にこの赤ちゃんを自分の目で見て、そしてそこで名前を応募するというのが自然でしょう。 ネットでの応募というのは私はあまり賛成できません。 本日6月27日から7月11日まで受け付けるとのことです。
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(2014年5月3日撮影 於 サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

さて、やはり雌(メス)だったかという感じです。 私は赤ちゃんの顔つきや体つきなどよりも、その赤ちゃんの行動、そして母親がどうその赤ちゃんに接するかによって性別を予想するということに最近では非常に凝っています。 昨年の札幌でのマルルとポロロについても、ララお母さんがどうこの双子に接するかということに注意を集中して見ていたわけですが、ララの場合はマルルとポロロに対して母親としての権威を振りかざすのではなく、どこかまるで友達か仲間であるようにこの双子に接していたのを見て、これは母親が息子ではなく娘に接するやり方なのだろうという考え方に至ったというわけでした。 ですからマルルとポロロの行動の違いは性別の違いではなく性格の違いから生じているということもわかったわけで、案の定あの双子は雌の双子だったというわけでした。 このウスラーダの16頭目の赤ちゃんについては私は5月初めに実際に現地に飛んでよく観察できたのですが、その時に性別の予想というものに焦点を当てて投稿したのが「ウスラーダの16頭目の赤ちゃんの行動が示すその性別の予想」という投稿でした。 この今回の赤ちゃんの性別予想は比較的簡単だったと思っています。
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ウスラーダ親子 
(2014年5月3日撮影 於 サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

さて、この赤ちゃんが一般公開される直前の投稿で私は今までの15頭のウスラーダの子供たちの姿を全てご紹介したことがありました(「ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の女帝ウスラーダの15頭の子供たちの姿」)。 この15頭の子供たちのうちで今まで雌は3頭だけだったわけです。 その雌の3頭については「女帝ウスラーダとシモーナ、コーラ、リアの三頭の娘たち ~ 偉大な母親たちの三代の系譜」という投稿をご参照下さい。 ウスラーダは年齢を重ねるにつれて「男腹」となったように思いましたが、とうとう13年ぶりに雌を生んだというわけです。 今までの三頭の娘たち、つまりシモーナ、コーラ、リアはいずれも繁殖に成功しています。 特に長女シモーナ(モスクワ動物園)は、今や母親としての最絶頂期にあるわけで育児の技量としては自らの母親であるウスラーダをいくつもの点で凌駕するにまでに至り、世界最高の母親の一頭であるといっても過言ではないほど偉大なホッキョクグマとなっているわけです。 この点については以前の投稿である「モスクワ動物園のシモーナ、過去の映像に見るその母親像の 『絶対的』 かつ 『不動』 の存在の安定感」をご参照下さい。 このシモーナについてもその他に今まで私は多くの投稿を行ってきました。 今回のこのウスラーダの16頭目の赤ちゃんは久方ぶりのウスラーダの娘であり、やはり偉大なる母への道を歩むことは十分に期待できるでしょう。 この雌の赤ちゃん、いったいどの動物園に行くことになるかに注目が集まります。 個人的にはこのサンクトペテルブルクにできる新動物園でウスラーダの後継熊になってほしいと思っています。 しかし私はそんなことよりも、今年は現地でさらに可能な限りこのウスラーダ親子に会っておきたいと考えています。
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レニングラード動物園のホッキョクグマ展示場を見つめる来園者
(2014年5月3日撮影 於 サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

(資料)
Ленинградский зоопарк (Новости / Jun.27 2014 - Конкурс на лучшее имя для белого медвежонка)
Mail.Ru (Jun.27 2014 - Белый медвежонок в Ленинградском зоопарке оказался самочкой, теперь ей ищут имя)
Медиа-Диалог (Jun.27 2014 - В Ленинградском зоопарке определили пол белого медвежонка)

(過去関連投稿)
女帝ウスラーダとシモーナ、コーラ、リアの三頭の娘たち ~ 偉大な母親たちの三代の系譜
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの歩む道 ~ 再説: 繁殖可能年齢上限
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園で26歳の女帝ウスラーダが16頭目の赤ちゃんを出産!
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの赤ちゃんの産室内映像が公開される
ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園がウスラーダの赤ちゃんの産室内映像を一挙に公開
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の女帝ウスラーダの15頭の子供たちの姿
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの16頭目の赤ちゃんが遂に戸外へ!
グランド・ホテル・ヨーロッパからレニングラード動物園へ ~ ウスラーダの一家との再会
帝王メンシコフ、その偉大さへの限りなき称賛
ウスラーダの16頭目の赤ちゃんの行動が示すその性別の予想
ウスラーダの母性とは何か? ~ 魅せられる芯の強さと筋の一本通った強靭なる母親の姿
ロシア・サンクトペテルブルクに記録的な暑さ到来 ~ 果物を楽しむホッキョクグマたち
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダ親子の関係に深く切り込んだ映像
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの16頭目の赤ちゃん、10月に移動か?

(*以下シモーナ関連)
モスクワ動物園のシモーナ(1) ~ 偉大なる母の娘、やはり偉大なる母となる!
モスクワ動物園のシモーナ(2) ~ その初産への道のり
モスクワ動物園のシモーナ(3) ~ 豊かなる母性の輝き
モスクワ動物園のシモーナ(4) ~ 消息不明の息子は何処に? (上)
モスクワ動物園のシモーナ(5) ~ 消息不明の息子は何処に? (中)
モスクワ動物園のシモーナ(6) ~ 消息不明の息子は何処に? (下)
ホッキョクグマ親子達の昼寝姿 (3) ~ シモーナ親子
シモーナの夏の日の午後 ~ くつろいだ日常の姿
シモーナ、その姿の変わらぬ端麗さ
モスクワ動物園の「良妻賢母」シモーナ ~ 母親のウスラーダに似た顔立ち
秋の日のモスクワ動物園のシモーナとウランゲリ ~ 再び期待されるこのペアの繁殖
モスクワ動物園のシモーナの夏
モスクワ動物園のシモーナとウランゲリ、冬の日の同居映像
モスクワ動物園のシモーナ、その日常の姿(1) ~ 遠征での映像より
モスクワ動物園のシモーナ、その日常の姿(2) ~ 遠征での映像より
「情愛型」 と 「理性型」、「対象関与型」 と 「対象非関与型」 のそれぞれの母親像の違いを探る
理性のウスラーダと情愛のシモーナ ~ 偉大なるホッキョクグマ母娘の性格の違い
by polarbearmaniac | 2014-06-27 23:15 | Polarbearology

ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のジョヴァンナ親子が遂に岩場のある大きな展示場に登場

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ネラとノビ Photo(C)Getty Images

昨年12月9日にドイツ、ミュンヘンのヘラブルン動物園でジョヴァンナお母さんから誕生し無事に生後半年が経過した雌のネラ と雄のノビの双子の赤ちゃんですが、ジョヴァンナお母さんと共に昨日の木曜日から岩場と大きなプールのある広い展示場に移ったそうです。 その様子を映像で見てみましょう。 ジョヴァンナお母さん、やはり久し振りのこの場所ですが最初は警戒気味ですね。 いろいろとあたりをチェックしています。 ネラとノビも最初は新しい場所に不安そうな様子も見せています。 それから、ミュンヘンも「一眼レフ族」は多いですね。







ヘラブルン動物園は、生後半年が経過したネラとノビの次なるチャレンジとして岩場登りができ、そしてやや深いプールのある展示場に移すちょうどよいタイミングだと判断したそうです。 この双子はスイカが大好きだそうで毎日のように与えられているそうで、ジョヴァンナお母さんの母乳の他にニシンやサバなどの魚、ニンジンなどの野菜が与えられ現在では体重は約30キロになっているそうです。 この親子は今までいた展示場 (同園は“Tundra-Anlage”という言い方をしています )で遅んでもよし、冒険のできるこの岩場のある展示場にチャレンジしてもよし、どちらもその時の気分次第で行き来できるようにもされているようです。

(資料)
Tierpark Hellabrunn (Jun.26 2014 - Nela und Nobby: Auf zu neuen Abenteuern !)
Stern.de (Jun.26 2014 - Plüschiger Doppelpack begeistert Zoo-Besucher)
Süddeutsche Zeitung (Jun.26 2014 - Plüschiger Doppelpack hat Ausgang)
Sat.1 Bayern (Jun.26 2014 - Ein Luxus-Pool für Nela und Nobby)
ganz-muenchen.de (Jun.26 2014 - Hellabrunn Eisbärenzwillinge Nela und Nobby entdecken Felsenlandschaft mit großem Pool und Unterwassereinsicht)

(過去関連投稿)
ドイツ・ミュンヘンのヘラブルン動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生!
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ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園、ネラとノビの夏の日 ~ 雌が雄より活発な双子の事例
by polarbearmaniac | 2014-06-27 11:30 | Polarbearology

ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの16頭目の赤ちゃん、10月に移動か?

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ウスラーダの16頭目の赤ちゃん 
(2014年5月3日撮影 於 サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

昨年12月6日にロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園でウスラーダお母さんから誕生した16頭目の赤ちゃんですが、明日金曜日からその名前の公募開始の発表があるそうで、この赤ちゃんの性別もその時に明らかにされる模様です。 今回はウスラーダお母さんの赤ちゃんに対するガードが相当に厳しくて獣医さんやスタッフが性別判定のために赤ちゃんをウスラーダから一時引き離す作業がなかなか思うようにいかなかったようです。 このレニングラード動物園での赤ちゃんの性別判定作業については4年前に投稿したことがあり、要するに赤ちゃんが戸外に出てウスラーダお母さんがまだ室内にいるタイミングを見計らって扉を閉めて引き離してしまうという、ごく古典的で簡単な手法でなされるわけですが、今回はウスラーダお母さんがなかなかそういう隙を見せなかったということなのでしょう。
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ウスラーダ親子 
(2014年5月3日撮影 於 サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

さて、実は地元サンクトペテルブルクの一つの報道がレニングラード動物園からの情報として、この赤ちゃんがウスラーダお母さんのもとに一緒にいられるのは9月までで、その後はロシア国内の他の動物園に移動する予定だと報じています。 どの動物園に移動するかはこの赤ちゃんの性別によって決まるとも報じられています。 しかし、仮にこの赤ちゃんが考えられているように雌だったとしても同年代でパートナーを組める幼年・若年個体はロシア国内ではほとんどありません。 強いて言えばペンザ動物園の野生出身の3歳の雄のベルィ ですが、ペンザ動物園はホッキョクグマの新飼育展示場を建設しようとしているものの諸事情でそれがうまく進行していない状況です。 そしてベルィの他にもう一頭ホッキョクグマを飼育するスペースの確保は難しいでしょう。 しかし何と言ってもベルィは野生出身ですから血統的な面で言えばメリットは極めて大きいと考えられます。 仮にこの赤ちゃんが雄だったとして、これもまた相当に難しいですね。 同年代の雌としてはロストフ動物園の一歳半のコメタがいますが、このコメタの祖母は他ならぬウスラーダというわけですから問題です。 かなり以前の投稿で、モスクワ動物園 (すなわちEARAZA と言い換えてもよいでしょう) では人間で言えば五親等離れればペアとして許容可能と考えているらしいことを述べましたが (*追記 - これをララファミリーに当てはめますと、ツヨシの孫とピリカの子供ならばペアとして許容可能であるということになります。 ただしこの場合、ツヨシのパートナー、ピリカのパートナー、ツヨシの子供のパートナー、これらが別の同一血族の個体ではないということが条件になってきますが)、そうなるとそれに合致するのは唯一エストニア・タリン動物園のノラ(五親等)ですが、エストニアはロシアとは別の国ですので対象外でしょう。 私はこの今回のウスラーダの16頭目の赤ちゃんは80~90% の確率で雌ではないかと考えていますので、そうなるとこの今回の赤ちゃんのパートナーは、やはりペンザ動物園のベルィが本命となるのかなと考えるしかありません。 いずれにせよ、明日の金曜日に性別が発表されるだろうと思います。
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ウスラーダ親子 
(2014年5月3日撮影 於 サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

さて、いつも思うのですがホッキョクグマに関してロシアの動物園は子供を親と引き離す時期がいつも非常に早いのが気になります。 これについては是非、以前の投稿である 「『ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)』 よりの考察(11) ~ 母子をいつ引き離すか」 をご参照いただきたいのですが、ロシアの動物園は伝統的に二年サイクルでの繁殖を維持しているわけで、この点では札幌・円山動物園も同じです。 近年 (約25~30年ほど前から)、欧州と北米の動物園が三年サイクルでの繁殖を採用することになったのは自然下における繁殖での離乳期 (Weaning) の概念を飼育下にも導入することが動物福祉 (Animal Welfare) の点で望ましいと考えてのことであり、それはまさに動物学の知識を根拠とした合理性を背景としています。 ところがロシアのような国では伝統的に幼年個体を基本的には国外に売却することがなされ続けてきたわけで、それが二年サイクルの繁殖は当たり前のことだという考え方を維持させている理由でしょう。 ともかくこのウスラーダの16頭目の赤ちゃんがウスラーダお母さんと一緒に9月までしかサンクトペテルブルクにいないというレニングラード動物園の見通しを伝える報道の内容が正しいとすれば、私も尻に火がついてきたように感じます。 9月までにあと何回レニングラード動物園に行けるか、これが勝負ですね。 なんだか忙しい年になってしまいそうです。

(資料)
Общественный контроль (Jun.26 2014 - Петербуржцы сами придумают имя белому медвежонку)
Новости Петербурга News SPB (Jun.26 2014 - Ленинградский зоопарк предложит выбрать имя для белого медвежонка)
Интервью Агентство (Jun.26 2014 - Ленинградский зоопарк объявит конкурс на имя белого медвежонка)

(過去関連投稿)
女帝ウスラーダとシモーナ、コーラ、リアの三頭の娘たち ~ 偉大な母親たちの三代の系譜
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの歩む道 ~ 再説: 繁殖可能年齢上限
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園で26歳の女帝ウスラーダが16頭目の赤ちゃんを出産!
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの赤ちゃんの産室内映像が公開される
ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園がウスラーダの赤ちゃんの産室内映像を一挙に公開
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の女帝ウスラーダの15頭の子供たちの姿
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの16頭目の赤ちゃんが遂に戸外へ!
グランド・ホテル・ヨーロッパからレニングラード動物園へ ~ ウスラーダの一家との再会
帝王メンシコフ、その偉大さへの限りなき称賛
ウスラーダの16頭目の赤ちゃんの行動が示すその性別の予想
ウスラーダの母性とは何か? ~ 魅せられる芯の強さと筋の一本通った強靭なる母親の姿
ロシア・サンクトペテルブルクに記録的な暑さ到来 ~ 果物を楽しむホッキョクグマたち
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダ親子の関係に深く切り込んだ映像
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(11) ~ 母子をいつ引き離すか
by polarbearmaniac | 2014-06-26 18:00 | Polarbearology

ロシア南部・ロストフ動物園、サーカス出身の12歳の雄、イョシの注目される今後

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イョシ Photo: youtube

ロシア南部・ドン川下流にある都市であるロストフ・ナ・ドヌ (Росто́в-на-Дону́) の動物園で飼育されているサーカス出身の12歳の雄のホッキョクグマであるイョシについては、かつて彼がサンクトペテルブルクのレニングラード動物園に別れ告げてこのロストフ動物園に移動してきた様子などを投稿してきました(過去関連投稿参照)。 最近彼について話題にしたのは上野動物園のデアのパートナー候補として彼はどうだろうかということを述べた投稿でした(「女神デアのパートナー問題の推移や如何 ~ 候補はイコロかキロルかイョシか?」)。 実際のところその来日の実現性は乏しいことは百も承知で、このイョシの存在について注意を喚起したいということでもあったわけです。 私は2010年の5月と7月にサンクトペテルブルクでこのイョシに会っていますが、本当に狭い獣舎に小さな形ばかりのプールのある場所に押し込められていて非常に気の毒に思いました。 そういったサンクトペテルブルク時代のイョシの様子について映像を下にご紹介しておきます。 冒頭はCMです。

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次にロストフ動物園でのイョシの姿も見ておきましょう。



さて、このロストフ動物園における現在のイョシの立場ですが、これはなかなか微妙なところがあります。 ロストフ動物園がホッキョクグマの幼年個体のペアを求めた過程でキエフ動物園による詐欺の被害者になってしまった件は以前に「ロシア南部・ロストフ動物園とウクライナ・キエフ動物園との間の紛争 ~ 『ホッキョクグマ詐欺』事件の概要」という投稿でご紹介しています。 結局のところロストフ動物園はこのホッキョクグマの幼年個体のペアの入手のためにモスクワ動物園に泣きついたわけですが、結果的に入手できたのは2012年11月にチェコ・ブルノ動物園で誕生した雌のコメタだけだったわけです。 ロストフ動物園はこのような状況になるに至ってコメタのパートナーとなるのはこの現在12歳のイョシ、そしてペルミ動物園から5年間という期限付きで預かっている11歳の雄のテルペイなのだと急に言い始めたわけで、これはどう考えてもおかしな話です。
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イョシとテルペイ Photo(C)Комсомольская правда

モスクワ動物園はロシア、ウクライナ、チェコにまたがるホッキョクグマなどの複数の動物の交換スキームを構築して「EARAZAのホッキョクグマ繁殖計画」の名のもと、自園の手持ちではないブルノ動物園の雌の幼年個体であるコメタをロストフ動物園に送りこんだものの、雄の幼年個体については現時点ではロストフ動物園のために調達できていないということです。 「アンデルマ/ウスラーダ系」であるコメタにはこの血統以外の幼年個体をパートナーとすることが望まれるわけですが、そういう雄の幼年個体をロシア国内に見つけることは現時点では不可能であり、それに苦慮しているとみて間違いないでしょう。 ロストフ動物園はモスクワ動物園とは非常に友好的な関係であり、「ペアとして送られてこないのは契約違反である」という主張もできないというわけでしょう。 そのために急遽、イョシやテルペイがコメタの将来のパートナー候補なのだと言いださざるを得なくなったというわけです。 しかしどうでしょうか、私はモスクワ動物園はそのうちに出現するであろう野生の雄の孤児個体を連邦政府の自然管理局 (RPN - Федеральная служба по надзору в сфере природопользования) にかけあってロストフ動物園で保護・飼育させようという考えなのだろうと思っています。

仮にそうなった場合このイョシをどうするかですが、モスクワ動物園で引き取って、ウムカ(ウンタイ)が死亡したためにパートナーを失ったムルマのパートナーにするということも考えられます。 というのもこのイョシは野生出身でムルマのパートナーにすることに血統面では優位性があるからです。 しかしイョシの権利は野生出身個体とはいえ依然としてサンクトペテルブルクのサーカス団にあり連邦政府の自然管理局にあるわけではありませんから他の動物園がサーカス団と交渉してこれを入手することは不可能ではないというわけです。 ただし、男鹿水族館に訴えられ敗訴した日本の大手動物商のロシア国内におけるホッキョクグマ事情の理解のお粗末さなどから考えれば、このイョシの入手交渉などを期待するには能力不足は明らかでしょう。

さて、ロストフ動物園はこのイョシを今後どうしようというのでしょうか。 ロストフ動物園でのイョシの今後、そしてはたして同園はモスクワ動物園から雄のホッキョクグマの幼年個体を入手できるのかについては注目したいところです。 ロシアの動物園における台風の目はこのロストフ動物園だろうと思います。

(資料)
Комсомольская правда (Apr.5 2014 - В Ростовском аэропорту встретили белую медведицу из Чехии)

(過去関連投稿)
(*イョシ関連)
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のイョシ、ロストフ動物園に引き取られる
サンクトペテルブルクに別れを告げるイョシ ~ サーカス出身のホッキョクグマの境遇
ロシア・サンクトペテルブルクのイョシ、新天地ロストフへ出発
ロシア南部 ロストフ・ナ・ドヌのロストフ動物園のイョシ ~ 安住の地での近況
ロシア南部・ロストフ動物園のイョシ、安住の地で元気に暮らす ~ ロストフ動物園の奇妙な計画
(*テルペイ関連)
ロシア・ペルミ動物園におけるセリクとユムカの近況 ~ テルペイがロストフ動物園に移動か?
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園のテルペイがロシア南部 ドン河下流のロストフ動物園に無事到着
ロシア南部 ・ ドン河下流のロストフ動物園に移動したテルペイの近況 ~ 飼育員さんに惚れ込まれる
(*コメタ関連)
ロシア南部・ロストフ動物園とウクライナ・キエフ動物園との間の紛争 ~ 「ホッキョクグマ詐欺」事件の概要
チェコ・ブルノ動物園のコメタがロシア・ロストフ動物園へ ~ ブルノ、モスクワ、ロストフの巧妙な三角関係
チェコ・ブルノ動物園の双子の雄のナヌクがウクライナ・ムィコラーイウ動物園へ移動か?
チェコ・ブルノ動物園のコメタのロシア・ロストフ動物園への移動が大幅に延期 ~ 複雑な背景を読み解く
チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの将来への不安 ~ 忍び寄るロシアとウクライナの紛争の暗い影
チェコ・ブルノ動物園のコメタが4月にロシア・ロストフ動物園へ ~ 表向きのニュースの裏側を探る
チェコ・ブルノ動物園のコメタがロシア・ロストフ動物園に向けて出発 ~ 双子に遂に別れの日来る
チェコ・ブルノ動物園のコメタがロシアのロストフ・ナ・ドヌに無事到着 ~ 早速ロストフ動物園へ
ロシア・ロストフ動物園に移動したチェコ・ブルノ動物園のコメタの処遇にブルノの地元ファンから怒りの声
ロシア・ロストフ動物園に移動したコメタを想い続けるブルノのファン ~ 残されたコーラお母さんとナヌク
by polarbearmaniac | 2014-06-25 23:45 | Polarbearology

デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園でのシークーとネヌ、ヌノの同居 ~ ドキュメンタリー番組より

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イルカお母さんとネヌ、ヌノの双子 Photo(C)Explore.org
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シークー Photo(C)Explore.org

デンマーク・コリンのスカンジナヴィア野生動物公園 (Skandinavisk Dyrepark) でイルカお母さんから2011年11月22日に誕生し人工哺育で育てられた雄のシークー (Siku)、そして翌年の2012年11月21日に同じイルカお母さんから誕生し、そして母乳でイルカお母さんに育てられた双子である雄のネヌ (Nanu) と雌のヌノ (Nuno) については今まで数多くの投稿を行ってきました。 実は今月6月に入ってデンマークのテレビ局であるTV2が、このスカンジナヴィア野生動物公園のシークー、イルカお母さん、ネヌ、ヌノについて二回にわたってドキュメンタリー番組 「シークーと双子たち (“Siku og tvillingerne”)」 をデンマーク国内に放送しました。 これを視聴してみたところ非常に素晴らしい番組で私は大いに堪能しましたので、是非これをご紹介いたしたいと思います。 これは必見の映像だと申し上げてよいでしょう。 私はPart 1 と Part 2 をそれぞれ3回も見てしまったほどです。 まず、このドキュメンタリー番組の放送前に予告編として報道された短い映像をご覧いただきたく思います。 音声はon に設定してください。



まずPart 1 ですが、これはイルカお母さんの2011年と2012年の二回の出産での赤ちゃんの成長を追ったものです。 多くが初めて見る映像であり、そして非常に興味深いものですが、とりわけそのなかでも興味深かったのは、人工哺育されて成長したシークーの「適応化 (Socialization)」の試みとして雌のスミラと同居をさせるシーンですが、この二頭の出会いの様子です。 それからイルカお母さんを双子の赤ちゃんのネヌとヌノから一時引き離し、そしてスタッフが赤ちゃんの予防注射や性別判定などを行おうというシーンで、油断しているうちに閉じ込められてしまったイルカお母さんが興奮して狂ったように扉を叩くシーン、そして解放されたイルカお母さんが走って双子の赤ちゃんのもとに向かうシーンです。 以下の映像がこのPart 1 (約28分)です。



さて、次のPart 2 ですが、これは実に興味深い試みがなされたことが映像で明らかにされています。 それは、人工哺育で育てられたシークーと一歳年下の双子のネヌとヌノを同居させるという試みです。当然イルカお母さんもそこにいるわけですが、イルカお母さんは人工哺育されたシークーが自分の息子であるなどとは認識できないわけで、彼女にとってみれば大事なのは双子のネヌとヌノだけです。 ネヌとヌノはシークーに対して恐る恐るではあれ興味があるわけですが、イルカお母さんはシークーを警戒しており、「あんたいったい何なのよ!」 という感じでシークーを追い払うシーンが何回もあります。 シークーはまだ二歳半とはいえ雄ですからイルカお母さんと遜色のないほど体が大きくなっています。 この同居は考え方によっては非常に危険なわけですが、スカンジナヴィア野生動物公園のラルセン園長は果敢に同居を試みたわけです。 これはシークーの「適応化 (Socialization)」の最終段階の試みという意味付けなのだろうと思います。 しかしやがてシークーは孤立してしまったようです。 イルカお母さんはシークーの存在など無視してネヌとヌノの双子に平然と授乳を行います。 この授乳シーンにご注目下さい。向かって右側、つまりイルカお母さんの左乳を吸っているほうが体の大きいわけで、これが雄のネヌでしょう。 つまり、 「性別の異なる双子の場合、雄(オス)の赤ちゃんは母親の左乳を吸い、雌(メス)の赤ちゃんは右乳を吸う」 という以前からの私の仮説の結論はここでも依然として維持されていることが示されたように思います。 それから給餌のシーンではラルセン園長は必ず名前を呼んでから肉を投げ与えていますが、これはわかり易くて素晴らしいことだと思います。 ここでもイルカお母さんはシークーを威嚇しており、シークーは走って逃げています。 やはりシークーは孤立してしまいますが、まあこれはしょうがないでしょう。 イルカお母さんにしてみれば自分の子供であるネヌとヌノを守ろうということであり、彼女はシークーも自分の子供であることなど到底理解していないわけです。 最後のシーンですが、私の眼にはやはりシークーは寂しそうに見えます。 人工哺育の悲しさというものさえ感じてしまいます。 以下の映像がこのPart 2 (約28分)です。



広くて環境の良いこのスカンジナヴィア野生動物公園は広大な面積と環境の良さ、寒冷な気候などというものと同時に、このラルセン園長の深い見識によって、おそらく世界の動物園としてはホッキョクグマの飼育に関して最も優れた施設といって過言ではないでしょう。 まったくうらやましい話です。  ここまでくれば、もうエンリッチメントのためのおもちゃなどは全く不要で、そういう発想すら全く出てこないということです。 比喩としては不適格かもしれませんが、ホッキョクグマ飼育施設が「マニトバ基準」をクリアするということは、サッカーで言えば代表チームがワールドカップ本大会に出場することと同じレベルでしょう。 ところがこのスカンジナヴィア野生動物公園は、ワールドカップ本大会の決勝戦に毎回出場するというレベルです。 決勝戦の相手は多分、スコットランドのハイランド野生公園だろうと思いますが、園長さんの見識の分だけスカンジナヴィア野生動物公園が優勢でしょう。 今後はアジア出場枠が減らされるであろうことを考えれば日本代表(つまり日本の動物園)は少なくともワールドカップ本大会に出場(「マニトバ基準」クリア)だけでもしなければなりません。 本大会に代表チームが出場しませんと、サポーターが試合後のゴミ拾いをすることができません。

(*追記 - 余談になりますが、世界から賞賛されているかのように報じられているあの行為は、それがたとえ善意であっても実は通常はやってはいけない行為です。 何故やってはいけないかということの理由は日本の外に出てある程度長く暮らせば、なるほどとわかることで、それをあえて説明すべきものではないと思います。 人が説明すべき性格のものではありません。 私は若かりしときは欧州の歴史のある有名なコンサートホールやオペラハウスで休憩時間中に飲んだ空のシャンペングラスをカウンターに戻しに行っていましたが、そうする人々は非常に稀でした。 ですから休憩時間が終了するときには客の飲んだ空のグラスがテーブルに無造作にたくさん放置されるわけです。 欧州では相当のレベルの客層が集まるこういった場所で、日本では決してありえない非常に醜いと思われる光景を目にしたわけでした。 しかし年齢を重ねてみて初めて、飲み終わった空のグラスはカウンターに戻さずそのまま放置するのが実は正しいとやっと理解しました。 それは何も「片づける人の仕事を奪う」 という理由からでは必ずしもありません。 これ以上は述べません。 欧州ではいろいろと本には書いていないことを勉強させてもらいました。 非常に極端に、そして抽象的に言えばサッカーの日本代表が常にワールドカップでベスト4に入るほどの実力が備わったときにはサポーターはあれをやらなくなっているでしょう。 それは日本が内向きの習慣や特異な因習を捨て、そして非常に特殊な閉じた社会であることを止めた時だろうと思います。 そうなった時に初めて日本代表のワールドカップ優勝の可能性も出てくるでしょう。 サポーターが試合後にゴミ拾いをしている間は優勝は無理というものです。)

さて、ここでこのシークーとネヌ、ヌノ、そしてイルカお母さんの一緒に暮らしている飼育場のライブカメラの映像を再度ご紹介しておきます。 右下に赤く Live と表示されている場合はライブ映像です。 欧州中部時間の午後2時から4時まで(現在は夏時間が採用されていますので日本時間では午後9時から11時まで)がライブ映像です。 それ以外の時間帯は前日のハイライトが配信されています。 ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子のライブ映像もすごいですが、このスカンジナヴィア野生動物公園からの映像も、かなりなものです。



シークーは少なくともネヌ、ヌノとはうまくいっているようには見えます。

(資料)
TV 2 | ØSTJYLLAND (Siku og tvillingerne)
TV 2 | ØSTJYLLAND (Jun.9 2014 - Siku og tvillingerne 1:2)
TV 2 | ØSTJYLLAND (Jun.16 2014 - Siku og tvillingerne 2:2)

(過去関連投稿)
(*以下、シークー関連)
デンマーク・東ユトランドのスカンジナヴィア野生動物公園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園で人工哺育されている赤ちゃんの映像
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園のシークーの生後32日目の映像
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園のシークーの報道映像
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園で人工哺育されているシークーの生後66日目の映像が公開
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーが遂に屋外へ
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーの戸外初登場の映像
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーが飼育場に登場
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーのライブカメラ映像、遂に公開開始!
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーのライブ映像ハイライト
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーのライブ映像ハイライト (2)
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーのライブ映像ハイライト (3)
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーのライブ映像ハイライト (4)
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーのライブ映像ハイライト (5)
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーのライブ映像ハイライト (6)
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園の赤ちゃん、シークーのライブ映像ハイライト (7)
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園、シークーのライブ映像ハイライト (8)
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園、シークーのライブ映像ハイライト (9)
デンマーク、スカンジナヴィア野生動物公園、シークーのライブ映像ハイライト (10) ~ 満一歳となる
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園で進行中の2つのドラマ ~ イルカ親子、そしてシークー
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園でのシークーの 「適応化 (Socialization)」 が順調に進行中
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園のスミラ逝く ~ 「適応化 (Socialization)」 への大きな功績

(*以下、ネヌとヌノの双子関連)
デンマーク ・ コリンのスカンジナヴィア野生動物公園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生!
デンマーク のスカンジナヴィア野生動物公園で誕生の双子の赤ちゃんの産室内映像を地元TV局が公開
デンマークのスカンジナヴィア野生動物公園で誕生の双子の赤ちゃんの生後70日目の映像が公開
デンマークのスカンジナヴィア野生動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、産室内で歩行する ~ 生後74日目の映像
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、生後79日目の映像が公開
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、生後87日目の映像が公開
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、遂に戸外へ!
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園で昨年11月誕生の双子の赤ちゃんの近況 ~ 凛々しい顔立ち
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園で春の陽光を浴びるイルカお母さんと、お行儀の良い双子ちゃん
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園の双子の赤ちゃんの近況を伝える地元のTV局の番組
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園で進行中の2つのドラマ ~ イルカ親子、そしてシークー
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園でのイルカお母さんと双子の赤ちゃんのライブ映像の配信開始
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園の双子の赤ちゃんたちの近況
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園のホッキョクグマたちの織りなす多彩なドラマ
デンマーク・コリンのスカンジナヴィア野生動物公園の双子の成長 ~ お行儀の良さは環境の良さが原因?
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園のイルカお母さんの双子の性別と名前決定 ~ 雄がネヌ、雌はヌノ
by polarbearmaniac | 2014-06-24 23:45 | Polarbearology

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