街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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午後から青空の見えた札幌の5月最終の日曜日、ララ親子の初夏の日

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ララお母さん、オクタヴィアンちゃん(仮称)、きょうもよろしくお願いいたします!
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今日は帯広で行こうかと思ったが朝は天気が悪かったので今回は断念した。 昼前までに札幌の天気は回復し青空が見えてきた。
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こういった日はやはりプール遊びかな?
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やる気満々な様子のオクタヴィアンである。
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いよいよプールに入りそうだ。
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でもオクタヴィアンは、そうすんなりとは水に入らない。
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やはりララお母さんが先行である。このララの背泳、私の記憶では育児を行っていない年に多く行われてきたように思うのだが今回は育児中でも悠々と行っている。つまり、これjこそララが今回の育児を日常性の中に内包させてしまったかを示しているようにも思うのだ。
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なかなかエンジンのかからないオクタヴィアン。
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でも今日も意を決したようである。
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ララお母さんといえば、ちゃっかりともうプールからは上がっているのだ。
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剣術士オクタヴィアン。
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何度でも飛び込む。
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オクタヴィアン(仮称)の水遊び
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そういった遊びを続けるオクタヴィアンをそれとなく見ているララお母さん。
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このオクタヴィアンは奇妙だが面白い赤ちゃんではある。
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ララお母さんとっては今回の育児はちっとも「特別」なものではなく、楽々とした日常的な生活の一コマだろう。
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どう見ても今回の主役はやはりララお母さんのように見える。
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このキャンディとデナリとの間の関係はどうなっていたのだろうか? 私もあまり注意を払って見ていたわけではないので、このあたりについてはよく知らない。
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デナリ大将はケガのほうは一応は大丈夫だったようだ。 今日は安眠のようである。 実は昨日の夕方は下の写真と映像のような状態だった。
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飼育員さんはこの件については把握しているということだったので昨日の私はホテルへの帰路についたが、つまりこの件は大した問題ではないという獣医さんの判断なのだろう。 最近デナリはよく血を流しているということらしい。 しかし感染症とかいうことはやはり危険性としては残ると思う。 あまりに楽観的なのはいかがなものだろうか? 素人知識で恐縮だが、いざ感染症にかかるとホッキョクグマのような場合は治療措置を行うのが難しいことになる。麻酔をかけて抗生物質を投与することになるのだろうが、非常に危険な治療を行わねばならず、その成果も保障されたものとはならないだろうということである。 獣医さんや飼育員さんが「大丈夫だ」と判断したとしても近年の同園で起きたいくつかの「事故」を考えると思わず「大丈夫だ」という判断に疑いの目を向けてしまうのである。
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それから私が言うのも変な話だが、北海道の動物園、最近少しおかしくないだろうか? 旭山動物園、ピリカをどうするつもりなのか? 釧路市動物園、ツヨシをどうするつもりなのか? おびひろ動物園、アイラのケアが行き届いているのだろうか?

Nikon D5300
AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
(May.31 2015 @札幌・円山動物園)

(*注 - オクタヴィアンというのは勿論、この赤ちゃんの正式な名前が決まるまで私が便宜上、勝手につけた仮称である。)
by polarbearmaniac | 2015-05-31 23:55 | しろくま紀行

ララ、その「母親としての偉大さ」を超え「ホッキョクグマとしての偉大さ」へ ~ 「第三期」に入ったララ

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二年サイクルでの繁殖に挑戦させられてきたララに一年間のお休みを与えてやりたかったというのが私の気持ちだった。モスクワ動物園のシモーナは2011年暮れに三つ子を出産したあとの次の出産は昨年2014年の11月であり、一年間のお休みをもらって今回は三年サイクルでの出産に成功している。 三つ子の育児ということの負担を考慮してモスクワ動物園はシモーナに一年間のお休みを与えたのだが、そうでなくても二年サイクルの繁殖を継続してきた雌にはどこかで一年間のお休みを与えるべきだろう。
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このララは実に偉大である。その偉大さは彼女が今まで出産してきた子供たちを見事に育て上げたという彼女の業績以上に、実は彼女は母親としての進化(あるいは「前進」と言い換えてもよい)を遂げてきたという点にあると私は思っている。彼女は決して漫然と子育てを行ってきたわけではないのである。単純な「繰り返し」ではなく、「進化」、「前進」、これこそが最も彼女について評価すべき点なのだ。
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ララの今まで歩んできた人生(Bear' life) を振り返ってみると彼女が最初の出産と育児の両方に成功したツヨシから、ピリカ、イコロ/キロル、ここまでが彼女のホッキョクグマの母親としての「第一期」だったと私は考えている。そしてアイラ、マルル/ポロロ、ここまでが彼女の「第二期」だったと考える。そして今回のオクタヴィアン(仮称)から始まったのが彼女の「第三期」だと理解すべきだと思う。 まず「第一期」だが、それは彼女にとって出産、そして育児は自分の人生(Bear' life)にとってまさに「特別の出来事」つまり「祝祭性」を本質とした全面的な関わり方を行ってきたと考えられる。 彼女はこの「第一期」において自分の生活のほとんどを出産後の育児に捧げたのである。こういった状態は現在の大阪のバフィンの行動に最も強く集中的な形で表れている。 次の「第二期」において彼女は、出産とそしてその後の育児を自分の生活の中心に置きつつも、そこに自らの人生(Bear' life)をも彩る楽しみとでもいったものを付加したのである。そうすることによって彼女は自らの「日常性」を「祝祭性」の延長の彼方に位置付けたのだった。ではいったい彼女にとっての今回のオクタヴィアン(仮称)の出産と育児から始まったこの「第三期」というものはどういう特徴を持っているかということである。
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この「第三期」において彼女はその年の年末の出産を控えた初秋の頃から心は非常な平常心を保っていたように見えた。そして産室に入った後に彼女はまるでそれが当たり前でもあるが如く出産を果たし、そしてその後も淡々と育児を行ってきたかのように想像できる。彼女はこうして雌のホッキョクグマの「大イベント」であるはずの出産(そして育児)から「祝祭性」を奪い取ったのである。残ったのは彼女の人生(Bear' life)における「日常性」だけである。ララはこうして、自らが育児を行っていない時の日常の生活の中に、本来だったら「祝祭(Fest)」であるべき「育児」を吸収・溶解させてしまったのである。 だから彼女は、育児を行っていない時の生活のリズムのままで今回のオクタヴィアンの育児を行っているわけである。オクタヴィアンが存在していようがいまいが、ララの一日の生活の本質的な部分でのリズムは守られている。昼間に寝るときは寝て泳ぐときは泳ぐのである。そうしたララの一日の生活の中にたまたまオクタヴィアンは紛れ込んでいるだけである。これが彼女の母親としての「第三期」である。つまり「第三期」というのは「偉大なる母」という第二期までの段階の概念を超えて「偉大なるホッキョクグマ」という姿の体現を意味するわけである。
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こうしてララはホッキョクグマの母親としてまさに「空前絶後」のレベルにまで突き進んだのである。私が見たところ、このホッキョクグマの母親の「第三期」にまで到達したのは世界でウスラーダただ一頭だけだろうと考えている。そしてララと誕生日が一週間しか違わないモスクワ動物園のシモーナはまだ「第二期」ではないかと私は推測しているが近日中に自分の眼でシモーナ親子を見てくるつもりである。
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私が今回このオクタヴィアン(仮称)を見てララとの関係に奇妙な印象を受ける理由は、おそらくこのララの「第三期」について皮膚感覚での理解以上のものを得るに至っていないためからかもしれないとも思うのである。今までララが育ててきた子供たちが旅だった後になって気が付くことは、それまでの一年間の主役は子供たちだったように見えて、実は母親であるララが隠れた主役であったことにいつも気付かされてきた。こういったことは「第二期」までのホッキョクグマの母親までは当てはまってきたはずであるが、その次の「第三期」に入った母親の場合は、子供たちはドラマの主役にはなれないのである。主役は最初から最後まで、その全体の「日常性」の中の一部として育児を取り込んだ母親となるのである。円山動物園は「ホッキョクグマの赤ちゃんを見に来てほしい」と宣伝しているが、それが当てはまったのはマルル/ポロロまでであって、「第三期」に突入した今回の場合は、「ホッキョクグマの母親を見に来てください。」と言うのが本当は正しいのである。こうして「第三期」に入ったことが確実と思われる今回のララについて、今まで通り赤ちゃんを主役にした視点を続けることは正しくないはずで、私は今までのマルル/ポロロまでのような円山動物園訪問記、成長観察記を投稿することは適切ではないと考えている。ララがこれほどまでに進化・前進を遂げたからには私の視点も従来のものから変わっていかねばならないと考えている。
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私は何を隠そう、このララの偉大さが理解できたのは海外でホッキョクグマのいろいろな親子を幸運にも何度も見ることができたからだろうと思っている。そういう機会が無かったならば私はこのララの真の偉大さを理解するのはララが繁殖の舞台を引退した後の事になっていただろう。ララの後継ホッキョクグマがアイラになるかポロロになるか、あるいはその両方になるかはわからない。しかしアイラやポロロがララほどの偉大なホッキョクグマの母親になれるかと言えば、おそらく極めて難しいだろう。何故ならアイラやポロロがララのレベルに達するということは、それすなわちアイラやポロロが「世界最高レベル」のホッキョクグマにならねば実現しないからである。いくらなんでもそれは無理な話だろう。せいぜい成れても「日本のアイラ、日本のポロロ」が精一杯で「世界のアイラ、世界のポロロ」までは無理だと思われる。 むしろ私はララの本当の後継ホッキョクグマはイコロではないかと最近思い始めている。
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私はあのサンクトペテルブルクのウスラーダがいつからいつまでが「第一期」であり、いつから「第二期」に入ったかはわからない。しかし2010年4月にウスラーダがサイモンとサムソンの雄の双子の育児を行っているのを見たが、今から考えればその時から「第三期」に入ったように思うのである。そして2011年生まれのロモノーソフへの育児も「第三期」だったのだ。ところがウスラーダは2013年に産んだザバーヴァについては「第二期」に逆戻りしたような印象を受けるのだ。それはウスラーダが後戻りしたのではなく娘のザバーヴァとの間で何か雌同士の友情のようなものを実現したかったからではないかと考えている。となれば、このララも一度は「第二期」に戻るということがあるかもしれない。そうなればなったでまた面白いだろう。 いやしかし、あのウスラーダがまるで「第二期」に戻ったような育児を始めたこと、それそのものが「第四期」なのかもしれない。 いや、あるいはペルミ動物園のアンデルマが30歳をはるかに過ぎているにもかかわらず、自分の息子や娘でもない2歳のセリクやユムカと体を寄せ合ってまるで親子のようにして寝ている姿、それこそが「第四期」なのかもしれない。 いずれにせよ「第三期」の後に来るべき「第四期」は、ある種の無私の博愛精神が発揮された親子の姿なのかもしれない。それはもうおそらく宗教的な世界であるだろう。
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さて、今回のララは幾分元気が無いという感じ方をする人は多いかもしれない。つまり体力的にかなり負担が生じているのではないかという捉え方である。そういったことは事実かもしれないが、しかし私はむしろこのララの突入した「第三期」について、我々はそれを的確に理解するに至っていないからではないかと考えるのである。それから、今回のララは母乳があまり出ていないのではないかという考え方は多くあるだろう。 しかしそういったことを考えてみるのならば、何故一体オクタヴィアンがあれほど丸々としているのかの説明を考える方が先ではないだろうか? オクタヴィアンよりもはるかに前に誕生したロッテルダム動物園やアウヴェハンス動物園の赤ちゃんたちが何故オクタヴィアンよりも体が遥かに小さいのかの理由を、私は彼らが双子であるからだという月並みな理由以上のものを考えることができないのである。仮にたとえば今回のララの母乳がいつものララの半分しか出ていないと考えるならば、何故12月の下旬にもなって生まれたオクタヴィアンはそれよりもずっと先に生まれた二組の双子の四頭よりも体が丸々としていて大きいのかということの説明を行わねばならないわけだが、私にはその回答は見いだせない。 となれば、「今回のララは母乳があまり出ていない」という前提それ自体に無理があると考えるのが筋ではないだろうか?
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ホッキョクグマの親子を見ていて一番面白いのは母親が「第二期」に入ったときではないかと思われる。つまりララの場合だとアイラに対する育児を行っていたあたりである。 しかし今回ララが突入したと思われる「第三期」について、それを見た経験のある都市はウスラーダのいるサンクトペテルブルクの人々だけなのである。 そうなると、これは我々にとっての新たなる試練を意味することになる。大阪でのバフィン親子を見ている方が今回のララ親子を見ているよりもストレートに面白いという考え方は多いと思うのだが、大阪のバフィン親子を観察するということは夏の高校野球の甲子園大会の打撃戦となった決勝戦を見るような面白さであり、札幌のララ親子を観察するのはアメリカのメジャーリーグの投手戦を見るようなものである。我々の少なからぬ部分は前者のほうが面白いと感じるのだが後者を面白いと感じるためには我々の側の習練が必要である。
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いやはや、それにしてもララは大変な所まで進化、前進を遂げたものである。あのデナリが釧路に出張して札幌に帰還する「お別れ会」の時に釧路市動物園の担当飼育員さんは挨拶のなかで「デナリには人間として私も随分教えられた。」と感謝の言葉を述べていたことを思い出す。我々はそれと同じことをこのララに対して述べ続けなければならないだろう。
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本心から私はこのララにいろいろと教わり続けていることを感謝したいと思うのである。

やっぱりこれが落ち着くオクタヴィアン(仮称)
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Nikon D5300
AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
(May.30 2015 @札幌・円山動物園)

(*注 - オクタヴィアンというのは勿論、この赤ちゃんの正式な名前が決まるまで私が便宜上、勝手につけた仮称である。)
by polarbearmaniac | 2015-05-30 23:55 | しろくま紀行

オクタヴィアン(仮称)、そのバロック的存在感とマニエリスム的行動 ~ "Verlust der Mitte"

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私のこのオクタヴィアンに対する感じ方は前回の訪問から一か月半も経過しているのに今回もほとんど変化がなかったことは予想外だった。 もっと別の感じ方をするだろうと思っていたのだが、そうはならなかった。
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このオクタヴィアン、確かに行動は多彩になった。しかしそういった行動は基本的にこのオクタヴィアンの意思がどこにあるかがよくわからない点が多い。そういった中心の意思がないかのように見えるにもかかわらず行動が多彩であるということは、要するにそういった行動そのものが一種の「装飾」であるということを意味する。中心(「意思」)が存在していないように見えつつ、行動(「装飾」)が巧みであることについては、これは一種のバロック的存在を意味する。中心(「意思」)が存在しないからこそオクタヴィアンの存在感はふらりとしていて軽い。部屋に人間がいないにもかかわらず香水の香りは存在しているようなものである。 まずもってこのオクタヴィアンは何故下のように落ち着きのない行動を行うのか?

オクタヴィアンの「上滑り的」行動(1)

一体オクタヴィアンはこの黒いものをおもちゃにしているのか、そうでないのかも理解が難しいが、見ている来園者は喜ぶといった下の動きである。 まさにこれはオクタヴィアン独特の遊びの行動である。

オクタヴィアンの「上滑り的」行動(2)

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このオクタヴィアンの行動は何にも支配されておらず、一種の条件反射的行動としての要素が強い。
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あの往年の名三塁手でありジャイアンツが九連覇した黄金時代の四番打者であった長嶋茂雄氏がTVの野球中継の解説者として出演していた時の発言を思い出す。長嶋氏は非常に多弁であり話し始めると止まらないのである。 しかしそうした長嶋氏の多弁にもかかわらず、いったい彼が本当は何を言いたいのかはよくわからないのである。要するに言いたいことの中心がハッキリとしないまま発言だけは多彩であるということとこのオクタヴィアンの行動は非常に似ているのである。長嶋茂雄氏の解説者としての発言の内容は軽かった。本当は彼が何を言いたいのかが不明確なために、発言それ自体は非常に軽くしか受け止められなかったのだと言い直しても意味は同じである。その「軽さ」とこのオクタヴィアンの「軽さ」は根本的に非常によく似ているのだ。要するに「中心の喪失」、あるいは「中心の不存在」である。このオクタヴィアンの多彩に見える行動をいちいち追いかけることは長嶋茂雄氏の発言を逐次追いかけることに他ならない。終わってみればさほど重要な意味を持たなかった、あの往年の名三塁手のTV解説者としての発言なのである。
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それから、今日初めてこのオクタヴィアンの排尿シーンを見たが、あまりに瞬間的だったことと地面が傾斜した場所であったために排尿の方向については非常に微妙に見えた。 真下に排尿されれば雄(オス)、後方に排尿されれば雌(メス)というこの判断基準はホッキョクグマの赤ちゃんの性別判定をその行動だけで行おうとした場合の唯一のauthentic な判断基準なのだが、今日のシーンはどちらにもとれる微妙なものだった。見た瞬間はほんの少しだけ後方かなという感じもしたのだが、体に動きのあったシーンであり、そしてあそこは傾斜のあった地面だったことからそれらを考慮すると、あれは本来はやはり真下なのかなという感じもするのである。判断がつかない。
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それにしてもこのオクタヴィアン、本当に奇妙な赤ちゃんである。 私はこのような赤ちゃんに欧州でもロシアでも会ったことがない。

Nikon D5300
AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
(May.30 2015 @札幌・円山動物園)

(*注 - オクタヴィアンというのは勿論、この赤ちゃんの正式な名前が決まるまで私が便宜上、勝手につけた仮称である。)
by polarbearmaniac | 2015-05-30 23:40 | しろくま紀行

初夏の陽気の札幌、ララ親子の姿を久方振りに見て ~ 流麗にその育児技量を発揮するララの姿

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ララお母さん、オクタヴィアン(仮称)ちゃん、こんにちは!
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前回この親子に会ったのは、なんと4月12日のことである。 それから約一か月半も私は札幌に来なかった。 ララの赤ちゃんが公開された年で、今までこれほどの長い間隔をおいての訪問というのは今まで例がない。
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何故なら、ララはともかくとしてこのオクタヴィアンに関してはそれほど会いに行きたいとは思わなかったからである。 このオクタヴィアンの成長を細かく追っていくことへの意義を自分の中に見出せなかったということでもある。 札幌に住んでいるならばともかく、関東からこのオクタヴィアンの成長を追い続けるために札幌に足繁く通うという気になれなかった。 イコロ/キロル、アイラ、マルル/ポロロ、これらのララの子供たちについてはその成長を追うために私は何度も札幌にやってきた。 ところがこのオクタヴィアンの場合はそうではない。
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このララはさらなる進化を遂げて、まさしく空前のレベルにまでその母親としての高みの領域に到達している。
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そういったララの母親としての進化に対する意識が希薄なままに、以前と同じような視点からなる「お母さんと可愛い赤ちゃん」という図式の観察記録写真を私が結果的にここに残すということに対する抵抗感が非常に強いからでもある。

ララお母さんにちょっかいを出すオクタヴィアン(仮称)
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黒いトレイ(?)を奪い合うララお母さんとオクタヴィアン(仮称)
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一か月半ぶりに見たオクタヴィアンは確かに成長を遂げていた。 それは疑いのない事実である。
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強さも逞しさも増している。
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子供とプールで遊ぶララの姿、それは以前と変わらぬ素晴らしさである。
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そこで発揮されるララお母さんの童心も素晴らしい。
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プールの中でのララ親子
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一度プールから上がったオクタヴィアン。
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オクタヴィアンを再び水に誘うララお母さん。
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赤ちゃんを再び水に誘うララお母さん
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ララはその母親としての優れた技量を次々と、まるで流れるような流麗さで我々に見せつけるのである。
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ここまでのこうしたララの姿は今まで通りである。 しかし今回はそれ以上の段階にまでララの母親としての姿はその高みに達している。 それは単にこうしたシーンをうまく映像に収めるかどうかとはまた違った世界のものである。 それこそが今回のこの親子の今までとは違った特異性が何かを解き明かす鍵となるのである。それは続く投稿で触れてみたい。
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先日オランダで会ったオリンカやフリーダムといった母親すら全く寄せ付けないほどのララの母親としての姿である。 毎回毎回ではあるものの、全く恐れ入ったというところである。
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並み居る来園者に余裕で手を振るオクタヴィアンである。
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Nikon D5300
AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
(May.30 2015 @札幌・円山動物園)

(*注 - オクタヴィアンというのは勿論、この赤ちゃんの正式な名前が決まるまで私が便宜上、勝手につけた仮称である。)
by polarbearmaniac | 2015-05-30 23:30 | しろくま紀行

アメリカ・サンフランシスコ動物園の32歳のピケ (Piké) が亡くなる

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ピケ (Piké) Photo(C)San Francisco Zoo

アメリカのサンフランシスコ動物園が発表したところによりますと同園で飼育されていた32歳の雌のホッキョクグマであるピケ (Piké)が昨日、安楽死という処置で亡くなったとのことです。 最近のピケは加齢からくる関節炎と消化器系統の問題に悩まされて動くことも十分にできなくなっていたそうで、安楽死という、つらい決断がなされたそうです。アメリカでは四番目に高齢のホッキョクグマだったそうです。

このピケは人工哺育で育てられたホッキョクグマですが、この件については「アメリカ・サンフランシスコ動物園での1982 ~ 83年のピケ (Piké) の人工哺育 ~ 実践から体系化へ」という投稿で詳しくご紹介していますのでその投稿をご参照下さい。 ピケは誕生以来このサンフランシスコ動物園で飼育されており、来園者に対しては非常に反応のよいホッキョクグマだったそうで、これはひょっとして彼女が人工哺育で育てられたためかもしれません。 さてここで生前のピケの姿をひとつ見てみましょう。



サンフランシスコ動物園ではもう一頭のウウル(Uulu)という野生出身の雌のホッキョクグマを飼育しているのですが、このウウルはピケよりも三歳年上であり、サンフランシスコ動物園としてはホッキョクグマが不在となる日も遠からぬ日にやって来ることを危惧しているいるようです。
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人工哺育されたピケ Photo(C)San Francisco Zoo

謹んでピケの冥福を祈ります。

(資料)
San Francisco Zoo (May.29 2015 – Pike the polar bear passes away at age 32)
SFGate (May.29 2015 - Beloved S.F. Zoo polar bear Piké dies at 32)
abc7news.com (May.29 2015 - Pike the polar bear passes away at age 32)
http://abc7news.com/society/pike-the-polar-bear-passes-away-at-age-32/755455/

(過去関連投稿)
アメリカ・サンフランシスコ動物園のアンディ逝く
アメリカ・サンフランシスコ動物園での「ホッキョクグマの雪の日」
アメリカ ・ サンフランシスコ動物園でホッキョクグマのお誕生会に10トンの雪のプレゼント
アメリカ・サンフランシスコ動物園での1982 ~ 83年のピケ (Piké) の人工哺育 ~ 実践から体系化へ
by polarbearmaniac | 2015-05-30 19:30 | Polarbearology

デンマーク・オールボー動物園でラルスに歯科治療手術が行われる ~ 血液、精液も採取される

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Photo(C)Aalborg Zoo

今年の4月に繁殖の目的でドイツのロストック動物園からデンマークのオールボー動物園に移動してきた21歳の雄のラルス (Lars) はあの故クヌートの父であることでも有名です。 このラルスがオールボー動物園に到着した時にすでに彼は歯科治療を行う必要があると判断されていたそうで、とうとう昨日オールボー動物園でその歯科治療措置が行われ、そして同時に健康チェックとして血液サンプルと精液の採取、爪切りなどが行われたそうです。 その様子をデンマークの第二TVが報じていますのでご紹介しておきます。 ラルスに対して麻酔銃が発射され彼が眠って以降の一連の根管治療措置 (Rodbehandling/Root Canal Treatment) その他が実に生々しく映像になっています。 精液採取が行われるシーン、そして精液を顕微鏡でチェックするシーンなども含まれ、これだけのシーンを実際に見ることのできる機会は滅多にありませんので是非ご覧いただきたく思います。必見の映像でしょう。



このラルスへの歯科治療手術と健康チェックを行ったのはコペンハーゲン大学で大型哺乳類の歯科治療を専門としている獣医さん、コペンハーゲン動物園の麻酔を専門としている獣医さん、そしてオールボー動物園の獣医さんなどを中心としたチームでした。
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ラルスへの根管治療措置 Photo(C)Aalborg Zoo

この一連の治療措置は三時間半かかったそうですが、後日またもう一度歯科治療手術が行われるそうです。 全てを一度で行うためのはラルスを長時間眠らせねばならず、そのためにラルスに対する麻酔薬を増加させねばならないわけで、それは危険であるという判断だそうです。 今回の歯科治療手術のあと麻酔から目が覚めるラルスの様子も映っていましたが、その後も彼はいたって元気だそうです。

(資料)
TV2/NORD (May.28 2015 - Isbjørn fik ordnet hjørnetand)
NORDJYSK (May.28 2015 - Isbjørnen skulle have rodbehandling)

(過去関連投稿)
デンマーク・オールボー動物園でヴィクトリア、メーリク、ミラクの雌3頭の奇妙な同居生活 ~ 展望なき繁殖
デンマークのオールボー動物園が雌のメーリクとヴィクトリアのパートナー候補の雄を世界中に求めて調査中
ドイツ・ヴッパータール動物園のラルス、ロストック動物園へ! ~ 繁殖のための 「蜜月旅行」
ドイツ・ロストック動物園のラルスが3月にデンマーク・オールボー動物園へ ~ 2頭の雌のパートナー役に
デンマーク・オールボー動物園のヴィクトリアがスコットランドのハイランド野生公園に到着
ドイツ・ロストック動物園のラルスがデンマーク・オールボー動物園に無事到着 ~ メーリクとの繁殖への期待
デンマーク・オールボー動物園で雌のメーリクと雄のラルスの同居が試みられる ~ TV番組に見る舞台裏
(歯科治療関連)
モスクワ動物園・ウランゲリ(旭山動物園イワンの父)の虫歯治療 ~ 動物歯科医チームの活躍
カナダ・ケベック水族館の11歳のティグアク、歯科治療の麻酔中に亡くなる
スコットランドのハイランド野生公園、ウォーカーの歯科手術
スコットランド・ハイランド野生公園のアルクトスが歯科治療を受ける
アメリカ・ワシントン州 タコマのポイント・ディファイアンス動物園のボリスに4時間半の複合治療処置
カナダ・マニトバ州ウィニペグのアシニボイン公園動物園の野生孤児オーロラが歯科治療手術を受ける
デンマーク・オールボー動物園のメーリクが歯科治療手術を受ける
アメリカ・ワシントン州 タコマのポイント・ディファイアンス動物園の29歳のボリスに抜歯治療が行われる
スコットランド、ハイランド野生公園のウォーカーに三回目の歯科治療措置が行われる
by polarbearmaniac | 2015-05-29 23:55 | Polarbearology

アメリカ・ウィスコンシン州のヘンリー・ヴィラス動物園で新展示場 ”The Arctic Passage”がオープン

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Photo(C)Henry Vilas Zoo
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スーカーとサカーリ Photo(C)Wisconsin State Journa

アメリカ、ウィスコンシン州マディソン市のヘンリー・ヴィラス動物園に九百万ドルを投じてかねてから建設中であった新ホッキョクグマ飼育展示場である ”The Arctic Passage” が完成し、23日にオープンしたことが報じられています。 この新施設の完成に合わせるように2月にミネソタ州セントポール市にあるコモ動物園からすでに移動していたトレド動物園生まれの二歳の雌と雄の双子であるスーカーとサカーリもこの新施設でお披露目となりました。 その様子を伝える映像をご紹介しておきます。





このヘンリー・ヴィラス動物園というのは以前にもご紹介していましたように基本的には入園料が無料の動物園です。 そういった動物園でこういった施設を建設するとなりますと当然、寄付に頼るわけですが、今回も資金提供の内訳はデーン郡が450万ドル、同園友の会 (Friends of Henry Vilas Zoo) が470万ドルということで、やはり民間資金がこの建設を支えていたということのようです。
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"Arctic Passage" (C)Henry Vilas Zoo

(資料)
Henry Vilas Zoo (Events:May 23-25 Arctic Passage Grand Opening Weekend) (Arctic Passage)
Wisconsin State Journal (May.24 2015 - Henry Vilas Zoo's new Arctic Passage: It's a real wow factor)
WMTV (May.23 2015 - Arctic Passage now open at Henry Vilas Zoo)
WISC-TV3 (May.23 2015 - Henry Vilas Zoo unveils Arctic Passage)
WKOW (May.23 2015 - Arctic Passage exhibit opens at Henry Vilas Zoo)
The Cap Times (May.23 2015 - Opening of 'Arctic Passage' draws hundreds on Saturday morning)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2015-05-28 17:00 | Polarbearology

バフィン、ゲルダ、そしてララ、その母親としての違いに対するロシアのファンの方々の反応

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バフィンとモモ (2015年5月23日撮影)

ここ数日、モスクワ動物園のホッキョクグマ飼育展示場からのライブ映像を長い時間見ていたりなどして十分は時間が無いせいか、先週末の天王寺動物園の訪問投稿が「投稿準備中」となったままでなかなか進まないわけですが、その他にやはり見ていておもしろいのはいくつものロシアのSNSサイトで、そこに集っていらっしゃるロシア、特にノヴォシビルスクのシルカのファンの方々の意見です。 実は大阪でシルカが検疫期間中にそういった方々は日本の多くのファンの撮影したホッキョクグマの動画を見て楽しんでいらっしゃったようで、シルカの公開後もこれは変わらないようです。 そしてそうした話題の中で時々登場するのがノヴォシビルスクのシルカの母親であるゲルダと大阪のモモの母親であるバフィン、この二頭の母親としての違いについてです。 こういった比較は同じようなシーンを撮影した動画を比較して行われるケースが多く、そしてノヴォシビルスクのファンの方々の意見の多くはゲルダお母さんへの高評価とバフィンお母さんへの低評価となるわけですが、これはまあしょうがないことでもあるでしょう。(私自身のこの二頭の母親に対する評価はロシアのファンの方々とはかなり意見が違います。)
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バフィンとモモ (2015年5月23日撮影)

そういった比較のうち私が大阪で23日に撮ったバフィン親子の動画を比較の対象としたものが一つのSNSサイトでありましたのでご紹介しておきます。 実はそれは以下の映像です。

バフィンお母さんは素敵なお友達? (Is Baffin the polar bear
both Mother and Playmate to Momo the 6-month-old cub at Tennoji Zoo?)


この上の映像と比較の対象として提示されたのがノヴォシビルスク動物園での昨年のゲルダおお母さんとシルカのライブカメラの早送りされた以下の映像です。(実はこの映像、私も昨年にご紹介したことがありました。)



そのロシアの方は私の映像について「モモはお母さんと遊びたいのにバフィンはその年齢(あるいは性格)によってモモの相手などできないためにイライラしてモモに吠えかかったり怒ったりしている。 だけどゲルダはそんなことなどしなかった。」という意味でゲルダ親子の映像が比較の対象に挙がっているわけです。 私はこの二つのシーンの場面背景は異なり、そして意味するものも少々違うと思うのですが、しかしそういったロシアの方の意見は意見として非常におもしろいと思います。ロシアの別のファンの方々の中はこの比較についてはバフィンに同情的な意見やら、ゲルダだって似たようなものだったなどとバフィンお母さんを弁護する方などもいたりして、やはりいろいろな意見もあるようです。 バフィン親子でしたら、むしろ以下のシーンと比較していただいたほうがよかったと思います。

親子の交歓 (Baffin the polar bear and her cub confirm their love playfully each other at Tennoji Zoo Osaka, Japan)

それからたとえば以下はロシアの誇る世界で最も偉大な雌のホッキョクグマであるウスラーダと彼女の娘であるザバーヴァとの昨年9月のシーンですが、むしろこれはバフィン親子の比較対象として最初に挙げられたシーンと非常に近いシーンです。

ウスラーダと娘のザバーヴァ(Zabava spoils Uslada, at Leningrad Zoo, in Saint Petersburg, Russia)

さて、そして次はあのモスクワのシモーナです。 2012年の映像です。

シモーナお母さんと三つ子 (Simona and her triplet cubs at Moscow Zoo on Mar.31 2012 - (4))

さて、最後にこの上の映像のシーンを札幌のララ親子の同種のシーンに求めれば以下のようなシーンでしょう。 ただしこれも少々意味合いが違うわけですが。


何事にも寛容の二文字のララお母さん (Lara tolerates the rudeness of her cub)
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ララとオクタヴィアン(仮称) (2015年4月5日撮影)

こういったロシアのファンの方々は実は以前から札幌のララお母さんとオクタヴィアン(仮称)、そしてアイラやマルルやポロロとの動画なども見て楽しんでいられるようですが、実はロシアのファンの方々からは札幌のララお母さんと昨年のゲルダお母さんとを比較した意見というものが全くといって良いほど出てきませんし、まずもってララお母さんへの賞賛はあっても批判というものが出てきません。 雰囲気から察するに、やはりララお母さんはゲルダお母さんと比較できるような普通の相手ではなく、実は途方もないような「強敵」だということがおわかりになっているのでしょう。 つまり、ララお母さんの映像でのシーンに対して「ゲルダだったらもっとうまくやった」という具体的な映像が見つからないということのように思います。
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アイス (2012年4月20日撮影 於 王子動物園)

それから。先日神戸の王子動物園でアイスが亡くなったわけですが、アイスの献花台が設けられていることに対してロシアのファンの方々は非常に驚かれているようです。 「日本人というのは一頭のホッキョクグマが亡くなったことに対してでも、これだけのことを行ってその死を悼んでいる。」という驚きのようで、ロシアでは考えられないということのようです。 「日本人は実に生き物の死を深く考える人々である。」と敬意と称賛の声があがっていました。
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シルカ (2015年5月23日撮影)

あるロシアのファンの方は、「シルカが旅立ってからもう二か月になるが、私の心の傷が癒されることはない。」としみじみと語っていました。 しかしそういった方々も連日のようにネット上にアップされるシルカの映像、そしてその他の日本のホッキョクグマたちの映像を楽しみにしていらっしゃるようです。 そしてそういった映像の一つ一つに非常に喜んでいらっしゃることはなによりのことです。
by polarbearmaniac | 2015-05-27 23:55 | Polarbearology

大阪・天王寺動物園で順調に生後半年が経過したモモについて思うこと

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大阪の天王寺動物園で昨年の11月25日にバフィンお母さんから誕生した雌のモモ(私は便宜上、仮称でフローラと呼んでいましたが)が生後半年を迎えています。 早いものです。 モモはバフィンお母さんの渾身の育児に支えられて順調な成育を続けています。
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同園の飼育員さんは昨日付けの公式ブログ(「モモ 祝!6ヶ月」)のなかでこのモモについて触れ、いろいろと面白いことをおっしゃっていますが、バフィンが同園に来園したときにいろいろと批判的に言われたことをわざわざ箇条書きにしていらっしゃるのが印象的です。 簡単に要約しますと①バフィンの過去の失敗、②バフィンとゴーゴの年齢差、③両者の相性、この三つの懸念材料ですね。 同園の飼育員さは、こうしたことを世間からいろいろ言われたことがよほど口惜しく残念だったようで、そのうっぷんを晴らしたいというお気持ちのようですが、そのお気持ちには私も共感を覚えます。 そして③については以前にも述べましたが、「ゴーゴとバフィンの相性は悪くない」と自信を持って言い続けた同園の獣医さんのブレない姿勢は実に素晴らしかったと思います。
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私はこのブログで過去にこのゴーゴとバフィンのペアについて明確に否定的なことを述べた記憶はないのですが、しかし③の懸念ついてはそれを暗示的に肯定したことがあったように記憶しています。 そして何を隠そう①については表立ってはここでは述べなかったものの内心はまさにそう考えていたわけで、そういった意味ではやはり私も大いに反省せねばなりません。


 



しかし今更言うのもおかしいですが、私は②については全く問題はないと考えていたわけで、それは海外の事例を見ればあまりにも明らかでした。 しかし世間ではこの②を取り上げてこのペアを揶揄するような意見は実に多かったと思っています。 タブロイド判のマスコミが書くならばいざしらず、ホッキョクグマに多少なりとも知識のあるのだろうと思われる方までもがそう考えていたという例すらあったわけです。 要するに、人間に例えればこのペアは誰と誰がペアになったようなものだとかいう揶揄でした。 飼育下のホッキョクグマを考えますと雌のホッキョクグマで出産が可能なのは全体のLife span の三分の二の期間でしょう。 ところが人間の場合ですとこれは三分の一の期間にしかすぎません。 ホッキョクグマと人間の年齢を単にLife span の長さだけで考えますと、ホッキョクグマの年齢を三倍したものが人間としての年齢となります。 そうしますと現在23歳のバフィンは人間で言えば69歳ということになってしまいます。 ホッキョクグマの雌は5歳から出産は可能ですが、これを三倍するとちょうど人間の年齢の場合も同じことが言えますから、少なくともホッキョクグマは5歳まではその年齢を三倍することによって人間では何歳にあたるかを言うことはできますが、それ以降ではホッキョクグマの雌に関してはこの「想定三倍換算法」は当てはまらないということです。 日本のホッキョクグマ界はこれからもいろいろなペアの組み合わせと想定しなければいけないわけですが、その際にこの大きな年齢差というものについて否定的に考えることはやめたほうがよいということのよい教訓となったのがこのゴーゴとバフィンのペアでした。
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それから同園の飼育員さんの述べていられることで印象的なのは、「過去の繁殖実績とは異なるメスでの繁殖に成功したということで、繁殖技術が証明できた」という記述です。 繁殖実績があるという動物園であっても、実はこの複数の雌で成功して初めて「実績」と言いうるわけです。 そういう意味では円山動物園もシロお母さん、ララお母さんと二頭が繁殖に成功していますから「繁殖実績」と言えるわけですが、しかし円山動物園は失敗例も多いわけで、幾分同園の実績に影を落としていると言えなくもありません。

それから飼育員さんは「都心で裏に高速道路があり、電車が走り、賑やかな環境」と同園のホッキョクグマ繁殖についての環境的なハンディについて触れていますが、しかし実は近くに道路があって常に車が走行しているという点についてロシアのカザン市動物園のホッキョクグマ飼育展示場(と奥にある産室)の凄まじさは天王寺動物園どころではありません。
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上はカザン市動物園の地図と航空写真ですが、このハジ・タクタシャ通りと動物園とを仕切っている塀のすぐ横にホッキョクグマ飼育展示場があり、そして車の走行音は絶えることがありません。 以下の映像はカザン市動物園で私が2013年9月の訪問時に撮ったものですが、映像などは無視していただいても結構ですから音声を聞いてみて下さい。 小雨が降っていましたので走行音がやや誇張されているような感じもしますが、この音プラス振動が存在しているわけです。 この映像はホッキョクグマ舎とこの動物園の道路沿いの塀との間にある狭い通路から撮影したものですが、この場所そのものが道路から数メートルしか距離がないわけです。 ホッキョクグマの繁殖はおろか、環境的に言えば飼育そのものすら全く適さない場所に存在しているのです。

カザン市動物園でのマレイシュカお母さんと娘のユムカ(2013年9月29日撮影)

このカザン市動物園の貧弱な施設を考えれば産室が本当に音(と振動)から完全に遮断されているかは大いに疑問のあるところです。 ところがこのカザン市動物園はこの35年間ほどの間だけでも確か19頭が誕生し16頭の成育に成功していたはずです。 しかもそれは三頭の雌が母親となったわけで、まさに複数の雌の繁殖成功という素晴らしい実績というわけです。(実はこのカザン市動物園にも大きな血統疑惑があり、あの偉大なる母であったディクサが産んだと称する子供たちのうち何頭かは別の雌が産んでいたことは間違いないわけです。 ズーラシアの故チロというのはまさにそういう個体だったわけですが、これについては稿を改めます。 まさに興味の尽きない疑惑です。)
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話が大分外れてきましたが、ともかくモモのこれからの成長を見ていくのは大きな楽しみです。

(写真はいずれも2015年5月23日に天王寺動物園で撮影)

(資料)
天王寺動物園 スタッフブログ (May 25 2015 - モモ 祝!6ヶ月!!
by polarbearmaniac | 2015-05-26 23:30 | Polarbearology

モスクワ動物園のホッキョクグマ飼育展示場から、遂に待望のライブ映像配信が開始!

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シモーナ (2013年10月4日撮影 於 モスクワ動物園)

ロシア最大の石油会社であるロスネフチ社の援助によって遂にモスクワ動物園のホッキョクグマのメインの飼育展示場よりのライブ映像配信が行われることになりました。 こちらをクリックして下さい。   (*注 - スタートをクリックしてから実際に映像が現れるまでかなり時間がかかる場合もあります。) 全画面表示をお奨めします。 日本とモスクワの時差は6時間で、日本時間マイナス6時間が現地の時間です。今日の月曜日は本来はモスクワ動物園は休園日だったはずですのでホッキョクグマたちは常時戸外に出ているというわけではないようで、その姿はまだ見えません。 (*追記 - 25日、日本時間の午後10時現在、シモーナお母さんと昨年11月に誕生した双子の赤ちゃんの姿が見えました! やはりこのライブ映像、手前側に死角があるのが難点になりそうですね。) 今回のライブカメラの映像は角度から言いますと以下の映像のもっと上からの角度となるわけですが、手前側に死角がかなりあるのは、やはりしょうがないですね。

シモーナお母さんと三つ子ちゃん (2012年9月20日撮影)

正面の角度からですと以下のような感じになります。

シモーナお母さんと三つ子ちゃん (2012年9月20日撮影)

このメインの展示場ではシモーナお母さんが双子の赤ちゃんの育児を行っている場所ですので、その様子を日本で見ることができるというのは素晴らしいことです。 モスクワ動物園にはこの隣にもう一つの飼育展示場がありますが、赤ちゃんたちが非常に小さい時にはそちらの展示場で公開されているのですが、もう5月ですのでもうこのメインの広い展示場でシモーナ親子の展示が行われているはずです。明日の火曜日の夕方あたりからこのシモーナ親子の姿が見られるはずです。 あるいはウランゲリとムルマの今年の同居が終わっていなければこの二頭が見えるかもしれません。 (*追記2 - 今日25日の日本時間の午後10時から11時45分頃までずっとこのシモーナ親子のライブ映像を見ていましたが、とにかくシモーナという母親の別格の素晴らしさを今更ながら見せ付けられました。安定感があって大らかでドッシリと構え、そして赤ちゃんたちの動きをそれとなく見ています。赤ちゃんたちがお母さんからかなり離れた場所で水に入ると、シモーナお母さんは青いポリタンクを口に咥えて大袈裟な仕草でポリタンクを水に投げ入れようという動作を行います。そういった派手なお母さんの姿に遠くで気が付いた赤ちゃんたちは大急ぎでお母さんのそばに泳いでいきます。 要するにシモーナは、赤ちゃんたちが遠くに行き過ぎたと思うときには「こっちへ戻りなさい」などということをChuffing で表現するなどということはしないわけです。 母親自らがおもちゃで遊ぼうという動作を見せれば赤ちゃんたちは興味を持って自然に戻ってくるわけです。 命令せずとも赤ちゃんたちを自分の近くに引きつける術というわけです。 実に巧みなやり方ですね。 シモーナは「母親の権威」を振りかざさなくても子供たちを従わせる術を心得ているということです。その他にもいろいろと素晴らしいシーンがありました。 "Simona as No.1 Mother" これは全く揺るがないように思いました。 )

(資料)
Московский зоопарк (Жизнь белых медведей в прямом эфире)
Район Коптево(May.25 2015 - За жизнью белых медведей в Москве можно следить онлайн)
Газета Вечерняя Москва - главные новости Москвы (May.25 2015 - Наблюдать за жизнью белых медведей в Московском зоопарке можно онлайн)

(過去関連投稿)
理性のウスラーダと情愛のシモーナ ~ 偉大なるホッキョクグマ母娘の性格の違い
モスクワ動物園のシモーナ、過去の映像に見るその母親像の 「絶対的」 かつ 「不動」 の存在の安定感
モスクワ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 出産はシモーナが濃厚、ムルマも出産したか?
モスクワ動物園で誕生の双子の赤ちゃんが戸外へ初登場! ~ 「大本命」シモーナの貫録
モスクワ動物園のシモーナ親子のお披露目の日の姿 ~ シモーナの貫録と安定感、そして大らかさ
モスクワ動物園の飼育主任エゴロフ氏の語るシモーナとムルマ ~ 幼年個体の単純売却は行わない方針へ
モスクワ動物園のシモーナお母さんと双子の赤ちゃんの近況 ~ 同園の自然体の姿勢
by polarbearmaniac | 2015-05-25 21:30 | Polarbearology

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