街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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フランス・ミュルーズ動物園の赤ちゃんがセシお母さんと共に屋外に登場

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Photo(C)L'Alsace/Darec Szuster

フランス東部アルザス地方の都市であるミュルーズの動物園で昨年2016年の11月7日に当時まだ5歳であったセシ (Sesi) から誕生した赤ちゃんが、まだ一般公開という状態ではないものの昨日の朝に初めて母親と一緒に産室から出て屋外に登場しました。非常に限られた数のメディアにのみ公開されたようです。それを報じるニュース映像を見てみましょう。映像の後半には父親であるヴィックスの訓練の様子も一部映っていますね。音声はonをお奨めします。





非常に気温の低い日だったようで写真を見ますとうっすらと雪が積もっていますね。昨日はこの親子が登場する頃から雪となったようです。メディアの記者に言わせれば、ホッキョクグマの赤ちゃん登場に合わせて雪が降るというのは、まるで魔法のような出来事だったと述べています。
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Photo(C)L'Alsace/Darec Szuster

それからこの赤ちゃんの命名のネット投票なのですが、すでに1万3千もの投票があったそうです。現時点では投票数は「ナニュク (Nanuq)」がトップで、次が「キピク (Qipik)」、そして「ティキピュク (Tikkipuk)」という順位とのこと。ミュルーズの動物園の担当者は「ティキピュク (Tikkipuk)」という名前になって欲しいということで「ティキピュク」に投票してほしいと語っています。この担当者の方の発言は中立性を損なう問題発言のように思うのですが、私も得票数のトップを走る「ナニュク (Nanuq)」には首を傾げたくもなります。この名前のホッキョクグマは世界の動物園に何頭もいるからです。日本でしたら「ホクト」とでもいったところでしょうか。(そもそも「ホクト」というのはどういう意味なのでしょうか?)

(資料)
France 2 (Feb.10 2017 - Ours polaire : une naissance exceptionnelle au zoo de Mulhouse)
L'Alsace (Feb.10 2017 - Nos photos exclusives de l'ourson) (Feb.10 2017 - Les premiers pas de l’ourson)
Ouest-France (Feb.11 2017 - Le petit ours blanc du zoo de Mulhouse a fait ses premiers pas)

(過去関連投稿)
フランス・ミュルーズ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 5歳のセシが二度目にして出産に成功
フランス・ミュルーズ動物園で誕生した赤ちゃんの近況 ~ 大きな喜びに包まれる同園
フランス・ミュルーズ動物園で誕生した赤ちゃんが生後三か月となる ~ ネットによる命名投票受付中
by polarbearmaniac | 2017-02-11 12:00 | Polarbearology

カナダ・コクレーン「ホッキョクグマ居住村」に到来した寒波 ~ 一方で危機的な北極圏の海氷減少

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ガヌーク(手前)とヘンリー(奥) Photo(C)Polar Bear Habitat

カナダ・オンタリオ州コクレーン (Cochrane) の「ホッキョクグマ居住村(Polar Bear Habitat)」に今年も寒波が押し寄せてきたようです。この季節には飼育展示場にある大きな池も完全に氷結してしまったそうで、そういった凍りついた池の上を歩いているのがガヌークとヘンリーです。その様子をカナダ放送協会(CBC)の映像で見てみることにしましょう。まるでチャーチルあたりで見る野生のホッキョクグマといった雰囲気があります。



同施設もやはりこういった季節でもおもちゃは与えているようです。次の映像はヘンリーですが、本当に自由にのびのびと遊んでいて見ていても気持ちが良くなってきます。



さて、そうは言うものの北極圏の海氷面積は確実に減少傾向をたどり、そして過去30年間では古くて厚い氷が消えていくと同時に薄くて新しい氷に入れ替わってきている傾向が顕著だそうです。今年2017年の1月のデータでは北極海の海氷は記録的な少なさとなってしまっているようです。
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北極圏には比較的近いカナダのオンタリオ州に到来した冬の寒波のためにガヌークとヘンリーは氷結した池の上で自由に遊んでいるわけです。この冬の札幌は非常に雪が多いらしくホッキョクグマたちも喜んでいるでしょう。そういった我々が居住している地域における寒波や豪雪というものは温暖化の傾向とは逆を示しているようにさえ錯覚してしまうわけですが、どっこい地球レベルでは全くそうではないということです。野生のホッキョクグマたちにとっては危機的状況となっています。

(資料)
CBC.ca (Feb.9 2017 - Cochrane, Ont. polar bears walk on ice for the first time)
CTV News (Feb. 5 2017 - Polar bears get royal treatment)
The Weather Network (Feb.9 2017 - More heat on the way as North Pole temps spike by 30 Celsius)
Nature (Feb.8 2017 - Arctic 2.0: What happens after all the ice goes?)
The Arctic Journal (Feb.7 2017 - January sea-ice extent hits record low)
Barents Observer (Feb.10 2017 - January sea ice extent record low in Barents- and Kara Seas)
Scientific American (Feb.8 2017 - Why Does the Melting of Arctic Sea Ice Matter?)
National Snow and Ice Data Center (Feb.7 2017 - 2017 ushers in record low extent)

(過去関連投稿)
カナダ・コクレーン、ホッキョクグマ保護施設のナヌークの死 ~ 安住の地で波乱の生涯を終える
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カナダ・サンフェリシアン原生動物園の双子、旅立ちの時来る ~ 2頭共にケペック水族館へ
カナダ・コクレーンのホッキョクグマ保護教育生活文化村にホッキョクグマ戻る ~ ガヌークの近況
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カナダ・コクレーン、ホッキョクグマ保護教育生活文化村での新しい試み ~ おもちゃに臭いを付着
カナダ・オンタリオ州コクレーン、「ホッキョクグマ居住村 (Polar Bear Habitat)」を紹介した日本のTV番組
オーストラリア・シーワールドのヘンリーがカナダ・コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」へ旅立ちが決定
オーストラリア・シーワールドのヘンリーがカナダ・コクレーンへの移動のためシーワールドを出発
オーストラリア・シーワールドのヘンリーがカナダ・コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」に無事到着
カナダ・オンタリオ州コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」に到着したヘンリーが屋外に登場
カナダ・オンタリオ州コクレーン、「ホッキョクグマ居住村」のヘンリーに給餌を兼ねた訓練が行われる
カナダ・オンタリオ州コクレーン、「ホッキョクグマ居住村」のヘンリーが前衛美術の画家となる
カナダ・オンタリオ州コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」で拡張された新飼育展示場が完成
カナダ・オンタリオ州コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」で飼育展示場のライブ映像配信が開始
カナダ・コクレーン、「ホッキョクグマ居住村」のガヌークがゴミ箱製品の破壊耐性検査に協力
カナダ・コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」、ガヌークとヘンリーの雄二頭の同居は大成功
カナダ・コクレーン「ホッキョクグマ居住村」のガヌークとヘンリーに流れるゆっくりとした時間
カナダ・コクレーン「ホッキョクグマ居住村」に新しい池のある飼育場がオープン
カナダ・コクレーン「ホッキョクグマ居住村」、ガヌークとヘンリーとの間に生まれた不思議な友情
カナダ・コクレーン「ホッキョクグマ居住村」のガヌークとヘンリーの冬の日
by polarbearmaniac | 2017-02-11 06:00 | Polarbearology

ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの移動時期が迫る ~ バルナウル動物園への移動は否定

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ロスチク Photo(C) Ольга Головина/Новосибирский зоопарк

ロシア・ノヴォシビルスク動物園で2015年の12月7日にゲルダお母さんから誕生した雄(オス)のロスチクについてノヴォシビルスクの地元メディアが興味深い報道を行っています。まずこのロスチクですが、ノヴォシビルスク動物園としては他園に移動させるためにすでに「繁殖計画作成者」(*注 - ロシア語で "куратор по белым медведям, которые занимаются этим и распределяют всех детенышей" という表現になっていますが、これを一応は「繁殖計画作成者」と訳しておきます。 問題のこの「繁殖計画作成者」が欧州のEAZAのコーディネーターを意味するのか、それともモスクワ動物園がリーダーとなっている旧ソ連圏・旧東欧圏のEARAZAの調整者を指すのかについては報道で引用されているアンドレイ・シロ園長の発言では明確ではありません)からの確認の回答を待っている段階であるとアンドレイ・シロ園長が語っているとのことです。このことはつまり、ノヴォシビルスク動物園は今年2017年のシーズンにゲルダが繁殖に挑戦することをあくまでも前提としているということを意味するわけです。

実はノヴォシビルスク近郊の都市であるバルナウルの動物園がホッキョクグマを飼育したいという意向を2年ほど前から示しており、このロスチクを入手したいという意向のようなのですがシロ園長はバルナウル動物園ではホッキョクグマの飼育環境は十分ではないと語り、ロスチクをバルナウル動物園に売却する意向はないと明らかにしています。このバルナウル動物園はホッキョクグマを入手するためにまずモスクワ動物園に話を持っていたわけですがモスクワ動物園から断られたという経緯がありました。

実はここ数日の報道でロシア国内のある動物園がホッキョクグマの飼育を行いたいという意向を表明しており、それがいくつかの報道記事で読むことができます。それはモスクワの南東約400キロのところにあるリペツクという都市にあるリペツク動物園 (Липецкий зоопарк)です。私は数日前に「ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクがリペツク動物園に移動か?」という投稿の下書きを行っていたのですが、どうも今一つ確たる裏付けが取れないために未投稿のままで放置していました。リペツクにおける複数の報道内容は幾分食い違っており、リペツク動物園が入手のターゲットとしているのが本当にロスチクなのかについての確証が取れません。

さて、このロスチクの移動先を調整・決定する「繁殖計画作成者」が仮にEAZAのコーディネーターであれEARAZAのモスクワ動物園の調整者であれ、ロスチクの移動先における彼のパートナーをアレンジすることは必ずしも簡単ではないためにロスチクの移動先の調整・決定がこの時期まで後回しになってしまっているという状況だけは間違いないだろうと思います。私はその理由がわかる気がします。つまり障害になっているのはロスチクの「血統問題」だろうと思うからです。これは実に厄介なのです。この問題で「繁殖計画作成者」は二の足を踏んでいるのだろうと私は考えます。御興味のある方は「『ロシア血統の謎 』に迫る(1) ~ ラスプーチン、ゲルダ、血統番号2893個体の三頭の謎を追う」という投稿を是非ご参照下さい。かなりのマニアの方でありませんと理解していただくことは難しいかもしれません。しかし実はこの問題は重大なのです。日本のホッキョクグマ界をも直撃した問題なのです。

(資料)
НГС - Независимые Городские Сайты (Feb.10 2017 - Молодому белому медведю Ростику решили найти новый дом)
ТРК Липецкое время (Feb.7 2017 - Белый медведь появится в зоопарке Липецка)

(過去関連投稿)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ やはり出産していたゲルダ!
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの登場を待つ人々 ~ その時を親子の意思に委ねる度量
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃん、一瞬姿を見せる ~ 'authenticity' への視座
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんがゲルダお母さんと本日、初めて5分間だけ戸外に登場!
ロシア・ノヴォシビルスク動物園、ゲルダ親子の「国際ホッキョクグマの日」
ロシア・ノヴォシビルスク動物園で誕生の赤ちゃんの「国際ホッキョクグマの日」の映像を追加
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの声を札幌のリラ、大阪のモモと比較する
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの性別予想に盛り上がる地元 ~ 雄(オス)の予想に高い支持
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子の近況 ~ 親子関係を破壊しかねない来園者のエサやり行為
ロシア・ノヴォシビルスク動物園、日曜日に来園者が入場に長蛇の列 ~ 大人気のゲルダ親子
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃん、生後100日を超える
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんは雌(メス)と判明 ~ 赤ちゃんはシルカの妹だった!
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの命名への同園の迷い ~ シルカ同様の過熱を恐れる同園
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子の近況 ~ ララ/アイラの多層的な親子関係と比較する
ロシア・ノヴォシビルスク動物園が赤ちゃん命名について沈黙状態 ~ 「シルカ事件」から学ばぬ同園
ロシア・ノヴォシビルスク動物園が赤ちゃんの性別を訂正発表! ~ 赤ちゃんは雄(オス)だった!
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダお母さんと赤ちゃんの近況
ロシア・ノヴォシビルスク動物園、ゲルダお母さんとオイゼビウス(Ойзебиус - 仮称)のプール開き
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃん、オイゼビウス(Ойзебиус - 仮称)が泳ぎ始める
ロシア・ノヴォシビルスク動物園生まれの二頭 ~ シルカ vs オイゼビウス (Ойзебиус - 仮称)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダをシモーナと比較する ~ 母親と息子の実力は反比例?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマ飼育展示場のライブカメラ映像配信、遂に復活!
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のオイゼビウス(Ойзебиус - 仮称)が間もなく生後半年が経過へ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のオイゼビウス(仮称)の正式命名が後日行われる予定となる
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の雄の赤ちゃんの名前が「ロスチク (Ростик)」に決まる
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの成長 ~ シルカ/ゲルダとは非常に異なる親子関係
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子のライブ映像配信が二年前と同様に大人気となる
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチク、その日常の姿 ~ 経験を積んだゲルダお母さん
ロシア・ノヴォシビルスク動物園、ゲルダお母さんの機嫌を損ねないように巧妙に立ち回るロスチク
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの成長 ~ 「シルカの物語」を乗り越えられるか?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子の近況 ~ 「ゲルダ/シルカ」、「バフィン/モモ」と比較する
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチクの親子の姿 ~ 娘とよりも息子との関係が気楽か
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの近況 ~ 予想の難しい彼の将来の移動先
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチクの親子模様 ~ 「未完の大器」ゲルダ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチクの親子、その秋の日の姿
ロシア・ノヴォシビルスク動物園、ロスチクに手こずり始めたゲルダお母さん ~ 成長の確かな手応え
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチク、 地元のファンの暖かい視線に見守られ間もなく満一歳へ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園で満一歳となったロスチク ~ 移動先候補の複数の動物園と交渉が進行中
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチクの冬の日 ~ シルカの「あの日」とロスチクの「その日」
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子の冬の日の本能 ~ ロスチクの移動先は欧州以外か?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマたちの冬の日 ~ 人工雪製造機の導入が決定
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子の近況 ~ ロスチクの成長によっても基本的に不変の親子関係
by polarbearmaniac | 2017-02-10 20:30 | Polarbearology

ベルリン動物公園がフリッツのために飼育展示場を一部改修の予定 ~ 父親のヴァロージャはベルリン動物園へ

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フリッツ Photo(C)Tierpark Berlin

ベルリン動物公園(Tierpark Berlin)で11月3日にトーニャお母さんから誕生した雄(オス)の赤ちゃんであるフリッツは生後三か月が経過していますが、まだ屋外に登場してはいません。しかし産室のある室内のエリアで次第に行動範囲が拡がっているようです。新しい映像が公開されましたのでご紹介しておきます。フリッツは与えられたぶどうを口にしようとするのですがトーニャお母さんにとってもぶどうは大好物でフリッツには渡したくないトーニャお母さんなのです。



さて、ベルリン動物公園ではこのフリッツの屋外登場に備えて一週間前から飼育展示場の部分改修工事が始まっているそうです。飼育展示場の高さのある岩場にフリッツが簡単に登ることができるように傾斜を緩くしたり高さを下げたりするような改修だそうです。また、来園者の観覧スペースの部分にも工事が行われるそうで、ホッキョクグマの置かれている現状などについて理解を深めてもらうための啓蒙的な展示物が設置されるようです。そういった一連の改修工事のためにフリッツの父親であるヴァロージャ(Володя/Wolodja) は来週に旧西ベルリンのベルリン動物園 (Zoologischer Garten Berlin - 略してZoo Berlin)に移ることになるそうです。このベルリン動物園というのはあのクヌートが暮らしていた動物園で現在は32歳の雌のカチューシャが一頭で暮らしています。このヴァロージャの旧東ベルリンのベルリン動物公園(Tierpark Berlin)から旧西ベルリンのベルリン動物園(Zoologischer Garten Berlin)への移動はあくまでも期間限定的なものであり、ベルリン動物公園の飼育展示場のスペースをトーニャとフリッツの親子が終日完全に使用することを可能とするための措置ということになります。

(資料)
Tierpark Berlin (Feb.9 2017 - Schöner Wohnen für Eisbären)
B.Z. Berlin (Feb.9 2017 - Der Tierpark baut um: kinderfreundlich für den kleinen Eisbär Fritz)
Berliner Morgenpost (Feb.9 2017 - Für Eisbär Fritz wird das Gehege umgebaut)
BILD (Feb.9 2017 - Eisbär-Papa Wolodja muss ausziehen)

(過去関連投稿)
ベルリン動物公園(Tierpark Berlin)でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 第一関門は週末
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、第一関門の生後72時間を見事に乗り切る ~ 授乳音確認
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃんは生後五日を乗り切る ~ 生後10日間を最初の関門ととらえる同園
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、一頭が産室内で姿を消す? ~ 生存は一頭と同園が発表
ベルリン動物公園、産室内のトーニャお母さんに若干の余裕が生まれる ~ 隣室での水分補給
ベルリン動物公園の赤ちゃんが生後20日が経過 ~ 産室内のトーニャお母さんにニンジンとリンゴの差し入れ
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後25日が経過し前脚で踏ん張って前に進もうとし始める
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、順調に満一ヶ月へ
ベルリン動物公園のトーニャお母さんと生後一か月を越した赤ちゃんの様子が公開
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後40日で立ち上がり始める ~ 同園がトーニャを「熟練の母親」と評価
ベルリン動物公園のヴァロージャ(Володя/Wolodja)の来園の経緯 ~ 霧の中に浮かぶ真相
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後50日が経過する
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後約二ヶ月が経過
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃんの性別は雄(オス)と判明 ~ "Es ist ein Junge!"
ベルリン動物公園の雄(オス)の赤ちゃんの故クヌートと重なり合うもの、合わないもの
ベルリン動物公園のトーニャお母さん、散らかった床を片付ける ~ 初めて肉に挑戦した赤ちゃん
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃんの命名投票が始まる
ベルリン動物公園で誕生の雄の赤ちゃんの名前が "フリッツ(Fritz)" に決まる
by polarbearmaniac | 2017-02-10 01:00 | Polarbearology

アメリカ・デトロイト動物園のタリーニとヌカの冬の日 ~ 繁殖に輝かしい歴史を誇る同園期待のペア

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ヌカ(左)とタリーニ(右) Photo(C)Detroit Zoo

ホッキョクグマの繁殖や移動についての記事や情報が多いのは欧州の動物園の個体ですが、アメリカの動物園については必ずしもそうではありません。しかしだからと言ってアメリカの動物園のホッキョクグマに関する情報が少ないのかと言えば決してそうではありません。イベントの開催に関する情報と、そういったイベントに登場する彼らの姿については非常に多くの記事が発信されているのがアメリカの動物園なのです。そういったことと比較すればロシアと日本の動物園に暮らすホッキョクグマの情報は動物園やメディアからの発信は比較的少ないと言えます。

さて、アメリカの動物園におけるホッキョクグマのペアで繁殖が期待されている有望なペアの一つがデトロイト動物園に暮らす共に現在12歳の雌(メス)のタリーニと雄(オス)のヌカです。この二頭の姿を一昨日、同園からライブにて中継されたTV局の映像がありますので、まずそれを見てみたいと思います。音声はonにして下さい。途中から水に入っているのがヌカで陸の上にいるのがタリーニです。デトロイトには積雪は無いようです。



雌(メス)のタリーニですが、彼女はファンにとっては特別な意味のあるホッキョクグマだと言えましょう。何故ならば彼女はメキシコのサーカス団から救出されてこのデトロイト動物園で保護された故ベアレの娘であるからです。このベアレについては是非「アメリカ、デトロイト動物園のベアレ逝く ~ 20歳で初出産に成功したサーカス出身のホッキョクグマの生涯」という投稿を御参照下さい。それまで一度も雄との同居のなかった雌(メス)のホッキョクグマが20歳にして初出産・育児に成功し、その時に生まれたのがタリーニなのです。初出産・育児に成功したこの20歳という年齢は少なくとも世界の飼育下の過去20~30年のスパンではおそらく唯一の例なのです(例えばバフィンは大阪に移動する前の彼女が20歳以前の段階で浜松で複数回の出産を行っていますので大阪でのモモの誕生はベアレの記録には匹敵しません)。 
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タリーニとベアレお母さん(2005年)
Photo(C) Betsie Meister, Detroit Zoological Society

ちなみにこのデトロイト動物園における故ベアレに関して本ブログの右下欄にあるライフログで紹介しています "Bärle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life as a Circus Act" は実に素晴らしい本です。ベアレがサーカスで受けた心の傷から快復していく過程を記録したこの本は我々に深い感動と多くの示唆を与えてくれます。少なくとも(欧米の)ホッキョクグマファンでこの本を読んだことがないなどという人はモグリのホッキョクグマファンでしょう。ホッキョクグマに対する透徹した観察力と深い洞察に富み、そして彼らの行動から多くのものを読みとる優れた感性と卓越した能力、そして深い知識と愛情に溢れているのがこの本の著者であり、ホッキョクグマファン以外の動物ファンからも極めて高い評価を得ている本です。私もこの本から多くのことを学びました。この本のごく一部はこちらでも読むことができます。「サーカス出身のホッキョクグマ」というのは我々日本人にとっては馴染みのない世界です。しかし私はこの本を読んだり、あるいは実際にロシアでゴシやイョシといったサーカス出身のホッキョクグマたちに実際に会ってみて、ようやくその複雑で悲惨な世界を認識したというわけでした。話がすっかり外れてしまいました。この故ベアレの娘であるタリーニの映像を下に一つだけ紹介しておきます。



このタリーニという現在は12歳のホッキョクグマは遊び友達にしてもパートナーにしても、なかなか相性の良し悪しが存在するホッキョクグマのようです。そしてこのタリーニのパートナーとして2011年にピッツバーグ動物園からデトロイト動物園に移動してきたのがタリーニと同じ年齢の雄(オス)のヌカなのです。このヌカのデトロイト動物園への移動はAZAのSSP (Polar Bear Species Survival Plan) 推進委員会の推薦と決定によるもので、その理由はヌカがタリーニと同じ年齢であることと血統的にタリーニとは無関係であることが決定的に重視されたそうです。
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ヌカ Photo(C)Royal Oak Patch

このヌカの映像も下に一つご紹介しておきます。



このヌカとタリーニの相性についてはヌカ来園の時点では不安視する見方もあったようですが、現実に同居させてみると非常にうまくいっているそうです。彼らが7歳の2012年の繁殖シーズンからこの二頭はペアを組んで繁殖が試みられているわけですが、まだ結果は出ていません。しかし年齢的に彼らはまだ12歳ですので、まだまだチャンスがあることは間違いありません。下に昨年3月のこの二頭の映像をご紹介しておきます。



このデトロイト動物園のホッキョクグマ飼育展示場である "The Arctic Ring of Life" は全米でも屈指のスケールを充実さを誇る飼育展示場だそうです。それからまたこのデトロイト動物園には以前にも何度かご紹介していますが、もうこれは「歴史的・伝説的ホッキョクグマ」であるドリス(1948-91)が飼育されていた動物園なのです。このドリスというホッキョクグマは飼育下の「ホッキョクグマの三冠王」とも言ってよい存在の偉大なホッキョクグマでした。彼女が依然として保持している「三冠」の記録とは、

・史上最高齢記録 (43歳10ヶ月)
・史上最高齢出産記録 (38歳2ヶ月)
・史上最高齢出産成功記録 (35歳11カ月)


という驚異的な記録です。仙台のナナの母親であったデビーが史上最高齢記録保持のホッキョクグマであると勘違いされていらしゃる方がいるようですが、デビーは亡くなった当時(42歳)は世界最高齢であったものの史上最高齢ではありませんでした。実はデビーは史上第三位(あるいは第二位)の長寿記録であるということです。それから、上の「最高齢出産記録 (38歳2ヶ月)」については私は依然として懐疑的ですが、学術文献で authorize された記録であることは間違いなく、そしてさらに「最高齢出産成功記録 (35歳11カ月)」は間違いないことが完全に確認されています(この時の出産個体の子孫がきちんと確認できるからです)ので「最高齢出産記録 (38歳2ヶ月)」も間違いないことであるとの推定は十分可能です。このドリスのデトロイト動物園での写真を再びご紹介しておきます。
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ドリス(1948-91) Photo : The Historical Image Outlet

こうしてホッキョクグマ飼育には輝かしい歴史を持つデトロイト動物園です。是非ともタリーニに繁殖に成功してほしいものです。

(資料)
Fox 2 Detroit (Feb.8 2017 - The Detroit Zoo: A peek in on the polar bears)
Oakland Press (May.3 2012 - Detroit Zoo looking to increase polar bear population WITH VIDEO)
Royal Oak Patch (Dec.1 2011 - Nuka Arrives at Zoo as Polar Paramour for Talini)
Polar Bears International ("The Oldest Living Polar Bear" by Dr. Robert E. Wrigley)

(過去関連投稿)
アメリカ、デトロイト動物園のベアレ逝く ~ 20歳で初出産に成功したサーカス出身のホッキョクグマの生涯
アメリカ・インディアナポリス動物園がホッキョクグマ飼育から撤退 ~ 29歳のタンドラはデトロイト動物園へ
アメリカ・デトロイト動物園に移動した29歳のタンドラが元気に飼育展示場に姿を見せる
アメリカ・デトロイト動物園のタンドラが亡くなる ~ インディアナポリス動物園よ、恥を知れ!

*記録関連
サツキ、産室から出る...~ ホッキョクグマの歴代最高齢出産成功記録は35歳11ヶ月?
高齢のデビーを愛し、慈しみ、送った人々 (上)
高齢のデビーを愛し、慈しみ、送った人々 (下)
カナダ・マニトバ州、アシニボイン公園動物園の新展示場施設の建設  ~  偉大なるデビーの遺したもの
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの歩む道 ~ 再説: 繁殖可能年齢上限
ララ (札幌・円山動物園) は、あと何度出産するか?
北米の過去約100年間の飼育下のホッキョクグマ出産記録が語ること ~ 再び考えるキャンディの今後
アメリカ・ニューヨーク州 ロチェスターのセネカ動物園の26歳のゼロが亡くなる
by polarbearmaniac | 2017-02-09 17:30 | Polarbearology

ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の雌(メス)の赤ちゃん、産室からの一歩を踏み出す

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Photo(C)Tierpark Hellabrunn

ミュンヘンのヘラブルン動物園で昨年2016年の11月21日にジョヴァンナお母さんから誕生した雌(メス)の赤ちゃんですが、昨日8日に下の映像のようにジョヴァンナお母さんと共に産室からの一歩を踏み出しました。



室内の産室のあるエリアには部屋が三つあるそうでジョヴァンナお母さんと赤ちゃんはそういった部屋を自由に行き来できるようにしてあるそうです。この赤ちゃんはそういった別の部屋に入るといった「冒険旅行」も行い始めているようです。次の映像は産室内の新しい映像ですが、赤ちゃんが体操の選手のような動作を行っています。なにか退屈そうな様子ですね。生後79日目ということになります。



(資料)
Tierpark Hellabrunn (Feb.8 2017 - Eisbären-Mädchen geht auf Erkundungstour)
muenchen.de (Feb.8 2017 - Hellabrunner Eisbär-Baby startet erste Gehversuche)
Augsburger Allgemeine (Feb.8 2017 - Wie süß! Das Eisbären-Mädchen macht seine ersten Schritte)
Abendzeitung (Feb,8 2017 - Eisbär-Mädchen erkundet den Tierpark)

(過去関連投稿)
ドイツ・ミュンヘンのヘラブルン動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ ジョヴァンナが二度目の出産
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃん、生後三週間が過ぎる ~ 際立つ母親の安定感
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃん、生後一ヶ月を経過して両目が開く
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃんが生後40日を超える ~ 「表象」と「核心」
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の赤ちゃん、生後50日が経過 ~ 一般公開開始は2月24日と早々と告知
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃん、生後二ヶ月が経過
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃんの性別は雌(メス)と判明
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の赤ちゃんの活発さ ~ 管理を緩めぬジョヴァンナお母さん
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の雌(メス)の赤ちゃん、あと二週間ほどで屋外登場へ
by polarbearmaniac | 2017-02-09 00:30 | Polarbearology

フランス・ミュルーズ動物園で誕生した赤ちゃんが生後三か月となる ~ ネットによる命名投票受付中

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Photo(C)Michel Foos

昨年2016年11月7日にその当時5歳であったセシから誕生した赤ちゃんの命名のためのネットによる登場が行われています。すでに候補名が4つ挙げられています。全てイヌイット語の名前です。

ナニュク (Nanuq)  - 「ホッキョクグマ」の意味

ティキピュク (Tikippuq) - 「誕生」の意味

イニュイク (Inuuik) - 「記念」の意味

キピク (Qipik) - 「キルト」の意味

これらは全て雄(オス)の名前のように思うのですがこの赤ちゃんの性別についてまだ正式発表はありません。イヌイット語ですのであまり性別を考えるということはしないのでしょう。イヌイット語の名前の綴りをフランス語で発音しますとやや奇妙な響きになります。イヌイット語とラテン系の言語の音声的な相性はあまりよくない感じがします。ネットの投票はこちらのページから行うことができます。2月28日が投票期限だそうです。
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Photo(C)Michel Foos

(資料)
20minutes.fr (Feb.2 2017 - Alsace: Naissance exceptionnelle d’un ourson au zoo de Mulhouse, à vous de choisir son prénom !)
France Bleu (Feb.5 2017 - L'œil du web - Les internautes appelés à voter pour baptiser un ourson né à Mulhouse)

(過去関連投稿)
フランス・ミュルーズ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 5歳のセシが二度目にして出産に成功
フランス・ミュルーズ動物園で誕生した赤ちゃんの近況 ~ 大きな喜びに包まれる同園
by polarbearmaniac | 2017-02-08 06:00 | Polarbearology

デンマーク・オールボー動物園の赤ちゃんが遂に姿を見せる ~ 屋外登場を母親の意思に任せた同園



昨年2016年の11月26日にデンマークのオールボー動物園でメーリクお母さんから誕生した二頭の赤ちゃんですが、昨日月曜日に飼育員さんがメーリクお母さんに水と少しの食料を与えるために産室につながる場所の扉を開いたときに一頭の赤ちゃんが姿を見せました。産室内のモニターカメラの映像では二頭の赤ちゃん共に大変に元気で順調な成育を続けているそうです。冒頭の映像では一頭の姿しか映っていませんが、この時に実はもう一頭の赤ちゃんも後から少しだけ姿を見せたそうです。2~3日後には二頭共にこうして姿を見せるだろうと同園では期待しているそうです。赤ちゃんたちの屋外登場ですが、それはメーリクお母さんが大丈夫だと判断したときに扉を引っ掻いたり叩いたりするだろうと同園では考えているらしく、その時に自然な形で屋外への登場が行われるというように同園では考えているそうです。あくまでも母親の意思を尊重するのだという同園の考え方です。いかにもデンマークらしいやり方だと思います。

(資料)
TV2 Nord (Feb.7 2017 - Isbjørneunge viser sig for første gang)

(過去関連投稿)
デンマーク・オールボー動物園でホッキョクグマの赤ちゃん(複数)誕生! ~ メーリクが出産
デンマーク・オールボー動物園で誕生の赤ちゃんは三つ子であることが判明!
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デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後7週間が経過
デンマーク・オールボー動物園で産室内で育児中のメーリクに特別給餌が行われる
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後70日目となる
by polarbearmaniac | 2017-02-07 21:30 | Polarbearology

ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の雌(メス)の赤ちゃん、あと二週間ほどで屋外登場へ



昨年2016年の11月21日にミュンヘンのヘラブルン動物園でジョヴァンナお母さんから誕生した一頭の赤ちゃんは生後77日が経過しました。同園はすでのこの赤ちゃんの戸外登場と一般公開開始を2月24日と発表していますので、あと約2週間ほどで一般へのお披露目となるわけです。

上の映像では赤ちゃんはしきりにジョヴァンナお母さんを起こして自分と遊んでほしいといったような行動を行っています。やがて赤ちゃんは授乳を求めるような行動も見せるのですがジョヴァンナお母さんは寝ていたいようです。やがて赤ちゃんもおとなしくなってしまいます。案室内での小さなエピソードといったところでしょう。

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2017-02-07 13:00 | Polarbearology

ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダ親子の近況 ~ ロスチクの成長によっても基本的に不変の親子関係

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Photo(C)Андрей Поляков/Новосибирский зоопарк

ロシア・西シベリアのノヴォシビルスク動物園で一昨年2015年の12月7日に当時8歳のゲルダお母さんから誕生した雄(オス)のロスチクですが、今までのロシアの動物園ではあまり見られなかったこととして依然としてゲルダお母さんと同居しています。つまりゲルダお母さんとの二年目の生活が事実上スタートしてしまっているように思うのですが、これはゲルダに「三年サイクル」の繁殖を採用したのだと考えてもよいかもしれません。モスクワ動物園はすでに事実上、それまでの「二年サイクル」の繁殖を止めているというのがここ2~3年の実情となっています。しかしまだ2月ですから、ノヴォシビルスク動物園が「二年サイクル」の繁殖をこれまでのように維持しようとすれば十分可能ではあるということです。

さて、最近のゲルダとロスチクの姿を現地の方の撮影された映像で見てみましょう。









ロスチクは本当に体が大きくなりましたし力も強くなっていることは明らかです。ただしかし上の映像で見る限りではロスチクの力の発達と彼の成長がこの親子の関係に何か大きな変化をもたらせたかと言えば、必ずしもそのようには見えないと思います。ゲルダ/シルカの関係は非常に複雑で一筋縄のものではなかったわけですが、それと比較するとゲルダ/ロスチクの関係は比較的明快であるように感じます。息子のロスチクはうまく母親であるゲルダのご機嫌をうかがいながら立ち回っており、そしてゲルダがそういった息子の行動を評価しつつも次第に息子を自由な行動に解放していくという流れで一貫しています。それからこの下は普段ではロシアではあまり見かけないおもちゃに興味を持つ親子です。



このロスチクを入手したいという複数の動物園があって交渉中であるという報道が以前になされているわけですが、依然として別居させられていないところから判断しますと、ロスチク入手の交渉自体が契約締結といった最終段階まで至っていないようにも思われます。こういったことは意外にもロシアの動物園というのは情報秘匿がうまくなされているケースが多いわけです。シルカの時は故シロ園長はマスコミに対して多くのことを発言していたわけですが肝心な移動先というものは完全に隠しきってしまったわけで、その一点において情報の管理は見事であったとは言えます。一方でこのロスチクが何故2月上旬になっても現実としてこうして母親と同居しているかという理由には、ロスチクを入手したい動物園が彼のパートナーをどうやって調達するかといった難問と格闘しているためなのかもしれません。あるいはロスチクの移動(売却)についてはモスクワ動物園からストップがかかった可能性があるかもしれません。ロスチクはいわゆる「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」に属しています。昨年暮れから今年にかけてモスクワ動物園は自らが所有するこの血統の個体をすでに4頭も欧州に出しているわけで、そうなるとどうでしょうか、ロスチクが仮に今年の春までに移動すると考えてみた場合には、私には移動先の候補は頭に浮かんできません。

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2017-02-06 19:00 | Polarbearology

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