街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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モスクワ動物園のシモーナがヴォロコラムスク附属保護施設に移る ~ 血統調整で繁殖の舞台から引退か?

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シモーナ (Белая медведица Симона/Eisbärin Simona)
(2015年8月19日撮影 於 モスクワ動物園)

実に不可解な情報がモスクワ動物園から発信されています。同園で飼育されている22歳の雌(メス)のシモーナがモスクワ動物園の本園から同園の附属施設であるヴォロコラムスク附属保護施設 (Волоколамский питомник московского зоопарка) にすでに移動しているそうです。野生孤児出身の一歳半の雌(メス)のニカと同居しているかどうかは明らかにされていませんが、おそらく同居しているのではないかと考えられます。
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シモーナ (Белая медведица Симона/Eisbärin Simona)
(2015年8月19日撮影 於 モスクワ動物園)

シモーナがヴォロコラムスク附属保護施設に移動した理由も明らかにされていませんが、私が予想するにシモーナの今までの出産個体数が多いため(資料によって頭数が異なり、最大の数字では16頭というものさえありますが13~14頭が正解のような気がします)、それ以上のシモーナの子供たちは血統の偏りが生じるためにもう必要ではないということなのではないでしょうか。シモーナの母親であるウスラーダも16頭もの子供を産んでいますので、この「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」のこれ以上の増加に歯止めをかけようということではないかと思います。シモーナがヴォロコラムスク附属保護施設でニカと同居しているのではないかと考える理由は、ニカや野生孤児個体であるために他個体どの同居によって「適応化 (socialization)」が必要であるとされている可能性が十分にあるからです。以下は今年4月30日の映像のようですが、メインの飼育展示場にいるのはシモーナは2014年11月に産んだ雌(メス)のスネジンカだけのようですね。この4月末の段階ではシモーナはもうヴォロコラムスク附属保護施設に移動していたのではないでしょうか?



実に残念な話です。私はもう10年近くもモスクワ動物園でシモーナの育児を見守ってきましたし、その育児能力の素晴らしさに感嘆してきたという経緯があるわけです。そういったものがもう見られなくなるというのは痛恨の極みであるだけでなく、シモーナは私が世界で最も敬愛しているホッキョクグマの一頭であり、これからは彼女になかなか会うチャンスはなくなってしまうからです。ヴォロコラムスク附属保護施設は最近になって限定的ではありますが一般にも開放されるようになったことは以前にも投稿しています。しかし、まだまだ簡単に訪問できるところではないわけです。
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シモーナ (Белая медведица Симона/Eisbärin Simona)
(2015年8月19日撮影 於 モスクワ動物園)

モスクワ動物園の本園では現在、ウランゲリとムルマ、そしてシモーナが2014年11月に産んだ雌(メス)のスネジンカ(間もなくハンガリーへ移動予定)が展示されているそうです。ウランゲリとムルマのペアは相性が良くありませんし、ムルマがもう繁殖には難しい26歳という年齢になっているわけで、モスクワ動物園の本園でホッキョクグマの親子を見るチャンスはもうこれから当分はないでしょう。ムルマには期待できないのです。シモーナは札幌のララと同年齢で誕生にはシモーナが1994年11月27日、ララが同じ1994年の11月20日ですので一週間の違いしかないという同年齢のどちらも優れた母親です。
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シモーナ (Белая медведица Симона/Eisbärin Simona)
(2015年8月19日撮影 於 モスクワ動物園)

モスクワ動物園は本格的にホッキョクグマの血統調整に乗り出したのではないでしょうか。つまり「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」の個体数の増加を極力回避しようという意図であるように感じます。そうなるとノヴォシビルスク動物園のロスチクの移動場所の調整は非常に難しくなり、そしてクラーシン(カイ)とゲルダとの間の今後の繁殖にもブレーキがかけられる可能性は否定できないかもしれません。アンデルマとかウスラーダとかシモーナは本当に素晴らしいホッキョクグマたちです。一度でも彼女たちに会うとその後に何度もロシアに出かけていくことになってしまうわけです。しかし彼女たちのあまりの優秀さのために子孫が増えすぎてしまったというのはある意味では皮肉な話です。日本のホッキョクグマ界においても若い個体に「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」は非常に多く、上野動物園が「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」の個体ではなくデアを購入したのは正解でした。今更ながら、さすがに上野だったと思います。
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シモーナ (Белая медведица Симона/Eisbärin Simona)
(2014年9月20日撮影 於 モスクワ動物園)

さて、仮にシモーナが本当に繁殖の場から引退してヴォロコラムスク附属保護施設に留まり続けて本園への帰還がないとすれば、そしてムルマがもうこれ以上の繁殖に成功する見込みが薄い現状では、そして女帝ウスラーダが繁殖の場から完全に引退してしまった現状では、繁殖の現役世代ではいよいよ札幌のララが名実共に世界の雌(メス)のホッキョクグマの頂点に立ったことになるわけです。それは母親としての育児能力の優秀さ、そして育児成功頭数の多さという点においてです。以降札幌に行ってララに会うときは世界最高のホッキョクグマの前で土下座して彼女に挨拶しなければならないでしょう。札幌にお住まいのファンの方々におかれましては、自分に目の前にいるララが世界の頂点のホッキョクグマであるということを自覚していただかなくてはなりません。

冗談はさておき、その今や世界の頂点に立ったララも繁殖の場から引退させてやるという考え方は十分にあるでしょうし、有力な考え方であるとも思います。この件については重いテーマですので、いずれ稿を改めて考えてみたいと思います。世界的にも偉大なる母親たちの世代交代の時期が来ているということです。

(資料)


(過去関連投稿)
(*ヴォロコラムスク附属保護施設関連)
ロシア動物園水族館協会(RAZA)が設立 ~ ロシアでモスクワ動物園の主導的地位が一層強まる
モスクワ動物園で保護された野生孤児ニカに欧州の多くの動物園が重大な関心を抱く
モスクワ動物園 ヴォロコラムスク附属保護施設のアイオンがイジェフスク動物園へ ~ 「新血統」への挑戦
ロシア・イジェフスク動物園のノルドが欧州へ ~ 水面下で始まっている欧露の協力体制の兆候
モスクワ動物園が「国際ホッキョクグマの日」にヴォロコラムスク附属保護施設を希望者に限定公開へ
モスクワ動物園が、今後ロシア国内で誕生の個体はロシア国内と欧州だけで飼育の意向を表明
モスクワ動物園の「国際ホッキョクグマの日」~ ヴォロコラムスク附属保護施設を一般来園者に初公開
モスクワ動物園のアクーロヴァ園長が語る同園のホッキョクグマへの方針 ~ 野生孤児保護の新施設をオープン

(*2012年3月、9月 モスクワ動物園訪問記)
モスクワ動物園の三つ子ちゃん、はじめまして!
三つ子の世話はシモーナお母さんにとっても大仕事 ~ 3頭の性格の違いは?
小雪降るモスクワ動物園 ~ 三つ子ちゃん元気に遊ぶ
モスクワ動物園の三つ子ちゃん、その多彩な表情
みぞれ混りの雪が降り続いたモスクワ動物園 ~ 長時間のお昼寝の後の三つ子ちゃん
シモーナお母さん、その絶頂期の輝きに満ちた母親像
冷雨のモスクワ動物園、ホッキョクグマ一家の情景
モスクワ動物園の三つ子ちゃんの元気一杯の土曜日
シモーナお母さんと三つ子ちゃん,その多彩な表情 ~ 三つ子の撮影の難しさは予想以上だった!
モスクワ動物園の三つ子ちゃんとの半年振りの再会 ~ シモーナお母さん、育児に大奮闘中
シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月20日) のアルバムより ~ 主役たちの魅力
シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月21日) のアルバムより ~ 多彩な表情
シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月22日) のアルバムより ~ 行動の力学
シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月23日) のアルバムより ~ お元気で!

(2015年8月 モスクワ動物園訪問記)
シモーナお母さん、今回も本当に御苦労様です、双子の赤ちゃん初めまして!
モスクワ動物園の双子の赤ちゃんの性別を予想する ~ 「雌(f)/雌(f)」か「雌(f)/雄(m)」か?
シモーナ、偉大なる母のその素顔 ~ より一層洗練され磨きがかかった世界最高の育児技量
モスクワ動物園二日目 ~ 連日の好天の下でのシモーナ親子の日常の姿
モスクワ動物園三日目 ~ 快晴の土曜日のモスクワ動物園に勢揃いした主役たち
ウランゲリ(旭山動物園イワンの父)、その省力化された生活が生み出す持久力のある活躍ぶり
ムルマ(男鹿水族館、豪太の母)、その最後の繁殖を狙おうとするモスクワ動物園
モスクワ動物園四日目 ~ ウランゲリとムルマの相互不干渉の同居
シモーナお母さんと双子の赤ちゃんとの関係
雪ちゃん(仮称)とポリちゃん(仮称)は果たして雌(メス)の双子か? ~ 瓜二つの外見と行動
モスクワ動物園五日目 ~ ムルマ(豪太の母)とウランゲリ(イワンの父)はやはり相性が悪い?
シモーナお母さんと雪ちゃん(仮称)とポリちゃん(仮称)の双子の様子 ~ 今日のアルバムより
(2015年9、10月 モスクワ動物園訪問記)
モスクワ動物園六日目 ~ 一か月後のシモーナ親子の変化を探る
シモーナ(Белая медведица Симона)、偉大なる母親としてのその素顔
ウランゲリ(Белый медведь Врангель)の憂鬱 ~ ムルマとの微妙な関係
ムルマ(Белая медведица Мурма)の置かれた苦境 ~ ウランゲリとの微妙な関係
モスクワ動物園七日目、今日のアルバムより ~ 子供たちの活動とテンポが合うシモーナの優秀さ
モスクワ動物園八日目、今日のアルバムより ~ 秋に見せるホッキョクグマたちの表情
モスクワ動物園九日目、今日のアルバムより ~ 寒風晴天下のホッキョクグマたち、そして驚きの解題
シモーナ(Белая медведица Симона)、その心に染み入るような美しさを放つ母性
by polarbearmaniac | 2017-05-31 06:00 | Polarbearology

オランダ・ヌエネン、「動物帝国」の雌(メス)の双子のニッキーとシモーネの初夏の日

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ニッキーとシモーネの双子 Photo(C)Lennart Tange (flickr)

一昨年2015年の11月にオランダ・ヌエネンの「動物帝国(Dierenrijk)」でフリーマスお母さんから誕生した雌(メス)の双子であるニッキー(Nicky)とシモーネ(Simone)は一歳半になっています。雌(メス)の双子というのは非常に興味深い行動を示しますので多くの映像を見てみたいと思うのですが残念なことにそういったものの数は多くはないようです。しかし地元メディアは初夏となったこの季節においてこの双子にアイスケーキのプレゼントがあったことを報じています。映像を見てみましょう。



氷のケーキの赤身はニンジンとリンゴだったそうです。さて、次の映像ですがニッキーとシモーネはまだ母親への依存度がかなりあるように見えます。途中で父親であるヘンクの姿も映っています。



この双子は将来の繁殖に非常に有望だと思います。「双子姉妹の神話」が成立する雰囲気がプンプンとしてきます。雌(メス)の幼年・若年個体を複数で同居させた場合にその個体の将来の繁殖成功の確率は高くなる.....そういった認識が欧州でなされていることをここ数回の投稿で述べてきましたが、これはホッキョクグマ飼育の実践によって導き出された結果からであって、双子姉妹というのはこういった複数頭同居の個体同士の最も親密な関係が築かれたケースに該当するということです。ですから「双子姉妹の神話」はやはり現実のものとして根拠があるのだという解釈は大いに可能なのです。それからたとえ雌(メス)の幼年・若年個体が一頭であっても母親との同居というのはこの多頭同居のカテゴリーに含まれるのだという理解をすれば、やはりその期間が長ければその雌(メス)の幼年・若年個体が将来繁殖に成功する確率は高くなる....これも成立しそうですね。さて、そうなると日本では上野のデア、札幌のリラ、浜松のモモが最も繁殖の成功が期待できる個体であると言ってもいいのかもしれません。逆に言えば、アイラ、マルル、ポロロ、ミルク、シルカ....こういった個体の繁殖の成功はやや不利かもしれないという解釈も出てくるようにも思います。アイラにはララとの二年目が必要だった、マルルとポロロは引き離してはいけなかった、ミルクはツヨシと十分な時間をかけた同居をさせるべきだった....そういうことなのではないでしょうか。しかしノヴォシビルスク動物園のゲルダなどは生後8ヶ月ほどで母親から引き離されていますが、いとも簡単に繁殖に成功しています。また、札幌のララは母親であるクーニャと一年半過ごしていますが旭川のルルは二年半も母親であるクーニャと同居したにもかかわらず、繁殖に成功したのはララの方です (パートナーの優秀性の問題は脇に置いておきます)。ですから「雌(メス)の多頭同居」の優位性についての安易な一般化には注意も必要であるとは言えるでしょう。

(資料)
Eindhovens Dagblad (May.30 2017 - Zweten voor ijsberen in Dierenrijk in Nuenen)

(過去関連投稿)
オランダ・ヌエネンの「動物帝国」でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ フリーマスお母さん健闘
オランダ・ヌエネンの「動物帝国」で誕生の双子の赤ちゃんの産室内での近況
オランダ・ヌエネンの「動物帝国」の双子の赤ちゃんが生後82日が経過し健康チェックが行われる
オランダ・ヌエネンの「動物帝国」の双子の赤ちゃんの性別はどちらも「雄(オス)」と発表
オランダ・ヌエネンの「動物帝国」の双子の雄の赤ちゃんが遂に戸外へ
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」の雄の双子の赤ちゃんが水に親しみ始める
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」の雄の双子の赤ちゃんの名前がニク(Nick)とシモン(Simon)に決まる
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」の双子の赤ちゃんの雄(オス)の性別判定に重大な疑惑生じる
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」の双子に生じていた性別疑惑に結論 ~ DNA判定で共に雌(メス)
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」のフリーマス親子のエンリッチメントに遂にドローンが登場
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」のフリーマスお母さんとニッキーとシモーネの双子の近況
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」のニッキーとシモーネの雌の双子が満一歳となる
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」の雌(メス)の双子のニッキーとシモーネの近況 ~ 十分ではない情報
by polarbearmaniac | 2017-05-31 01:30 | Polarbearology

オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃんが生後一ヶ月を無事に経過

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産室内のリアお母さんと赤ちゃん Image : Sea World golad Coast

去る4月26日に南半球のオーストラリア・ゴールドコーストで飼育されている16歳のリアが出産した双子の赤ちゃんのうち一頭は死亡してしまったものの残る一頭の赤ちゃんについてですが、生後一か月を無事に通過し、シーワールドでは産室内の様子をモニターカメラで捉えた映像をシーワールドの施設内の数か所でモニター映像を来館者に公開を開始したそうです。その映像の一部を御紹介しておきます。



シーワールドのトレヴァー・ロング氏によれば、母親のリアの母親としての行動は「自信に満ち溢れた ("positive and confident")」ものだそうです。赤ちゃんの体重は推定では誕生時点の二倍となっているだろうとも語っています。次の新しいステージとしては眼を開いた赤ちゃんが二週間ほどは視界に映るものを反射的に注視する視覚定位行動(visual orientation)を行うという点に移行することと考えているそうです。シーワールドではこの赤ちゃんに関して確認ができた重要な出来事(milestone)として以下を挙げています。こういう整理の仕方というのは素晴らしいと思います。ホッキョクグマの赤ちゃんの成長について科学的な観点からの記述となっているからです。

・Doubled in size, now weighing an estimated 1kg
・Vocalisations
・Opening its eyes
・Its nose is now developing the trademark black pigment
・Increased strength and mobility
・The development of an undercoat to keep the cub warm
・Drinking and sleeping for longer periods of time

母親のリアはなんといってもあのウスラーダの娘ですから母親としての素質は抜群のものだろうという予想はつきます。このリアお母さん、日本のホッキョクグマとの関係では仙台のラダゴル(カイ)、静岡のピョートル(ロッシー)の姉であり、旭川のイワン、大阪のシルカの叔母にあたるというわけです。

(資料)
Sea World Gold Coast (Polar Bear Cub)
9NEWS.com (May.29 2017 - Polar bear cub doing well at Sea World)
Gold Coast Bulletin (May.28 2017 - Sea World unveils its new attraction allowing visitors to see baby polar bear grow remotely)

(資料)
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドでホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生!
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の双子の赤ちゃんのうち一頭が死亡
by polarbearmaniac | 2017-05-30 14:30 | Polarbearology

デンマーク・オールボー動物園の雌(メス)の二頭の赤ちゃんが生後半年となる ~ 小さなドラマの連続

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Photo(C)Aalborg Zoo

昨年2016年の11月26日にデンマークのオールボー動物園でメーリクお母さんから誕生した二頭の雌(メス)の赤ちゃんは生後半年を経過しています。最近の映像をいくつか見ておくことにしましょう。まず最初の映像ですが、これはこういったもので転げまわって遊ぶのが好きだというのがこの年齢のホッキョクグマだと言ってしまえばそれまでのことですが、しかし見ているとやはりこれは雌(メス)の二頭だということがよくわかります。二頭の体があまり接触しないで互いに同じようなことを喜んで行っているという点です。



次ですが、これはバックヤード(つまり来園者の立場では "behind the scene" とでもいいましょうか)でおやつをもらっている映像です。



次は少し前の映像のようなのですが、飼育員さんがおやつを投げ入れますが二頭の赤ちゃんは昼寝のためかなかなか反応しないもののメーリクお母さんは一頭で投げられたものを得ようとしています。しかし水に入って泳いでまでそれを得ようという気持ちはないようです。やがて赤ちゃんたちもお母さんの行動が気になって近づいてきます。最後にはメーリクお母さんは水に入っておやつを得るわけですが、二頭の赤ちゃんはそれをうらやましそうに見ているというシーンです。



何かそこに小さなドラマを感じるのが雌(メス)の双子と母親の三頭での風景に特有の事のような気がします。雄(オス)の双子ですとイコロとキロルの場合は秋頃からは大きなドラマがあったように思いますが、マルルとポロロの雌(メス)の双子の場合は最初からずっと小さなドラマが連続していたように思い出します。こういったものを観察し、そしてドラマを抽出して描き出していくということが観察者に求められるわけで、そういった視点から言いますと、赤ちゃんはやはり一頭より二頭、二頭より三頭.....そのほうが興味深いと言えます。

(過去関連投稿)
デンマーク・オールボー動物園でホッキョクグマの赤ちゃん(複数)誕生! ~ メーリクが出産
デンマーク・オールボー動物園で誕生の赤ちゃんは三つ子であることが判明!
デンマーク・オールボー動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、最初にして最大の関門を全頭で通過するか
デンマーク・オールボー動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、一頭が最初の関門を突破できず死亡
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、元気に生後三週間が経過
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後40日目へ ~ ライブ映像配信と短時間映像の関係
デンマーク・オールボー動物園で誕生の二頭の赤ちゃんは生後六週間目に入り、取っ組み合いも始める
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後7週間が経過
デンマーク・オールボー動物園で産室内で育児中のメーリクに特別給餌が行われる
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後70日目となる
デンマーク・オールボー動物園の赤ちゃんが遂に姿を見せる ~ 屋外登場を母親の意思に任せた同園
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんがメーリクお母さんと一緒に遂に屋外に登場!
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんへの母親メーリクの厳しい監視の集中力
デンマーク・オールボー動物園のメーリクお母さんと二頭の赤ちゃんの姿 ~ 注目すべき同園での性別判定
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんの性別はいずれも雌(メス)と発表
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんが大きなプールのある飼育展示場に登場
デンマーク・オールボー動物園の二頭の雌(メス)の赤ちゃんたちが遂に泳ぎ始める
デンマーク・オールボー動物園の二頭の雌(メス)の赤ちゃんの健やかな成長
by polarbearmaniac | 2017-05-29 23:30 | Polarbearology

アメリカ・オレゴン動物園を去るノーラへの人々の反応 ~ 移動の必要性を理解・納得した地元ファン

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ノーラ Photo(C)Oregon Zoo

アメリカ・オハイオ州のトレド動物園のホープとオレゴン州のオレゴン動物園のノーラというどちらも一歳半の雌(メス)の幼年個体二頭が秋にユタ州のホーグル動物園に移動することになったニュースはすでに投稿しています。特にオレゴン動物園のノーラは昨年9月にコロンバス動物園からオレゴン動物園に移動してきたわけで地元ポートランドでは大変な人気となったものの、来園後に一年も経過せずに他園に移動することになったニュースについて地元のポートランドではSNSなどでいくつかの意見が出ています。まず、オレゴン動物園でのノーラの様子を見ておきましょう。



やはりこのノーラを見ていますと人工哺育で育てられた個体特有の、人間に対する関心の深さというものが見て取れます。続いて地元ポートランドのニュースです。





ノーラがポートランドを去ることについてはやはり何人ものファンが非常に悲しい思いを語っていることはよくわかるのですが、ノーラには遊び友達が必要であるという事実を多くの人々は受け入れて明るく彼女を送り出そうという感想のほうがずっと多いように思いました。日本ではとかくウェットな話になりがちなのですが、やはりアメリカでは物事をロジックで納得すれば不満を漏らす人は少なくなるというのが顕著な傾向のようです。ただし同じアメリカでも以前にカンザスシティーからニキータが移動する際には地元ファンは「往生際」が悪かったといいますか、全く感心できない態度を示したという悪い事例もあったわけです。上にご紹介した地元ポートランドのTVニュースでは何故ノーラが移動しなければならないのかについてその理由がきちんと述べられているのには感心します。

私はこのノーラの映像を見ているとやはり彼女の運命を気の毒に感じます。人工哺育となった経緯はいたしかたのないことでしたが、諸々の理由で生後10ヶ月ほどで環境の良かったコロンバス動物園からオレゴン動物園に移動させられ、そしてまた秋に他園に移動するということになるわけですが、人工哺育された個体にありがちな人間への関心の強さによって映像などでは逆に見栄えのする姿を見せてくれるといった形になっています。彼女の生まれたコロンバス動物園では三頭もの赤ちゃんが誕生したため人々の関心はそちらの方に映ってしまっており、人工哺育されたが故の一種の「哀しさ」というものをノーラに感じてしまいます。

ともかく今年の夏はノーラはまだオレゴン動物園に留まっていますので、その可愛らしい姿をポートランドの人々は存分に楽しめるでしょう。しかし彼女の現在の様子を見ていますと非常に心配に感じるのは事実です。遊び方は自由奔放で野放図なほどであり来園者は大いにその姿を楽しむわけですが、こういった彼女の行動は一刻も早く他の個体と同居させて抑制してやるのがやはりノーラのためには必要であることを痛感します。"Socialize with another polar bear" つまり「適応化(Socialization)」が必要だということです。

(資料)
KGW.com (May.24 2017 - Nora the polar bear leaving the Oregon Zoo)
KATU2 (May.25 2017 - Oregon Zoo's beloved polar bear Nora will be leaving for Utah this fall)

(過去関連投稿)
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ オーロラが待望の出産
アメリカ・コンロバス動物園のオーロラお母さん、赤ちゃんの育児を突然止める ~ 人工哺育へ
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後25日となる
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後5週間が無事に経過
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後7週間が無事に経過
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園で人工哺育の赤ちゃんの成長と舞台裏を紹介した映像が公開
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園で人工哺育の雌の赤ちゃんの名前選考の投票が開始
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の雌の赤ちゃんが生後89日を無事経過
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の雌の赤ちゃんの名前が "ノーラ (Nora)" に決まる
アメリカ・コロンバス動物園、ノーラの「国際ホッキョクグマの日」 ~ 一般公開開始に慎重な同園
アメリカ・コロンバス動物園の人工哺育の赤ちゃん、ノーラの近況 ~ 「適応化」を意識した飼育プログラム
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の雌の赤ちゃんノーラが遂に一般公開となる
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の人工哺育の赤ちゃん、ノーラが生後半年となる
アメリカ・コロンバス動物園のノーラの展示時間延長に慎重な同園 ~ 父親ナヌークへの期待と配慮が理由か
アメリカ・コロンバス動物園のノーラの「出漁」
アメリカ・コロンバス動物園のノーラ、発疹の症状から回復 ~ ホッキョクグマファンには世界は狭い
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園のノーラが国務省の「北極地域特別代表」の訪問を受ける
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園のノーラが生後九ヶ月となる ~ "An independent bear"
アメリカ・コロンバス動物園のノーラがポートランドのオレゴン動物園へ ~ その背景を読み解く
アメリカ・コロンバス動物園、「遅咲き」の28歳の雄のナヌークに最後の栄光は輝くか?
アメリカ・コロンバス動物園のノーラの同園での展示最終日に多くの来園者がノーラとの別れを惜しむ
アメリカ・コロンバス動物園のノーラが西海岸・ポートランドのオレゴン動物園に無事到着
アメリカ・オレゴン州ポートランドのオレゴン動物園に到着して検疫期間中のノーラの近況
アメリカ・ポートランド、オレゴン動物園のノーラとコロンバス動物園の担当飼育員さんの別れ
アメリカ・オレゴン動物園のノーラの来園を歓迎しない地元ポートランド市民の意見 ~ So what ?
アメリカ・オレゴン動物園で検疫期間中のノーラの最近の様子
アメリカ・ポートランド、オレゴン動物園で検疫期間中のノーラの近況
アメリカ・オレゴン動物園でノーラとタサルの同居開始準備のため二頭の初対面が行われる
アメリカ・オレゴン動物園のノーラが満一歳となる
アメリカ・ポートランド、オレゴン動物園のノーラの近況 ~ 今週末にも一般公開開始の予定
アメリカ・ポートランド、オレゴン動物園のノーラが初雪を楽しむ ~ 相手役を求めAZAと交渉の同園
アメリカ・ポートランド、オレゴン動物園のノーラ ~ 野放図な遊び好きの性格に潜む危うさ
アメリカ・オレゴン州ポートランド、オレゴン動物園が降雪の影響で閉園となった日のノーラの姿
アメリカ・オレゴン動物園のノーラの自由奔放さ ~ 彼女の遊び友達を探す同園とAZA
アメリカ・オレゴン動物園のノーラの近況 ~ 「適応化(socialization)」とエンリッチメントとの関係
アメリカ・オレゴン動物園のノーラの近況 ~ 「遊び友達」の導入に苦戦するオレゴン動物園とAZA
アメリカ・トレド動物園のホープ、及びオレゴン動物園のノーラが共にソルトレイクシティのホーグル動物園へ
by polarbearmaniac | 2017-05-28 23:50 | Polarbearology

ロシア・ペルミ動物園でセリクとユムカ(ミルカ)が後見役のアンデルマの影響からの独立を指向へ

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セリクとユムカ(ミルカ) 
Photo(C)Пермский зоопарк/Екатерина Мельникова

ロシア・ウラル地方にあるペルミ動物園といえば姫路のホクトや白浜のゴーゴが生まれた動物園であり、この二頭の母親であるアンデルマが余生を送っている動物園です。このアンデルマ(生年不詳)は世界のホッキョクグマ界では別格と言えるほどの偉大な存在であり、彼女について多くの投稿を行ってきましたし私自身も数回の訪問でレポートも投稿しています。日本のホッキョクグマファンのうち数人の方々も実際にこの動物園に行ってアンデルマに会われていることを私も知っています。アンデルマに実際に会うということは特別の体験であり私は同好の方々にもなるたけ多く彼女に会ってほしいと願っているわけですが、いかんせんロシアの地方都市の動物園ですので何が何でもとまでは申し上げられません。
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セリクとユムカ(ミルカ) 
Photo(C)Пермский зоопарк/Екатерина Мельникова

このアンデルマの他には野生孤児出身の4歳の雄(オス)のセリクとカザン市動物園生まれの4歳の雌(メス)のユムカ(ミルカ)が飼育されており、この二頭は繁殖上のペアを形成してこれからのペルミ動物園を支えていくホッキョクグマたちです。そしてこの若い二頭の後見役を勤めているのがアンデルマなのです。ペルミの地元の最新の報道では興味ある内容が述べられています。それは、セリクが非常に逞しくなり、そして活動量も増えてきたため、ペルミ動物園のホッキョクグマたちのリーダー格にセリクはなりつつあるという内容です。
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セリクとユムカ(ミルカ) 
Photo(C)Пермский зоопарк/Екатерина Мельникова

セリクのパートナーとなる彼と同年齢の4歳の雌(メス)のユムカ(ミルカ)は性格的に非常に気が強いことは私は彼女にカザン市動物園で会ったときから気が付いていましたが、そのユムカ(ミルカ)はペルミ動物園に移動してきた後のしばらくの間はセリクを圧倒していたものの、最近になってセリクの性格が積極的になたっために以前とは逆にセリクがユムカ(ミルカ)に対して強い地位を築いているのを私は2015年の夏に見ていますが、今回の地元メディアの報道ではセリクはアンデルマをも圧倒する立場になっているようです。アンデルマもそろそろ後見役という立場を十分果たしたようですのでセリクやユムカ(ミルカ)を適当にあしらっているようですが、時々唸り声をあげて警告を行うそうです。セリクもユムカ(ユムカ)も成長してきたということですね。そういった状況は近々現地で見てこようと思っています。ペルミ動物園ではホッキョクグマたちのおもちゃなどに利用するプラスチック製品などの入手に苦労しているそうですから、できれば何かそういったものを日本から持って行ってやりたいとも考えています。
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新ペルミ動物園の正面口完成予定図
Photo(C)пресс-службы администрации Пермского края

さて、ここでペルミで計画されている新動物園の建設に関してです。現在のペルミ動物園の敷地は隣接した教会の墓地だった場所でありスターリン時代に強制的に教会から接収されたものです。そういった場所に動物園が開園したわけですから、ソ連の崩壊と共に土地の返還を行うという話が出てきたわけですが、ペルミ市による移設先の土地の確保や建設計画の立案に非常に時間がかかり、また移設先の土地の森林を伐採する必要から環境保護の面でもいろいろとクリアすべき問題が次から次へと生じてきたわけでしょた。しかしとうとうその建設工事は今年の春から開始されたわけです。建設工事は計画に沿って急ピッチで進められることになり、2018年3月に完成するとのことです。これに関する地元のTVニュースをご紹介しておきます。最初に映っているのは現在のペルミ動物園であり、ホッキョクグマではセリクとユムカ(ミルカ)の姿も見ることができます。



現在のペルミ動物園は2ヘクタールですが移動先の新動物園では25ヘクタールとなるそうです。ペルミ動物園が特に力を入れているのはホッキョクグマの飼育展示場で、プールを大きなものにしてやるという計画で建設が行われているそうです。今までの狭い敷地では果たせなかったゾウの複数頭の飼育が大きな目玉となるそうです。

(資料)
Т7-Информ (May.16 2017 - Новый зоопарк: от глянцевых макетов - к реальному строительству)
Комсомольская правда в Перми (May.26 2017 - Белый медведь в Пермском зоопарке борется за власть с «женой» и «бабушкой»)
Pro Город Пермь (May.27 2017 - Зоопарк опубликовал фото игр и потасовок белых медведей) (Apr.4 2017 - Дождались! В Перми началось строительство нового зоопарка)
МК в Перми (May.23 2017 - Строительство Пермского зоопарка будет ускорено)

(過去関連投稿)
*ユムカとセリク
ロシア・ペルミ動物園におけるセリクとユムカの近況 ~ テルペイがロストフ動物園に移動か?
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by polarbearmaniac | 2017-05-27 23:50 | Polarbearology

ズーパラダイス八木山の二日目 ~ マイペースのホッキョクグマたち

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今日もズーパラダイス八木山にやってきた。天候は良くなく、5月の今頃としては気温が低い。ホッキョクグマたちにとってはありがたい話だろう。
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左からナナ、ポーラ、ラダゴル(カイ)である。
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今回はナナの水遊びのシーンがよく見られる。
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元気な証拠だからありがたいことだ。
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32歳とは思えないほど颯爽とした姿である。
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ラダゴル(カイ)は今日もマイペースの暮らしだ。
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ポーラはやや押され気味のようだ。
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ポーラを睨むラダゴル(カイ)。
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ポーラは圧倒されてしまっている。
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かくしてラダゴル(カイ)は飼育展示場を自分の領域として優位性を確立するようになったのだ。
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ナナの元気な姿を見るほどありがたい話はないのである。

一休みするナナ (Nana the 32 years old Polar Bear has a pleasure of taking a rest, at Zoo Paradise Yagiyama, Sendai, Japan, on May 26 2017.)


ナナの表情の変化 (Nana the 32 years old Polar Bear's facial expressions, at Zoo Paradise Yagiyama, Sendai, Japan, on May.26 2017.)
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ラダゴル(カイ)を見つめるナナ(奥)。
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ナナにはこれからも是非、元気でいてほしい。


ホッキョウグマたちの午後 (One lazy afternoon of the polar bears at Zoo Paradise Yagiyama, Sendai, Japan. on May.26 2017.)

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悠々とした昼寝が大好きなラダゴル(カイ)。


昼寝眼のラダゴル(カイ) (Ladogor (Kai) the Polar Bear likes to sleep in the afternoon, at Zoo Paradise Yagiyama, Sendai, Japan on May.26 2017.)

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ポーラはややラダゴル(カイ)の視線を気にしながらの昼寝となる。

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ラダゴル(カイ)。
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ポーラ。
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ナナ。
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三頭の素晴らしいホッキョクグマたちが揃ったズーパラダイス八木山である。今回も大いに堪能できた。
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Nikon D5500
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
Panasonic HC-W870M
(May.25 2017 @仙台・ズーパラダイス八木山)
by polarbearmaniac | 2017-05-26 23:50 | しろくま紀行

ズーパラダイス八木山のホッキョクグマたち ~ 欧州・カナダ・ロシアのホッキョクグマ界の縮図を体験

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ラダゴル(カイ)とポーラとの関係はどうなっているのか? そういった問題意識を持って今日一日この二頭を見ていた。以前と比較するとポーラ(奥)がラダゴル(カイ)(手前)の顔色を窺うようになってきたのである。
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ラダゴル(カイ)(手前)は自分がそうされて当然という態度を示すようになっている。
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ポーラ(手前)はもう、かつてのようにラダゴル(カイ)(奥)に対して軽薄な態度はとれなくなったのだ。
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ラダゴル(カイ)は威厳を増したのである。以下の映像だが冒頭はラダゴル(カイ)がポーラに対して「そこをどけ」と態度で示している。ポーラは譲らざるを得ない。その後もラダゴル(カイ)は空間を支配し続けている。


ラダゴル(カイ)とポーラの一日 (Ladogor/Kai and Paula the Polar Bears live together, giving an inch to each other, at Zoo Paradise Yagiyama, Sendai, Japan, on May.25 2017.)


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ただし、ポーラも精神的に成長を遂げてきた。収まるべきところに収まるホッキョクグマに変身してきたようだ。
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だからラダゴル(カイ)のほうも譲るべきところは譲るのである。
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ナナは32歳とは思えないほど若々しい。
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ナナ(奥)はこちら側のメインの飼育展示場の様子は見えるのだろうか?
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ラダゴル(カイ)とポーラの若いペアばかりに気を取られていてはならない。この動物園においてナナの存在は大きく、そして貴重である。そしてズーパラダイス八木山(八木山動物公園)の三頭のホッキョクグマたちは実に個性的である。
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この「ズーパラダイス」という用語はほとんど意味をなしていないように思われる。"Zoo" は "zoologia" という 16世紀以降の近代ラテン語が中世英語に取り込まれたものが語源だが "paradise" は古代ギリシャ語の " paradeisos" が語源である。だから実は結合しにくい組み合わせなのだ。なんでもくっつければよいというものではない。こういったことはセンスが問われるのである。言語感覚に優れた人ならばあまりやらない造語である。しかしそれはさておき、この動物園のホッキョクグマ三頭は飼育は充実している。この三頭のホッキョクグマたちのそれぞれの母親たちが素晴らしいからであろう。ラダゴル(カイ)はロシアから、ポーラは欧州から、そしてナナはカナダからと、世界の主要なホッキョクグマ界の縮図を見るような気持ちになる。ずっしりとした手応えのあるホッキョクグマ体験ができるのがこの動物園の素晴らしさだ。
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Nikon D5500
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
Panasonic HC-W870M
(May.25 2017 @仙台・ズーパラダイス八木山)
by polarbearmaniac | 2017-05-25 23:50 | しろくま紀行

ポーラに迫りつつある正念場 ~ パートナーに増した威厳によって生じた行動の変化は好機?

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ポーラ (Белая медведица Паула / Eisbärin Paula)

ラダゴル(カイ)と同じ12歳のポーラである。彼女は2004年12月5日にセルビアのパリッチ動物園 (Palić zoo) で生まれている。ファンは大きな声に出しては言わないが、内心彼女に非常に期待をかけていることは間違いないと思われる。
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ズーパラダイス八木山(八木山動物公園)は解説文などで彼女の名前を "Pola" と綴っている。彼女の名前は公募で "Polar Bear" に由来する名前としてポーラとなったからのようである。ところが同園は国際血統登録台帳に彼女の名前を追加情報登録した際にその綴りをどういうわけか "Pola ではなく "Pora" として登録したのだ。多分これはロストック動物園に彼女の日本での名前を報告する際に"ポーラ" をローマ字で "Pora" としたからだろう。しかしポーラというからには、欧米では "Paula" が普通の綴りであるから私は彼女の名前は "Paula" を用いている。その方が正しいと考えるからである。
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このポーラは姫路市立動物園のユキと姉妹の関係である。ポーラとユキの母親は現在ハンガリーのソスト動物園に暮らしているシンバである。シンバについては過去関連投稿を御参照いただきたい。ポーラとユキの父親である故ビョルン・ハインリヒは鹿児島の故ホクトの兄である。このビョルン・ハインリヒは人工哺育で育てられたが、雄(オス)については人工哺育されたことが繁殖にマイナスになるということはないというのが定説である。

ポーラのおもちゃ遊び (Paula the Polar Bear enjoys herself with a plastic toy at Zoo Paradise Yagiyama, Sendai, Japan, on May.25 2017.)
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このポーラの繁殖能力については私は単純に、そして楽観的に考えている。何故ならポーラの姉であるユキは繁殖能力が証明されているからである。だから妹のポーラも繁殖能力は備わっているだろうというのが理由である。こういったことはあまりあくせく考えてもしょうがない。
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しかし仮にこのポーラは育児は行わなくても、そろそろ出産だけはしてもらいたいと願っている。実際は出産はしているもののその事実が発表されていない事例というのは世界の動物園ではいくつもあるわけで、このズーパラダイス八木山(八木山動物公園)も実はそういったケースではないかということを憶測できる要素が存在しているようにも思う(一般的にこういうことに関しては飼育員さんは口を割らないが)。ただしかし出産してもポーラが育児を行わない限りそれは繁殖の成功とは言えない。こういったことは難しいものである。


ポーラのプロフィール (Paula the Polar Bear has got it all right, at Zoo Paradise Yagiyama, Sendai, Japan, on May.25 2017.)

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上の写真は左側がナナ、右側がポーラである。ポーラにはナナが果たせなかったことをどうしても実現してほしいと思う。
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そのためのはまず、育児に成功しなくとも少なくとも出産したという段階まではここ1~2年の間にどうしても到達してほしい。
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私の今日見ていたところではポーラは以前と比較するとかなり変わってきたと思う。ラダゴル(カイ)の威厳に押されてポーラは行動がかなり抑制的になっている。これは良いシグナルだと私は感じている。
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雌(メス)がこういう状況になってきたときに出産後の本能的な育児開始への母性が発揮されてくる例がある。要するに雌(メス)の個体の通常時における行動の変化が周囲の状況によってもたらされたという場合である。
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だからここ1~2年はポーラにとってまさに正念場である。
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幸運を祈りたい。

Nikon D5500
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
Panasonic HC-W870M
(May.25 2017 @仙台・ズーパラダイス八木山)

(過去関連投稿)
(*シンバ関連)
25年前の東ドイツにいた「もう一頭のクヌート」 ~ ユキ(姫路)とポーラ(仙台)の父親の物語
セルビア・パリッチ動物園のビョルン・ハインリヒ死す ~ ユキ(姫路〕 とポーラ(仙台) の父親の訃報
セルビア・パリッチ動物園のシンバ (姫路のユキ、仙台のポーラの母) がハンガリーのソスト動物園へ
ハンガリー、ニーレジハーザのソスト動物園の28歳のシンバと36歳のオーテクの老境に咲く満開の花
ハンガリー・ニーレジハーザのソスト動物園、シンバ (姫路のユキ、仙台のポーラの母) の夏の日
ハンガリー・ニーレジハーザ、ソスト動物園のシンバ (姫路のユキ、仙台のポーラの母) の近況
ハンガリー・ニーレジハーザ、ソスト動物園でのフィーテの冬の日 ~ 三十歳のシンバとの同居
by polarbearmaniac | 2017-05-25 23:30 | しろくま紀行

ラダゴル(カイ)に備わってきた威厳 ~ 飼育展示場の空間的支配力を完全に確立

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ラダゴル(カイ)(Белый медведь Ладогор/Eisbär Ladogor)

世界最高の雌(メス)のホッキョクグマという高い評価を持つレニングラード動物園のウスラーダの息子である現在12歳のラダゴル(カイ)である。彼は日本でカイと命名されているがノヴォシビルスク動物園のクラーシンもカイという名前が通名になっていてこの二頭は紛らわしいので仙台のこのカイについては彼がロシア時代に付けられた国際血統登録上の名前であるラダゴル(Ладогор / Ladogor)を用いることにしたい。彼が何故ラダゴルと命名されたかについては「カイ (仙台・八木山動物公園 / ロシア名:ラダゴル) とウスラーダお母さんの物語」を御参照頂きたい。ロシア語の発音では “ラダール” と「ゴ」にアクセントをつける。
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このラダゴル(カイ)は端正な容姿を持つホッキョクグマである。ウスラーダの数ある息子たちの中で容姿としては最高であると私は思っている。娘たちの中で最高なのはシモーナ(モスクワ動物園)だろう。
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このラダゴル(カイ)とシモーナには共通点がある。それはウスラーダの子供達の中では性格的に非常に温和であるということである。それには理由がある。ラダゴル(カイ)もシモーナも母親であるウスラーダと共に過ごした期間が非常に長かったのである。そのことがこの二頭の性格形成に大きく作用したことは間違いないと思われる。
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私の以前の経験では、このラダゴル(カイ)はパートナーであるポーラからさまざまな悪戯やちょっかいなどを受けていた。しかしそれに対して動ずることもなく適当にあしらってきたのである。器の大きさが彼の特徴である。
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ところが今回見たラダゴル(カイ)は飼育展示場の全てを完全に支配して超越的な存在として君臨するようになっていた。
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彼には真の貫禄が付いたということなのだ。そういった彼に対してポーラは気後れし、そして彼女は趣味の悪い悪戯をやめたように感じられる。


ラダゴル(カイ)とポーラ (Ladogor/Kai and Paula the Polar Bears have a time of their own, at Zoo Paradise Yagiyama, Sendai, Japan, on May.25 2017.)

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このラダゴル(カイ)はもともと常同行動をしないホッキョクグマである。少なくとも私は彼のそういう行動を一度も見たことがない。こういったホッキョクグマは珍しいだろう。
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あとは繁殖の成功を待つばかりである。ズーパラダイス八木山(八木山動物公園)の担当者の方の担っている責任は重いと思う。このラダゴル(カイ)ほどの素晴らしい若年個体を有して繁殖に成功しないとなれば日本のホッキョクグマ界の将来は暗黒である。
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上の写真で右がラダゴル(カイ)、左がナナである。あの偉大な故デビーの娘であるナナが繁殖には成功せず、そしてまた当代最高のホッキョクグマであるウスラーダの息子のラダゴル(カイ)が繁殖の成功に寄与できないとなれば理不尽な話である。
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ラダゴル(カイ)は素晴らしいホッキョクグマになったものである。だからこそ、より一層の高みにまで登ってほしいのである。

Nikon D5500
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
Panasonic HC-W870M
(May.25 2017 @仙台・ズーパラダイス八木山)

(過去関連投稿)
(*ウスラーダとラダゴル - カイ関連)
仙台・八木山動物公園のカイのロシア時代の写真
ウスラーダお母さんの10番目の子供、カイ (八木山動物公園 / ロシア名 : ラダゴル )のロシア時代の姿
ロシアのマスコミ、カイ(仙台)とロッシー(静岡)の地震・津波からの無事を大きく報じる
カイ (仙台・八木山動物公園 / ロシア名:ラダゴル) とウスラーダお母さんの物語
カイの素顔 ~ 「黄金の中庸(Aurea Mediocritas)」 としての存在、そして将来の可能性
初夏の日のカイ (ラダゴル) ~ 女帝ウスラーダが手塩にかけて育てた「正統派ホッキョクグマ」
by polarbearmaniac | 2017-05-25 23:10 | しろくま紀行

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