街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・ロストフ動物園のホッキョクグマたちの一日 ~ ロストフ・ナ・ドヌは欧州とロシアで最も危険な街?

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コメタ Photo(C)DON24.RU

ロシア南部・アゾフ海に近接している都市であるロストフ・ナ・ドヌには先日私も二度目の訪問をしたのですが歴史と文化の香りのする街で大いに気に入りました。もちろん目的は動物園訪問だったわけですが、なにしろ暑くて大変でした。太陽の光が照り付けて昼間の気温は35℃以上にもなり夜になってもなかなか下がらないというのはロシアの都市としては極めて珍しい都市だという感じでした。ロシアのほぼ最南端に位置しているわけで気温が高いのも当然かもしれませんが、それにしてもあの暑さには閉口しました。

さて、この夏のロストフ動物園におけるホッキョクグマたちの映像をいくつかご紹介しておきます。まず、6月の下旬にロストフ動物園の創立90周年が祝われ、その日にホッキョクグマのコメタの改装された飼育展示場のオープンがありました。ロストフ市長も出席してテープカットが行われています。その映像をご紹介しておきます。



それから以下の二つはノヴォシビルスクのホッキョクグマファンの方が撮影した8月3日の映像だそうですが、実はこの日に私はロストフ・ナ・ドヌに到着しており、その翌日から二日間動物園を訪問したというわけで、私が訪問した二日間にはホッキョクグマファンらしい人はいませんでした。おそらくノヴォシビルスクに帰られたのだろうと思います。





それから次はやはり同じ方の撮られたテルペイ(ヤクート)、そしてコメタの映像です。これは7月11日に撮られたものだそうですが、この方はノヴォシビルスクとロストフ・ナ・ドヌの間を頻繁に行き来されていらっしゃるのでしょうか?





ロストフ・ナ・ドヌの地元紙はロストフ動物園のホッキョクグマたちの一日の生活を紹介しています。それによりますとこの二頭の起床は朝の6時だそうで、まず水温が非常に低く保たれているプールに入って泳ぎまわるそうです。9時には一度別の区画に入れられ、その間に飼育展示場の清掃差g等が行われるそうで、10時には朝食が与えられるそうです。それから飼育展示場に戻されるようですがテルペイ(ヤクート)は昼間は休んでいることが多くコメタはプールでおもちゃで遊ぶとのこと。ところが夜になると二頭は昼間よりももっと活動的になるとのことです。私がロストフ動物園を訪問した際にはせいぜい午後4時頃までしかいませんでしたので、夜になってもっと活動的になった彼らの姿を見るという機会は残念ながらありませんでした。

ロストフ・ナ・ドヌという街は何度も行ってみたいと思うほど私には気に入ったのですが、最近非常に驚くべき事実を知りました。2016年の欧州(とロシア)で最も治安が悪い都市ランキングという調査(「欧州各都市に対する人々の感想や、犯罪レベルの最新動向、一人で街歩きができるか、強盗やゆすりの恐れはあるか、自動車乗車時の安全性、暴行・暴力事件の恐れを感じるか、現地人からの人種差別やハラスメント、迷惑行為、非難中傷、物乞い、宗教的不寛容、財産を盗まれる驚異の有無を集計してランキングにしたもの」だそうです)で危険な順番は以下のようになっています。

1. ロストフ・ナ・ドヌ(ロシア)
2. バーリ(イタリア)
3. トリノ(イタリア)
4. ナポリ(イタリア)
5. マルセイユ(フランス)
6. リール(フランス)
7. コヴェントリー(イギリス)
8. ロッテルダム(オランダ)
9. グラスゴー(スコットランド)
10.サラエヴォ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)

第二位から第十位まではかなり納得できますが第一位、つまり最も危険であると評価されたロストフ・ナ・ドヌについては皮膚感覚としては到底納得できません。ロストフ・ナ・ドヌがナポリやマルセイユなどのような悪名高い犯罪都市よりもさらに危険だなどという評価は全く理解不能です。私の感覚ではマルセイユが第一位、ナポリが第二位、ロッテルダムが第三位という感じがします。別の基準で作成された欧州(とロシア)の都市の危険ランキングもあります。その基準とは人口10万人あたりの殺人率です。手っ取り早く言えば人口が10万人あれば何人が殺されるかという率のランキングです。それによりますと欧州最悪の都市はなんとエストニアのタリンです。そしてモスクワが第四位に入っています。

こういったものをあまり神経質に考える必要はないかもしれませんが、頭の片隅に入れておくことも無駄ではないかもしれません。ただし間違いなく言えることは、ロシアではたとえ安全ではないと言われている都市であっても動物園のある場所の周辺は非常に治安がよいのです。モスクワしかり、サンクトペテルブルクしかり。ただし欧州では必ずしもそうではありません。ロッテルダム(街に面した正門側)、ワルシャワなどは動物園のあるエリアであっても治安は良好とは言えません。

(資料)
Дон-ТР (Apr.28 2017 - Белая медведица Комета из Ростовского зоопарка переедет в новый вольер)
Комсомольская правда (Aug.9 2017 - В Ростове-на-Дону в пятидесятиградусную жару медведей кормят замороженным фруктами, а слонов обливают из керхера)
Блокнот Ростов-на-Дону (Aug.9 2017 - Белых медведей в Ростове спасают от жары мороженым и бассейном с ледяной водой)
ДОН-МЕДИА (Aug.23 2017 - Янис, сын Зорьки: в ростовском зоопарке пополнение)
Construction.ru (Feb.3 2017 - Rostov-on-Don recognized the most dangerous city of Europe)
madameriri.com (Jun.14 2016 - 最新2016年度版|ヨーロッパで最も治安が悪い都市ランキング)
worldatlas.com (Most Dangerous Cities In Europe)
ロシアNow (Apr.7 2017 - ロシアで過激派の攻撃が頻発)

(過去関連投稿)
(*テルペイとコメタ関連)
ロシア最大の石油会社 ロスネフチがロシアの動物園の全ホッキョクグマへの援助・保護活動開始を表明
ロシア南部 ロストフ動物園のテルペイとコメタの飼育展示場改良工事にロスネフチ社が資金援助
ロシア・ロストフ動物園のテルペイとコメタの近況 ~ ノヴォシビルスク在住のファンの方の映像
ロシア南部・ロストフ動物園のコメタとテルペイとの新ペア ~ 飼育展示場改造による30年振りの繁殖への期待
ロシア・ロストフ動物園のコメタの飼育展示場改造工事は6月に終了の見通し ~ ホッキョクグマを支えるもの
ロシア南部 ・ ドン河下流のロストフ動物園のコメタの飼育展示場の改造工事が終了
(*2015年9月 ロストフ動物園訪問記)
ロストフ動物園へ ~ サーカス出身のホッキョクグマ、イョシ(Ёши)との5年ぶりの再会
イョシ(Белый медведь Ёши) 、素顔とその性格
ロストフ動物園二日目 ~ 好男子テルペイ(Терпей)との二年ぶりの再会
テルペイ(Белый медведь Терпей)、その素顔と性格
(*2017年8月 ロストフ動物園訪問記)
真夏の猛暑のロストフ動物園、テルペイとコメタのそれぞれの暑さしのぎ ~ "How to live with summer heat"
テルペイ (Белый медведь Терпей)、その将来の不安定性
コメタ (Белая медведица Комета) 、その素顔と性格
ロストフ動物園訪問二日目、36℃を示した温度計 ~ テルペイ (ヤクート)とコメタに幸あれ!
by polarbearmaniac | 2017-08-31 21:30 | Polarbearology

フィンランド・ラヌア動物園のマナッセが亡くなる

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マナッセ Photo(C)Photo(C)PEKKA AHO / LKA

フィンランドのラヌア動物園が公式発表したところによりますと、同園で飼育されていた現在は27歳の雄(オス)のホッキョクグマであるマナッセが昨日29日に亡くなったとのことです。安楽死によってであることが発表の内容によって強く示唆されています。
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マナッセ Photo(C)Kaisa Siren / Lehtikuva

マナッセは夏になってからというもの胃腸に異常が生じ投薬にもかかわらず下痢の止まらない状態となっていたそうです。そして日中は動きまわることをせずに休んでいる状態だったそうで彼が大好きであるプールにも入らないという状態だったとのことです。同園は彼の病状の進行などについては詳細は発表してはいないものの、安楽死せざるを得ないという決断のもとでマナッセは昨日この世を去ったとのことです。ちなみにこのマナッセは1989年にスウェーデンのコルモルデン (Kolmården)動物園の生まれで日本に暮らす(暮らしていた)三つ子である故ユキヒメ、故アークティク、バフィンのすぐ上の兄にあたります。ですから浜松のモモの叔父さんということになるわけです。
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マナッセ Photo(C)PEKKA AHO / LKA

このマナッセはパートナーであるヴィーナスとの間で二頭のホッキョクグマの父親となっており、一頭はウィーンのシェーンブルン動物園で暮らす5歳の雄(オス)のランツォ、もう一頭は昨年11月に誕生した雄(オス)の幼年個体で現在はその名前が公募中です。
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Photo(C)Ranua Zoo

謹んでマナッセの死に哀悼の意を表します。

(*追記)これは私だけの感じ方かもしれませんが、日本に暮らす(暮らしていた)欧州出身の個体について、欧州に暮らしている彼ら(or 彼女ら)の両親や兄弟姉妹との関係を強く意識せざるを得ない要素は薄いような感じがするのです。ところが一方で日本に暮らすロシア出身のホッキョクグマについてはロシアに暮らす彼ら(or 彼女ら)の両親や兄弟姉妹との関係を強く意識するのは何故なのかということです。要するにアンデルマ、ウスラーダ、シモーナ、ムルマ、ゲルダといったロシアのホッキョクグマたちのほうが欧州のホッキョクグマたちよりも個性的で強い存在感があり、そういったものが一族のメンバーに強く投影され、それによって一種の「ファミリー」として意識せざるを得ないというのが理由なのではないでしょうか? 同じことは「ララファミリー」にも言えることです。ところが、今回亡くなったマナッセが故ユキヒメ、故アークティク、バフィンと両親を同じくする兄であると言われても私には何かピンとこないものがあるわけです。

(資料)
Ranua Zoo (Aug.29 2017 - In memoriam Jääkarhu-uros Manasse)
Kaleva.fi (Aug.29 2017 - Ranuan eläinpuiston vanha Manasse-jääkarhu on poissa – olisi täyttänyt loppuvuodesta 28 vuotta)
YLE (Aug.29 2017 - Ranuan valkea jättiläinen on poissa)
Ilta-Sanomat (Aug.29 2017 - Ranuan Manasse-jääkarhu jouduttu lopettamaan – ”Valkea jättiläinen on poissa”)
Aamulehti (Aug.30 2017 - Ranuan eläinpuiston iäkäs Manasse-jääkarhu kuoli – naaraskarhu Venus voi joutua muuttamaan pois)

(過去関連投稿)
札幌・円山動物園のマルルが熊本、ポロロが徳島の動物園に移動が決定 ~ ララの2年サイクル繁殖が継続へ
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(9) ~ 同居を許容しうる雌雄の頭数構成
by polarbearmaniac | 2017-08-30 14:00 | Polarbearology

ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のナヌクとジフィルカの近況 ~ 何者かによる動物の毒殺で脅迫される同園

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ナヌクとジフィルカ Photo(C)Николаевский Зоопарк

2012年11月にチェコのブルノ動物園で誕生した双子の一頭である雄(オス)のナヌク、そして2011年11月にモスクワ動物園で三つ子の一頭として誕生した雌(メス)のジフィルカはいろいろと複雑な事情があってウクライナのムィコラーイウ動物園にやってきたわけですが、そういった不透明さというのがスラヴ文化圏におけるホッキョクグマ移動の特徴であるとも言えましょう。特にブルノ動物園生まれのナヌクが何故ウクライナの動物園に移動せねばならなかったかは表向きの理由の背後に一種の闇の部分が存在していることは大いに想像できるわけです。ブルノのファンは彼のウクライナへの移動には反対していたわけですが、とにかくロシアとかウクライナという国の動物園に個体が移動してしまうとその近況を知ることが容易ではありません。ノヴォシビルスク動物園などの場合は(特にシルカの誕生以降)熱烈なファンの方々が何人もいらっしゃってホッキョクグマの動向を知るのには苦労はないわけですが、その他の動物園となれば非常に難しくなります。ただしロシアの動物園については最近ロスネフチ社の飼育下のホッキョクグマに対する強力な援助の手が差し伸べられており、そういった同社の広報活動を背景としてロシアの動物園はホッキョクグマに関する情報を写真や映像で公開するようになったのは良い傾向です。しかしウクライナの動物園に暮らすホッキョクグマたちには同社の援助は全く無く、依然として情報の欠乏状態が継続しているわけでブルノのファンの方々にとっては気が気ではないようです。
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ナヌク Photo(C)Николаевский Зоопарк
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ジフィルカ Photo(C)Николаевский Зоопарк

ウクライナという国の社会全体には腐敗がはびこっており、そういった腐敗は動物園にも及んでいることは以前、「ウクライナ東部、ハリコフ動物園のティムの無事を願う ~ ウクライナの動物園に蔓延した根深い腐敗」という投稿でもご紹介していました。それに加えて動物園の中でのレストランやカフェ経営する業者の利権には黒い噂がいつも付きまとっています。そういったマフィア的な利権がらみで動物園に対して根も葉もない噂が意図的に拡散されることはよくあり、それはムィコラーイウ動物園においても行われ続けてきました。しかしムィコラーイウ動物園のトプチィイ園長は腐敗の激しいウクライナの動物園においては珍しい良心派の園長さんで、動物園を取り巻く利権問題による脅迫や根拠のない噂話にも正面切って立ち向かう勇気と気骨のある園長さんです。しかし最悪の事件だったのは昨年の8月に同園で飼育されていたユキヒョウとピューマが何者かによって殺鼠剤によって殺害されたという事件でした。これは明らかに動物園に関係した利権がらみでマフィアからトプチィイ園長に対する一種の警告と脅迫だったことは間違いないと私は考えています。この事件について昨年私はよほど投稿しようかと思っていたのですがホッキョクグマの話題ではなかったのであきらめたという経緯がありました。ウクライナのTVニュースを見ていただきましょう。下の写真をワンクリックして下さい。
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トプチィイ園長とユキヒョウの赤ちゃん(父親は何者かにより後日殺害) 
Photo(C)niklife.com.ua

トプチィイ園長はチェコのファンのために定期的にナヌクの写真や映像をネット上にアップしていましたが昨年夏の最悪の事件以降は忙しいらしく、それも滞っているのが残念です。おそらく動物園を取り巻く内外の状況が非常に厳しくなっているからではないかと私は心配しています。

さて、ムィコラーイウ動物園では先日、ホッキョクグマたちにスイカのプレゼントがありました。その映像をご紹介してきましょう。下の写真をワンクリックして下さい。
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Photo(C)Николаевский Зоопарк

その他、比較的最近の映像をご紹介しておきます。







今後さらに同園に対して外部からもっとひどい脅迫が行われるとすれば、このホッキョクグマのナヌクとジフィルカに対して何らかの毒物の入った食べ物を飼育展示場の外から投げ入れられるといった可能性は否定できないかもしれません。次のように書いてしまうと非常に誤解を招くことになるかもしれませんが、やはりホッキョクグマの毒殺は他の動物たちの殺害よりももっと強いインパクトになるだろうと思うからです。

(資料)
НикВести - новости николаева (Aug.23 2017 - Николаевский зоопарк показал «водные забавы» своих питомцев)
Nikulife (Aug.28 2016 - «Это было сознательно брошено мясо с отравой»: в Николаевском зоопарке отравили пуму и снежного барса)
Интернет-газета "Вести" (Aug.29 2016 - В Николаевском зоопарке посетители убили пуму и снежного барса)
ГОРДОН (Oct.6 2016 - Директор: Животных в Николаевском зоопарке отравили крысиным ядом)
112.ua (Oct.6 2016 - В Николаеве за информацию об отравлении в зоопарке снежного барса и пумы обещают 25 тыс. грн)

(過去関連投稿)
(ジフィルカ関連)
モスクワ動物園のシモーナお母さんの三つ子の一頭の雌がウクライナ・ムィコラーイウ動物園に移動へ
ウクライナ、ムィコラーイウ動物園がホッキョクグマの輸入許可を取得するものの立ちはだかった難題
ウクライナのムィコラーイウ動物園にモスクワ動物園のシモーナの三つ子の一頭の雌のジフィルカが到着
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園にモスクワ動物園から到着したジフィルカを伝えるニュース映像が公開
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園にモスクワ動物園から到着したジフィルカが元気に展示場に登場
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園に来園したジフィルカの近況 ~ 場当たり的なEARAZAの繁殖計画か?
ロシア南部・ロストフ動物園とウクライナ・キエフ動物園との間の紛争 ~ 「ホッキョクグマ詐欺」事件の概要
ウクライナ南部・ムィコラーイウ動物園に来園したモスクワ動物園生まれの雌のジフィルカの人気高まる
ウクライナ南部・ムィコラーイウ動物園のジフィルカの近況 ~ ロシアの狙う自国内、旧ソ連圏内の展示充実
ウクライナ、チェコ、ポーランド、スロヴァキアの四か国の動物園が「欧州スラヴ圏動物園共同体」を形成か?
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園の「国際ホッキョクグマの日」のジフィルカの姿 ~ 与えられた赤いボール
(ナヌク関連)
チェコ・ブルノ動物園のコメタがロシア・ロストフ動物園へ ~ ブルノ、モスクワ、ロストフの巧妙な三角関係
チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの将来への不安 ~ 忍び寄るロシアとウクライナの紛争の暗い影
チェコ・ブルノ動物園のナヌクが同園を出発、ウクライナのムィコラーイウ動物園に向かう ~ 物語の終幕
チェコ・ブルノ動物園のナヌクが無事にウクライナのムィコラーイウ動物園に到着
ホッキョクグマ・アイカ と レディン一家の物語 ~ 愛情の日々、そして悲劇的な終末へ
ウクライナ、チェコ、ポーランド、スロヴァキアの四か国の動物園が「欧州スラヴ圏動物園共同体」を形成か?
ウクライナのムィコラーイウ動物園に移動したナヌクのその後 ~ 複雑なスラヴ圏のホッキョクグマ事情
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のナヌクが抜歯治療手術を受ける
(*ナヌクとジフィルカ関係)
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のジフィルカとナヌクの初顔合わせは、やや不調に終わる
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のジフィルカとナヌクとの近況 ~ 旧ソ連地域のホッキョクグマ界
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のナヌクとジフィルカに誕生日とクリスマスのお祝いが行われる
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園、ナヌクとジフィルカの「国際ホッキョクグマの日」
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のジフィルカとナヌクの背負わされた不幸 ~ "It should have been..."
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のナヌクとジフィルカへチェコのファンからおもちゃのプレゼント
ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のジフィルカとナヌクの誕生会が開催 ~ 国境をまたいだファンの交流
by polarbearmaniac | 2017-08-30 01:30 | Polarbearology

ホッキョクグマを飼育しているロシアの動物園の面積と年間入園者数

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アンデルマ (Белая медведица Амдерма)
(2017年7月20日撮影 於 ペルミ動物園)
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アンデルマの孫娘のモモ (Медвежонок Момо)
(2015年3月14日撮影 於 天王寺動物園)

ロシアの動物園の面積と年間入園者数がモスクワ動物園の発行している「ユーラシア地域動物園水族館協会 (EARAZA/ЕАРАЗА/ - Eurasian Regional Association of Zoos & Aquariums/Евроазиатская региональная ассоциация зоопарков и аквариумов) 」の先日発表された年次報告書に記載されています。それらの中からホッキョクグマを飼育している動物園だけを抜き出して書いておきます。これは昨年2016年の数字です。面積の ha. はヘクタールを意味します。入園者数は千人未満を四捨五入して記載します。

・ボリシェリェーチェ動物園  9.0 ha.  13万5千人
・エカテリンブルク動物園    2.7 ha.   71万6千人
・イジェフスク動物園     17.8 ha.   57万7千人
・カザン市動物園        6.7 ha.   22万0千人
・クラスノヤルスク動物園    27.0 ha.  71万1千人
・モスクワ動物園       21.4 ha.  256万5千人
・ノヴォシビルスク動物園   62.0 ha.   89万1千人
・ペンザ動物園         9.8 ha.   22万5千人
・ペルミ動物園         1.9 ha.   26万3千人
・ロストフ動物園        91.5 ha.  23万2千人
・レニングラード動物園     7.3 ha.   76万3千人
・セヴェルスク動物園       4.0 ha.   19万0千人
・ハバロフスク動物園      8.1 ha.   12万4千人
・チェリャビンスク動物園    30.0 ha.   44万9千人
・ヤクーツク動物園        9.5 ha.    9万7千人

面積ではロストフ(ナ・ドヌ)動物園とノヴォシビルスク動物園が広さでは群を抜いており、一番狭いのはペルミ動物園です。入園者数ではモスクワ動物園が飛びぬけて多いといった感じです。モスクワ動物園は街の真ん中にありますし交通の便も非常によく、つい行きたくなってしまうといった感じがあるためか、やはり人気が高いようです。日本の動物園をいくつか上のような感じで挙げてみましょう。

・旭山動物園      15.2 ha. 143万1千人
・円山動物園       22.5 ha.  79万1千人
・上野動物園       14.3 ha.   384万3千人
・横浜ズーラシア    53.3 ha. 121万6千人 (*2015年度)
・天王寺動物園      11.0 ha.  167万3千人

この面積というのが曲者で、どの動物園も敷地面積のことを「面積」というわけですが、実際にそのすべてを「動物園」として活用されていて入園者が歩き回れるかと言えばそうではありません。特にロシアの動物園はペルミやエカテリンブルクなどを除いて、どの動物園にも敷地内には比較的大きな池がありますが日本の動物園でそういった大きな池のある動物園は稀でしょう。また、上の数字で円山動物園はその敷地全てを動物園として使っているわけではないそうで、そうなると拡張の余裕があるということになるわけですし他の動物園でも程度の差こそあれ、そういった拡張可能な部分があると思います。


シルカとゲルダお母さんの水遊び - Shilka the polar bear cub plays in the water, and shortly joined by Gerda, at Novosibirsk Zoo, Russia, on Sep.13 2014.


一般へのお披露目の日のモモ - Momo the polar bear cub on the day of the first public appearance at Tennoji Zoo, Osaka, Japan, on Mar.10 2015.


一般へのお披露目の日のマルルとポロロ - The newborn polar bear twin cubs with their mother, Lara, at Sapporo Maruyama Zoo, Japan、on the day of their first public appearance, on Mar.22 2013 .

上に挙げたホッキョクグマを飼育しているロシアの動物園と日本のいくつかの動物園の全てを見わたして環境面などを考慮に入れつつ動物園として総合的にみると、やはりノヴォシビルスク動物園が最高かなという感じが私にはします。ホッキョクグマだけとってもカイ(クラーシン)とゲルダというペアは強力です。モスクワと上野は人が多すぎますね(特に後者)。ホッキョクグマだけをとれば....やはりペルミでしょう。アンデルマの存在は他の全ての動物園を圧倒しているわけです。メンシコフが生存していればレニングラード動物園はペルミ動物園に十分以上に対抗できましたが現在はウスラーダだけですし、一方でペルミ動物園はセリクとユムカ(ミルカ)という個性的な若いペアもいますので、やはりペルミでしょう。

(資料)
ИНФОРМАЦИОННЫЙ СБОРНИК
ЕВРОАЗИАТСКОЙ РЕГИОНАЛЬНОЙ АССОЦИАЦИИ ЗООПАРКОВ И АКВАРИУМОВ / INFORMATIONAL ISSUE OF EURASIAN REGIONAL ASSOCIATION OF ZOOS AND AQUARIUMS -ISSUE № 35 VOLUME 1 2016)
by polarbearmaniac | 2017-08-29 01:30 | 動物園一般

ロシア・ノヴォシビルスク動物園が開園70周年を祝う ~ ホッキョクグマ飼育展示場に人工雪製造機が導入

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(C)Новосибирский зоопарк

ロシア・西シベリアの人口160万人を擁する大都市であるノヴォシビルスクの動物園が創立70周年を迎え、昨日8月27日の日曜日に同園内でそれを祝ういろいろなイベントが開催されました。園内ではミニコンサートや各種のワークショップ、クイズや写真コンテスト、グッズの発売など園内の各所で行われたようです。

さて、ホッキョクグマについてですが飼育展示場に人工雪製造(降雪)機が設置され、事実上そのお披露目が行なわれたようです。その映像を見てみましょう。最初の映像はこの装置の位置関係などが分かる映像であり、続いてゲルダ、そしてカイ(クラーシン)がどのような反応と行動を示したかがわかります。







ノヴォシビルスク動物園は現在ではロシアで最高の動物園であるという評価を得ているわけです。面積だけで言えばロストフ(ナ・ドヌ)動物園のほうが広いそうですが私の見たところ施設が充実度の点においてやはりノヴォシビルスク動物園のほうが優れているように思いました。

(資料)
Новосибирский зоопарк (Aug.26 2017 - День рождение Зоопарка)
НГС.НОВОСТИ (Aug.27 2017 - Фоторепортаж: Новосибирский зоопарк отмечает 70-летний юбилей)
VN.RU (Aug.27 2017 - Бесплатный вход и новый фонтан: Новосибирск отмечает 70-летие зоопарка) (Aug.28 2017 - Вечным запасом снега обеспечили белых медведей в Новосибирске)

(過去関連投稿)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクが母親ゲルダと別居となる ~ シルカもいた同園内の別の場所へ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「二つの愛の心」 ~ "Два любящих сердца"
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの別居は安全上の理由と同園は説明 ~ 移動先決定は難航か?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園でゲルダとクラーシン(カイ)の同居が始まる ~ 従来の繫殖方針維持
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの欧州への移動は2018年以降の可能性が高い?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマ飼育展示場にガラスフェンスが設置の予定 ~ 減じる魅力
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの近況から、彼の今後の移動問題を考える
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシロ園長がロスチクの移動問題について語る ~ 決断できぬ欧州側
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「カイとゲルダ」の最近の話題 ~ このペアの名前の由来の真相を考える
by polarbearmaniac | 2017-08-28 00:30 | Polarbearology

ロシア・イジェフスク動物園のザバーヴァとバルーのペアにアイスクリーム(ソフトクリーム)のプレゼント

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Photo(C)Зоопарк Удмуртии

現在ロシアでホッキョクグマのペアが複数存在しているのはイジェフスク動物園だけになってしまいました。以前はモスクワ動物園を筆頭にしてホッキョクグマは2ペア存在していたわけで、少なくとも雄(オス)が一頭に雌(メス)が二頭といったパターンがむしろ主流であったわけです。これあ欧州でもアメリカでも同様でした。飼育下におけるホッキョクグマの頭数のい減少はこういった現在の状況に見て取れるわけです。

さてロシア連邦ウドムルト共和国のイジェフスク動物園ではアイオンとドゥムカ、そしてバルーとザバーヴァという二つのペアが飼育されているのですが、後者のペアはまだ繁殖可能な年齢に至っていません。しかし3歳の雄(オス)のバルーは野生孤児の出身であり血統の孤立性が極めて高いわけで、ロシアのホッキョクグマ界においてはペンザ動物園のベルィ、ペルミ動物園のセリクと並んで将来の雄(オス)の三羽烏といった有望な個体なのです。このバルーとペアを組むのがウスラーダの末娘である3愛の雌(メス)のザバーヴァです。ウスラーダの16頭の子供たちのうち娘は5頭いるのですが、そのうち中国に移動したシリルは別にして後の三頭(シモーナ、コーラ、リア)はいずれも繁殖に成功しており、そうなりますと残るザバーヴァも繁殖に関しては非常に有望であることは間違いないと言えるでしょう。となれば、彼女とバルーとのペアも将来の繁殖成功に期待がかかって当然です。私もこの二頭に実際に会っていますので応援したい気持ちが非常に強いのです。

イジェフスク動物園では夏の季節のイベントとしてホッキョクグマにアイスクリーム(ソフトクリームというべきでしょうか)のプレゼントがあったそうです。地元メディアが公開した映像にバルーとザバーヴァが登場していますのでご紹介しておきましょう。ホッキョクグマというのは夏期に氷のプレゼントがある場合は非常に喜ぶ少数の個体と、さほどでもない多くの個体がいることを知っていますが、アイスクリームを与えられるとこれほど喜ぶものなのかと驚きました。一列に並べられたソフトクリームの壮観さをご覧ください。最初に突進してくるのがバルーです。



実はこういったアイスクリーム(ソフトクリーム)をホッキョクグマに与えるのは良くないという考え方があります。そしてなんとイジェフスク動物園の担当飼育員さんもそういった発言を6月に行っているのですが、何故かこの日は盛大にプレゼントされたようです。日本の動物園はあまりこれを真似しない方がよいだろうと思います。

ロシアの動物園の売店でアイスクリーム(ソフトクリーム)を買って食べると非常においしいです。乳脂肪が多いせいでしょう。まだソ連が存在していた時代に私はモスクワでこのソフトクリームをよく食べていたのですが、生まれて初めてソ連でソフトクリームを公園で買ったときに付随していた持ち手の部分の紙の質が非常に悪くてびっくりした記憶があります。当時の社会主義国では紙の質は極めて悪く、日本で言えば明治時代にように粗末なものだったのです。ところが肝心のソフトクリームはおいしかった! その時点で私が生まれてから食べたアイスクリーム(ソフトクリーム)の中で最高のおいしさでした。

(資料)
Зоопарк Удмуртии (Aug.24 2017 - Медвежьи забавы)
Комсомольская правда (Jun.28 2017 - В Ижевском зоопарке поделились рецептом мороженого, которым кормят белых медведей летом)
Сусанин (Jun.28 2017 - В зоопарке Ижевска рассказали рецепт мороженого для белых медведей)

(過去関連投稿)
(*ザバーヴァ関連)
女帝ウスラーダとシモーナ、コーラ、リアの三頭の娘たち ~ 偉大な母親たちの三代の系譜
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの歩む道 ~ 再説: 繁殖可能年齢上限
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園で26歳の女帝ウスラーダが16頭目の赤ちゃんを出産!
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの赤ちゃんの産室内映像が公開される
ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園がウスラーダの赤ちゃんの産室内映像を一挙に公開
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の女帝ウスラーダの15頭の子供たちの姿
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの16頭目の赤ちゃんが遂に戸外へ!
ロシア・サンクトペテルブルクに記録的な暑さ到来 ~ 果物を楽しむホッキョクグマたち
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダ親子の関係に深く切り込んだ映像
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの16頭目の赤ちゃん、10月に移動か?
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの16頭目の赤ちゃんは雌(メス)と判明
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の赤ちゃんの名前が 「ザバーヴァ」 に決まる
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園でウスラーダとザバーヴァの母娘に氷のプレゼント
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のハロウィン ~ カボチャを独り占めしたザバーヴァ
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの娘ザバーヴァが12月に他園へ移動決定
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のザバーヴァがイジェフスク動物園に移動となる
ロシア・ホッキョクグマ界の期待の星、ザバーヴァが偉大なる母ウスラーダと過ごした日々の光景
(*バルー関連)
ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島でホッキョクグマの双子の孤児が保護 ~ 一頭がイジェフスク動物園へ
ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島で保護された野生孤児バルー、そのイジェフスク動物園での映像
ロシア連邦・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園で野生孤児バルーの一般への公開が行われる
イジェフスク動物園へ ~ ドゥムカ親子と野生孤児バルーとの対面
野生孤児バルーの素顔 ~ 野生個体の不幸の上に成り立つ動物園という悲しき真実
(*ザバーヴァとバルーの同居関連)
ロシア・イジェフスク動物園に移動したウスラーダの16頭目の子供のザバーヴァの近況 ~ バルーとの同居
ロシア連邦ウドムルト共和国イジェフスク動物園の開園7周年が祝われる ~ ザバーヴァとバルーの近況
ロシア・ウドムルト共和国イジェフスク動物園のザバーヴァとバルーのペアへの期待 ~ 新しい繁殖基地へ
ロシア・ウドムルト共和国、イジェフスク動物園のザバーヴァとバルーの幼年ペアの近況
(*ドゥムカとアイオンの同居)
ロシア・イジェフスク動物園でアイオンとドゥムカの初顔合わせが行われる ~ 「新血統」誕生への挑戦
ロシア・イジェフスク動物園の四頭のホッキョクグマたちに夏の季節のおやつのプレゼント
by polarbearmaniac | 2017-08-27 01:00 | Polarbearology

チェコ・ブルノ動物園でコーラ親子に現金で多額の寄付を行い、名も告げず去った人物

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コーラお母さんとノリア Photo(C)DENÍK/Drahomír Stulír

チェコのブルノ動物園で一昨年2015年の11月24日に誕生した雌(メス)のノリア (Noria)は順調な成育を続けています。母親としてその絶頂期にある18歳のコーラお母さんが娘のノリアを見事に操縦している様子は今までご紹介してきた幾つもの映像でも明らかです。ノリアもあと三ヶ月ほどで満二歳になるわけで、そろそろ他園への移動について語られてもおかしくはない時期ですが、ここ2~3年の欧州ではこうした幼年個体をどこに移動させるかについてはその決定が遅れ気味となる傾向にあります。ノリアは雌(メス)ですので仮に彼女がEAZAの繁殖計画の中に組み入れられれば雌(メス)の幼年・若年個体の集中プール基地の役割を持つオランダのエメン動物園が移動先となるはずですが、果たしてそうなるのかについても全くといって良いほど話題になっていないようです。
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ノリア Photo(C)iDNS

ブルノ動物園では先週、非常に奇妙な訪問者があったことを地元のニュースサイトが報じています。最近ペットとして飼っていた犬と猫が死んでしまったというその人物は動物園に現れ、ぶらりとコーラ親子を見た後でホッキョクグマのコーラとノリアのために「里親」としての寄付として10万チェコ・コルナ(約50万円)の現金をいきなり動物園の事務所の机の上に出して名前も告げずに立ち去ったそうです。ブルノ動物園はこのような現金の多額の寄付は今年初めてであるとして非常に驚き、そして感謝しているそうです。その人物はマスコミに騒がれたくないということで匿名での寄付を行ったということだったそうですが、ブルノ動物園あ語るにはペットを亡くした人が動物園に寄付するというケースはあるそうですが、同園が対象動物を指定しての「里親」寄付制度を開始してから20年になるものの、個人でこれほどの金額の寄付は極めて稀であるとして驚いているそうです。同園は今回の寄付をホッキョクグマたちのエサ代に使いたいと言っています。チェコは日本と比較するとまだ物価の非常に安い国ですので10万チェコ・コルナというのは個人の寄付としてはやはりかなりの金額だと思います。動物園で飼育されている動物たちの中でホッキョクグマというのはこういった寄付がかなりある動物のように思います。そういった意味では幸運だという気がします。

ここでコーラ親子の最新の映像を見ておきましょう。





(資料)
iDNS (Aug.24 2017 - Pošli mu kočka se psem, tak muž přinesl 100 tisíc pro medvědy v zoo)
Brněnský deník Rovnost (Aug.24 2017 - Přišel o psa a kočku. Ledním medvědům v brněnské zoo proto věnoval sto tisíc)

(過去関連投稿)
チェコ・ブルノ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ コーラお母さんが待望の出産
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃん、最初の関門を突破 ~ 屋外で出産していたコーラお母さん
チェコ・ブルノ動物園から遂に待望の産室内ライブ映像の24時間配信が開始!
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃんの産室内映像ハイライト ~ コーラお母さんの手堅い育児
チェコ・ブルノ動物園の赤ちゃん、元気に間もなく生後二カ月へ ~ ライブ映像のみに託した情報発信
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃんの近況 ~ コーラお母さんに少量の給餌が再開
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃんが生後80日を無事経過
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃんが突然短時間、戸外に姿を現す ~ 想定外の早さに驚く同園
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃん、明日3月18日より一般へのお披露目が同園より告知
チェコ・ブルノ動物園の赤ちゃん一般公開開始の様子がネットでライブ生中継
チェコ・ブルノ動物園のコーラ親子の一般への公開が開始となる ~ 深夜でも動き回る親子
チェコ・ブルノ動物園のコーラお母さんの育児スタイルに変化 ~ 経験よりも頭数が重要な要素か?
チェコ・ブルノ動物園のコーラ親子の映像を解釈する ~ 育児方法の転換が不十分なコーラお母さん
チェコ・ブルノ動物園の赤ちゃんの性別は雌(メス)と判明 ~ 名前の公募始まる
チェコ・ブルノ動物園のコーラお母さん、プールに転落した赤ちゃんを救出 ~ 落ち着いた対応
チェコ・ブルノ動物園の雌(メス)の赤ちゃんの名前が「ノリア(Noria)」に決まる
チェコ・ブルノ動物園、幾分どっしり構えるコーラお母さんと遊び好きで活動的な赤ちゃんのノリア
チェコ・ブルノ動物園、コーラお母さんの「水泳教室」 ~ 娘のノリアへの関与性を高める
チェコ・ブルノ動物園の赤ちゃんノリアが泳ぎ始める ~ 母親の役割を見事に発揮するコーラお母さん
チェコ・ブルノ動物園のノリアの水遊び ~ 雌(メス)のほうが雄(オス)よりも遊び好きが多いのは何故か?
チェコ・ブルノ動物園の飼育展示場に落下した帽子をノリアが引き裂いて「首飾り」にしてしまう
チェコ・ブルノ動物園のコーラ親子を的確に捉えた視点 ~ “Nature imitates Art.”
チェコ・ブルノ動物園のノリアが無事に生後半年が経過
チェコ・ブルノ動物園のノリアの近況 ~ コーラお母さんの余裕と熟練の育児
チェコ・ブルノ動物園のコーラお母さんと娘のノリアの充実した時間
チェコ・ブルノ動物園のコーラ親子の近況 ~ 「偉大なる母」の領域に入りつつあるコーラお母さん
チェコ・ブルノ動物園のノリアが母親コーラから会得した行動の規範
チェコ・ブルノ動物園、コーラとノリアの母娘を見つめる同園の一貫した視線
チェコ・ブルノ動物園のノリア、そして母親であるコーラとの間に流れる緊密で濃厚な時間
チェコ・ブルノ動物園のコーラ、その磨きのかかった母親としての存在感
チェコ・ブルノ動物園のコーラとノリアの母娘の近況
チェコ・ブルノ動物園の間もなく一歳になるノリアについて聞こえてこない将来の移動先の噂
チェコ・ブルノ動物園、母親として最絶頂期に差し掛かったコーラお母さんと娘ノリアの楽しい時間
チェコ・ブルノ動物園のノリアの満一歳が祝われる ~ ホッキョクグマ一家の合同お誕生会となる
チェコ・ブルノ動物園のコーラとノリアの母娘、その冬の日の姿 ~ 「偉大なる母」へと変貌したコーラ
チェコ・ブルノ動物園、コーラとノリアの冬の寒波の日
チェコ・ブルノ動物園の一歳のノリアに対して、まだ母親コーラの監視の目が光る
チェコ・ブルノ動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ コーラとノリアの母娘の近況
チェコ・ブルノ動物園の一歳半のノリアの成長 ~ 優れた資質と磨かれた感性
チェコ・ブルノ動物園の一歳半を過ぎたノリアの近況 ~ 欧州ホッキョクグマ界の次世代の有望株の姿
by polarbearmaniac | 2017-08-26 02:00 | Polarbearology

ロシア・ペルミ動物園が年齢不詳のアンデルマの生年は1984年と公式見解を発表 ~ アンデルマの実年齢は32歳

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アンデルマ (Белая медведица Амдерма в Пермском зоопарке/Eisbärin Amderma)
(2017年7月15日撮影 於 ペルミ動物園)
*ルトヴィク(ホクト - 姫路)、クライ(ゴーゴ - 白浜)の母、ラダゴル(カイ - 仙台)、ピョートル(ロッシー - 静岡)、モモ(浜松)の祖母、イワン(旭川)、シルカ(大阪)の曾祖母

ロシア・ウラル地方のペルミ動物園が注目すべき情報を発表しています。同園に飼育されている年齢不詳の偉大なホッキョクグマであるアンデルマの生年についてペルミ動物園は 「1984/1985年(を跨ぐ冬)」であるとの公式見解を示しました。同園は以下のように述べています。

".....старая медведица Амдерма (родилась ранее зимы 1984/1985гг., поймана на Новой Земле взрослой, с двумя медвежатами, в сентябре 1989г.)"

この「1984/1985年(を跨ぐ冬)」というのは1984年11月から1985年1月という意味であると解すべきであり、アンデルマは野生出身ですから実質上は1984年11~12月の生まれと確定されたと理解して間違いないわけです(野生の場合は1月誕生というのは稀だそうです)。つまりアンデルマは現在32歳であるということになります。

今まで何回か投稿してきましたが、アンデルマの生年については主に1980年説と1983年説の二つが存在しており、ペルミ動物園は従来から1980年説を非公式見解としてではありますが採用していました。しかし私は1983年説を支持してきたわけです。ところが今回のペルミ動物園の発表ではアンデルマの生年を「1984/1985年(を跨ぐ冬)」、つまり実質上は1984年と確定させたわけです。


アンデルマ / Белая медведица Амдерма / Eisbärin Amderma / Amderma the Polar Bear (Jul.20 2017)

ウーン....どうでしょうか、私自身は従来のペルミ動物園の(非公式)見解である1980年説は極めて考えにくいとは思っていましたが1984年という今回の同園の公式見解の発表の結果はかなり意外でした。つまりどういうことかといいますと、アンデルマが1984年(の11~12月)の誕生であるならば彼女が雄(オス)の双子(一頭は故メンシコフ、もう一頭は死亡)を連れて1989年の9月に極北の街であるアンデルマに忽然と現れた際には彼女は4歳であったということになります。(*注 - アンデルマ親子の捕獲の経緯については過去関連投稿の「ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿」の (1) ~ (4) を御参照下さい。) 1989年9月に一歳に満たない双子の幼年個体を連れてアンデルマの街に出没したということは彼女は前年1988年の11~12月に出産していることを意味しており、そうなるとつまりアンデルマは4歳になったかならないかという時点で出産していたということになるのです。これはホッキョクグマの出産としては最も早い年齢の出産であることを意味しているわけです。以前に「ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの歩む道 ~ 再説: 繁殖可能年齢上限」、及び「北米の過去約100年間の飼育下のホッキョクグマ出産記録が語ること ~ 再び考えるキャンディの今後」という二つの投稿においてホッキョクグマにおける野生の場合の最年少出産年齢、及び飼育下における最年少出産年齢のデータを示したことがありました。どちらもそれは4歳での出産例の存在が最年少であることを示しています(3~4歳 か 4~5歳かは微妙)。 ただしその例は非常に少ないわけです。
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アンデルマ (Белая медведица Амдерма в Пермском зоопарке/Eisbärin Amderma)
(2017年7月17日撮影 於 ペルミ動物園)

今回のペルミ動物園の発表によりますとアンデルマはまさにこの稀な例、つまり最年少繁殖可能年齢で故メンシコフを出産したということになるわけです。1989年9月にアンデルマと故メンシコフの親子を捕獲したレニングラード動物園はおそらく捕獲時点でアンデルマの体の科学的な観察によって実年齢を割り出していたはずで、今回のペルミ動物園の新見解はその1989年のデータの詳細が見つかったためにそれに基づいての今回のアンデルマの生年の新しい公式見解となった可能性はあるかもしれません。


ロシア極北・アンデルマの街

先日ペルミ動物園で一週間彼女と向き合った私の率直な印象ではアンデルマはやはり1983年生まれの33歳ではないかという感覚を持ちました。あるいはひょっとして34歳かもしれないという気がしないでもありませんでした。但し「1980年生まれ(の36歳)」という今までの有力説には到底承服はできないという感じもしました。
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アンデルマ (Белая медведица Амдерма в Пермском зоопарке/Eisbärin Amderma)
(2017年7月20日撮影 於 ペルミ動物園)

さて、そうなりますと以下のことが言えるわけです。つまり、

・アンデルマがホクト(姫路)を産んだのは彼女が15歳から16歳になる(なった)時である。
・アンデルマがゴーゴ(白浜)を産んだのは彼女が19歳から20歳になる(なった)時である。

.....ということになるわけです。これを札幌のララに当てはめますと、アンデルマがホクト(姫路)を産んだ年齢はララがアイラ(帯広)を産んだ年齢であり、アンデルマがゴーゴを産んだのはララがリラ(札幌)を産んだ年齢であるということになるわけです。

いずれにせよ、アンデルマは今まで考えられていたよりも1~4歳若かったということになるのです。これは非常に喜ばしいことであると理解すべきでしょう。偉大なアンデルマには是非もっと長生きしてほしいと願っています。


ロシア極北・アンデルマの街に現れるホッキョクグマたち

(*追記)本投稿がなされたあと数時間してペルミの情報サイトがペルミ動物園で暮らす高齢の5頭の動物たち ("Топ-5 старожилов пермского зоопарка: у нас живет самая старая белая медведица России") という記事をアップしています。そこでペルミ動物園のホッキョクグマの担当飼育員であるエカテリーナ・メーリニコヴァさんがインタビューに答えているのですが、そのエカテリーナさんは「アンデルマは約40歳である。」と述べています。もちろんこの年齢は実際とは異なるわけですが、エカテリーナさんはおそらく面倒くさいので簡単にそう答えたのでしょう。さらに、ペルミ動物園のスタッフはアンデルマのことを愛情を込めて「バーブシュカ(бабушка - お婆ちゃん)」と呼んでいるとも語っています。エカテリーナさんはさらに、年に数回も(数人もという意味でしょう)日本(「日出ずる国 - страна восходящего солнца)」という表現をしています)からアンデルマに会いにくるファンがいるとも述べています。当ブログの開設者もそういったファンのうちの一人です。その他エカテリーナさんはホッキョクグマの訓練のこととか飼育展示場の清掃作業などにも簡単に触れています。
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Photo(C)«Prо Город»

(資料)
Пермский зоопарк (Aug.2017/Животное месяца - Белый медведь)
(*追記資料)
Новостной сайт Перми и Пермского края (Aug.25 2017 - Топ-5 старожилов пермского зоопарка: у нас живет самая старая белая медведица России)

(過去関連投稿)
(*アンデルマ関連)
雌の入手を求めてペルミ動物園を訪問したベルリン動物園のブラスキエヴィッツ園長
ロシア・ペルミ動物園の歴史を物語る貴重な写真 ~ ペルミ州知事が公開のコレクションより
ロシア・ペルミ動物園、ホッキョクグマ舎に置かれた「赤いソファ」
ロシア・ペルミ動物園でのホッキョクグマへの活魚のプレゼント
ロシア・ペルミ動物園で夏期恒例の活魚のプレゼント始まる ~ アンデルマ健在!
ロシア・ペルミ動物園、アンデルマとテルペイの夏
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園で夏期恒例のホッキョクグマへの活魚のプレゼント始まる
ロシア・ペルミ動物園のホッキョクグマ、「生ける伝説」となったアンデルマ
ロシア・ペルミ動物園で一般公開された生後3ヶ月のゴーゴ(現・天王寺動物園)の様子
ロシア・ペルミ動物園、アンデルマの表情(1) ~ 捕捉し難き素顔
ロシア・ペルミ動物園、アンデルマの表情(2) ~ その存在への認識
2011年ロシア遠征後半(ペルミ動物園関連部分)
ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿(1) ~ 遠征での映像より
ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿(2) ~ 遠征での映像より
ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿(3) ~ 遠征での映像より
ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿(4) ~ 遠征での映像より
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園が創設80周年を祝う ~ 偉大なるアンデルマ健在!

*ユムカ、セリク、アンデルマの三頭同居
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でアンデルマとユムカ、そして野生孤児セリクの3頭同居は順調な滑り出し
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でのアンデルマ、ユムカ、セリクの三頭同居は大きな成果を上げる
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でのアンデルマ、ユムカ、セリクの三頭同居の近況 ~ 最新の映像が公開
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園のアンデルマ、ユムカ(ミルカ)、セリクの近況
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園、初冬のユムカ、セリク、アンデルマの姿 ~ 調和のとれた関係
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園で夏期恒例のホッキョクグマへの活魚のプレゼント始まる
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園の「ホッキョクグマの日」のイベントで訓練の様子が公開される
ロシア・ペルミ動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ アンデルマ、ユムカ、セリクと来園者たち
ロシア・ペルミ動物園でセリクとユムカ(ミルカ)が後見役のアンデルマの影響からの独立を指向へ
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園で夏期恒例の活魚のプレゼント始まる ~ ロシア最長老のアンデルマ健在!
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園の三頭のホッキョクグマたちの日常の小さなドラマ
by polarbearmaniac | 2017-08-25 06:00 | Polarbearology

ロシア・南ウラル地方、チェリャビンスク動物園がペンザ動物園のベルィの入手を画策 ~ 繁殖成功への執念

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アルツィンとアイリシャ Photo(C)Челябинский обзор

ロシア・南ウラル地方のチェリャビンスク動物園は先日私が訪問したばかりですが、その動物園で飼育されている雄(オス)のアルツィンと雌(メス)のアイリシャの姿は非常に印象的でしした。さて、非常に興味深い記事が地元サイトに登場しました。それは同園のユーリ・レオンチェク園長へのインタビュー記事です。
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チェリャビンスク動物園園長のユーリ・レオンチェク氏
Photo(C)Челябинский обзор

この記事の中で園長さんはチェリャビンスク動物園の歴史に触れ、もともとこの動物園はチェリャビンスクのある企業家が自分で買い集めた動物たちの展示によってスタートした私設動物園であり、初期には16種の動物たちしかいなかったものの、その後は拡大を続けたそうですが、その企業家の事業状態が悪化したために動物園を運営していくことが不可能となり、1996年にチェリャビンスク市が動物園の運営を行うようになって現在では134種470頭の動物園たちが飼育されていると語っています。しかし動物たちの種類は他の動物園と比較すると非常に少なく、たとえばモスクワ動物園では1100種5000頭の動物たちが飼育されていると語っています。昔からの来園者の中にはこのチェリャビンスク動物園の飼育動物の種類が拡大してきたことに満足している人はいるものの、園長さんとしてはやはりもっと多くの動物たちの展示が必要であるという気持ちが強いようで、現在飼育されていない動物を購入したいと考えてはいるものの価格の点でなかなか手が出ないということが悩みとなっているようです。園長さんはそういった動物の価格に触れ、ホッキョクグアは別格なほど金が必要だと語っています。そしてホッキョクグマが高価である理由について、飼育下での繁殖が極めて難しいことを理由に挙げています。そしてロシア国内でホッキョクグマの繁殖に成功した都市としてカザン、サンクトペテルブルク、モスクワ、ノヴォシビルスクなどを挙げた後にチェリャビンスクではまだホッキョクグマの繁殖に成功していないことを残念がっています。さらに、同園で飼育されているアルツィンがカザンに繁殖目的で出張したものの、彼は雄(オス)としての役目を果たさなかったという言い方をしています。ロシア語で "но не показал себя достойным самцом." という言い方をしていますが、これは意味深長な言い回しです。私はこの表現は「アルツィンは雄(オス)としての能力がない」という意味だろうと思います。つまり繁殖行動がなかったということではないでしょうか。さて、ここで一息入れましょう。実は本日24日の午後にチェリャビンスク動物園からのネット中継が地元メディアによって行われました。一時間以上の番組でしたが私は先日この動物園を訪問したばかりですので非常に懐かしく感じました。その長いライブ映像の中からホッキョクグマに関する部分だけご紹介しておきましょう。下の写真をワンクリックして下さい。(尚、映像全てをご覧にになりたい方はここをクリックして下さい。)
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Photo(C)Hornews.com

さて、園長さんへのインタビュー記事の内容に戻ります。アルツィンは比較的短期間カザン市動物園に暮らした後にチェリャビンスク動物園に帰還したわけですが、帰還後に彼の本来のパートナーであるアイリシャから「肘鉄を食らわされた ("получил втык от своей подруги")」そうで、彼は一か月間も全くアイリシャから相手にしてもらえなかったそうです。しかし現在この二頭は兄妹のようにして暮らしているとも語っています。そして園長さんはアイリシャのために新しい彼女のパートナーを入手したいと考え、ペンザ動物園の雄(オス)のホッキョクグマを連れてきたいと考えており、現在非常に熱心にその策を講じているそうです。

さて.....ペンザ動物園の雄(オス)のホッキョクグマといえば当然、あのベルィのことに違いありません。ペンザ動物園もベルィのパートナーとなる雌(メス)を探し求めているわけですがペンザ動物園にはベルィ一頭しか飼育されていませんので、ベルィがペンザ動物園からチェリャビンスク動物園に移動するとなればペンザ動物園は折角新しいホッキョクグマの飼育展示場をオープンさせたもののホッキョクグマが不在になってしまいます。となると....チェリャビンスク動物園のアルツィンがペンザ動物園に移動する.....これならば可能かもしれません。しかしペンザ動物園としてもホッキョクグマの繁殖には意欲を示しているわけですから、チェリャビンスクやカザンで「不合格」の烙印を押された(?)アルツィンがベルィと交代でペンザにやって来ることに簡単には同意できないかもしれません。さらに問題なのはペンザ動物園のベルィは野生孤児個体であり連邦政府の自然管理局 (RPN) からペンザ動物園での保護・飼育を指定された個体なのです。一方でアルツィンの方も野生孤児個体であり、やはり同様に自然管理局 (RPN)はその飼育を希望したチェリャビンスク動物園に保護・飼育を割り当てた個体なのです。この野生孤児出身の二頭の飼育場所の交換ができるかどうかも問題だと思います。感覚的には可能なような気がします。さらにもう一つ問題があり、チェリャビンスクのアイリシャはペルミ動物園で幼年期の途中から人工哺育された個体であり、彼女の繁殖(出産+育児)能力には以前から懐疑的な声があるわけです。そのアイリシャのために野生孤児である6歳のベルィをパートナーとして当てがうことはかなりの成算がなくてはできないことのようにも思うわけです。

これは非常に興味のある状況になってきました。私の大胆な予想では、ペンザ動物園のベルィはモスクワ動物園に移動してニカと野生出身同士のペアとなり、ノヴォシビルスク動物園のロスチクがペンザ動物園に移動する.....こうなるのではないかと予想しているのですが.....。

(資料)
Новости Mail.Ru (Aug.1 2017 - В вольерах челябинского зоопарка обустроят «зоны айсберга»)
Первый областной. Телекомпания ОТВ (Aug.23 2017 - Редактор «Онлайн ТВ» войдет в клетку с хищниками в прямом эфире)
Челябинский обзор (Aug.22 2017 - В мире животных)
Эхо Москвы в Челябинске (Aug.2 2017 - В челябинском зоопарке построили водопад для белых медведей)
Hornews.com (Aug.1 2017 - В челябинском зоопарке у белых медведей появятся айсберги и каменные берлоги)

(過去関連投稿)
・ロシア・地方都市の動物園で人々に愛されるホッキョクグマ
・ロシア・チェリャビンスク動物園の体重700キロの心優しきホッキョクグマ
・有力企業のホッキョクグマ飼育への支援申し出に喜ぶロシア・チェリャビンスク動物園
・ロシア・チェリャビンスク動物園のホッキョクグマのイベント
・ロシア・チェリャビンスク動物園のホッキョクグマのおもちゃはなんと黄色いスケートボード!
・ロシア・チェリャビンスク動物園のアルツィン  ~ 飼育下では世界最大の体重か?
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスクの動物園のプール開き
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスクの動物園の夏 ~ ホッキョクグマにオモチャのプレゼント
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のペアの演じる「タンゴ」
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のホッキョクグマたちの夏の日の姿
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンの頭のタイヤが抜けなくなりレスキュー隊が出動
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園の動物たち、近郊への隕石落下の被害から全頭無事が確認
・ロシア・カザン市動物園に短期出張したアルツィンがチェリャビンスク動物園に帰還 ~ 行方不詳のユーコン
・ロシア・チェリャビンスク動物園のホッキョクグマたちに地元アイスホッケーチームがプレゼント
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンの行動に対する専門家の奇妙な(?)解釈
・ロシア・チェリャビンスク動物園でホッキョクグマと共に祝われた地元アイスホッケーチームの新年
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のホッキョクグマたちの夏のシーズンのプール開き
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンとアイリシャ ~ 地元アイドルの座は不動
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンとアイリシャの近況 ~ 施設の一部改修工事が終了
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンの2001年の物語 ~ 野生孤児の秘史
(*2017年8月 チェリャビンスク動物園訪問記)
・チェリャビンスク動物園の夏の日 ~ アルツィンとアイリシャの姿
・アルツィン (Белый медведь Алтын) の素顔とその性格
・アイリシャ (Белая медведица Айриша) の素顔とその性格
・地方都市のチェリャビンスク動物園で体を寄せ合って暮らすアルツィンとアイリシャ ~ 心動かされるその姿
(*2017年7月 ペンザ動物園訪問記)
・快晴の土曜日、ペンザ動物園でのベルィとの対面へ ~ 抑制、洗練された行動を行うベルィの趣味の良さ
・ベルィ、謙虚さと「大陸的」なスケールの大きさを兼ね備えたロシア・ホッキョクグマ界の逸材
・ペンザ動物園訪問二日目 ~ 生活のペースが確立したベルィ、待ち望まれる彼のパートナーの決定
by polarbearmaniac | 2017-08-24 22:30 | Polarbearology

アメリカ・ポートランド、オレゴン動物園を去るノーラに寄せた深い想い ~ 同園と地元紙の文章

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ノーラ Photo(C)Portland Tribune

アメリカ・オハイオ州のコロンバス動物園で2015年の11月6日に誕生し人工哺育で育てられた雌(メス)のノーラ (Nora) は昨年2016年の9月に西海岸オレゴン州ポートランドのオレゴン動物園に移動していましたが、彼女の「後見役」となるはずであったタサルが間もなく亡くなってしまたためにそれ以降は再び一頭で暮らしてきました。しかしAZAのSSPの「ホッキョクグマ繁殖委員会」の推薦によって遊び友達を得るべく、ユタ州ソルトレイクシティのホーグル動物園(札幌のデナリの故郷)に移動して同じ年齢のトレド動物園生まれの雌(メス)のホープと一緒に暮らすことになった件はすでに投稿しています。このたびオレゴン動物園から発表があり、ノーラのオレゴン動物園における最終展示日が9月10日となることが告知されました。つまりノーラのソルトレイクシティへの移動はそれから数日後になることを意味しています。ここで最近のノーラの映像を見ておきましょう。





このノーラの他園移動の目的は、もちろん人工哺育された個体の「適応化(socialization)」であることは明らかであり、それ無しにはノーラの将来の繁殖は難しいといった考え方によるものです。アメリカの動物園は飼育下のホッキョクグマの個体群の維持に懸命になっており、ノーラのような雌(メス)の幼年個体の将来の繁殖成功は不可欠なものとなっているという認識であるわけです。そのためには人工哺育されたノーラがなんとか「普通の」ホッキョクグマになってもらわねばならないわけです。これに加えてオレゴン動物園のホッキョクグマ飼育展示場の大改造工事が開始されるという計画の存在が加わり、ノーラの他園への移動は不可欠でもあるというわけです。すでにホーグル動物園の担当者がオレゴン動物園にやってきてノーラの行動を詳しく観察するなどして将来の彼女の飼育に備えた準備体制がとられているそうです。またノーラの実際の移動の際にはオレゴン動物園の担当者がホーグル動物園までノーラと同行することとなるそうです。



8月9日にこういった内容の発表がオレゴン動物園のHPを通じてあったわけですが、その文章は実に素晴らしいものです。これを書かれた方は相当に言語的なセンスのある方でしょう。使われている表現は実に的確であり感心させられますので、是非お読みいただきたいと思います。たとえば、ホッキョクグマの母親が産室内で「育児放棄」を行うことを "abandon" などといった通常の俗な表現を用いずに "When her mother began leaving her unattended in the den for prolonged periods of time,..." と表現しています。また、SSPの方針について "The SSP prioritizes putting young animals together at the point where they are mature enough to leave their mothers." と要約していますが、これも的確です。

ポートランドの地元紙である Portland Tribune にはおそらく契約ライターと思われる方が、このたびポートランドを去るノーラについて実際に彼女に会いに行ったレポート ("NORA THE POLAR BEAR SAYS GOODBYE") を寄稿しています。書かれた方はおそらく通常は動物園などに行かれる方ではなく、また動物について非常に詳しいという方でもないようですが、その寄稿された文章にはやや独特の癖と変わった表現はあるもののノーラがいったいどういったホッキョクグマであるかをまさに彼女の内側から描ききるといった内容の文章を書いています。こういった文章は何十枚の写真に優るほどの表現力を持っていると思いました。ホッキョクグマを「描く」のに有効なのは、やはり写真以上に言語をもってなのです。



よく、英語よりも日本語の方が表現力があるなどという人がいますが、そういった人はちゃんとした英語を読んだことのない人でしょう。日本語と英語を比較すれば、日本語よりも英語のほうが文書の展開力に優っています。また、書き手の気持ちが文章にうまくのっかっていくかという点についても、日本語よりも英語の方が優っています。しかし後者の点ならば英語よりもさらにロシア語のほうが優っているように私には感じますが....。英語とロシア語を比較すれば、英語は情報(事実)に感情(気持ち)をのっけていく言語であり、ロシア語は感情(気持ち)に情報(事実)をのっけていく言語のように思います。その点で日本語は、蒼ざめていてよそよそしく冷たい言語といった感じがします。

(資料)
Oregon Zoo (Aug.9 2017 - Last call for Nora: fans can see her through Sept. 10)
Portland Tribune (Aug.22 2017 - NORA THE POLAR BEAR SAYS GOODBYE)

(過去関連投稿)
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ オーロラが待望の出産
アメリカ・コンロバス動物園のオーロラお母さん、赤ちゃんの育児を突然止める ~ 人工哺育へ
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後25日となる
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後5週間が無事に経過
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園の人工哺育の雌の赤ちゃんが生後7週間が無事に経過
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園で人工哺育の赤ちゃんの成長と舞台裏を紹介した映像が公開
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園で人工哺育の雌の赤ちゃんの名前選考の投票が開始
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の雌の赤ちゃんが生後89日を無事経過
アメリカ・オハイオ州 コロンバス動物園の雌の赤ちゃんの名前が "ノーラ (Nora)" に決まる
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アメリカ・コロンバス動物園のノーラの「出漁」
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アメリカ・コロンバス動物園のノーラがポートランドのオレゴン動物園へ ~ その背景を読み解く
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アメリカ・コロンバス動物園のノーラの同園での展示最終日に多くの来園者がノーラとの別れを惜しむ
アメリカ・コロンバス動物園のノーラが西海岸・ポートランドのオレゴン動物園に無事到着
アメリカ・オレゴン州ポートランドのオレゴン動物園に到着して検疫期間中のノーラの近況
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アメリカ・ポートランド、オレゴン動物園で検疫期間中のノーラの近況
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アメリカ・ポートランド、オレゴン動物園のノーラの近況 ~ 今週末にも一般公開開始の予定
アメリカ・ポートランド、オレゴン動物園のノーラが初雪を楽しむ ~ 相手役を求めAZAと交渉の同園
アメリカ・ポートランド、オレゴン動物園のノーラ ~ 野放図な遊び好きの性格に潜む危うさ
アメリカ・オレゴン州ポートランド、オレゴン動物園が降雪の影響で閉園となった日のノーラの姿
アメリカ・オレゴン動物園のノーラの自由奔放さ ~ 彼女の遊び友達を探す同園とAZA
アメリカ・オレゴン動物園のノーラの近況 ~ 「適応化(socialization)」とエンリッチメントとの関係
アメリカ・オレゴン動物園のノーラの近況 ~ 「遊び友達」の導入に苦戦するオレゴン動物園とAZA
アメリカ・トレド動物園のホープ、及びオレゴン動物園のノーラが共にソルトレイクシティのホーグル動物園へ
アメリカ・オレゴン動物園を去るノーラへの人々の反応 ~ 移動の必要性を理解・納得した地元ファン
アメリカ・オレゴン動物園のノーラの近況 ~ 秋に彼女を待ち受けるソルトレイクシティのホーグル動物園
by polarbearmaniac | 2017-08-23 19:00 | Polarbearology

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