街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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今年一年ご訪問の皆様への感謝 ~ "La Ricordanza con tutta la forza"

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ウスラーダ (Белая медведица Услада/Eisbärin Uslada)
(2012年9月17日撮影 於 サンクトぺテルブルク、レニングラード動物園)
*ラダゴル(カイ - 仙台)、ピョートル(ロッシー - 静岡)の母

本年も当ブログを御訪問していただいた方々に厚く御礼申し上げます。今年もなんとかこうして続けられたことは幸運であったと思っています。私自身の健康状態を含む諸事情により今年は国内外の動物園訪問が極めて少なかったことは残念ではありましたが、そういったことをバネにして来年は再び広くホッキョクグマたちに会いに行きたいと考えています。来年は複数回、それもそれぞれがやや長い期間にわたる国外への遠征を行いたいと思っているわけですが仕事との関連で、それは再来年のことになるかもしれません。現時点では再来年ではなく来年2017年を考えているという以上のことは申し上げられません。実は今年も三回ほど海外に出る予定を立てたのですが、直前で取りやめてしまったという事情がありました。そのうちの一つは、ハバロフスク動物園でイョシに会ったあとでノヴォシビルスクに向かうという計画だったのですがイョシが急死してしまったために旅行自体を取りやめにしたということがありました。
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シモーナ (Белая медведица Симона/Eisbärin Simona)
(2012年9月21日撮影 於 モスクワ動物園)
*イワン(旭川)の母

ホッキョクグマについて語る場合、「事実 (fact)」と「物語 (story)」の両方を重視しようと努力しています。よく、「記録色」のニコンと「記憶色」のキヤノンなどという対比がなされますが、そういったこととも若干の関係があります。"Fact telling" と "Story telling" のどちらに説得性があるかと言えば、それはほとんどの場合 "Story telling" のほうです。しかし後者の側に大きく傾斜するのは極めて危険であることは言うまでもありません。それは結局は歴史的事実が司馬遼太郎的な歴史文学の世界に変容してしまうということだからです。ですので当ブログ開設者は「事実 (fact)」に最大限に立脚しつつも、そこに若干の「物語 (story)」を導入することも厭わないという程度の姿勢であるにすぎないことにもご注意いただければ幸いです。当ブログは日本語で書かれていますが、視野は常に世界的でありたいと努力しています。当ブログ開設者の時として述べる強い主張や意見・批判に皆様が賛同していただくことを私は期待してはおりませんが、しかしそういった私の主張や意見・批判が述べられている対象となっている事項については、それがまさに世界のホッキョクグマ界の重要な動向や傾向、あるいはホットな話題であることそれ自体は間違いないことであると思っています。
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アンデルマ (Белая медведица Амдерма/Eisbärin Amderma)
(2013年10月1日撮影 於 ペルミ動物園)
*ルトヴィク(ホクト - 姫路)、クライ(ゴーゴ - 白浜)の母

日本のホッキョクグマ界は情報という面で「鎖国状態」となっています。瞬間的であれそれに風穴は開いた瞬間は2012年の札幌・円山動物園のドイツ・ハノーファー動物園との個体交換交渉、そして2015年のロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカ来日に伴う事件とそれ以降の関西のファンとロシアのファンとの交流.....そういった程度でしょう。当ブログは江戸時代の長崎の出島のような場所でありたいとも私は願っています。しかし私自身の健康状態が依然として大きな不安を抱えている関係上、数日間にわたって投稿のない状態が今後以降は生じるかもしれません。その旨、御理解を頂ければ幸いです。
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ララ (Белая медведица Лара/Eisbärin Lara)
(2015年5月31日撮影 於 札幌・円山動物園)
*ツヨシ、ピリカ、イコロ、キロル、アイラ、マルル、ポロロ、リラの母


今年一年、本当にありがとうござました。 それでは皆様、よいお年をお迎え下さい!



Vladimir Horowitz plays "Variations on a Theme by Rode" opus 33, by Carl Czerny
by polarbearmaniac | 2016-12-31 07:00 | Polarbearology

今年2016年の日本のホッキョクグマ界を振り返って ~ 訃報以外は「心地よき停滞状態」の一年?

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故カアチャン (Eisbärin Kaachan)
(2012年6月9日撮影 於 阿蘇・カドリードミニオン)
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故ユキ (Eisbärin Yuki)
(2012年6月30日撮影 於 周南市、徳山動物園)
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故オーロラ (Eisbärin Aurora)
(2012年4月21日撮影 於 名古屋、東山動植物園)

今年も押し詰まってきました。ここで今年2016年の日本のホッキョクグマ界を振り返ってみたいと思います。

全体的な印象では今年は比較的無風の一年だったように思います。ホッキョクグマの動きはありましたが、ほとんどの点においては「既定路線」という感じでした。大阪のバフィンとモモの親子の浜松への移動は繫殖プロジェクトの成果に達成によるバフィンの浜松帰還という従来想定されていた路線がそのまま行われたという点で予想外のものではありません。それに押される形で浜松のキロルが釧路に移動したわけですが、これはバフィン親子の浜松帰還が生み出した一つの結果と考えるべきでしょう。また、バリーバが横浜から愛媛へ帰還し、そして釧路からツヨシが横浜に移動してきたわけですが、こちらのほうは「玉突き移動」としての意味合いではなく、少なくとも繁殖への試みという点で積極的な意味を持っていたはずの移動でした。ただしバリーバの愛媛帰還時期とツヨシの移動時期、この二つそれぞれの遅れと受け入れ側の不可解とも思える意識、それについてのファンの側の問題意識の欠落といった要因もあって今年の繫殖シーズンへのツヨシの繫殖寄与は見送られた結果となっています。日本のホッキョクグマ界の克服すべき問題点であったように私は思っています。
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バフィンとモモ (Eisbärin Baffin und Momo)
(2016年6月8日撮影 於 大阪、天王寺動物園)
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バリーバ (Eisbärin Ballyba)
(2013年2月10日撮影 於 よこはま動物園ズーラシア)
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キロル (Eisbär Kiroru)
(2012年5月20日撮影 於 浜松市動物園)
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ツヨシ (Eisbärin Tsuyoshi)
(2016年10月5日撮影 於 よこはま動物園ズーラシア)

今年も私たちは貴重なホッキョクグマを三頭も失ってしまいました。2月に阿蘇のカドリードミニオンのカアチャンが亡くなり、11月に徳山動物園のユキが亡くなり、そして12月に入ってから名古屋の東山動植物園のオーロラが亡くなりました。昨年2015年に私たちはホクト(鹿児島)、ミリー(名古屋)、アイス(神戸)という、やはり三頭を失っていますので、今年も同数のホッキョクグマが日本のホッキョクグマ界から去って行ってしまったということになります。月日の流れは誠に非情であると申せましょう。そういった訃報を除けば今年2016年の日本のホッキョクグマ界は事実上「無風状態」、あるいは「心地よい停滞状態」だったというのが私なりの今年の日本のホッキョクグマ界の総括です。

来年2017年には否応なしにいくつかの事項が動き始めるでしょう。その動きの中心にあるのが札幌・円山動物園となる可能性は比較的大きいでしょう。「ララファミリー(Lara & Co.)」のホッキョクグマたちがそれぞれ新しいフェーズに入っていくことになるはずです。そこから発生した風は風力を強め、そして私見では、日本のホッキョクグマ界全体に転換点をもたらすことになるのは再来年2018年になるだろうということです。
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故メンシコフ (Белый медведь Меньшиков/Eisbär Menshikov)
(2014年9月14日撮影 於 サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

世界のホッキョクグマ界に眼を転じれば、今年2016年ではロシアにおけるメンシコフの死がとりわけ大きな出来事でした。彼こそはホッキョクグマの「偉大さ」そのものを象徴している存在だったのです。そして日本のホッキョクグマ界にも多くの貢献を行ってきた男でした。ですからメンシコフは日本のホッキョクグマ界の「名誉ホッキョクグマ会員」だったと言ってもよいのです。偉大なる一時代が終わってしまったということを痛感してしまいます。その他でとりわけ残念だったのはデンマークにおけるヴィルマの急死です。これについて私は未だに納得がいかない気持ちを持っています。素晴らしい活躍を行ったのはアメリカ(コロンバス動物園)の現在29歳となったナヌークです。そして興味深かったのはロシアのホッキョクグマ界がいよいよ個体売却から、従来以上に一層血統を重視した繁殖計画に大きく舵を切り始めている点です。モスクワ動物園を中心としてロシア国内に野生個体同士のペアを誕生させて「新血統」を作ろうとする傾向が強く表れてきているという点です。ロシアの動きから目を離すことができなくなってきたというわけです。ロシアの動きが欧州と日本のホッキョクグマ界に与える影響は無視できない状態になってきています。このままでは欧州に有利に、そして日本に不利にと状況は展開していく可能性が大きいと思います。

世界のホッキョクグマ界ではまだ今年2016年の繫殖シーズンの結果が出揃っていません。しかしおそらく誕生はしているものの、その事実公表がなされていない赤ちゃんが複数頭いることだけは間違いないと思われます。その中に日本の動物園で生まれた赤ちゃんがいるかどうかはまだわかりません。世界中の動物園の産室内のお母さんたちを心から応援したいと思います。

(過去関連投稿)
今年2012年の日本のホッキョクグマ界を振り返って ~ 真の 「開国」 となるか?
今年2013年の日本のホッキョクグマ界を振り返って ~ 漠然とした期待感の中で封印されてきたもの
今年2014年のホッキョクグマ界を振り返って ~ 世界のホッキョクグマ界における日本の現在の位置確認
今年2015年の日本のホッキョクグマ界を振り返って ~ ホッキョクグマたちが描いた絵巻物
阿蘇・カドリー ドミニオンのカアチャン亡くなる ~ 国内最高齢(1983年誕生) が実は真相だった
周南市・徳山動物園のユキが亡くなる ~ 「永遠の若さ」を抱いて星の彼方へ....
名古屋・東山動植物園のオーロラ逝く ~ 「生活感」に溢れた現実主義的ホッキョクグマの死
by polarbearmaniac | 2016-12-30 19:30 | Polarbearology

アメリカ・バッファロー動物園に来園したサカーリが検疫期間を終了し新年より一般公開へ

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サカーリ (Sakari the Polar bear) Photo(C)Buffalo Zoo

今年秋から始まってきたアメリカのホッキョクグマ界の個体のかなりの規模の再配置は非常に興味深いものがあります。その背景にあるのは近年のアメリカの飼育下のホッキョクグマの繁殖がなかなかうまく進んでいないという事情があるわけで、AZAのSSPを推進している委員会の焦りといったものを感じます。とりわけこの推進委員会を主導しているトレド動物園のメイヤーソン女史(日本で言うところの「種別調整者」)の強い危機感といったものをひしひしと感じるわけです。
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サカーリ (Sakari the Polar bear) Photo(C)Buffalo News

11月下旬にウィスコンシン州マディソンにあるヘンリー・ヴィラス動物園で飼育されていた雄(オス)のサカーリ(2012年11月21日生まれ)は、移動先が発表されないままでお別れ会が開催されるという変則的なやり方で地元の人々に別れを告げたわけです。こういったやり方全体が日本では全く考えらえないものだと思います。日本ではファンの理解を得にくい秘密主義的な個体移動だと思います。この4歳となったサカーリについてはお別れ会の2日後にニューヨーク州のバッファロー動物園に到着したところまでは前回の投稿でご紹介していました。そしてバッファロー動物園は新年の日の朝10時からサカーリを一般公開を開始すると発表しました。サカーリの移動はすでに11月22日に行われていたわけで、それから約一か月間の検疫期間が終わってサカーリはバッファロー動物園の飼育場に登場してきたというわけです。さて、このサカーリのバッファロー動物園での姿が地元メディアより公開されていますので下にご紹介しておきます。説明しているのはバッファロー動物園の担当飼育員さんです。



このサカーリのバッファロー動物園への移動は、当然同園で飼育されている雌のルナ(2012年11月27日生まれ)との間での繁殖を期待してのことです。私はこのサカーリはケンタッキー州のルイヴィル動物園に移動するだろうと予想していたのですが、まさかルナのパートナーとしてサカーリがバッファロー動物園に来るとはちょっと予想外でした。ルナというのは人工哺育で育った個体なのですが、このサカーリをパートナーとして果たして繁殖に成功するかというのも注目していきたいところです。雌(メス)の人工哺育個体の繁殖不能論というのがあのフロッケの出産・育児の成功例によって覆されたわけですが、しかし依然として人工哺育個体の繁殖成功の確率については低く考える見方が支配的であるとも言えるわけです。ここで非常に最近のルナの姿を見てみましょう。



このルナと、そして今回来園したサカーリとの間で最短で繁殖に成功するとしてもまだ2~3年先のことになるでしょう。ちなみにこのルナとサカーリは当然まだ同居はさせてはいないそうで、これから少しずつ時間をかけて同居に持っていきたいという予定だそうです。

(資料)
Buffalo News (Dec.29 2016 - Buffalo Zoo introduces new male polar bear Sakari)
wivb.com (Dec.29 2016 - Sakari is ready to meet you at the Buffalo Zoo)
wkbw (Dec.28 2016 - New polar bear will make zoo debut Sunday)

(過去関連投稿)
アメリカ・ウィスコンシン州のヘンリー・ヴィラス動物園で新展示場 ”The Arctic Passage”がオープン
アメリカ・ウィスコンシン州、ヘンリー・ヴィラス動物園のサカーリが繁殖のために他園移動が決定
アメリカ・ウィスコンシン州マディソン、ヘンリー・ヴィラス動物園のサカーリのお別れ会が開催される
アメリカ・ウィスコンシン州のヘンリー・ヴィラス動物園のサカーリがバッファロー動物園に無事到着
(*ルナ関連)
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ その姿が突然公開
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃんの追加映像 ~ ララの子供たちの従妹であるルナ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の人工哺育の赤ちゃんのルナが初めて戸外へ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナの近況を伝えるTVニュース映像
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナが雪の舞う戸外へ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナが遂に一般公開へ
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園の赤ちゃんの「ルナ」が仮称から正式の名前となることが決定
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園のルナの近況 ~ 人間の視線への意識と興味
アメリカ ・ ニューヨーク州、バッファロー動物園で遂にルナとカリーが初顔合わせ
アメリカ ・ バッファロー動物園でルナとカリーの正式な同居展示が開始 ~ カリーの今後について
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園でのルナとカリーの同居は順調に推移
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園のルナとカリーの近況 ~ 展示需要と個体数のアンバランス
アメリカ・ニューヨーク州バッファロー動物園でルナとカリーの一歳のお誕生会が開催される
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園のルナとカリーの近況 ~ 新飼育展示場は2015年秋に完成
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園のルナが約4.3メートル下の堀に転落、救出後に精密検査へ
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園のルナの精密検査の結果が発表 ~ 左後脚二か所の骨折
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園で堀に転落し骨折したルナの治療が長期化へアメリカ・ニューヨーク州バッファロー動物園が転落事故で骨折し長期療養中のルナの現在の様子を公開
アメリカ・ニューヨーク州バッファロー動物園の新施設”Arctic Edge”に長期治療中だったルナが元気に登場
アメリカ・ニューヨーク州のバッファロー動物園で人工哺育されたルナが三歳となる
by polarbearmaniac | 2016-12-30 06:00 | Polarbearology

ロシア・ペンザ動物園の新ホッキョクグマ飼育展示場が遂にオープン ~ 次なる課題はベルィのパートナー探し

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ベルィ Photo(C)Penza News

ロシア・ヴォルガ河流域の都市であるペンザの動物園では数年にわたって最大の懸案事項であったホッキョクグマの新飼育展示場が完成し、そして昨日12月29日の午前中に遂にオープンしました。同年で4年間にわたって狭い仮住まいに暮らしていた野生出身の6歳の雄であるベルィはすでに投稿していました通り前日の28日にこの新飼育展示場に移動していたわけですが、彼はなんと昨夜は一晩中プールで泳いでいたとのことです。
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Photo(C)Penza News

このオープンの日にベルィは初めておもちゃをもらったそうです。地元の子供たちはこの新しい展示場で見るベルィの姿に歓声を上げたそうです。新飼育展示場のオープンを報じる地元TV局のニュース映像を御紹介しておきます。









この新飼育展示場の総面積は282㎡だそうで、それまで彼が暮らしていた狭い場所の10倍の面積があるそうで、建設資金は総額で2600万ルーブル(約5000万円)とのことです。特にプールに金がかかったそうで夏になって気温が上昇してもプールの水を冷却したり、あるいは真冬に外気温が-30℃でも水が氷結させないといった装置が設置されているそうです。
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Photo(C)Penza News

こうしてペンザ動物園のホッキョクグマ新飼育展示場は年末押し迫ってからではありますが、やっと無事にオープンしたというわけです。そして次なる課題はベルィのパートナー探しということになります。ベルィは野生出身ですので血統の優位性(つまり血統的孤立度)が極めて高く、どのような血統の雌ともペアを組むことが可能です。しかしこのペンザ動物園はホッキョクグマの飼育を始めたのはようやく4年前からですし、当然繁殖実績が全くありません。果たしてどの雌の個体がこのペンザ動物園び来園するかを注目したいところです。

(資料)
Пензенский зоопарк (Новости/Dec.29 2016 - 29 декабря состоялось открытие вольера белого медведя)
PenzaNews (Dec.29 2016 - В Пензе белый медведь получил возможность плавать в бассейне и любоваться звездами)
Городской телеканал ТВ-ПЕНЗА (Dec.29 2016 - Строительство завершено!)
ГРТК Пенза (Dec.29 2016 - В Пензе Белый получил новое жилье с бассейном)
ТВ-Экспресс (Dec.29 2016 - Посетители пензенского зоопарка увидели Белого в новом вольере)
ПензаИнформ (Dec.29 2016 - В зоопарке планируют построить еще один вольер для белого медведя)
(*追加資料)
Телеканал Экспресс (Dec.30 2016 - В пензенском зоопарке белый медведь впервые увидел звезды)
Пенза-Взгляд (Dec.30 2016 - Белый медведь из Пензы оказался в родной стихии)
 
(過去関連投稿)
ロシア極北で漁民に保護された1歳の野生孤児が中部ロシアのペンザ動物園での飼育が決定
ホッキョクグマ飼育経験のないロシア・ペンザ動物園が飼育準備を開始 ~ 「親和性」、「運」とは?
ロシア極北で保護された孤児のウムカ、依然としてモスクワ動物園で待機か? ~ 野生孤児保護の問題点
モスクワ動物園で待機中の野生孤児のウムカ、11月末までにペンザ動物園へ移動
モスクワ動物園で待機中だった野生孤児のウムカが陸路、ペンザ動物園に無事到着
ロシア・ヴォルガ川流域のペンザ動物園にモスクワから移動したウムカの近況 ~ 待たれる新施設の完成
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園のウムカの新しい名前を公募することが決定
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園のウムカの新しい名前が「ベルィ」に決まる
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園の苦境続く ~ ベルィ に仮仕様のプールが完成 
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園の2歳の野生孤児ベルィの近況
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園の野生孤児ベルィが間もなく3歳に ~ 完成が待たれる新展示場
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィがソチ冬季五輪のプロモーション映像に登場
ロシア最大の石油会社 ロスネフチがロシアの動物園の全ホッキョクグマへの援助・保護活動開始を表明
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園の野生孤児ベルィの新飼育展示場建設にロスネフチ社の援助決定
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ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィの新飼育展示場建設計画が出直しの形で開始される
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園の 「国際ホッキョクグマの日」 のベルィの姿
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by polarbearmaniac | 2016-12-30 00:30 | Polarbearology

ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃん、生後一ヶ月を経過して両目が開く

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(C)Tierpark Hellabrunn

ミュンヘンのヘラブルン動物園でジョヴァンナお母さんから11月21日に誕生した一頭の赤ちゃんはすでに生後一ヶ月が経過していますが同園から案室内の新しい映像が公開され、赤ちゃんの両目が開いたことを伝えています。



産室内のジョヴァンナお母さんには飼育員さんが交代で少量のおやつの差し入れが行われているそうですが内容はメロンやサラダといったもののようです。赤ちゃんは日増しに活動が活発になってきているそうで、ヘラブルン動物園としては一応、来年2月末の一般公開をスケジュールとして頭の中には描いている模様です。

(資料)
Tierpark Hellabrunn (Dec.28 2016 - Hallo, Welt! Eisbären-Baby öffnet die Augen)
Abendzeitung (Dec.28 2016 - Hellabrunner Eisbären-Baby öffnet erstmals die Augen)
BILD (Dec.28 2016 - Kleiner Eisbär hat erstmals Knopfaugen offen)

(過去関連投稿)
ドイツ・ミュンヘンのヘラブルン動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ ジョヴァンナが二度目の出産
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃん、生後三週間が過ぎる ~ 際立つ母親の安定感
by polarbearmaniac | 2016-12-29 15:30 | Polarbearology

ロシア・ペンザ動物園のベルィが完成した新飼育展示場へと移動する

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Photo(C)Пензенский зоопарк

当ブログで何年にもわたってご紹介してきたロシア・ヴォルガ河流域の街にあるペンザ動物園のホッキョクグマの新飼育展示場建設に関する問題でしたが、最終的にロシア最大の石油会社であるロスネフチ社の大きな援助があって事態が大きく前進し、そして今月とうとう完成となりました。ペンザ動物園で飼育されている6歳の野生孤児であるベルィの入居に先立って12月14日に地元の学校の生徒さんにこの新しい飼育展示場が公開されていますので、その時の様子を地元TV局の映像でご紹介しておきます。



そしてとうとう、昨日の12月28日にベルィが暮らす現在の仮の飼育展示場から400メートル離れた新飼育展示場への園内移動が行われたそうです。移動用ケージの扉を開いた状態にしておき、そこへの通路には食べ物などを置いてベルィが自然に移動用ケージに親しめるようにしておくといった準備がなされていたそうです。ベルィは非常に警戒していたものの、二週間ほどでケージに入ったそうです。そのタイミングで扉を閉じて獣医さんは短時間だけ効力のある麻酔薬を投与し、そしてスタッフがこのケージを運ぶといった順序で行われたそうです。弱い麻酔をかけたのはケージの中でベルィが暴れるといったようなことを防ぐためだったようです。
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Photo(C)Пензенский зоопарк

こういった移動作業はベルィがいつ移動用ケージに入るかが分からない状態でしたのでマスコミには公開されなかったようです。以下の地元のTVニュースでは移動後に室内にいるベルィの様子が短時間だけ見ることができます。



年末になってようやくベルィの園内移動作業が終了し、そして本日30日にペンザ動物園はいよいよ新飼育展示場を公式にオープンすることとなります。日本時間の深夜には映像が入ってくると思います。ともあれロシアの地方都市にあるペンザ動物園はこうしてホッキョクグマ新飼育展示場をオープンすることができるようになったということです。

(資料)
Пензенский зоопарк (Новости/Dec.28 2016 - Белый переехал в новый вольер)
ГРТК Пенза (Dec.28 2016 - Белого медведя перенесли в новое жилище)
ПензаИнформ (Dec.28 2016 - В зоопарке определились с датой открытия вольера белого медведя) (Dec.28 2016 - Сотрудники зоопарка переселили белого медведя в новый вольер)
Пенза-Взгляд (Dec.28 2016 - В пензенском зоопарке белый медведь переехал в новый вольер)
Телеканал Экспресс (Dec.14 2016 - В пензенском зоопарке готовятся к переселению Белого в новый вольер) (Dec.28 2016 - В пензенском зоопарке Белый переехал в новый вольер)
Комсомольская правда в Пензе (Dec.29 2016 - Белый обрел новый дом)

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by polarbearmaniac | 2016-12-29 14:00 | Polarbearology

"Polar Bear(s) of the Year (2016)" in Japan

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バフィンとモモ (Baffin the Polar bear and her cub Momo)
(2015年6月28日撮影 於 大阪・天王寺動物園)
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バフィンとモモ (Baffin the Polar bear and her cub Momo)
(2016年6月10日撮影 於 大阪・天王寺動物園)

毎年の年末にこのブログでは米国のタイム(TIME)誌にあやかってその年の日本のホッキョクグマ界で最も活躍したり話題になったりした日本のホッキョクグマの “Polar Bear of the Year” in Japan を選んでいます。今年も選んでみたいと思います。今まで私が選んだホッキョクグマは、2009年はララ2010年はデナリ2011年はララとアイラの母娘2012年はクルミ2013年はミルク2014年はバフィン2015年はシルカを選んでいます。

さて、数日前から私は非常に頭を捻ってきたのですが日本において今年2016年に特別の活躍をしたり話題になったりといった一頭のホッキョクグマを選出するのは極めて難しいという結論にならざるを得ません。これが世界のホッキョクグマ界(北米、欧州、ロシア、日本 etc)というところまで拡大しますと今年の "Polar Bear of the Year (2016)" は文句なくアメリカ・コロンバス動物園のナヌークだと思います。これは誰しも異存のない選択でしょう。しかし日本に限定し、それも一頭となると難しいと思います。札幌のリラというのも頭に浮かびましたが、リラは後年に選ぶ機会が必ずありそうにも感じますので今回は外したいと思います。そうなると今年の "Polar Bear of the Year (2016)" の一頭での選択はますます難しくなります。しかし過去に親子二頭をノミネートしたことがありますので、今年も同じように親子ということならば当然該当はあるわけです。それは浜松市動物園のバフィンとモモの親子です。この二頭を今年2016年の “Polar Bear(s) of the Year” in Japan に選びたいと思います。

このバフィンとモモの親子は天王寺動物園で一つしかない展示場をシルカと半日で分け合っていたわけですので大阪で16ヶ月間にわたって公開されてはいたものの実質上はその半分の通常の動物園における親子の8ヶ月間分の公開時間だったと考えてみてもそう間違いではないでしょう。そして今年の6月にバフィンとモモは親子そろって大阪の天王寺動物園から浜松市動物園へと移動したわけです。こうした形で親子そろって他園に移動してというケースは非常に稀ですし、今後の世界のホッキョクグマ界でもおそらくほとんどないケースとなるでしょう。母親であるバフィンは長年にわたって暮らしていた浜松の寝室や飼育展示場をよく覚えていて古巣にもどったような落ち着きを最初から見せていたために、本来は移動によって非常に動揺するはずの娘のモモも非常に早く浜松に慣れ親しむことができるようになったのは本当になによりのことでした。途中でモモが体調を崩した一時期はあったものの、それはおそらく大阪時代との展示時間の違いによって自分の生活の中での運動量やリズムを崩してしまったことから生じたものではないかと考えています。しかし最近はモモの体調不良も聞きませんので、もう完全に生活のリズムを掴んでしまったものと思います。
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バフィンとモモ (2015年6月28日撮影 於 大阪・天王寺動物園)
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バフィンとモモ (2016年6月9日撮影 於 大阪・天王寺動物園)

今後も活躍が期待されるバフィンとモモの親子です。

(過去関連投稿)
"Polar Bear of the Year (2015)" in Japan
バフィンの母親としての軌跡 ~ "So has Baffin been a nursing Polar Bear Mother"
浜松市動物園のモモの不調の原因は何なのか? ~ 展示時間の長さの変化にまだ対応できないためか
by polarbearmaniac | 2016-12-29 01:00 | Polarbearology

ロシア・ノヴォシビルスク市が市民に「シルカに新年の挨拶を送ろう」のキャンペーンへの参加を呼びかけ

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シルカ (Белый медвежонок Шилка/Shilka the Polar bear)
(2015年5月24日撮影 於 大阪・天王寺動物園)

ロシアのノヴォシビルスク市より本日12月28日付けで公式の告知がありました。ノヴォシビルスク市の市長であるアナトリー・ローコチ (Анатолий Локоть) 氏が市民に呼びかけています。来年1月3日に同市中心部のレーニン広場で「シルカへの新年のあいさつ (Новогоднее поздравление для Шилки)」というキャンペーンを行い、大阪の天王寺動物園で暮らしているシルカに対して市民それぞれの新年のあいさつのビデオ収録を行うということで、市民に参加を呼び掛けています。ビデオカメラの前での「シルカへの新年のあいさつ」のメッセージでは、歌を歌ってもよいし詩を朗読してもよいし、どのような形のメッセージでもよいそうです。そういった「シルカへの新年のあいさつ」のうち最も優れたものをノヴォシビルスク動物園と天王寺動物園はウェブサイトで公開するとのことです。(*追記 - この点に関して天王寺動物園はノヴォシビルスク動物園とすでにちゃんと連携をとっているのでしょうか?)
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シルカ (Шилка)(2015年5月24日撮影 於 大阪・天王寺動物園)

こういったことは今まで世界の動物園ではほとんどなかったことだと思います。シルカという一頭のホッキョクグマを仲立ちにしてノヴォシビルスクの市民と大阪を中心とした関西のシルカファンの方々を友情で結びつけようという試みですね。日本とロシアとの関係は国家レベルでは大きな課題が残っているわけですが、そうしたものは脇に置いておき、市民レベルでの日本とロシアとの交流は今後もますます進められるべきでしょう。



(資料)
Официальный сайт города Новосибирска (Dec.28 2016 - ОБЪЯВЛЕНИЕ: Передай «Привет!» Шилке)
Новосибирские новости (Dec.28 2016 - Новосибирцев приглашают передать привет Шилке)
Вести Новосибирск (Dec.28 2016 - Новосибирцы смогут передать привет Шилке)

(過去関連投稿)
ロシアのノヴォシビルスク市長が日本の原田駐露大使に大阪・天王寺動物園のシルカへの配慮を要請
ロシアと日本のファンとの心の交流 ~ ホッキョクグマを介して国際交流に新たな地平線を切り開く
by polarbearmaniac | 2016-12-28 19:30 | Polarbearology

とくしま動物園のポロロの預託期間が2018年1月まで延長となる ~ 札幌の新施設との関係で読めぬ今後の動向

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ポロロ (2015年12月5日撮影 於 とくしま動物園)

とくしま動物園より本日付けで発表がありました。同園で飼育されている3歳の雌のポロロ(2012年12月8日 札幌・円山動物園生まれ)の預託期間の1年延長が決定したとのことです。つまり、2018年1月までということになるわけです。徳島新聞の報道によりますと、これはとくしま動物園が再延長を求めたことに対して円山動物園は承諾したということのようです。
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ポロロ (2015年12月5日撮影 於 とくしま動物園)

実は今回の預託期間延長については微妙な問題が関係していることは間違いないわけです。つまり円山動物園の新飼育展示場の完成との関係です。ララとデナリは旧展示場に留まるはずですが、果たしてこの新飼育展示場に入居する個体がどの個体になるのかという点が問題です。そしてさらに次には欧州個体との個体交換交渉の先行きの見通しといったものも問題となってきます。徳島のポロロ(そして多分、熊本のマルルも)が2018年1月まで徳島に留まるとしますと、札幌の新飼育展示場オープン時にはまだ預託期間中となるわけですから、その新飼育展示場の主にはならない可能性が生じてくるわけです。そうなると帯広のアイラが札幌に帰還して主になるか、それとも現在まだララと同居しているリラが主になるか、あるいは二頭共に主になるか、そういった可能性が強く示唆されることになります。さて、そこから先が私には読めません。欧州との個体交換交渉を行おうとすると、ではその候補にノミネートされてくるのはアイラとリラになるだろうというのが通常の考え方です。というのは、欧州に個体を出すためには飼育基準をクリアした施設から送り出すことになるはずですので、そうなるとその時点で新飼育展示場の主となっているはずのアイラ、もしくはリラ(あるいはその両方)が欧州に行くということになるはずです。そしてその「埋め合わせ」としてマルルやポロロが札幌に帰還する.....そういうシナリオが一応は頭に浮かんできます。しかしそういった「二段構え」の主変更というのも少々疑問にも感じられるシナリオです。それよりも前に、欧州との個体交換交渉は非常に厳しいものとなると私は考えています。実現性にはいくつもの疑問符がつくということです。
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ポロロ (2015年12月5日撮影 於 とくしま動物園)

いろいろなシミレーションが考えうるわけですが、そういったことは折々触れていきたいとも思っています。 今回預託契約の延長が決定したポロロですが、とくしま動物園は組織がしっかりと機能していますし、担当者の方々の連携も緊密です。エンリッチメントの面でも文句が付けようがなく、ポロロは非常に大事に飼育されています。ですからポロロに関しては心配する必要は全くないということです。日本のホッキョクグマ界では大阪のシルカと並んでこのポロロは、最も配慮されて飼育されているホッキョクグマの双璧でしょう。

(資料)
とくしま動物園 (ポロロ日和 - Dec.28 2016 - 「今年最後のポロロ日和と重要なお知らせ」
徳島新聞 (Dec.28 2016 - 人気のポロロ もう1年徳島に 貸与期間再延長)

(過去関連投稿)
熊本市動植物園のマルル、とくしま動物園のポロロの預託期間が1年延長へ ~ Polar Bears on call
とくしま動物園のポロロの成長を追う「週刊ポロロ通信」を称える ~ 世界で最も優れた若年個体の成長記録
とくしま動物園のポロロの成長を追う「週刊ポロロ通信」に見るポロロの質的な成長 ~ 母親ララを凌いだ技術
とくしま動物園のポロロの成長を追う「週刊ポロロ通信」の平凡な映像が伝える雄弁さ
by polarbearmaniac | 2016-12-28 15:30 | Polarbearology

ロシア・イジェフスク動物園のノルドが欧州へ ~ 水面下で始まっている欧露の協力体制の兆候

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ノルド (Белый медведь Норд)
Photo(C)"Я люблю Ижевск"

ロシア連邦・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園(公式にはウドムルト動物園 - Зоопарк Удмуртии)で飼育されている雌の12歳のドゥムカと雄の11歳のノルドのペアはすでに二回繁殖に成功し三頭の子供たちをもうけているわけですが、このペアのうち雄のノルドがモスクワ動物園のヴォロコラムスク附属保護施設から来園した野生孤児出身の7歳のアイオンに交代することになった件は先日ご紹介しています。このアイオンの来園について前回の投稿でご紹介したのとは別のTV局のニュース映像をご紹介しておきます。



実はこのニュースの中でペアを解消されてしまった雄のノルド(モスクワ動物園のシモーナの息子)について、彼はハンガリーの動物園への移動が報じられているのにはすっかり驚いてしまいました。(*後記 - これはメディアの誤報でありノルドはデンマークのコペンハーゲン動物園に移動となりました。イジェフスク動物園からハンガリーに移動するのはシェールィとビェールィの双子兄弟ということになったわけです。) ハンガリーといえば現在ホッキョクグマが飼育されているのはニーレジハーザのソスト動物園だけであり、ここには二歳になった雄のフィーテと30歳となった雌のシンバ(姫路のユキ、仙台のポーラの母)の二頭が飼育されており、やがてモスクワ動物園からシモーナの娘である二歳の雌がフィーテのパートナーとして来園することになっています。つまりこのノルドが入り込む隙などないはずなのです。となると以前ホッキョクグマが飼育されていたブダペスト動物園にノルドは移動するのかという気もしますがブダペスト動物園サイドにはそういった情報は読み取れないように思います。実に不可思議です。ドゥムカとノルドの間に2015年12月に誕生したもののドゥムカの体調不良によって人工哺育に切り換えられた雄の双子であるシェールィとビェールィについては果たしてまだこのイジェフスク動物園にいるのかどうかもわかりません。今回の報道の内容ではいることになっていますが、しかし今度はバルーとザバーヴァについては、同園にはいないことになっているようです。シェールィとビェールィにつぃては権利はモスクワ動物園にありますので、アイオンを運送してきたトラックでこの双子がアイオンと交代でモスクワに移動したということは考え得るのですが、同園からは何の言及もありません。これまた実に不可思議です。
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ノルドとドゥムカ  Photo(C)"Я люблю Ижевск"

このイジェフスク動物園というのはホッキョクグマの飼育展示場についてはロシアの動物園の中では最も広い面積を誇っているわけですが、しかしホッキョクグマの移動情報についてはまるで秘密主義でも採用しているが如く、全く発表しようとしないわけです。以前にもここで飼育されていた雄のプロメテイが密かに中国に売却されていたり、あるいはピリグリムとオーロラのペアが秘密裡にブラジルに移動していたりなど、何か非常におかしな雰囲気の漂う動物園です。このイジェフスク動物園は自らが所有権を持つホッキョクグマの個体は一頭もなく、同園が飼育しているのは全てモスクワ動物園、レニングラード動物園、カザン市動物園、連邦政府の自然管理局 (RPN)などが権利を持っている個体ばかりであり、イジェフスク動物園としてはそういった権利を保持している他園の指示によってホッキョクグマを移動させているにすぎないわけです。しかしまるでロシアの動物園の「マネー・ローンダリング」ならぬ「ホッキョクグマ・ローンダリング」が行われている舞台がイジェフスク動物園であるようにも私には見えます。そういったことから考えてもノルドが本当にハンガリーの動物園に移動するのかについても確実な話ではないかもしれません。
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ノルド (Белый медведь Норд)
Photo(C)"Я люблю Ижевск"

そういったことはともかくとして、野生出身個体の雌のドゥムカのパートナーがシモーナの息子であるノルドから野生孤児個体のアイオンへと変更になったことはモスクワ動物園が何としても「アンデルマ/ウスラーダ系」の血統をロシア国内の動物園から減らしたいと考えて行動していることを裏付けています。そしてこの「アンデルマ/ウスラーダ系」の個体であるノルドがハンガリーの動物園に移動する(らしい)という話の背景には欧州のEAZAのコーディネーターがノルドのパートナーを見つけるといったような話が背景にあるとみて間違いないかもしれません。つまり、欧露の協力関係は水面下ですでに動いていることをも示唆しているわけです。日本の動物園もこういった動きを注視していかねばならないと痛感します。何故なら、クラスノヤルスクやイジェフスクにおける野生出身個体ペアの繁殖の成果である「新血統」の個体はロシアから欧州へという方向で移動される計画が進行していることがうかがわれ、日本の動物園がそういった「新血統」の入手が不可能となる可能性が出てきつつある危険性を感じるからです。

札幌・円山動物園が来年秋に新飼育展示場をオープンさせ、そして幸運にも欧露の動物園と協力関係に入ることができたと仮定します。となれば、マニトバ基準であれEAZA基準であれ、それを満たしている国内の施設と閉鎖的な「囲い込み」体制を構築したほうがよいでしょう。具体的には円山動物園の他に男鹿水族館と上野動物園ということです。そしてこの「囲い込み」の輪を少しずつ拡大しながら(たとえば大阪の新施設など)、欧露との協力関係を日本国内の施設に拡大するという順序で進めるべきでしょう。

ロシアの地方都市の見えないところで、目立たない形で何かが確実に動いていることを予感させてくれるニュースです。当ブログの開設者はこういったニュースは小さくても決して逃さないということです。

(資料)
ГТРК «Удмуртия» (Dec.26 2016 - Новый питомец появился в зоопарке Удмуртии)
Я люблю Ижевск (Mar.5 2012 - В ижевском зоопарке белая медведица наряжается в вольере)

(過去関連投稿)
モスクワ動物園 ヴォロコラムスク附属保護施設のアイオンがイジェフスク動物園へ ~ 「新血統」への挑戦
「ホッキョクグマ計画推進会議」が大阪で開催 ~ 将来の方針と海外個体導入の可否は議題と無縁か
ロシア動物園水族館協会(RAZA)が設立 ~ ロシアでモスクワ動物園の主導的地位が一層強まる
by polarbearmaniac | 2016-12-28 00:30 | Polarbearology

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