街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園でのホッキョクグマへの訓練 (Training)

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(C)Ленинградский зоопарк

近年では日本の複数の動物園でも目的意識に裏付けられたホッキョクグマへの訓練(トレーニング)が行われているようです。しかしその様子は動物園からは断片的な動画などが公表はされているものの一般には公開されていない場合がほとんどですので、詳細については完全にわかっていない部分もあるわけです。3年ほど前に「『ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)』」よりの考察(2) ~ ホッキョクグマの訓練をどう考えるか」という投稿でこの訓練というものの本質が公開を想定したものではない目的で行われることは触れたことがありますし、そこでは実際の訓練の様子を映像で御紹介しています。この「訓練(トレーニング)」という行為は欧米の動物園で始められ、そして現在ではそれが体系化された形で飼育のマニュアルにも登場しているというわけです。

欧米とはやや異なりホッキョクグマの飼育に対して非常に経験的な要素を重視しているロシアの動物園でもこのホッキョクグマの訓練が行われるようになっています。そしてそれは、現代における世界最高のペアであるメンシコフとウスラーダを飼育しているサンクトペテルブルクのレニングラード動物園でも例外ではありません。同園におけるメンシコフとウスラーダに対するバックヤードでの訓練をパターンとして紹介している同園の公式映像がありますのでこれをご覧いただきたいと思います。これは私が今まで見たホッキョクグマの訓練の映像の中ではその複数の方法が最も整理されて紹介されているケースだと思います。私も飼育員さんの御厚意でこの場所に入れてもらったことがあり、実に立派な設備のある場所だったのに驚いた記憶があります。(*注 - 下の映像をうまく再生できない場合は、Video quality を720HDから480、もしくは360に変更してみて下さい。)



さて、冒頭のホッキョクグマ親子のイラストはレニングラード動物園が公式に発表した来年2016年の新年の挨拶です。同園のウスラーダはすでに28歳になったばかりですが彼女の今回の繁殖への挑戦については以前に「ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の28歳間近のウスラーダ、その果て無き挑戦」という投稿で述べた通りです。このウスラーダに出産が会ったか否かは公式には全く明らかにされていません。レニングラード動物園はこうしたホッキョクグマの赤ちゃん誕生に対する発表が非常に遅いことでも知られていますので仮に出産があったとしても来年2月頃の発表になるでしょう。最近周囲に流れている情報を総合してもウスラーダの出産を臭わせる情報は全くなく、むしろ悲観的とも受け取れる情報があるのですが、しかし昨日になってレニングラード動物園は来年の新年の挨拶に冒頭のようなホッキョクグマ親子、しかも母親は明らかにウスラーダの顔であるイラストをコメントを付けずに発表しています。仮にこれが何らかの意味があるとすれば、ウスラーダに出産があったということを暗示しているようにも思えますが何とも言えません。しかしこの時期に意味深長なイラストだと思えてしかたがありません。レニングラード動物園のエンブレムは確かにホッキョクグマではありますが、しかしそれは一頭のホッキョクグマの抽象的な姿であって、こうした顔を特定できるウスラーダのようなホッキョクグマが子供を連れた姿を新年の挨拶に用いるというのは、そこに何かの意味が込められているという感じがしてなりません。

さて、最後にレニングラード動物園でメンシコフにボトル容器の中に食べ物を入れて与えた映像を飼育員さんが公開していますのでそれも見ていただきましょうか。これはトレーニングではなくエンリッチメントの一種ということです。バックヤードから飼育展示場を撮影していますが、非常に新鮮な印象です。



ともあれ、レニングラード動物園のようなロシアの老舗の動物園でも、こういったトレーニングやエンリッチメントの試みがなされているということは、やはり時代の流れといったことのような気がします。

(資料)
Polar Bear (Ursus Maritimus) Care Manual

(過去関連投稿)
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(2) ~ ホッキョクグマの訓練をどう考えるか
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園でのイレの健康チェックトレーニング
カナダ・オンタリオ州コクレーン、「ホッキョクグマ居住村」のヘンリーに給餌を兼ねた訓練が行われる
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の28歳間近のウスラーダ、その果て無き挑戦
by polarbearmaniac | 2015-12-31 17:00 | Polarbearology

ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィの新展示場建設工事が開始 ~ 雌の導入計画の謎

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ベルィ Photo(C)Пензенский зоопарк

今年のほぼ最後になるであろう本稿の話題は多くの方々にはほとんど興味を持っていただけないと思われる、苦闘しているロシアの地方都市の動物園の話です。ロシア南部・ヴォルガ河流域の都市であるペンザの動物園が以前から新しいホッキョクグマ飼育展示場を建設しようとしているものの資金問題などで簡単にはいかず二転三転していたものの、ようやくロシア最大の国営石油会社であるロスネフチ社の援助によって計画が再開し、入札を行って建設会社が決まったというところまでが今年の夏の状況でした(「ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィの近況 ~ 遂に新展示場建設着工の見通し」)。
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ベルィ Photo(C)Пензенский зоопарк

このペンザ動物園で一頭で暮らしているのが5歳となったばかりである野生孤児の雄のベルィです。このベルィの保護・飼育を決定したのはロシアの連邦政府の自然管理局 (RPN)であるわけですが、その際にペンザ動物園が新しいホッキョクグマ飼育展示場を早急に建設する計画であることが提示されていたためにベルィの保護・飼育場所としてペンザ動物園を指定したといった事情もあったわけです。しかしベルィは一年間をモスクワ動物園で過ごした後にペンザ動物園に移動した時点ではペンザ動物園はまだ彼のための新施設建設計画の準備段階といった状態で、ベルィは今まで古くて狭い場所に閉じ込められたような形で飼育されてきたというわけです。そういった経緯は過去関連投稿をご参照下さい。

さて、いろいろと紆余曲折のあったペンザ動物園の新ホッキョクグマ飼育展示場建設ですが、とうとう今月12月21日から工事が開始されたとのことです。それを報じる地元TV局のニュース映像を見てみましょう。



来年2016年の9月初めには完成される工程で工事が始められたこの”Медвежий угол”という仮称で呼ばれている新しい展示場には大きな水槽のようなプールが設けられ来園者がホッキョクグマの泳いでいる姿を観察できるような構造になっており、そして土のある場所も設けられるそうです。ベルィは来年の秋にこの新施設に移るそうですが、ペンザ動物園は彼のパートナーとして雌の個体を購入したいという考えを述べているわけですが、実は今年の夏の段階ではすでにその雌の個体のペンザ動物園への移動がほぼ決定したようなニュアンス("Ожидается, что в Пензу привезут еще одного белого медведя.")の報道だったわけで、私は以前の投稿でそれはモスクワ動物園のシモーナの娘である雪ちゃん(仮称)であると睨んでいたのですが、現在になって「購入する("...приобрести для белого медведя самку.")」というような後退した表現になっているからには、このシモーナの娘のペンザ動物園への移動は頓挫してしまったと考えてよいのかもしれません。モスクワ動物園に断られたために、今度は新規に「購入」という意向を打ち出してきたということだと考えてよいようにも思うわけです。モスクワ動物園が主導する旧ソ連圏のホッキョクグマの繁殖計画のなかで雌のホッキョクグマがペンザ動物園に移動してくるとすれば、それはモスクワ動物園が権利を有する個体であるはずで、その移動は貸与となるはずです。それならばペンザ動物園が「購入」などする必要はないはずなのです。しかし仮に本当にペンザ動物園が雌のホッキョクグマを「購入」しようとするならば、それはモスクワ動物園が主導する旧ソ連圏での繁殖計画とは無関係な話となることを意味しています。

ベルィは野生出身の個体でありシモーナの娘にとっては血統的に非常に都合の良いパートナーとなるはずで、モスクワ動物園が2014年11月にシモーナの産んだ双子のうちの雌の一頭をペンザ動物園に移動させることに本当に難色を示したのだとすれば、その理由はベルィとの4歳の違いという年齢差以外には考えにくい話です。今までのロシア国内における繁殖計画ではこういった年齢差のあるケースはほとんどないという点については以前の投稿をご参照下さい。

さて、ペンザ動物園がどういう雌の個体を導入しようとしているのか、このあたり、もう少し情報を集めてみたいと思っています。

(資料)
Телеканал Экспресс (Dec.29 2015 - «Роснефть» спонсирует постройку вольера для белого медведя в Пензе)
ГРТК Пенза (Dec.30 2015 - В пензенском зоопарке приступили к монтажу вольера для белого медведя)
Информационное агентство <<ПензаИнформ>> (Dec.30 2015 - В зоопарке началось строительство вольера для белого медведя)
АиФ-Пенза (Dec.30 2015 - В Пензенском зоопарке начали строить вольер для белого медведя)
Комсомольская правда в Пензе (Dec.29 2015 - При поддержке «Роснефти» будет построен новый вольер для белого медведя в Пензенском зоопарке)

(過去関連投稿)
ロシア極北で漁民に保護された1歳の野生孤児が中部ロシアのペンザ動物園での飼育が決定
ホッキョクグマ飼育経験のないロシア・ペンザ動物園が飼育準備を開始 ~ 「親和性」、「運」とは?
ロシア極北で保護された孤児のウムカ、依然としてモスクワ動物園で待機か? ~ 野生孤児保護の問題点
モスクワ動物園で待機中の野生孤児のウムカ、11月末までにペンザ動物園へ移動
モスクワ動物園で待機中だった野生孤児のウムカが陸路、ペンザ動物園に無事到着
ロシア・ヴォルガ川流域のペンザ動物園にモスクワから移動したウムカの近況 ~ 待たれる新施設の完成
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園のウムカの新しい名前を公募することが決定
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園のウムカの新しい名前が「ベルィ」に決まる
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園の苦境続く ~ ベルィ に仮仕様のプールが完成 
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園の2歳の野生孤児ベルィの近況
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園の野生孤児ベルィが間もなく3歳に ~ 完成が待たれる新展示場
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィがソチ冬季五輪のプロモーション映像に登場
ロシア最大の石油会社 ロスネフチがロシアの動物園の全ホッキョクグマへの援助・保護活動開始を表明
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園の野生孤児ベルィの新飼育展示場建設にロスネフチ社の援助決定
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園でのソチ冬季五輪開催イベント ~ 2026年札幌冬季五輪招致へ
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィの新飼育展示場建設計画が出直しの形で開始される
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園の 「国際ホッキョクグマの日」 のベルィの姿
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィの近況 ~ 遂に新展示場建設着工の見通し
モスクワ動物園のシモーナの双子が一歳となる ~ 双子のうち雌が来年にペンザ動物園へ移動か?
by polarbearmaniac | 2015-12-30 23:30 | Polarbearology

今年一年ご訪問の皆様への感謝 ~ "Scusa quasi una fantasia..."

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アンデルマ (Белая медведица Амдерма)
(2015年8月11日撮影 於 ロシア・ペルミ動物園)

本年、当ブログをご訪問いただいた皆様方に心より深く感謝いたします。当ブログの開設者は一個人としてホッキョクグマという驚くべき魅力をもった種に対して、いろいろな角度から迫ろうという試みを個人的に記録しているのがこのブログです。視野を大きく世界に広げ日本のホッキョクグマを世界のホッキョクグマの一部として位置付け、そして欧州、北米、ロシアのホッキョクグマ界に現在起こっていることから重要な意味を引き出したいと奮闘しているつもりです。投稿内容の半分は事実関係の解明、残りはそれに対する私の意見が強く反映されたものとなっています。動物(園)を扱ったネット上の多くの個人の方々のサイトと比較すれば文章が多く内容が非常に堅苦しい点で異色で煙たい存在(?)となっているはずの本ブログですが、それにもかかわらず御訪問いただいた方々に改めて深く感謝いたします。
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ウスラーダ (Белая медведица Услада)
(2015年9月24日撮影 於 ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

さて、私事に関することで誠に恐縮なのですが、実は私自身の健康状態が最近かなり悪化するに至り、以前から休養を取るようにと言われ続けていた医師の忠告を受け入れざるを得なくなっています。多忙な仕事による若い時からの体への酷使がここにきて一気に出てきたように思っています。私自身は今年には長い休暇を取ったものの、そういった休みに思い立ったようにロシアに合計一か月間の長期ホッキョクグマ遠征を行っていたわけで本当の意味での休養にはならなかったということです。そうしたことも重なって現在の健康状態の悪化を一層招いてしまったようです。実は今年は今まで数年の中で国内の遠征回数が最も少ない年なのですが、それも私の体調不良が原因だったことが最も大きい理由ですが、しかしその一方で彼らホッキョクグマたちの姿を見ることにある種の悲しさを感じ始め、そして辛い想いを抱くようになってきたことも原因かもしれません。帯広のアイラは何故あの四角張った檻に入れられ、あれでよいのか? 釧路のツヨシを何故ちゃんとした繁殖の舞台にあげてやらないのか? 旭川のピリカはあの状態でいいのか? 阿蘇のカアチャンをなんとかできないのか? 浜松のキロルの今後はどうなってしまうのか? その他いろいろと国内における彼らの現状に懸念を多く感じ、彼らのところに出かけて行って会うのが辛くなってきたということです。いやそれだけではなく、日本のホッキョクグマ飼育には「種の飼育下における集団としての維持」という概念が本当にあるのかという点がもっと根本的な疑問としてあるわけです。日本の動物園関係者はあまりに楽観的すぎるのではないでしょうか。最近時々言われる話で遺伝子多様度という数字がありますが、しかし今後についてはいったいどの血統のどの具体的な個体が何頭の子供たちを誕生させるかは全く予想がつかないわけで、そういった数字の今後の予想値を計算することはほとんど意味をなさないということです。
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シモーナ (Белая медведица Симона)
(2015年10月1日撮影 於 ロシア・モスクワ動物園)

話がそれましたが、厳選して選択と集中を行った今年の国内遠征ではあったものの、やはりその数は十分ではなかったようにも思っています。しかしこういった健康状態が仮に続けば来年はもっと少なくなるかもしれません。国内のホッキョクグマたちの様子は同好の多くの方々のサイトをご参照頂ければ当ブログなどよりもはるかに大きな生の情報が得られるわけですから、私までもがそういった写真、それも、もっと遥かに稚拙な写真を撮ってブログに掲載するという必要はないとも思っています。ですから当ブログの私の撮った写真はほんの付け足しの意味でしかないとご理解下さい。私自身、他の同好の方々と同じことは一切やらないというのを主義としています。私が追及したいのはそういった写真の裏側にある意味といったものです。そこにはデータに裏付けられた科学的視点も、事象に基づく社会的視点も、経験に基づく文化的視点も、そしてレトリカルな手法を含む文学的視点をも織り交ぜて展開しているのが当ブログの特徴でもあると思っています。そうすることが私個人なりの彼らホッキョクグマに対する精一杯の愛情の表現であると考えています。
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ララ (Белая медведица Лара)
(2015年10月24日撮影 於 札幌・円山動物園)

さて、そういったことで、ここのところ毎年海外で過ごしていた年末年始はテロへの危険を避け、日本に留まって健康状態のさらなる悪化を防ぎ自宅養生としたいと思います。ブログの更新は続ける予定ですが、今後は健康状態によっては投稿できない日もあるかもしれません。しかし日本を含む世界のホッキョクグマ界の重要な動き、意味のある話題は決して逃さないつもりです。

今年も一年間本当にありがとうございました。では皆様、良いお年をお迎え下さい!
by polarbearmaniac | 2015-12-29 19:00 | Polarbearology

今年2015年の日本のホッキョクグマ界を振り返って ~ ホッキョクグマたちが描いた絵巻物

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モモ (Белый медвежонок Момо)(2015年3月14日撮影)
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リラ (Белый медвежонок Лила)(2015年4月12日撮影)

今年も残すところあと数日といったところになりました。ここで今年2015年の日本のホッキョクグマ界を振り返ってみたいと思います。大きな話題としては三つで、まず大阪・天王寺動物園でのバフィンとモモ、札幌・円山動物園でのララとリラという二組の親子の姿が大きな印象を残しました。あと一つはやはりロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカの来日でしょう。この三つはとりわけ印象が深かったと思います。

バフィンとモモ (2015年3月10日 - 一般公開日初日撮影)

ララとリラ(2015年4月1日 - 一般公開日初日撮影)

23歳になっていたバフィンの初めての育児姿は感動的でしたし、現在では世界屈指の育児技量を誇るララの夏頃から以降におけるその技量の惜しげもない発揮については世界でも稀有の光景であったと思います。前者については育児初体験の母親の年齢という点についてドイツのブロガーさんを驚嘆させ、後者についてはロシアのホッキョクグマファンの方々がゲルダを比較の対象として持ち出すことを不可能とさせるほどの、それはもう圧倒的なものであったということです。三つ目のシルカについては前稿の "Polar Bear of the Year (2015)" in Japan で述べた通りです。

シルカ (2015年6月27日撮影)

あとの話題としては、釧路市動物園のミルクの人間のような動作を行う遊びが話題になったこと、上野動物園にイコロが入園して遂にデアとのペア形成の前提が実現したこと、ゴーゴが白浜に移動してさらなる繁殖への挑戦を行うことになったことなどが話題でした。その一方で私たちはホクト(鹿児島)ミリー(名古屋)アイス(神戸)という三頭の貴重なホッキョクグマたちを失ってしまいました。ホクトについては彼は繁殖能力に非常に優れている血統に属していたという点と、ミリーについては孤立した貴重な血統であったという点においてなどを含め、高齢とは言えなかったこれらの三頭の死は残念でなりません。

今年2015年はまだ終わったわけではありませんが、繁殖に挑戦している数頭の雌たちに出産があったかどうかの情報は一部を除いては公に明らかにはされてはいない状況です。しかし残念ながら日本では今年2015年に誕生する(した)個体はないと考えておいてほぼ間違いはないのではないでしょうか。飼育下におけるホッキョクグマの繁殖がいかに難しいかを我々は改めて認識したという結果となるでしょう。世界を見渡してみれば、出産していることはかなり確実であるものの公式発表されていない雌が少なくとも二頭いると私は考えています。その一頭はアメリカ・トレド動物園のクリスタル、もう一頭はロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダというこの二頭です。ロシア・イジェフスク動物園のトゥムカも私は出産していることは間違いなしと考えていたわけですが、その発表は年明け以降だと考えていたものの今回は不思議なことに年内に発表されたというわけです。慎重なロシアにしては早い発表でした。

バフィンとモモ (2015年9月5日撮影)

ララとリラ(2015年7月27日撮影)

飼育下のホッキョクグマには国によって繁殖能力に差があるようには思いませんが、しかし欧州では何頭もの雌が繁殖に成功しています。ロシアでは飼育環境は厳しいものの、そういったことを気にも留めないらしいように大物の母親たちが何頭も存在しています。一方で世界で最も数多くのホッキョクグマを飼育しているアメリカでは本当に確実に頼りになるのはクリスタルだけだということです。その彼女ですら生まれは欧州なのです。アメリカのホッキョクグマ界は何か日本のホッキョクグマ界と似た様相を呈しているように思います。クリスタルやララだけを頼りにしてきた状態ではアメリカや日本のホッキョクグマ界の将来は非常に厳しいでしょう。日本の場合で言いますと、ララに続くホッキョクグマとしてはバフィンは年齢的にもう限界でしょう。クルミは「単発打ち上げ花火型」、つまり「パルス型」のホッキョクグマのようですから、毎回確実に頼りになるかと言えばそうではないでしょう。その後の世代としてはユキ(姫路)とがポーラ(仙台)などがいるわけですが前者については環境面での不安が尽きません。しかし姫路の環境を逆手に取れば、仮にユキが出産に成功すればユキの育児中にホクトは否応なしにあそこから二年ほどの期間、BLでの他園出張となるでしょう。そうなればチャンスです。彼をその期間にピリカのパートナーにさせるわけですが、問題は場所です。場所がありません。やはり札幌以外にはないように思います。それからポーラ(仙台)ですが、彼女のパートナーはラダゴル(カイ)というウスラーダの息子ですから、それこそ最強のパートナーのはずなのですが、これがなかなか容易ではありません。ラダゴル(カイ)は人格者(人格熊)ですのでポーラのわがままにじっと耐えるという能力に優れていることが逆に災いしているようにも思います。女帝ウスラーダの子供たちの中でウスラーダと一年を超して同居しているためにウスラーダの教育が最も行き届いているのは娘のシモーナ(モスクワ)と息子のラダゴル(カイ)であろうことは間違いないはずです。前者はすでに世界的にも偉大な母親ですから、ラダゴル(カイ)にも当然その期待がかかっているわけです。性格的に言えばポーラにはゴーゴ、ラダゴル(カイ)にはピリカが向いているような気がしますが、性格的にうまくいくということと繁殖成功との間には明確な関連があるとは限りません。

そういったことはさておき、今年2015年はモモとリラという二頭の幼年個体が無事に一歳の誕生日を迎えたということで、日本のホッキョクグマ界も何とか面目を保った年であったように思います。来年はどんなドラマがあるでしょうか。誰にも予想はつかないでしょう。

(過去関連投稿)
今年2012年の日本のホッキョクグマ界を振り返って ~ 真の 「開国」 となるか?
今年2013年の日本のホッキョクグマ界を振り返って ~ 漠然とした期待感の中で封印されてきたもの
今年2014年のホッキョクグマ界を振り返って ~ 世界のホッキョクグマ界における日本の現在の位置確認
by polarbearmaniac | 2015-12-28 12:00 | Polarbearology

"Polar Bear of the Year (2015)" in Japan

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シルカ (Белая медведица Шилка)
(2015年9月5日撮影 於 天王寺動物園)
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(2014年9月11日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)

当ブログでは毎年の年末に米国のタイム(TIME)誌にあやかってその年の日本のホッキョクグマ界で最も活躍したり話題になったりした日本のホッキョクグマの “Polar Bear of the Year” in Japan を選んでいます。今年もこの “Polar Bear of the Year(2015)” in Japan を選ぼうと思います。今まで私が選んだホッキョクグマは、2009年はララ2010年はデナリ2011年はララとアイラの母娘2012年はクルミ2013年はミルク2014年はバフィンを選んでいます。
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(2014年9月13日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)

さて、今年2015年はといいますと、やはり大阪・天王寺動物園のシルカ(Шилка Красиновна)を選ぶのが当然でしょう。彼女の劇的ともいえる天王寺動物園への移動については今更申し上げる必要などないでしょう。シルカの日本行きが最終決定したのは今年の2月4日のことでした。それについては「ロシア、ノヴォシビルスク動物園のシルカの今春来日が決定的! ~ 日本の動物園との契約の締結が完了」において全て述べた通りです。そして彼女を飼育する動物園がいったいどこであるのかについてはその後も秘匿された状態が続いたわけでした。しかし私は、そういった情報は必ずロシア側から先に漏れてくるだろうと考え現地サイドの複数のSNSサイト、現地の関連筋の方々のTwitterなどを注意深くチェックしていたわけですが掴むことはできませんでした。それはノヴォシビルスク動物園が敷いた箝口令の固さが私の予想以上のものであったということです。
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(2014年9月12日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)

何を隠そう私個人としては実は3月14日、つまりバフィン親子の初公開日であった3月10日の4日後である土曜日の14日に大阪の某筋からシルカの行先は天王寺動物園であることを遅まきながらも初めて知ったのですが、全く信じられない思いだったわけです。何故なら天王寺動物園にはホッキョクグマ展示場は一つしかなく、バフィン親子と一歳になったばかりのシルカを交替展示にする状態自体が到底信じられない話だったからです。私は大阪の某筋の情報の裏付けを取るべく、ノヴォシビルスクから大阪までのシルカの輸送に係るであろう複数の筋、及び成田空港の某筋に探りを入れてみたところ、そこから得られた乏しい情報の断片をつなぎ合わせて全体像を組み立てるとやはりシルカの行先が大阪であることは間違いないのではないかという裏付けがとれたというわけでした。そして彼女の向かう先が大阪の天王寺動物園であることが公になったのは3月19日のことでした。今回のシルカの移動先の予想は飼育展示場のスペースの有無という要素にこだわりすぎ、シルカの飼育場所として大阪はありえないという前提と思い込みで考えていた私の情報収集戦争での敗北が明らかであったということになります。
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(2014年9月13日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)

シルカのポリ容器遊び(2014年9月12日撮影)

私は今まで海外の動物園で誕生した個体についてこのシルカほどその誕生から旅立ちまでを詳しく投稿してきた個体はなかったということです(過去関連投稿の数の多さを見ていただければそれは一目瞭然です)。そしてさらに、ノヴォシビルスク動物園からのライブカメラの映像を日本のファンの方々も多く見ていたという事実があります。今にして思えば、やはりシルカは日本と不思議な縁があり、そして日本に来るという運命を背負っていたのかもしれないという気持ちになります。
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(2015年9月5日撮影 於 天王寺動物園)

おやつとおもちゃをもらうシルカ(2014年6月13日撮影)

ノヴォシビルスクでのシルカのゲルダお母さんとの突然の別れと狼狽して真夜中も展示場を歩き回るゲルダお母さん、そういった光景をライブカメラで見て悲しむロシアのファンの方々、そしてシルカのノヴォシビルスク残留への署名活動、離れた場所で飼育されているシルカへの地元ファンの思いやりシルカの出発時にようやく別れを告げに駆け付けてきた地元ファンの方々...まさにドラマに次ぐドラマの連続でした。そういったロシアのファンの方々の思いを汲んで、シルカの大阪での一般公開後から現在に至るまで、大阪で暮らしているシルカの様子を数多くの写真と映像で公開していらっしゃる関西を中心とした多くのファンの方々の存在にロシアのファンの方々の大きな喜びと深い感謝の念は多くの機会で示されています。シルカという一頭のホッキョクグマを仲立ちにした、これこそ真のロシアと日本の間の国際交流と言えましょう。そしてそれを陰で支えているのが、シルカを退屈させないように懸命にエンリッチメントの工夫をされていらっしゃる天王寺動物園の担当飼育員さんということも言えるわけです。私自身も今年の大阪訪問で「投稿準備中」としてまだ仮投稿状態のものがありますので、その本投稿を早く行っておきたいと考えています。
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(2015年9月5日撮影 於 天王寺動物園)

シルカこそ、まさに"Polar Bear of the Year (2015)" in Japan として最もふさわしいホッキョクグマでしょう。

(*注 - このシルカには日本で新しい名前が付いていますが、彼女のロシアでの誕生から成長、来日、そして日本でのこれからの生活を一貫して捉え、本ブログでは引き続き彼女の名前をシルカ - Шилка - で統一して記載するのを方針としています。)

(過去関連投稿)
ロシア、ノヴォシビルスク動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ ロッシーの双子兄弟が父親となる
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園で誕生の赤ちゃん、ゲルダお母さんと共に初めて戸外へ!
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園で戸外に登場したゲルダお母さんと赤ちゃんの追加画像
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの戸外映像 ~ ゲルダとクラーシンの幼年時代
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの戸外映像追加 ~ 絵になる親子
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園で誕生の赤ちゃんの性別は雌(メス)と判明
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園のゲルダお母さんと雌の赤ちゃんの週末
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の雌の赤ちゃんの名前の公募始まる
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の雌の赤ちゃんの近況  ~ 名前公募の一次募集が終了
ロシア、ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの選考候補名が決まる ~ なんと"ミユキ" (美雪)も候補に
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの命名決定投票の中間結果が発表される
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の雌の赤ちゃんの名前が 「シルカ」 に決定
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の6歳のゲルダお母さんの育児に同園が高い評価を与える
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園のゲルダお母さんと娘のシルカの展示場にライブカメラ設置!
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園のライブカメラ映像に見るゲルダお母さんとシルカとの関係
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカの入手を狙う日本の動物園 ~ 売却金額は三千万円前後か?
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園のゲルダお母さんとシルカとの関係を探る ~ 映像分析は難解
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園のゲルダお母さんと娘のシルカのライブ映像が大人気
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子の展示場改修工事が終了 ~ 映像配信再開へ
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園のシルカの旅立ちの日近づく ~ 移動先は日本の動物園か?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとシルカの母娘が本日突然永遠の別れ ~ ゲルダお母さんの動揺
ロシア・ノヴォシビルスク動物園で別離したゲルダお母さんと娘のシルカの近況 ~ 母娘共に依然として動揺
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園のゲルダとシルカの母娘をめぐってシロ園長の発言
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園で母親と別離したシルカの奇妙な常同行動への同園の解釈
ロシア、ノヴォシビルスク動物園でクラーシン(カイ)とゲルダの再会、同居開始の光景に割れる市民の意見
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(11) ~ 母子をいつ引き離すか
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園のシロ園長が批判する近年の欧米の 「三年サイクルの繁殖」
ロシア、ノヴォシビルスク動物園のシルカの今春来日が決定的! ~ 日本の動物園との契約の締結が完了
ロシア、ノヴォシビルスク動物園のシルカは3月に来日の模様 ~ 地元のファンのシルカへの熱い想い
ロシア、ノヴォシビルスク動物園がシルカの出発情報に職員に固い緘口令を敷く ~ 約一か月半後に来日
ロシア、ノヴォシビルスク動物園の 「国際ホッキョクグマの日」 のゲルダ、クラーシン、そしてシルカの姿
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカの来日後に彼女を飼育するのはどの動物園なのか? (上)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカの来日後に彼女を飼育するのはどの動物園なのか? (下)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカの近況 ~ 「ヒガシアサヒカワ・アサヒカワドウブツエン...」
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカが大阪・天王寺動物園へ! ~ 「ロシア血統の闇」の深淵を覗く
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカ (Шилка Красиновна) の偉大で華麗な血族たち
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカの移動日程を知らされぬ現地ファン ~ 送り出す側の方々の心境
ロシアのコムソモリスカヤ・プラウダ紙がノヴォシビルスク動物園のシルカの移動日程、移動先を報じる
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカがノヴォシビルスクを出発し空路モスクワへ ~ 日本への旅立ち
「ロシア血統の謎」に迫る(1) ~ ラスプーチン、ゲルダ、血統番号2893個体の三頭の謎を追う
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカの出発に感じた後味の悪さ ~ 大阪市発表を知らなかったロシア側
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカが無事日本に到着 ~ 天王寺動物園にライブカメラ設置を要請の意向
ロシアのマスコミがシルカの大阪・天王寺動物園到着を報じる ~ 「売却金額は約43万ドル」 は事実か?
大阪・天王寺動物園のシルカの「放飼練習」がマスコミに公開 ~ Шилка вышла в свет !
大阪・天王寺動物園のシルカの一般公開が開始 ~ 「園付き個体(Polar Bears in residence)」の意義
ロシアのノヴォシビルスク市長が日本の原田駐露大使に大阪・天王寺動物園のシルカへの配慮を要請
大阪・天王寺動物園のシルカの近況とノヴォシビルスク動物園のシロ園長の発言を報じるロシアのTV映像
大阪・天王寺動物園のシルカ(Шилка)がマザーケア(Mothercare)社の子供衣料品で再び世界へ
アイラとシルカ、二つの光 ~ "Der Sonnenschein in Aïra" und "Das Mondlicht auf Shilka"
シルカ(ノヴォシビルスク動物園)の2014年3,4月の成長を映像で追う ~ 親子関係変質の萌芽を探る
シルカ(ノヴォシビルスク動物園)の2014年5,6,7月の成長を映像で追う ~ 一筋縄ではいかぬ親子関係
シルカ(Шилка)、その成長の軌跡 ~ 来園者の心の中に「物語」を作り出す稀有のホッキョクグマ
Исполнения всех желаний! С днём рождения, Шилка!

(2014年9月ノヴォシビルスク動物園訪問記)
◎2014年9月11日(木曜日)訪問
・リバーパークホテルからノヴォシビルスク動物園へ ~ ホッキョクグマたちに御挨拶
・容姿端麗なゲルダお母さん、その娘への態度に見る子育て初体験の初々しさ ~ 育児スタイルを模索中
・シルカ、順調に成長を遂げるその素顔
◎2014年9月12日(金曜日)訪問
・ノヴォシビルスク動物園訪問二日目 ~ ゲルダお母さんとシルカの不安定な関係
・ゲルダの将来への道のりと課題 ~ 一頭の母親と一頭の雌の二役の演技の動機となっているもの
・シルカ、その聡明かつ醒めた知性が発散する魅力 ~ ミルク、マルル、ポロロを超える逸材か?
・クラーシン(カイ)の性格とその素顔 ~ 双子兄弟のピョートル(ロッシー)との違い
◎2014年9月13日(土曜日)訪問
ノヴォシビルスク動物園訪問三日目 ~ "Pour que Gerda et Shilka soient heureuse..."
シルカちゃん、ゲルダさん、クラーシン君、お元気で! そしてまた会う日まで!

(大阪・天王寺動物園訪問記
(*投稿準備中) シルカ(Шилка)、その色褪せない怜悧な魅力
(*投稿準備中) シルカ(Шилка)の日曜の初夏 ~ ノヴォシビルスク時代と変わらぬ姿
シルカ (Шилка)、生後一歳半となる ~ 「豊饒な深み」と「黒光りする陰影」を湛えたホッキョクグマ
シルカ (Шилка)、日曜日の午後の饗宴 (*投稿準備中)
シルカ (Шилка)、その印象の厚みと深さ ~ ララファミリーの個体の対極にある、ロシア的存在感
梅雨期らしからぬ爽やかな日の大阪、バフィン、モモ、シルカ(Шилка)の気ままな日曜日
真夏の気配濃厚な大阪の水曜日のシルカ、その刺激に対する反応と行動の一日を分類する
シルカ(Shilka/Шилка) に漂うロシア的雰囲気を感じて先日のロシア滞在を懐かしむ
暑さを無視したシルカ(Шилка)の生活ペースの確立 ~ "Mein Lebenslauf ist Lieb' und Lust"
シルカ(Шилка)の演じる"Notte senza fine" という名の「ドラマ・ジョコーソ(Dramma giocoso)」
柔和さと冷静さと理性、そして落ち着きを見せるシルカ(Shilka/Шилка) こそがララの後継熊なのか?
シルカ(Шилка)、その好奇心を駆り立てるもの ~ 多層的エンリッチメントの見事な成果
午後から雨が落ちた大阪、シルカ(Шилка)、バフィン、そしてモモの勤労感謝の日の月曜日
シルカ(Шилка)、その饗宴の後の展示場不退去 ~ "La valse langoureuse après le déluge"
シルカ(Шилка)、その魅力を引き出すもの ~ エンリッチメントの属人化を憂う
師走の日曜日の賑わいと元気なシルカ(Шилка) の姿 ~ 今年最後の天王寺動物園訪問
by polarbearmaniac | 2015-12-27 18:00 | Polarbearology

新時代の幕開けを告げるデアとイコロの黄金のペアの土曜日 ~ "Dea et Ikor ouvrent la porte."

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日本の首都・東京のホッキョクグマの顔として2012年3月にイタリアから来日したデア(Dea)。
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日本のホッキョクグマ界を代表する血統勢力となったララファミリーのエース格であるイコロ(Ikor)。
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今年はこの上野動物園でデアとイコロの姿を毎月、自分なりの視点で追い続けてきたつもりである。必ずしも時間が十分ではなかったが、このデアとイコロという以前からその組み合わせが期待されていた「黄金のペア」がまさに切り開こうとしている新しい時代に向けての準備段階を見守り続けてきた。今年はこれが私の一つのテーマだった。
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このデアもいよいよ繁殖可能な年齢に入ってきている。
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この天下の上野動物園が切望しているのは自園での初めてのホッキョクグマの繁殖成功である。上野動物園というのは自らが強いプライドを持っている動物園である。その同園がホッキョクグマの繁殖に賭ける強い意気込みをもってこの雌のデアを欧州から導入したことは隠れざる事実である。
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しかし上野動物園は当初はこのデアではなく、モスクワ動物園からシモーナの娘であるトーニャの入手を狙っていたらしい(トーニャは血統登録情報ではムルマの娘とされているが実際はシモーナの娘であるという点については「トーニャの素顔、そしてその血統の謎に迫る ~ 北京に負けたベルリン」という投稿をご参照頂きたい)。しかしそれが成功せず、次の候補となっていたこのデアを欧州から入手したわけである。
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上野動物園がこのデアにかける期待は非常に大きいということを私は聞いている。
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そして同園がデアのパートナーの雄のホッキョクグマとして白羽の矢を立てたのがこのイコロである。彼はララファミリーの雄の若年個体としてこうして東京にやってきた。これは彼が背負った運命そのものである。上野動物園には偉大なる母であるララの子供たちの一頭が東京の顔として君臨するのは当たり前の話である。札幌市が権利を有しているこのイコロの上野滞在は相当に長い年月に及ぶことが当然予想される。
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このイコロはこうしてララファミリーの出世頭となった。ララの子供たちの中でこうしてしっかりしたパートナーを得たのはこのイコロだけである。このイコロはこうして彼の双子の兄弟であるキロルを大きく引き離したのである。
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このイコロと、そしてデアの同居は多分来年春から始まるだろうと思われる。あるいはひょっとしてもう一年こうして別居させておいて、再来年からとなる可能性もあるかもしれない。上野動物園は繁殖成功のためには決して急がないという方針だということも聞いている。しかし一般的な理解をすれば来年の春からだろうと思われる。
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青春を謳歌したこのデアも、いよいよ繁殖の舞台に立つことになる。
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日本のホッキョクグマ界は新しい時代に入っていくことになるのである。そういう新しい時代を切り開いていくのがこのデアや大阪のシルカ、そして帯広のアイラなどといった若い世代のホッキョクグマたちである。

おもちゃを咥えるデア

デアのおやつタイム

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そういった新しい時代への扉を開かんとしているこのデア。
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そして偉大なるララの息子であるこのイコロである。
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新しい動きがあればまたこの上野動物園に戻ってきたい。とりあえず今年下半期のデア/イコロ訪問のシリーズは今回が最後である。
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来年はズーラシアで「憂愁のホッキョクグマ」であるツヨシと「含羞のホッキョクグマ」であるジャンブイの新ペアの行方を追いかけていくつもりである。だたし、それは苦渋の訪問となるかもしれない。何故なら、ツヨシ/ジャンブイの新ペアはデア/イコロのペアとは異なり、新しい時代の扉を開くペアではないからである。デア/イコロのペアは「前向き」のペアでありツヨシ/ジャンブイのペアは「後向き」のペアである。繁殖の成否とは全く無関係に、東京の上野を照らすのは「希望」という名の輝く太陽の光であり、横浜の辺境を照らすのは日本のホッキョクグマ界の惨状である「悲哀」という名の暗い陰影に覆われた弱くて物悲しい月の光である。
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Nikon D5500
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
Panasonic HC-W870M
(Dec.26 2015 @東京・恩賜上野動物園)

(過去関連投稿)
若きイコロ、「その機は熟したり」 と考えるべきか?
おびひろ動物園のイコロが遂に恩賜上野動物園へ! ~ イコロ、日本の首都・東京で繁殖の檜舞台へ
おびひろ動物園のイコロの旅立ちの日が迫る
おびひろ動物園のイコロ、故郷である「北の大地」を去り、帝都・東京へ ~ お披露目はGW以降との意向
初夏の東京、デアとイコロの真昼に見た夢 ~ "An Early Summer Day's Dream"
イコロ、歩むことを運命づけられたその「偉大なる道」 ~ "The Great Road ahead of Ikor"
若大将イコロ、颯爽と躍り出たララファミリーの出世頭 ~ 運気をデアにもたらすか?
梅雨期の高湿度の火曜日の上野動物園、イコロとデアの午後の光景 ~ デアに生じた活動範囲の拡大
依然として梅雨の明けない東京、イコロとデアの小雨降る土曜日
台風一過の晴天の東京、若大将イコロ(Ikor)の気楽な上野の金曜日
女神デア(Dea)を覆うミストとメランコリーの金曜日 ~「不快さに耐える能力」と「母親の資質」との関係
蒸した秋の土曜日、デアとイコロの淡々とした日常 ~ さらなる一層の飛躍への待機状態
師走間近の上野動物園、イコロとデアの日曜日 ~ 同居開始前の意義ある「マンネリ化」
by polarbearmaniac | 2015-12-26 23:55 | しろくま紀行

アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後7週間が無事に経過

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Photo(C)Columbus Zoo and Aquarium

アメリカ・オハイオ州のコロンバス動物園(Columbus Zoo and Aquarium) で11月6日にオーロラお母さんから誕生し、その後に人工哺育となった一頭の雌の赤ちゃんですが生後7週間が経過し、その最新の映像が同園によって公開されています。



体重は約2.7キロになっているそうで両目もぱっちりと開いています。4時間ごとに哺乳が行われているそうです。カナダのトロント動物園でやはり人工哺育されている雌の赤ちゃんのジュノーは11月11日生まれですのでこのコロンバス動物園の赤ちゃんはジュノーよりも5日早く生まれているわけで両方ともに雌ですので比較して見ていくのがおもしろいかもしれません。

(過去関連投稿)
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ オーロラが待望の出産
アメリカ・コンロバス動物園のオーロラお母さん、赤ちゃんの育児を突然止める ~ 人工哺育へ
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後25日となる
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後5週間が無事に経過
by polarbearmaniac | 2015-12-26 11:00 | Polarbearology

ロシア連邦ウドムルト共和国のイジェフスク動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生!

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ドゥムカお母さん(2014年9月18日撮影 於 イジェフスク動物園)
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Photo(C)Кадр с камеры наблюдения зоопарка Удмуртии

ロシア連邦ウドムルト共和国の首都イジェフスクの地元マスコミがイジェフスク動物園の広報担当者から得た情報によりますと、一ヶ月前にイジェフスク動物園(現在では公式にはウドムルト動物園 - Зоопарк Удмуртии)でホッキョクグマの双子の赤ちゃんが誕生したそうです。誕生の日付は明らかにされていません。産んだのはドゥムカお母さんで父親はノルドだそうです。
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このドゥムカお母さんは今回が二度目の出産で、最初の出産は一昨年に産んだ雄のニッサン(現 イギリス・ヨークシャー野生動物公園)です。今回の双子の赤ちゃんの産室内での授乳の映像が公開されましたのでご紹介しておきます。これは12月22日の映像ですね。



やはりロシアのお母さんたちは偉大なのです。このドゥムカお母さんは野生出身で生まれは2004年の暮れのことでした。野生孤児として保護されたあとはモスクワ動物園のヴォロコラムスク付属保護施設で保護・飼育され、そして2008年からイジェフスク動物園で飼育されています。ですから現在11歳になったばかりというところですね。父親のノルドは2005年11月にモスクワ動物園であの偉大なシモーナお母さんから誕生しています。なかなか素晴らしいペアだと思います。私は昨年の秋にイジェフスク動物園を訪問しドゥムカお母さんと息子のニッサンに会っていますが、このドゥムカお母さんというのは非常に太っ腹の豪快な母親だと思いました。また会いに行くのが本当に楽しみです。ちなみにこのイジェフスク動物園のホッキョクグマ飼育展示場はロシア国内の動物園では最も広くて素晴らしい展示場であるという評価であり、私も実際に行ってみてそれには賛成です。以下のような感じです。

イジェフスク動物園ホッキョクグマ飼育展示場概要

今回のこの双子の赤ちゃんの権利はいずれもモスクワ動物園にあるわけです。何故なら父親のノルドの所有権も母親のドゥムカの飼育権もいずれもモスクワ動物園にあり、イジェフスク動物園は単に二頭をモスクワ動物園から借りているということだからです。モスクワ動物園は自園で誕生した個体は単純売却せず繁殖計画に沿ってロシア国内の動物園に配置し、そして他園で誕生した個体については仮に権利がモスクワ動物園にあればその幼年個体は海外に売却する可能性は高いでしょう。今回の双子の赤ちゃんの性別はまだわからないとのことですが、雄ならば一頭を購入してリラの将来のパートナーにする...それはできないことではありません。しかしシモーナの孫にあたるわけで、やはりこのあたりは熟考が必要でしょう。しかしそんな先のことを考えるよりもまずはこの今回の双子の赤ちゃんたちの無事な成長を見守っていくことにしましょう。

(*追記 - 以下の映像では冒頭に園長さんが語っています。これまで赤ちゃんの誕生の事実を秘密扱いにしてきたが生後4週間が経過して赤ちゃんたちは元気で成長しているのでこの時点で自信を持って赤ちゃんの誕生の事実を明らかにした、という内容です。この下の映像では上でご紹介した映像と後半は同じですが、幾分それ以外の場面も入っています。)



(資料)
Сусанин (Dec.25 2015 - Белые медведи-двойняшки родились в зоопарке Удмуртии)
Я люблю Ижевск (Dec.25 2015 - В зоопарке Ижевска родились белые медведи-двойняшки)
Комсомольская правда в Ижевске (Dec.25 2015 - В ижевком зоопарке родились белые медвежата-двойняшки)
ТРК "Моя Удмуртия" (Dec.24 2015 - В Зоопарке Удмуртии родились белые медвежата)

(過去関連投稿)
(*2014年9月 イジェフスク動物園訪問記)
イジェフスク動物園へ ~ ドゥムカ親子と野生孤児バルーとの対面
ニッサン君の素顔とその性格 ~ 開園5年でホッキョクグマの繁殖に成功したイジェフスク動物園
ドゥムカお母さんの素顔とその性格 ~ 「母親の権威」を無用と考える極めて豪放かつ鷹揚な母親像
野生孤児バルーの素顔 ~ 野生個体の不幸の上に成り立つ動物園という悲しき真実
イジェフスク動物園二日目 ~ ドゥムカお母さん、ニッサン君、バルー君、お元気で! (投稿準備中)
by polarbearmaniac | 2015-12-26 00:10 | Polarbearology

デンマーク・コペンハーゲン動物園のボリスに2.5トンの雪のプレゼント

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ボリス Photo(C)Zoologisk Have

デンマークの首都コペンハーゲンの動物園といえば先日一人の精神異常者の男がホッキョクグマの飼育展示場に入り込み大変な騒動になったわけですが、この件については「デンマーク・コペンハーゲン動物園で男がホッキョクグマ展示場に侵入 ~ 警告発砲を受けたボリスは無事」という投稿をご参照下さい。この事件の翌日のボリス(同園ではイワンという愛称で呼ばれています)の様子を飼育員さんが説明しておりコペンハーゲン動物園は映像でそれを紹介しています。それによりますと、ボリスはこの事件の翌日には普通に飼育展示場に戻され特別のおやつなどを与えられたそうです。そして幸いなことにボリスの様子には異常は見られなかったそうです。



さて、21日にはクリスマスプレゼントとして2.5トンもの大量の雪が同園の寄付会員からボリスに贈られたそうです。そのイベントの様子も見てみましょう。



さて、このコペンハーゲン動物園ではあと一頭、つまり雌のノエルが飼育されているわけですが彼女はこういったイベントには姿を見せず、産室入りしているようです。どうでしょうか、このボリスとノエルのペアは私自身が実際に会ったこともあり個人的には大いに応援しているわけですが、12月下旬になってもノエルが姿を見せないということは彼女が出産しているのか、あるいはまだ出産待ちの状態なのかは判断が付きません。デンマークという国の動物園はホッキョクグマに出産があると3日後あたりにはスピード発表しているわけで、そういう情報発信の早さを当然と考える風土があるように思います。ですからコペンハーゲン動物園も多分スピード発表するのではないかと思っていますが、もうクリスマスを超していますので今年はもう繁殖成功は難しいでしょう。以前に何度か述べていますがこのボリスというのは男鹿の豪太の弟でありノエルはミュンヘンのジョヴァンナや上野のデアの姉にあたります。

(資料)
Zoologisk Have (Dec.21 2015 - Isbjørnen får 2,5 ton is | Copenhagen Zoo)

(過去関連投稿)
デンマーク ・ コペンハーゲン動物園の新施設 “Den Arktiske Ring” の完成 ~ 期待される若年ペアの繁殖
デンマーク・コペンハーゲン動物園のボリスがスカンジナヴィア野生動物公園に期限付きで移動
デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園に出張中のボリスがコペンハーゲン動物園に帰還
デンマーク・コペンハーゲン動物園のノエルが超音波検査を受ける ~ 今年の繁殖成功は困難か?
デンマーク・コペンハーゲン動物園で男がホッキョクグマ展示場に侵入 ~ 警告発砲を受けたボリスは無事
(*2011年7月コペンハーゲン動物園訪問記)
コペンハーゲン動物園のホッキョクグマたちに挨拶 ~ 豪太の弟に遭遇!
コペンハーゲン動物園のボリスとノエルに、魚とウサギのプレゼント
コペンハーゲン動物園での新施設建設とボリスとノエルの繁殖への期待
by polarbearmaniac | 2015-12-25 23:30 | Polarbearology

アメリカ・セントルイス動物園へ移動した野生孤児カリーの近況 ~ 野生出身個体のパートナー選定

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カリー Image:St.Louis Zoo

2013年の3月にアメリカ・アラスカ州で野生孤児で保護され、その後約2ヶ月をアラスカ動物園で過ごした後に2013年5月にバッファロー動物園に移送され同園で人工哺育されたルナの遊び友達となっていたものの、野生孤児であるカリーの所有権を持つアメリカ魚類野生動物保護局 (U.S. Fish and Wildlife Service - FWS)がアメリカ動物園水族館協会 (The Association of Zoos and Aquariums – AZA) のホッキョクグマ繁殖計画 (Species Survival Plan - SSP) を担っている委員会の強い支持のもとでカリーをミズーリ州のセントルイス動物園に移動させることが決定され、それによってカリーはセントルイス動物園に移動したわけです。

このカリーの最新の映像がセントルイス動物園によって公開されています。一足早く23日に巨大な氷のキャンディ棒のプレゼントがありました。これは10日間もかけて凍らせたものだそうです。その様子を同園の公式映像で見てみましょう。



このカリーは3歳になったばかりなのですが将来のパートナーが未定です。しかし多分、トレド動物園生まれでカリーと同じ年齢であるヘンリー・ヴィラス動物園のスーカーあたりが候補になってくるのではないでしょうか。貴重な野生出身の個体ですからトレド動物園で出産を繰り返しているクリスタルの子供たちのパートナーにすることが優先されるという判断が働いて当然のようにも思うからです。現に2010年生まれの野生出身個体の雌であるルイビル動物園のカニックの将来のパートナーとして、やはり2009年の12月にトレド動物園でクリスタルから誕生した雄のシークーがルイビル動物園に移動しているという前例があるからです。このカリーの今後については十分注目しておきことが必要でしょう。アメリカにおけるホッキョクグマ繁殖計画 (Species Survival Plan - SSP)がいったいどのような方針で野生出身個体であるこのカリーのパートナーを選定するか、これは興味のあるところです。日本でもララの子供たちのパートナーは実は野生出身個体が理想的なのですが、そういった若年の野生出身個体を入手することは事実上極めて困難であるということです。一方でカナダ、ロシア、アメリカ(アラスカ州)というのは自国領内にホッキョクグマの生息地がある点で、非常に有利となるわけです。

(資料)
KMOV.com (Dec.23 2015 - Polar bear enjoys giant 'candy cane' at Saint Louis Zoo)

(過去関連投稿)
(*以下、カリー関連)
アメリカ・アラスカ州の北西岸でホッキョクグマの孤児の赤ちゃんが保護!
アメリカ・アラスカ動物園で保護された野生孤児のカリーが今春に期限付きでバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーの一般公開が始まる
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーを間近で撮り続けている専属カメラマンの視点
アメリカ ・ アラスカ動物園で保護されている野生孤児の赤ちゃん、カリーの近況と今後について
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリー、来週後半に ニューヨーク州のバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリーがニューヨーク州のバッファロー動物園に無事到着
(*以下、バッファロー動物園、及びルナとカリー関連)
動物園による情報公開 ~ アメリカ・バッファロー動物園でのホッキョクグマ連続死亡事件
繁殖のために住み慣れた動物園を旅立ったホッキョクグマ ~ ヘンリー・ヴィラス動物園のナヌークへの期待
アメリカ・バッファロー動物園のホッキョクグマ新展示施設建設へ篤志家の多額な資金寄付
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園の苦悩 ~ ホッキョクグマ新施設建設の資金不足
アラスカで保護された野生孤児カリーをめぐるバッファロー動物園とセントルイス動物園との微妙な関係
アメリカ ・ ニューヨーク州、バッファロー動物園で遂にルナとカリーが初顔合わせ
アメリカ ・ バッファロー動物園でルナとカリーの正式な同居展示が開始 ~ カリーの今後について
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園でのルナとカリーの同居は順調に推移
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の新施設建設の不足資金を州政府が一部負担の意向示す
アメリカ・バッファロー動物園がルナの移動可能性に言及 ~ 報道されている状況は本当に事実なのか?
アメリカ・バッファロー動物園の新施設建設資金の露骨な寄付募集活動に眉をひそめる地元の財団・基金
アメリカ・ニューヨーク州のバッファロー動物園に凝縮した新施設建設の問題 ~ 主役は来園者か動物たちか?
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園のルナとカリーの近況 ~ 展示需要と個体数のアンバランス
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の新施設建設に対し州議会が州予算よりの援助を承認
アメリカ・バッファロー動物園が野生孤児カリーの継続飼育を狙い、遂に上院議員にFWSへの説得を依頼
アメリカ・バッファロー動物園が遂に新施設建設資金の全額調達に成功 ~ 「悪しき前例」 の危険性
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園のカリーの引き続きの同園での飼育が決定となる
アメリカ・ニューヨーク州バッファロー動物園でルナとカリーの一歳のお誕生会が開催される
アメリカ・バッファロー動物園の野生孤児カリーの成長記録写真集 ("Kali's Story") が発売へ
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園のルナとカリーの近況 ~ 新飼育展示場は2015年秋に完成
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園のルナが約4.3メートル下の堀に転落、救出後に精密検査へ
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園のルナの精密検査の結果が発表 ~ 左後脚二か所の骨折
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園で堀に転落し骨折したルナの治療が長期化へ
アメリカ・ニューヨーク州バッファロー動物園が転落事故で骨折し長期療養中のルナの現在の様子を公開
(*以下、セントルイス動物園関連)
アメリカ・バッファロー動物園のカリーがセントルイス動物園に移動へ ~ 繁殖計画(SSP)主導者の主体性
アメリカで登場したホッキョクグマ輸入の特別枠要求への動き
アラスカで保護された野生孤児カリーをめぐるバッファロー動物園とセントルイス動物園との微妙な関係
アメリカ ・ セントルイス動物園のホッキョクグマの飼育再開への強い意欲 ~ 美しき双子姉妹の死を越えて
アメリカ・ニューヨーク州バッファロー動物園のカリーがミズーリ州のセントルイス動物園に無事到着
アメリカ・セントルイス動物園の新施設で野生孤児カリーが公開となる ~ 6年振りにホッキョクグマ戻る
by polarbearmaniac | 2015-12-25 21:30 | Polarbearology

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人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


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ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Lenin's Tomb: The Last Days of the Soviet Empire


Resurrection: The Struggle for a New Russia


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


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