街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・ペンザ動物園のベルィの「帰宅拒否」のエピソード ~ ロシア地方都市の素朴な報道

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ベルィ Photo(C)Пензенский Зоопарк

ロシア・ヴォルガ河流域の都市であるペンザの動物園で飼育されている野生孤児出身の6歳の雄(オス)のホッキョクグマであるベルィは昨年暮れにようやく完成した新飼育展示場に移動したわけで、同園としてはここ数年にわたって懸案であった園内整備事業がどうにか一定の成果をもたらせたことに胸をなで下ろしています。残された問題はベルィのパートナー探しなのですが、これはかなり難航している模様です。
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さて、狭い檻であった仮の飼育展示場からプールの完備された新しい飼育展示場に移ったベルィは今までよりも格段に環境の良くなったこの場所を大いに気に入り、夜になっても室内に戻らず飼育展示場に居続けるという生活が非常に長く続いていたそうで、同園のスタッフとしては飼育展示場、とりわけプールの清掃作業が全く行えないといった事態になっていました。ベルィの好物を室内に置いて彼を室内に誘導しようとはしたものの彼は必ず片脚を飼育展示場に残して扉が閉じないように用心していたそうです。ペンザ動物園としてはこのベルィの行動に困り果てはしたものの大きな忍耐で何とか彼を室内に誘導しようと試みてきたそうですが先日とうとうその努力が実を結び、とうとう彼を室内に収容することに何とか成功したすです。同園は多くのスタッフが参加して早速飼育展示場、特にプールの製造作業に着手したそうです。水を抜く過程で、以前ベルィのために活魚のプレゼントとしてプールに放したコイが5匹が元気で生きているのが発見されたそうで、そういったコイは園内の池に移されたそうです。
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プールの清掃作業 Photo(C)Пензенский Зоопарк
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水の抜かれたプールに当惑するベルィ Photo(C)Пензенский Зоопарк

清掃作業が終了し、空となったプールに水を入れるには満杯になるまでかなりの時間が必要だということで同園では室内に収容したベルィが再び室外に出られるように扉を開いたために彼は飼育展示場の戻ったもののプールの水が抜かれていることに気が付いて不思議そうな表情をしていたようです。やがてプールの水の水位が上がってくるとベルィは大変に喜んで再び水の中で遊び始めたそうです。
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再び遊び始めたベルィ Photo(C)Пензенский Зоопарк

非常い小さなエピソードなのですがロシアの地方都市の動物園ではこうしたこともメディアの記事となって報道されるわけです。ロシアの地方都市ちうのは娯楽が少ないわけで日本とは異なりそういったロシアの動物園というのは人々の大きな楽しみの一つともなっているわけです。ですから、そこに暮らす動物たちの小さなエピソードに対しても報道がなされるというのはそういったためです。ソ連時代のモスクワ動物園の様子を写真で展示したパネルがモスクワ動物園内に展示されていましたが、それを見るとモスクワ動物園の入り口には入園券を買おうとする人々が長蛇の行列を作っており、そして園内も人で一杯という写真がありました。ソ連時代には休日でも娯楽に出かける場所が非常に少なく、動物園というのは常に来園者で一杯だったということがよくわかる写真でした。現在でも地方都市ではそういったソ連時代の娯楽の少なさというものが残っているということなのです。そしてニュースの乏しい地方都市にあっては動物園の動物たちの小さなエピソードも記事になるというわけです。何かほほえましささえ感じさせる今回の報道の内容だと思います。

(資料)
Пензенский зоопарк (Новости/Jun.20 2017 - Генеральная уборка в вольере белого медведя)
PenzaNews (Jun.23 2017 - В зоопарке Пензы при очистке бассейна белого медведя нашли пять живых карасей)
ПензаИнформ (Jun.23 2017 - В Пензенском зоопарке из бассейна белого медведя выловили 5 карасей)
Наш город сегодня (Пенза и Заречный) (Jun.23 2017 - Пензенцы провели уборку в вольере опаснейшего хищника)
Prо Город Пенза (Jun.23 2017 - В Пензенском зоопарке освежили бассейн белого медведя)
Интерфакс - Россия (Jun.23 2017 - Пять упитанных карасей обнаружили в бассейне белого медведя из пензенского зоопарка во время генеральной уборки)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2017-06-23 23:00 | Polarbearology

ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のウドのおもちゃ調達に苦労する同園 ~ 市民に提供を呼びかけ

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ウド (Белый медведь Уд / Eisbär Ud)
Photo(C)Северский зоопарк

ロシア・西シベリアのセヴェルスク動物園といっても、おそらく日本人で訪問したことのある人はいないと思います。それどころが名前すら知られていない動物園でしょう。僅かに本ブログがホッキョクグマにひっかけて紹介しているといった程度だと思います。そもそもセヴェルスクという都市自体が閉鎖都市であり外国人の訪問は極めて難しいわけです。しかし以前、つまりソ連時代にもたとえばペルミとかイジェフスクといった都市も外国人には閉ざされた街だったわけですが、ソ連崩壊後に訪問が可能となったわけです(イジェフスクの場合は数年経過後だったはずです)。ところがセヴェルスクという都市は依然として閉鎖都市であり今後もそれは変わらないでしょう。何故ならこの都市には核関連施設があるからです。となれば、この街の動物園に暮らすホッキョクグマについてはネットのニュースでその動静を追いかけていく以外に情報を得ることは非常に困難です。そういったこともあって本ブログではこの都市の動物園に暮らす25歳の雄(オス)のホッキョクグマであるウドについてたとえ小さなニュースであっても漏らさずに投稿していくということを方針としています。
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ウド (Белый медведь Уд / Eisbär Ud)
Photo(C)Дмитрий Кандинский / vtomske.ru

以前にも述べましたがロシア(欧州もそうですが)という国ではホッキョクグマのおもちゃとなるような不要となったプラスチック製品は非常に少なくしか日常生活で流通していないのです。そういったものがふんだんに入手できる日本に住む我々には理解できないことです。実はあることから知ったのですが、ノヴォシビルスクにお住まいのシルカファンの方々が立ち上げているSNSサイトは日本のホッキョクグマファンとの非言語的な交流の場になっていますが、それは多くのロシア国内の動物園関係者の方々も注目して時々ご覧になっているようなのです。そのサイトで紹介されている写真や動画はシルカを中心とした日本の動物園で暮らすホッキョクグマたちが色とりどりの多くのおもちゃで遊ぶ姿は、そういったロシアの動物園関係者にとっては一種の驚きであるようです。「何故あんなにたくさんのおもちゃが?」といった感じのようです。そういったものはロシアでは調達が難しいわけです。セヴェルスク動物園の担当者にとってもそれは同じ気持ちのようです。なにしろ日本は大量消費社会になっており工業製品が社会に溢れかえっているほどですので不要となったプラスチックの容器などは、いとも簡単に入手できるわけです。ところがロシア(そして欧州)はそういった社会ではありません。

最新の報道では、セヴェルスク動物園ではホッキョクグマのウドのエンリッチメントのためのおもちゃの提供を市民に呼びかけています。同園の公開した最近のウドの映像を見てみましょう。



上の映像はプールの水の交換の時に撮影されたものだそうで、ウドはそういった時にこのような遊び方を行うそうです。彼はおもちゃ好きでスタッフが苦労して調達してきたおもちゃで非常に熱心に遊ぶようで、たちまち壊してしまうそうです。常に新しいおもちゃを探さねばならない同園のスタッフは市民に対して呼びかけを行い、からそういった不要になった大きなプラスチック容器などの提供を求めています。非常に厳しい飼育環境ではありますがウドは元気に暮らしているようで本当になによりのことです。

(資料)
Северский зоопарк (Jun.21 2017 - Какой чудесный день - какой чудесный пень!)
vtomske.ru (Jun.22 2017 - Северский зоопарк просит посетителей приносить игрушки для белого медведя Уда)

(過去関連投稿)
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ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のウドのニンジンとレタスを給餌の最初に食べる風変わりな嗜好
by polarbearmaniac | 2017-06-22 23:00 | Polarbearology

ロシア・中部シベリアに記録的な最高気温の夏が到来 ~ フェリックスとオーロラの夏の過ごし方

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フェリックスとオーロラ 
Photo(C)Городские новости. Красноярск

ロシアの中部シベリアでは夏の暑さが到来しているそうですが、今年は記録的な気温となっているそうです。特にクラスノヤルスクを中心とした地域はここのところ暑い日が続き、今日21日の最高気温は35~37℃にもなる見通しだそうです。市民は夏の到来そのものは喜んではいるものの、しかし記録的な高温という現実に対応せねばならないわけで、街に出て公園の日陰のある場所で時を過ごしたり、あるいは本来は禁止されている噴水で水に入ったりなどを行う若者も多いようです。ロシアの住宅は暖房はしっかりしていますが冷房は基本的には完備されていませんので、暑くなれば屋外に日陰と風を求めるという場合が多いわけです。そしてアイスクリームというのはロシアの夏には欠かせないものとなっています。そういったクラスノヤルスクの街の人々の様子とクラスノヤルスク動物園に暮らすホッキョクグマ(フェリックスとオーロラ)の様子を現地のTVニュース映像で見てみましょう。このニュース映像は非常によくロシアの真夏の雰囲気を感じさせてくれるものです。



次も本日21日の地元TVニュースの映像ですが、クラスノヤルスク動物園のフェリックスとオーロラの姿が映っています。





次はクラスノヤルスク動物園の公開した映像で、ホッキョクグマたちなどが飼育員さんから冷水を体に放出してもらっている映像です。



以前からロシアの都市の夏期のホッキョクグマたちの様子を映像でご紹介してきましたし私自身も夏のロシアに行ってホッキョクグマたちに何度も会っていますが、意外なほどに彼らは暑さに苦しんでいるといった様子はありません。体の動きが鈍っているといった感じはありません。ただし彼らは夏が好きなのかといえば、やはりそのようには見えないというのも事実です。
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Image : Красноярский зоопарк


(資料)
Первый канал (Jun.21 2017 - Несколько районов Сибири оказались в зоне аномальной жары)
ГТРК Красноярск (Jun.21 2017 - 21 июня станет самым жарким днём за последние 7 лет в Красноярске)
7 канал Красноярск (Jun.21 2017 - Показываем, как красноярцы пережили аномально жаркий день)
НГС.Красноярск (Jun.21 2017 - Медведи красноярского зоопарка спасаются от жары водными процедурами)
Комсомольская правда в Красноярске (Jun.21 2017 - В «Роевом ручье» медведи спасаются от жары, купаясь в бассейне)
Городские новости. Красноярск (Jun.21 2017 - В Красноярском зоопарке медведей развлекают водой)
Столица 24 (Jun.21 2017 - Белые медведи в красноярском зоопарке, спасаясь от жары, обедают прямо в бассейне)
ИА Запад24 (Jun.21 2017 - В красноярском "Роевом ручье" мишки спасаются от жары в бассейне)

(過去関連投稿)
(*オーロラ関連)
ロシア極北・タイミール半島でホッキョクグマの2頭の赤ちゃんを保護!
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ロシア・クラスノヤルスク動物園で暮らすタイミール半島で保護された双子の孤児の名前が決まる
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ロシア・クラスノヤルスク動物園で保護の双子の孤児に別れの時来る ~ オーロラがイジェフスク動物園へ
(*フェリックス関連)
ロシア・クラスノヤルスク動物園の2頭の伊達男たち ~ 華麗なる独身生活を謳歌?
ロシア・クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックス、米大統領選挙でのトランプ氏勝利の予想が的中
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックス、米大統領選挙予想的中のご褒美はトランプケーキ
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックスの季節外れの誕生会 ~ 2006年5月のフェリックスの物語
(*フェリックスとオーロラ関係)
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の野生出身の新ペアの繁殖への期待 ~ 日本は果実を狙え
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の「プール開き」 ~ 夏に向けたフェリックスとオーロラの姿
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の野生出身のフェリックスとオーロラのペア形成への準備
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の「国際ホッキョクグマの日」のフェリックスとオーロラの姿
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックスとオーロラの同居開始 ~ 新血統の誕生への大きな期待
ロシア・クラスノヤルスク動物園、野生出身のフェリックスとオーロラが繁殖に向け驀進
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のホッキョクグマたちに欧州の来園者からプレゼント
ロシア・クラスノヤルスク動物園の新飼育展示場計画発表 ~ 欧露の「囲い込み」体制に日本はどう対応するか
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックスとオーロラ、来年の繁殖シーズンへの大きな期待
ロシア・クラスノヤルスク動物園でホッキョクグマのバレンタインデーが祝われる ~ 冬期の新しいイベント
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のプール開き ~ フェリックスとオーロラの夏の季節の始まり
by polarbearmaniac | 2017-06-21 18:30 | Polarbearology

アメリカ・フィラデルフィア動物園の36歳のコールディロックスへの朗報 ~ "WINTER at Zoo" の試み

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コールディロックス (Coldilocks the Polar Bear)
Photo(C)Philly.com

アメリカ・ペンシルベニア州のフィラデルフィア動物園で飼育されている36歳の雌(メス)のホッキョクグマであるコールディロックスは全米最高齢のホッキョクグマです。彼女が非常に大事に飼育されている様子はいくつかの記事でも明らかです。そのコールディロックスにとって今年の夏は朗報が舞い込んできたようです。フィラデルフィア動物園では6月17日から8月20日までの夏期期間中に "WINTER at Philadelphia Zoo" と銘打ってホッキョクグマなど寒冷地を生息地とする動物たちの飼育展示場などに大量の人工雪を運び入れ、そして常に雪が存在しているよいう状態を維持することによって子供たちに対して動物の生態と雪との関係について理解を深めてもらおうという試みを始めたそうです。また、そういった雪は園内の各所にも運び入れられ、来園者が暑さ凌ぎに動物園を訪れてもらうことも目的の一つとしているそうです。これに関する宣伝映像をご紹介しておきます。





手始めとしてまずコールディロックスに雪のプレゼントが始まったようで、その映像が公開されていますので見てみましょう。まだ現在は雪の量もそう多くは入れられていないようですね、



ホッキョクグマだから夏には氷や雪のプレゼントに大喜びするというのはステレオタイプ的な発想であることは間違いありません。少なくとも「大喜び」まではしないというのが経験上でもわかります。ですから夏に飼育下のホッキョクグマに氷や雪のプレゼントを行うというのは人間の側の自己満足である場合が多いわけなのですが、少なくとも飼育下のホッキョクグマたちは大喜びまではしないものの氷や雪が嫌いではないことは間違いありません。ですから、彼らにそういったものを与えるのは決して無駄ではないということだけは言えるでしょう。

このコールディロックスは飼育下で誕生したホッキョクグマですので誕生日がはっきりしているわけです。ペルミ動物園のアンデルマよりは少なくとも一歳年上(あるいは三歳年上)であることは明らかです。とにかく彼女には是非とも元気な長寿を期待したいと思います。

(資料)
Philadelphia Zoo (WINTER at Philadelphia Zoo)
Philly.com (Jun.15 2017 - New exhibit brings snow to the zoo starting Saturday)

(過去関連投稿)
アメリカ・フィラデルフィア動物園の34歳のクロンダイクが亡くなる ~ 全米最高齢のホッキョクグマの死
アメリカ・サンフランシスコ動物園のウウル(推定35歳)の健康維持に細心の配慮を行う同園
アメリカ・サンフランシスコ動物園のウウルに10トンの雪のプレゼント ~ 「全米最高齢」のホッキョクグマ
アメリカ・フィラデルフィア動物園のコールディロックスが元気に35歳となる ~ 全米最高齢のホッキョクグマ
アメリカ・フィラデルフィア動物園のコールディロックスが36歳となる ~ 全米最高齢のホッキョクグマ
by polarbearmaniac | 2017-06-20 23:50 | Polarbearology

デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんの名前が "ヌカ(Nuka)" と "キラク(Qilaq)" に決まる

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ヌカ(Nuka)とキラク (Qilaq) Image : TV2 NORD

昨年2016年の11月26日にデンマークのオールボー動物園でメーリクお母さんから誕生した二頭の雌(メス)の赤ちゃんの命名については地元のTV局のfacebook上で投票が行われてきましたが昨日に締切となり、その名前が決定しました。「ヌカ (Nuka)」と「キラク (Qilaq)」となったそうです。これを報じる現地のTVニュースを見てみましょう。



ヌカというのは小さな姉妹、キラクというのは天空を意味するグリーンランド語だそうです。飼育員さんからおやつをもらっているこの親子の様子を見てみましょう。



飼育員さんの持っているおやつに興味津々というわけです。貴重な雌(メス)の二頭ですし、これからの成長が楽しみです。

(資料)
TV2 Nord (Jun.19 2017 - Nordjyderne har stemt: Her er isbjørneungernes navne)



(過去関連投稿)
デンマーク・オールボー動物園でホッキョクグマの赤ちゃん(複数)誕生! ~ メーリクが出産
デンマーク・オールボー動物園で誕生の赤ちゃんは三つ子であることが判明!
デンマーク・オールボー動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、最初にして最大の関門を全頭で通過するか
デンマーク・オールボー動物園で誕生の三つ子の赤ちゃん、一頭が最初の関門を突破できず死亡
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、元気に生後三週間が経過
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後40日目へ ~ ライブ映像配信と短時間映像の関係
デンマーク・オールボー動物園で誕生の二頭の赤ちゃんは生後六週間目に入り、取っ組み合いも始める
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後7週間が経過
デンマーク・オールボー動物園で産室内で育児中のメーリクに特別給餌が行われる
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃん、生後70日目となる
デンマーク・オールボー動物園の赤ちゃんが遂に姿を見せる ~ 屋外登場を母親の意思に任せた同園
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんがメーリクお母さんと一緒に遂に屋外に登場!
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんへの母親メーリクの厳しい監視の集中力
デンマーク・オールボー動物園のメーリクお母さんと二頭の赤ちゃんの姿 ~ 注目すべき同園での性別判定
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんの性別はいずれも雌(メス)と発表
デンマーク・オールボー動物園の二頭の赤ちゃんが大きなプールのある飼育展示場に登場
デンマーク・オールボー動物園の二頭の雌(メス)の赤ちゃんたちが遂に泳ぎ始める
デンマーク・オールボー動物園の二頭の雌(メス)の赤ちゃんの健やかな成長
デンマーク・オールボー動物園の雌(メス)の二頭の赤ちゃんが生後半年となる ~ 小さなドラマの連続
デンマーク・オールボー動物園で誕生の二頭の雌(メス)の赤ちゃんの命名投票が始まる
by polarbearmaniac | 2017-06-19 22:00 | Polarbearology

オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドの赤ちゃんが産室内で第一歩を踏み出す

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Image : Sea World Gold Coast

今年の4月26日にオーストラリア・クイーンスランド州のゴールドコーストにあるシーワールドで16歳のリアお母さんが産んだ赤ちゃんですが間もなく生後二ヶ月になろうとしています。この赤ちゃんが産室内でなんとが立ち上がって歩き始めた様子が映像で公開されましたのでご紹介しておきましょう。



産室内のモニター映像はリアルタイムでシーワールドの館内で一般に公開されているそうです。それからシーワールドの飼育部門の責任者であるトレヴァー・ロング氏はおもしろいことを言っているのですが、この赤ちゃんは90%の確率で雌(メス)ではないかと思っているそうです。その具体的根拠は明言していないのですが産室内の映像でそういう予想をしているそうです。まあこれは憶測に毛の生えたようなものだと理解しておいたほうがよいでしょう。ホッキョクグマの赤ちゃんの性別判定には過去いくつもの動物園が苦渋を舐めてきたという歴史があるわけです。DNA判定すら間違えていたなどというケースすらあるほどなのですから、現在の段階で勝手にいろいろと予想してみるのはファンの特権ではあっても、飼育責任者という立場の人がこういった段階で性別云々について思わせぶりな発言を行うのはもっと慎重さと謙虚さが必要でしょう。今回の件におけるTVニュースを御紹介しておきます。トレヴァー・ロング氏がインタビューの答えていますが、やはり明確な根拠に触れずにこの赤ちゃんは雌(メス)であるというかなり強い確信を持っている様子です。



(資料)
Gold Coast Bulletin (Jun.16 2017 - Sea World polar bear cub takes first wobbly steps)
9news.com.au (Jun.16 2017 - Sea World polar bear cub takes first steps)

(過去関連投稿)
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドでホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生!
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の双子の赤ちゃんのうち一頭が死亡
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃんが生後一ヶ月を無事に経過
by polarbearmaniac | 2017-06-19 20:30 | Polarbearology

モスクワ動物園・ヴォロコラムスク付属保護施設の野生孤児出身のニカの近況 ~ 公式予想クマとなる

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ニカ (Белый медвежонок Ника)
Photo(C)RT

昨年2016年の8月にロシア極北チュクチ自治管区のリィルカイピ村の付近で孤児として発見・保護された生後8ヶ月ほどの雌(メス)のホッキョクグマがロシア空軍の協力でモスクワに移送され、モスクワ動物園のヴォロコラムスク附属保護施設で保護・飼育されるようになった件についてはその詳細は全て投稿しています(過去関連投稿参照)。ニカ (Ника)と命名された現在一歳半の幼年個体はモスクワ動物園にとっても希望の星であり、野生出身の彼女はロシアのホッキョクグマ界の血統の遺伝的多様性を維持するためには重要な意味を持っていることは言うまでもありません。とりわけ立ち上げられたばかりのロシア動物園・水族館協会の盟主であるモスクワ動物園がロシア国内ばかりではなく最近は欧州のEAZAとも組んで血統面を最重要視したホッキョクグマの繁殖に邁進していることは言うまでもないわけです。

彼女が暮らしているこのヴォロコラムスク附属保護施設 (Волоколамский питомник московского зоопарка) はモスクワの北西約130キロのところにあり現在日本に暮らすホッキョクグマでは横浜のジャンブイや姫路のホクトも一時期暮らしていた飼育施設です。ごく最近になって限定的に一般公開も開始されてはいますが、まだまだ簡単には訪れることは難しくそこで暮らしているホッキョクグマの動静というものはなかなか外には伝わってきません。この野生孤児出身のニカについても滅多に情報が流れては来ないのですが、今回非常に面白い企画によってこのニカの近況が明らかにされました。

来年2018年にロシアで開催される FIFAワールドカップのプレ大会としてロシアで行われるFIFAコンフェデレーションズカップの結果を予想するということでニカが公式のマスコットとして駆り出されたわけです。これはモスクワ動物園とFIFAとの契約によって行われているそうです。ニカは飼育場でボールを転がせて遊ぶのが大好きだそうで、そういったことでFIFAコンフェデレーションズカップのプロモーションとしても役割を与えられたそうです。まず最近のニカの映像とニカについて語る飼育員さんの話を聞いてみましょう(英語の字幕が入ります)。



そのニカが月曜日に行われるポルトガル vs. メキシコ戦の結果の予想を行っています。



続いて火曜日に行われるドイツ vs. オーストラリア戦の結果の予想です。



同じパターンの映像というのも滑稽は話です。ニカはこうして7月2日まで毎試合の結果を予想するそうで、それまでの期間はこうしておやつが与えらえるということになるわけですから彼女にとっては悪い話ではないでしょう。エンリッチメントの一環だと考えれば差支えないわけです。

ニカも丸々とした体型になっています。典型的なロシアのホッキョクグマという感じになってきました。彼女は将来の繫殖には極めて有望でしょう。日本で「有望だ」と言われるホッキョクグマが本当に繁殖に成功するのかについては全く予想がつかないわけですが、不思議とロシアで「有望だ」というホッキョクグマは本当に繁殖に成功するわけです。あとはニカがどのようなパートナーを得ることができるかどうかでしょう。モスクワ動物園としてはやはり野生出身の雄(オス)をニカのパートナーにしょようと考えていることは間違いありません。

(資料)
Политическая Россия (Jun.18 2017 - Оракул Кубка Конфедерации: полярный Нострадамус предсказал исход турнира)
Федеральное агентство новостей No.1 (Jun/18 2017 - Белая медведица-футболистка в Московском зоопарке стала оракулом Кубка конфедераций)
RT на русском (Jun.18 2017 - Полярный Нострадамус: белая медведица Ника предскажет исход матчей КК-2017)
RT (Jun.17 2017 - Rescued polar bear 'with 6th sense’ joins Hermitage cat in predicting Confed & World Cup results)
WireUpdate (Jun.17 2017 - Nika the Football-Mad Polar Bear Predicts 2017 FIFA Confederations Cup Results)

(過去関連投稿)
ロシア極北・チュクチ自治管区 リィルカイピ村でホッキョクグマの生後約8ヶ月の孤児が発見・保護される
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by polarbearmaniac | 2017-06-18 21:00 | Polarbearology

フランス・ミュルーズ動物園の生後7ヶ月になる雌(メス)のナニュクの近況 ~ 体重を落としたヴィックス

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セシお母さんとナニュク 
Photo(C)Parc zoologique et botanique de Mulhouse

昨年2016年の11月7日にフランス・アルザス地方のミュルーズ動物園 (Parc zoologique et botanique de Mulhouse) でセシ (Sesi)お母さんから誕生した雌(メス)のナニュク (Nanuq)は2月末に一般公開され間もなく生後7ヶ月になろうとしています。この親子の情報は実はあまり多くありません。しかし、少ない報道から知ることができるのは、このナニュクはミュルーズ動物園ではスターになっていてミュルーズ動物園の入園者数が記録的な増加となっているということです。

ナニュクは非常に遊び好きな性格だそうですが、まだまだ母親のセシに付き従って行動しているようです。ミュルーズ動物園は次の段階としてこの親子を大きなプールのあるメインの展示場に移動させるという計画を持っているそうです。最近のナニュクの映像を見てみることにしましょう。



上はあまりたいした映像ではないですね。次の映像は短いのが難点ですが、なかなかクリアな映像です。









このミュルーズ動物園では他に推定31歳の雌(メス)のティナも飼育sれ絵いるのですが、彼女も非常に元気だそうです。しかし問題なのはナニュクの父親である6歳のヴィックスで、彼はストレスのためか常同行動を行い春から非常に体重が減少して200キロほどになってしまっているようです。やや心配ですね。とにかく、動物園においてホッキョクグマの親子の存在というのは王様のように尊重されて大事にされるわけですが、父親というのは待遇がないがしろにされてしまうというのが宿命なのです。

さて、ミュルーズ動物園の園長さんが語るには、来年の春にでも一家同居を行ってみたい意向のようです。しかし多分それは実現しないでしょう。やはり雄(オス)を同居させるというのはナニュクにtってはかなり危険だからです。ましてや春となれは繁殖行動期にあたりますから尚のこと無理な話です。まあこれは思いつきの発言だと理解しておいてよいように思います。

(資料)
L'Alsace.fr (Jun.17 2017 - Nanuq, ambassadrice pleine de vie)

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by polarbearmaniac | 2017-06-17 23:00 | Polarbearology

エストニア・タリン動物園の雄(オス)のアロンの成長 ~ 性格判断の難しさ

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アロン Photo(C)Tallinna Loomaaed

エストニアのタリン動物園で昨年2016年の11月26日にフリーダお母さんから誕生した雄(オス)のアロン(Aron)については久方振りの投稿になります。アロンも無事に生後半年が経過しています。前回の投稿の時点から現在までのアロンの姿を追ってみたいのですが、いかんせん格子のある飼育展示場に暮らしていますので明瞭な映像というものはタリン動物園のスタッフが撮影した公式映像に限られます。スタッフならば格子の隙間からの撮影が可能だからです。まず最初の映像です。なんだかとても元気がよいようですね。



本日エストニアのネットTV配信会社であるDelfi がタリン動物園のホッキョクグマ舎よりライブ中継を行い数時間前に終了したのですが、その中継映像の録画を御紹介しておきましょう。約1時間の長さのある映像です。



私もライブ配信の映像を見ていたのですが、正直言ってやはりこの親子は格子のある場所で暮らしていますからその姿にうまくピントを合わせるのに苦労していたようです。かなり集中して見ていたのですが非常に疲れました。まとまった時間をかけてこの親子の姿を観察していたのですが私にはこのアロンの性格というものをはっきりと掴み取るというところまではいきませんでした。ただし、落ち着いていて慎重な性格とは言えないように思います。やはり活発に動き回るのが好きで性格的にも強さがあるようにも感じます。私の体験で言えばロッテルダム動物園時代のヴィックスに近いものがあるように思いますが、ヴィックスの場合は飼育展示場が広くて、その場所を駆け回っていたことを記憶しているのですが、このアロンの場合は限られたスペースしかなく性格的な判断には難しさが否めません。となると母親とのやりとりを見て判断することになるわけです。そういった観点からみれば外向きな性格であるという判断に傾きます。

それからこれは私の経験ですが、このタリン動物園のように格子があってその間隔があまり広くなく、そしてさらにその格子の手前にやや距離をおいた人止め柵のある条件の厳しい場所でホッキョクグマたちの写真を撮影しようとするとカメラメーカーの純正レンズ(つまりニコンのカメラでしたらニコンのレンズ、キヤノンのカメラでしたらキヤノンのレンズ)よりもタムロンやシグマなどのサードパーティーのレンズ (特に前者)のほうが有利のような気がします。格子の隙間が狭い場合、サードパーティーのレンズでは「合焦」するものの純正レンズですと「合焦」せずにAFが迷いまくる場合があるのです。私はこれをペルミ動物園などで何度も経験しています。ですので私はペルミ動物園ではタムロンのレンズしか用いないようになったということです。その理由はあくまでもこれは私の憶測ですが、やや比喩的に言いますと純正レンズは100のうち100ピントが合わないとレンズからカメラに合焦済みの情報がフィードバックされないものの、タムロンやシグマなどのサードパーティーのレンズ(特に前者)はそれが良い意味でいい加減で純正レンズでAFが迷うような条件下でもサードパーティーのレンズならば100のうちせいぜい90~95ピントが合えば「合焦」として情報がカメラにフィードバックされているのだろうということです。つまりニコン/ニコンやキヤノン/キヤノンの場合は厳密にピントが合わねばシャッターが切れないというわけです(つまり純正レンズは優秀であるということになるわけですが)。人止め柵のさらに先にある間隔の狭い格子のある場所では、条件次第では合焦が難しくなるわけですが、被写体がこうした厳しい条件にある場合にタムロンやシグマですと厳密にピントが合わなくても「合焦」したことにしてカメラにフィードバックされるというアバウトなレンズであるということではないでしょうか。ところがブログなどで写真をアップした場合、厳密にピントが合った写真かどうかは見ていて判断しにくいわけです。ということで、仮に私がこのタリン動物園で写真を撮ろうと思えば絶対にニコンの純正レンズを使用せずにタムロンのレンズを用いるでしょう。

そういえば今思い出しました。昔、札幌のララと旭川のルルの母であったクーニャの亡くなる数日前に私はレオマ・アニマルパークにクーニャに会いに行った時のことです。その時は純正レンズの70-200mm f/2.8 という強力なレンズを持って行ったのですが、降りしきる雨にガラスは曇り、そして斜めの角度にいたクーニャの写真を撮影しようとしたもののレンズは全く合焦せず、しょうがなくて携帯電話のカメラで撮影したことがありました。あの悪条件下でもタムロンのレンズだったら間違いなく「合焦」していたでしょう。惜しいことをしました。その日が私のクーニャとのお別れの日になってしまったわけでしたから....。

(資料)
Tallinna Loomaaed (Jääkaru)

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by polarbearmaniac | 2017-06-16 23:55 | Polarbearology

ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園を襲った洪水の被害 ~ グーリャは無事に毎日を過ごす

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グーリャ (Белая медведица Гуля/Eisbärin Gulja) Photo(C)Om1.ru

5月下旬に入りロシアの西シベリアのオムスク近郊の地域が洪水にみまわれています。河から溢れた水はこの地区にあるボリシェリェーチェ動物園にまで達するものだったそうです。このボリシェリェーチェ動物園には以前からご紹介しています通り。現在推定27歳の雌(メス)のホッキョクグマであるグーリャが飼育されているわけですが、ボリシェリェーチェ動物園は最悪の場合には園内の動物たちを避難させることも考慮に入れてはいたものの、それほど多くの水が園内に入り込んできているわけではなかったために動物たちの避難(とはいってもどこに避難させるのかは難しいわけですが)は一部を除いて見合わせたそうです。園内には大きな水たまりができたようで、それ以上の甚大な被害はなかったそうです。動物たちの中には水が入り込んできたのに喜んだ種もいたようです。この地方を襲った洪水に関する地元のTVニュースを見てみましょう。



この下のTVニュースはボリシェリェーチェの街(とはいっても人口は1万人ほどですが)の洪水の被害についての映像で後半にはボリシェリェーチェ動物園の様子も見るkとができます。



ホッキョクグマのグーリャはそうした洪水の影響もなんのその、普通通りの生活をしていたようです。ボリシェリェーチェ動物園は今日になってSNSで、動物園の中に入り込んだ水は全て引いてしまい通路も確保されているので通常通り開園しているので是非来園してほしいと人々に呼びかけています。本当によかったと思います。
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グーリャ Photo(C)Om1.ru

ロシアという国は治水があまりうまくいっていないように思います。とはいっても国土は広大であり日本とは自然条件がまるで異なりますので単純な比較はできないかもしれません。しかし都市においては、たとえば強い雨が降るとアスファルトの道路に雨水が溢れだす光景はよく見られます。さすがにモスクワではそういった光景はほとんど見ないのですが私が経験したところでは、カザンやペルミといった地方都市はひどいものでした。私が動物園からホテルに戻る際にはそういった道路の端の「雨水の濁流」の仲を歩かねばならず、靴がびしょ濡れになった経験があります。要するに雨が降るとその水を地下に誘導するようにはなっていないのがロシアの地方都市なのです。その点では日本の都市は実にうまく雨水をコントロールしています。

(資料)
ReliefWeb (Jun.12 2017 - Russia: Floods Emergency Plan of Action (EPoA) DREF Operation no MDRRU021 Update no 1)
Большереченский зоопарк (May.24 2017 - Наш единственный спонсор на сегодняшний день!) (Jun.2 2017 - Разлилась речка Большая в зоопарке!)
Om1.ru (Jun.13 2017 - Паводку в Омской области рады белые медведи)


(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2017-06-15 23:55 | Polarbearology

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