街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・ペンザ動物園のベルィの近況 ~ 血統的孤立度の優位性が生かせぬ将来への不安

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ベルィ (Белый медведь Белый /Eisbär Bely) 
Photo(C)Пензенский Зоопарк

今年の7月にペンザ動物園を初めて訪問しましたが、そこで飼育されている6歳の雄(オス)のベルィが非常に素晴らしい男なのにすっかり魅せられてしまいました。地元で大変な人気者であることにも完全に納得できたというわけです。彼は今年の一月にこの新しい飼育展示場に移ったわけですが300㎡あるというこの飼育展示場の建設計画は当初は大きな資金的な困難に突き当たったもののロスネフチ社がそのほとんどを援助してようやう完成に至ったというわけでした。ペンザ動物園の園長さんも同社には深い謝意を表しています。ペンザ動物園としては現在この一頭で飼育されていうベルィに対していくつもの形状のおもちゃを与えて同園としてのエンリッチメントの試みに成果を上げようと努力しているようです。地元のTV局が最近のこのベルィの暮らしぶりについてニュースで報じていますのでその映像を見てみましょう。さすがに秋のこの季節になると来園者がめっきり減っているのはロシアの動物園にはどこでも共通したことのようです。



上の映像の冒頭で地元の老人の方が登場していてベルィに話しかけていますが、ロシアの動物園ではけっこうこういう方がいます。チェリャビンスク動物園がこのベルィの入手を狙っている件については以前にご紹介していましたが、それはかなり容易ではないでしょう。このベルィは野生孤児として保護されロシアの連邦政府の自然管理局 (RPN - Росприроднадзор) がその飼育場所としてペンザ動物園を指定したという経緯があったわけで、そのベルィをチェリャビンスクに動かすためには相当に複雑で厳格な手続きが要求されることになると思いますし、ペンザの地元の人々もベルィの移動には納得しないでしょう。
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ベルィ Photo(C)Пензенский Зоопарк

ただしかしそうなると野生出身のベルィの血統的な孤立度の高さという貴重は「繁殖資源」を活用することも難しくなるわけです。ペンザ動物園は現在モスクワ動物園のヴォロコラムスク附属保護施設で飼育されている野生孤児の雌(メス)のニカをベルィのパートナーにしたいという希望をもっているわけですが、それも難しいでしょう。ホッキョクグマの繁殖実績はおろか、そもそも飼育の実績はこのベルィが初めての個体というほどですからモスクワ動物園はニカをペンザに移動させてベルィとの間での繁殖に期待するという気持ちなど「さらさらない」でしょう。

ベルィが非常に好男子であるだけに私は彼の今後がやや気がかりです。年齢から考えればベルィは帯広のアイラにぴったりなのです。しかし日本のホッキョクグマがロシアに移動するわけにもいかないでしょうしそうしたことも絶対にないでしょう。ただし血統的にも性格的にもこのベルィ以上のパートナーをアイラが将来得るという可能性はまずないというのも事実なのです。世界の飼育下のホッキョクグマ界において野生出身の個体というのは極めて貴重なのです。特にそれが若年個体ということならば一層貴重なのです。


ペンザ動物園入口からホッキョクグマ舎まで (From the entrance to the Polar Bear Exhibit of Penza Zoo) (Jul.23 2017)

(資料)
"ТВ-Экспресс" Новости Пензы (Oct.17 2017 - «Роснефть» построит в пензенском зоопарке клетку для белой медведицы)

(過去関連投稿)
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ロシア・ペンザ動物園のベルィの近況 ~ ロシアの飼育下の野生出身個体の繁殖と再配置の問題点
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ロシア・ペンザ動物園の過ぎ去った夏 ~ ベルィが三週間ぶりに飼育展示場に復帰
(*2017年7月 ペンザ動物園訪問記)
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・ベルィ、謙虚さと「大陸的」なスケールの大きさを兼ね備えたロシア・ホッキョクグマ界の逸材
・ペンザ動物園訪問二日目 ~ 生活のペースが確立したベルィ、待ち望まれる彼のパートナーの決定
by polarbearmaniac | 2017-10-22 00:30 | Polarbearology

アメリカ・シカゴ、リンカーンパーク動物園のコービーが亡くなる

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コービー (Kobe the Polar bear) Photo(C)Lincoln Park Zoo

アメリカ・シカゴのリンカーンパーク動物園で飼育されていた16歳の雌(メス)のコービー (Kobe) が亡くなりました。アメリカのホッキョクグマ界にとっては痛恨事です。同園が昨日金曜日に明らかにしたところによりますと、ここのところコービーは健康状態が悪く体を動かすことをしなくなっていたそうで獣医さんらのスタッフが彼女の状態を詳しくモニターして治療にあたっていましたが腎臓疾患の兆候が明らかになってさらに急速に健康状態が悪化し、安楽死という処置がとられたそうです。

このコービーは今年の三月にピッツバーグ動物園から来園したばかりであり、その目的はリンカーンパーク動物園のシークーとの間での繁殖を狙ってのことでした。詳しくは「アメリカ・シカゴ、リンカーンパーク動物園にピッツバーグ動物園からコービーが来園 ~ シカゴにまた新ペア」という投稿をご参照下さい。ここで生前のコービーの姿を見てみましょう。この映像は彼女がリンカーンパーク動物園の飼育展示場に初めて登場したのもののようです。



いくらなんでも16歳での死は若すぎる死ですね。本当に残念です。

謹んでコービーの死に哀悼の意を表します。

(資料)
CBS (Oct.20 2017 - 16-Year-Old Polar Bear, Kobe, Dies At Lincoln Park Zoo)
Chicago Sun-Times· (Oct.20 2017 - Visitor favorite Kobe the polar bear euthanized at Lincoln Park Zoo)
DNAinfo (Oct.20 2017 - Kobe The Polar Bear Dies At Lincoln Park Zoo, Was Mate To Siku)

(過去関連投稿)
(*リンカーンパーク動物園関連)
シカゴ・リンカーンパーク動物園の「ホッキョクグマ啓蒙週間 (Polar Bear Awareness Week)」
アメリカ・シカゴ、リンカーンパーク動物園のアナーナがノースカロライナ動物園へ ~ 新施設建設とSSP
アメリカ・シカゴ、リンカーンパーク動物園にルイヴィル動物園のシークーが突如姿を現す
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アメリカ・シカゴのリンカーンパーク動物園でのシークーへの健康チェック・トレーニング
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by polarbearmaniac | 2017-10-21 13:30 | Polarbearology

ロシア・ペルミ動物園のミルカ(ユムカ)が産室へ ~ ゴーゴ誕生以来13年振りの赤ちゃん誕生なるか?

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ミルカ(ユムカ)(Белая медведица Милка/Юмка)
(2017年7月16日撮影 於 ペルミ動物園)

ロシア・ウラル地方のペルミ動物園からホッキョクグマたちの近況についての簡単な報告が発表されています。出産が期待されている間もなく5歳になるミルカ(ユムカ)ですが、とうとうアンデルマとセリクからは引き離されたスペースに隔離されたそうです。おそらくそのスペースからは内部にある産室に入れるようになっているらしくミルカ(ユムカ)は次第に産室に入り込んでいる時間がだんだんと長くなってきているそうです。彼女の態度は非常に静かであり、そういったことは昨年の同じ時期にはなかったことだそうで、さらに彼女の食欲は次第に減退してきているとのことです。これは出産が近づいてきたホッキョクグマには典型的な状態ですね。
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ミルカ(ユムカ)(Белая медведица Милка/Юмка)
(2017年7月16日撮影 於 ペルミ動物園)

ペルミ動物園は非常に簡素な記述ながらも肝所を的確にとらえてミルカ(ユムカ)の状態の変化を発表しています。仮に11~12月にミルカ(ユムカ)に出産があればペルミ動物園にとっては2004年12月のゴーゴの誕生以来13年振りのホッキョクグマの赤ちゃんの誕生となるわけです。
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アンデルマ(手前)とセリク(奥) Photo(C)Пермский зоопарк

アンデルマとセリクはいつも通り非常に元気なようで、飼育員さんからのトレーニングに喜んでいる様子だそうです。それから下はかつてご紹介したことのあるペルミ動物園の紹介映像のうちでホッキョクグマに関する部分だけを映像制作会社がまとめた映像です。ペルミ動物園のホッキョクグマ飼育展示場を上から撮影した場面などは実に新鮮なものです。アンデルマの姿も非常に美しく登場しています。



これもご紹介したことがあったと思いますが担当飼育員さんのセリクへのトレーニングの様子です。非常にユーモラスな感じがします。



さて、ペルミ動物園自身が直接関与したことではないにせよ困ったニュースも最近流れています。新しい動物園が現在建設中なのですが労働者への賃金の支払いが滞っているという問題があるそうですがこれはペルミ動物園自体に問題があるわけではなくペルミ市が工事を発注した建設業者の問題でしょう。サンクトペテルブルクでも新動物園の工事には大きな障害にぶつかっているそうで、こういったことは稿を改めてご紹介したいとも想うのですがホッキョクグマに直接関係のある話題ではないので投稿することに意味があるかどうかを図りかねています。


夕立の降ってきたペルミ動物園 (Jul.16 2017)

(資料)
Пермский зоопарк (Oct.20 2017 - Белые медведи в октябре)
(*追加資料)
Сайт города Пермь 59.ru (Oct.21 2017 - В день съедают 17 килограмм свинины: в пермском зоопарке сняли видео о жизни белых медведей)
Рифей-Пермь (Oct.21 2017 - Белая медведица Милка из Пермского зоопарка может родить под Новый год)

(過去関連投稿)
ロシア・ペルミ動物園の歴史を物語る貴重な写真 ~ ペルミ州知事が公開のコレクションより
ロシア・ペルミ動物園で一般公開された生後3ヶ月のゴーゴ(現・天王寺動物園)の様子
ロシア・ペルミ動物園が年齢不詳のアンデルマの生年は1984年と公式見解を発表 ~ アンデルマの実年齢は32歳
ロシア・ペルミ動物園の90周年を記念した同園の紹介映像 ~ 日本のファンに是非お勧めしたい同園への訪問

(*ユムカ、セリク、アンデルマの三頭同居)
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でアンデルマとユムカ、そして野生孤児セリクの3頭同居は順調な滑り出し
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でのアンデルマ、ユムカ、セリクの三頭同居は大きな成果を上げる
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園でのアンデルマ、ユムカ、セリクの三頭同居の近況 ~ 最新の映像が公開
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園のアンデルマ、ユムカ(ミルカ)、セリクの近況
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園、初冬のユムカ、セリク、アンデルマの姿 ~ 調和のとれた関係
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園で夏期恒例のホッキョクグマへの活魚のプレゼント始まる
ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園の「ホッキョクグマの日」のイベントで訓練の様子が公開される
ロシア・ペルミ動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ アンデルマ、ユムカ、セリクと来園者たち
ロシア・ペルミ動物園でセリクとユムカ(ミルカ)が後見役のアンデルマの影響からの独立を指向へ
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園で夏期恒例の活魚のプレゼント始まる ~ ロシア最長老のアンデルマ健在!
ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園の三頭のホッキョクグマたちの日常の小さなドラマ
ロシア・ペルミ動物園がミルカ(ユムカ)の妊娠・出産の可能性を言及 ~ 無名の彼女が脚光を浴びる日を期待
ロシア・ペルミ動物園が間もなくミルカ(ユムカ)の出産準備体制移行へ ~ 運気を引き寄せる流れに乗る同園
by polarbearmaniac | 2017-10-20 19:30 | Polarbearology

ロシア東北端・チュクチ半島のリィルカイピ村の約20頭のホッキョクグマたち ~ 正論 vs. 文化的思考

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Photo(C)Иван Мизин

ロシアの最新の報道によりますとロシアの東端にあるチェクチ半島のリィルカイピ(Рыркайпий)村の周囲に約20頭ものホッキョクグマが居付いて村から離れなくなってしまっているそうです。ホッキョクグマたちを村から追い払うために専門家チームが組織されたとのことです。何故このようなことになってしまったかということですが、このリィルカイピ村の付近の海岸には秋になると多くのセイウチが現れるそうで、このあたりがセイウチの保護地域となっていることもあってか5000頭近くのセイウチが姿を見せ、それに引き寄せられるように多くのホッキョクグマたちも集合してきたそうです。この地域における秋も間もなく終わる時期になってセイウチたちは姿を消してしまいホッキョクグマたちの大部分もそれにつれて離れていったものの約20頭のホッキョクグマたちはこの場所に居残ってしまったということだそうです。
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ホッキョクグマが侵入した村の住居 
Photo:Движение в защиту БЕЛОГО МЕДВЕДЯ

彼らは食べ物には困っていない様子だそうですが、それは彼らがセイウチを襲った食べ残しがまだあるためだそうですが、3~5歳ほどの若いホッキョクグマたちは好奇心のためか村にある人間の住居に近寄り、そういった彼らの中には住居に押し入ってしまったホッキョクグマもいるそうです。

このリィルカイピ村については以前に「ロシア極北 チュクチ自治管区の村落、リィルカイピの人々とホッキョクグマとの関係」という投稿を行っています。そこでもご紹介していましたが、この村の住民はホッキョクグマをそれほど恐れてはいないようで以前から食べ物なども与えているケースがよくあったわけです。たとえばこれは昨年の映像ですが住居の中からホッキョクグマに食べ物を与えるちった例はこの地域にはよくあるようです。



やはり以前に「ロシア橋北地域で働く人々とホッキョクグマの不思議な関係 ~ 「蜂蜜(мёд)を食べるお方」への敬意」という投稿を行っていますが、ロシア人とクマとの関係には独特のものがあるようです。こういったものには間違いなく歴史的・文化的背景があると考えられます。「野生のホッキョクグマに食べ物を与えてはいけない」というのは正論であり Zoological correctness です。しかしそういった正論は一度言ってしまえばそれ以上でも以下でもない、ただそれだけのものであって思考が停止していて発展性が無く、私はそういった正論にはあまり興味はありません。私が知りたいのはその文化的な背景です。



こうやって食べ物を与えても時期が来ればホッキョクグマたちは別の地域に移動してしまうわけで人間の住む村にずっと居ついてしまうということはありません。昔からこの地域に住む人々はそれをわかっているわけです。ホッキョクグマたちと適当にうまく付き合っていくといったような大陸的姿勢こそがこの地域に住む人々のしたたかさでしょう。こういった姿勢はカナダにはありません。

(資料)
РИА Новости (Oct.19 2017 - Белые медведи обосновались рядом с чукотским поселением)
Вести.Ru (Oct.19 2017 - Опасное соседство: около 20 белых медведей обосновались рядом с селом на Чукотке)
ТАСС (Oct.19 2017 - Занесенные к Красную книгу белые медведи обосновались рядом с селом на Чукотке)

(過去関連投稿)
ロシア極北・ネネツ自治管区のウスチ・カラ村に現れたホッキョクグマ ~ 人とホッキョクグマの生命の尊重
ロシア極北・ネネツ自治管区のアンデルマの街とホッキョクグマたち ~ 人に身近な存在のホッキョクグマ
ロシア極北 チュクチ自治管区の村落、リィルカイピの人々とホッキョクグマとの関係
ホッキョクグマ・アイカ と レディン一家の物語 ~ 愛情の日々、そして悲劇的な終末へ
ロシア橋北地域で働く人々とホッキョクグマの不思議な関係 ~ 「蜂蜜(мёд)を食べるお方」への敬意
by polarbearmaniac | 2017-10-19 20:00 | Polarbearology

いよいよ今年2017年のホッキョクグマの出産シーズンへ ~ 状況を簡単に展望する

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ゲルダ (Белая медведица Герда/Eisbärin Gerda)
(2014年9月13日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)
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トーニャ (Eisbärin Tonja/Белая медведица Тоня)
(2013年12月29日撮影 於 ベルリン動物公園)

そろそろ今年も10月下旬を迎えようとしており間もなくホッキョクグマの出産シーズンが始まります。実は来週あたりにその展望を投稿しようと思っていたのですが、昨日早々とベルリン動物公園からトーニャの産室入りのニュースなどが流れてきていますので思い切って本日の段階で世界のホッキョクグマ界における今年のシーズンの見通しなどをまとめておきたいと思います。

まず今年のシーズンの際立った特徴といえば、優れた実績を持つ大物の母親たちの多くが繁殖に挑戦していないシーズンであるということです。ですから確実な出産の計算といったものが成り立ちにくいシーズンになっています。欧州ではフギース、フリーダム、オリンカ、コーラといった大物たちが繁殖に挑戦していませんし、アメリカのクリスタルは今年は繁殖のサイクルではありません。ロシアではウスラーダは繁殖から引退しシモーナも事実上の引退状態、マレイシュカはパートナーが不在でした。日本ではララも新施設建設などの状況で繁殖には参加していません。となると、世界のホッキョクグマ界においては比較的年齢が若くてまだ実績の少ない雌(メス)たちが出産の成功を目指しているといったところです。ですから計算ができないということなのです。

こういったなかで比較的注目してもよい雌(メス)を何頭か挙げていけば、スコットランドのハイランド野生公園の20歳のヴィクトリアが筆頭に挙げられます。彼女には過去一度の出産・育児の成功経験があるわけで非常に有望と思われますがカギを握っているのは彼女のパートナーである9歳の雄(オス)のアルクトスでしょう。あとは何と言ってもベルリン動物公園の7歳のトーニャでしょう。彼女は昨年、出産に成功したものの息子のフリッツは一般公開を目前にして死亡してしまったということがありましたがトーニャのパートナーであるヴァロージャの繁殖能力は証明済みとなっています。プラハ動物園の13歳のベルタは過去に出産はしているものの育児にまでは至っていないわけで、そろそろ彼女が母親になってもおかしくはないと思います。欧州ではまだいくつものペアに繁殖が期待されてはいるものの有望とまでは言えないと思います。

北米ではカナダのサンフェリシアン原生動物園の14歳のエサクバクは出産と育児の経験はありますがパートナーがイヌクシュクではないために今年も有望とまでは言い切れないでしょう。アメリカの動物園には出産が期待されているいくつかのペアがおますが、あえて有望とまで言い切れる雌(メス)の名前を挙げることには苦労します。しかし敢えて挙げればシカゴのブルックフィールド動物園の22歳のナヌヤークとノースカロライナ動物園の17歳のアナーナでしょうか。特にナヌヤークには出産・育児の経験があるのが強みではあります。

次にロシアですが、なんといっても筆頭に挙げられるのはノヴォシビルスク動物園の9歳のゲルダでしょう。世界のホッキョクグマ界で今年繁殖に挑戦している雌(メス)の中ではゲルダが最も出産成功の確率が高いでしょう。そしてイジェフスク動物園の12歳のドゥムカですが彼女には出産・育児の経験はあるものの今年は野生孤児出身のアイオンが新しいパートナーですのでカギはアイオンが握っていると思います。さらにクラスノヤルスク動物園の7歳のオーロラも有望でしょう。さらにペルミ動物園の4歳のミルカ(ユムカ)にも是非期待したいところです。

さて日本ですが、これは何とも申し上げられないように思います。期待したい気持ちはあるのですが、それぞれのペアが血統的にも何か袋小路にでも入ってしまったような将来的な展望の描きにくい世界が拡がっているように私には思えます。その唯一とも言えそうな例外は男鹿水族館の豪太とクルミのペアではあるものの繁殖行為の有無は別にしても夏期におけるクルミの体調が万全とは言えなかった状態で8~9月期の implantation (着床)を考えることに楽観的にはなれないだろうということです。正直言って日本のホッキョクグマ界における繁殖に関心を持ち続けること自体が難しい状況になっているように私には感じます。

(過去関連投稿)
ホッキョクグマ出産統計から見た傾向を再確認する ~ 出産シーズンに向けての知識整理
ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(5) ~ 赤ちゃんの頭数・性別は事前予測可能か
北米の過去約100年間の飼育下のホッキョクグマ出産記録が語ること ~ 再び考えるキャンディの今後
北米の過去約100年間の飼育下のホッキョクグマ出産記録が語ること(2) ~ 出産のピークは何日頃?
ホッキョクグマの出産シーズンを迎えて ~ データを基礎にした知識・情報整理
by polarbearmaniac | 2017-10-19 01:00 | Polarbearology

ドイツ・ロストック動物園が来春までに三頭のホッキョクグマを導入の予定 ~ ロスチクは「第三の個体」か?

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フィーテと故ヴィルマお母さん (Fiete with his mother Vilma)
Photo(C)AFP

実に興味深く、そして気になるニュースが報じられています。ドイツのロストック動物園では現在新しいホッキョクグマの飼育展示場 ("Polarium") を建設中で来年2018年春にオープンすることになっていますが、この工事中のために同園で飼育されていたホッキョクグマたちは2016年10月から11月にかけてそれぞれ他園に転出しています。雌(メス)のヴィルマ (Vilma) はデンマークのオールボー動物園に移動しましたが短期間のうちに亡くなり雄(オス)のフィーテ(Fiete)はハンガリー・ニーレジハーザの動物公園 (Nyíregyházi Állatpark) 内にあるソスト動物園 (Sóstó Zoo)に移動し、そして28歳となっていた雌(メス)のヴィエナ (Vienna) はフランス西部の大西洋岸ボルドー近郊のパルミール動物園 (Zoo de la Palmyre) に移動しています。ロストック動物園は新ホッキョクグマ飼育展示境をオープンするにあたり、ヴィエナやフィーテを帰園させるのではなく全く新しいホッキョクグマを三頭導入することを明らかにしました。ロストック動物園の新飼育展示場である "Polarium" の概要を下の映像で見てみましょう。



さて、問題はどのホッキョクグマがロストック動物園に登場するかです。同園は繁殖を担う若年個体がペアtして来園することを述べ、そしてさらにもう一頭来園することになるだろうとも述べています。そしてこれらのホッキョクグマたちが現在どの動物園で飼育されているどの個体であるかは明らかにできないとも語っています。
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ロスチクとゲルダお母さん (Rostik with his mother Gerda)
Photo(C)Александра Ощепкова/НГС.НОВОСТИ

さて.....これは実に興味の深い話です。話の流れからすれば、この新しいペアは2018年春には2~4歳あたりの年齢層の個体ではないかと推測できます。そうなると例の問題のノヴォシビルスク動物園のロスチクはこういった範囲に入って来るでしょう。しかしオランダのロッテルダム動物園やアウヴェハンス動物園で生まれた双子たちもこの範囲に入ってきますので敢えてロスチクが候補だとまでは言えないでしょう。奇妙なことにロストック動物園は「第三のホッキョクグマ」をさらに受け入れ得るということです。若年個体がペアとして存在していればそれでよいはずなのに、何故もう一頭なのでしょうか? 雄(オス)一頭に雌(メス)二頭という以前はオーソドックスであった繁殖のための飼育頭数ですが、それを復活させるのならば「第三のホッキョクグマ」という位置付けはしないでしょう。しかしペアが存在しているのに「第三のホッキョクグマ」が存在するということはつまりその「第三の個体」は必ずしも繁殖に関与してもらう必要はないという考え方ではないかと想像することが可能です。つまりEAZAのEEPを担う個体群である必要はないということなのかもしれません。その理由は血統に関してであろうとも考えられるわけです。そうなると俄然、ロスチクが候補の筆頭に躍り出るような感じが私にはします。

非常に思わせぶりなロストック動物園の発言です。

(資料)
Ostsee-Zeitung (Oct.18 2017 - Ein Paar für das Polarium)
ZOOQUARIUMDESIGN („Polarium“ Polarbear- and Penguin-exhibit, Zoo Rostock, Germany)

(過去関連登場)
ドイツ・ロストック動物園でホッキョクグマたちの「お別れ会」が行われる ~ 判明した移動先
デンマーク・オールボー動物園のヴィルマが急死! ~ 移動後二週間での不可解な死
デンマーク・オールボー動物園で急死したヴィルマの直接的死因が判明 ~ 「出血性腸炎」
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの待機続く ~ 移動先候補にフランスのセルザ動物園が急浮上か?
by polarbearmaniac | 2017-10-18 18:30 | Polarbearology

ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の7歳のオーロラに出産の期待 ~ 「新血統」の誕生なるか?

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オーロラ Photo:pikabu

ロシア・シベリア中部のクラスノヤルスク動物園(正確には、ロエフ・ルチェイ・クラスノヤルスク動物園 - Красноярский зоопарк "Роев ручей")に暮らす野生出身同士のペアである11歳の雄(オス)のフェリックスと7歳の雌(メス)のオーロラ(本名ヴィクトリア)はその繁殖が非常に期待されているペアです。最近はモスクワ動物園が中心となって推進しているロシア国内のホッキョクグマ繁殖計画からは幾分離れた位置付けとなっているクラスノヤルスク動物園のこのペアですが、地元の最新の報道によりますとクラスノヤルスク動物園の担当獣医さんはインタビューに答えてオーロラの11~12月の出産についてかなりの自信を示しているようです。そのニュース映像をご紹介しておきます。



獣医さんが語るには、すでにオーロラの生殖器官の機能についての検査を行っており極めて正常であるという結果が出ているということ以外には具体的な根拠は語っていないものの、やはり長い期間にわたってオーロラの状態を見続けてきたことによるある種の職業的な直感のようなものが発言の背後に見え隠れしているように私には感じます。さて、ここで今年の夏のクラスノヤルスク動物園におけるフェリックスとオーロラの映像を二つご紹介しておきます。





昨日(17日)の段階ではオーロラはまだ産室に入ってはいないようです。問題はクラスノヤルスク動物園の産室などの設備がしっかりしたものなのかどうかですが、こればかりはよくわかりません。
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オーロラ Photo(C)НГС.Красноярск

運良くオーロラが出産、そして育児に成功した場合はその果実をどうしても日本に導入したいところですが、野生出身個体のペアに誕生した個体は欧州の動物園からも多くの入手希望があるでしょう。しかしやはりモスクワ動物園が介入してきそうな気がします。日本の動物園はまずはロシア動物園・水族館協会(事実上はモスクワ動物園)と繁殖に関する協定のようなものを結んでおかねばならないように思います。昨年後半あたりからのロシアの動物園界の情報を見ていきますとクラスノヤルスク動物園を「一本釣り」することはかなり難しくなってしまっているように思います。

(資料)
ТВ-Енисей (Oct.17 2017 - Белые медведи "Роева Ручья" Феликс и Аврора обзаведутся потомством)
Аргументы и Факты (Oct.3 2017 - «Скидывались на креветки». Как в Сибири спасали редких животных)
Sibnovosti - Красноярск (Jul.13 2017 - В «Роевом ручье» устраивают показательные кормления белых медведей)
(追加資料)
НГС.Красноярск (Oct.18 2017 - Для белой медведицы в «Роевом ручье» строят берлогу)

(過去関連投稿)
(*オーロラ関連)
ロシア極北・タイミール半島でホッキョクグマの2頭の赤ちゃんを保護!
ロシア・タイミール半島で保護された赤ちゃん孤児の続報
ロシア・クラスノヤルスク動物園の2頭の赤ちゃん孤児、同市に留まり同居の継続が決定!
ロシア・クラスノヤルスク動物園で暮らすタイミール半島で保護された双子の孤児の名前が決まる
ロシア・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園 ~ 「さすらいのホッキョクグマ」ピムの安住の地となるか
モスクワ動物園がカザン市動物園に1頭のホッキョクグマを贈与 ~ 帰属意識と権利関係の狭間で
ロシア・クラスノヤルスク動物園で保護の双子の孤児に別れの時来る ~ オーロラがイジェフスク動物園へ
(*フェリックス関連)
ロシア・クラスノヤルスク動物園の2頭の伊達男たち ~ 華麗なる独身生活を謳歌?
ロシア・クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックス、米大統領選挙でのトランプ氏勝利の予想が的中
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックス、米大統領選挙予想的中のご褒美はトランプケーキ
(*フェリックスとオーロラ関係)
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の野生出身の新ペアの繁殖への期待 ~ 日本は果実を狙え
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の「プール開き」 ~ 夏に向けたフェリックスとオーロラの姿
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の野生出身のフェリックスとオーロラのペア形成への準備
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の「国際ホッキョクグマの日」のフェリックスとオーロラの姿
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックスとオーロラの同居開始 ~ 新血統の誕生への大きな期待
ロシア・クラスノヤルスク動物園、野生出身のフェリックスとオーロラが繁殖に向け驀進
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のホッキョクグマたちに欧州の来園者からプレゼント
ロシア・クラスノヤルスク動物園の新飼育展示場計画発表 ~ 欧露の「囲い込み」体制に日本はどう対応するか
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックスとオーロラ、来年の繁殖シーズンへの大きな期待
ロシア・クラスノヤルスク動物園でホッキョクグマのバレンタインデーが祝われる ~ 冬期の新しいイベント
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のプール開き ~ フェリックスとオーロラの夏の季節の始まり
ロシア・中部シベリアに記録的な最高気温の夏が到来 ~ フェリックスとオーロラの夏の過ごし方
ロシアのクラスノヤルスク環境監視検察庁が監査で問題視したクラスノヤルスク動物園のホッキョクグマの移動
by polarbearmaniac | 2017-10-18 00:30 | Polarbearology

ベルリン動物公園がトーニャの出産準備体制へ ~ 自ら産室に入ったトーニャの出産は間近か?

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トーニャ (Eisbärin Tonja / Белая медведица Тоня) 
Photo(C)Tierpark Berlin

東西分断時代のベルリンにおいては東ベルリンに位置していたベルリン動物公園 (Tierpark Berlin)ですが、そこで飼育されている現在は7歳で間もなく8歳になる雌(メス)のホッキョクグマであるトーニャについては昨年遅れから今年の春にかけて非常に多くのニュースが報じられたのは、彼女が産んだ最初の子供であるフリッツの産室内における成長とそのフリッツの突然の死という一連の展開がドイツのメディアによって詳細に報じられたからでした。そういったトーニャの昨年の出産については過去関連投稿を御参照下さい。そのトーニャですが今年も出産の期待が非常に強く、ベルリン動物公園は全体が雪穴をみたてた新しい産室を数週間前に用意したあとに一週間の順応期間を設定していたわけですが、本日火曜日にトーニャは自ら産室区画の奥の場所に入ったそうです。その様子を見てみましょう。



実に精密で美しい画像だと思います。もちろんトーニャが本当に妊娠しているのかどうかはわからないわけですが、ベルリン動物公園はそういったことも含めてホッキョクグマがどのようにして出産に至るのかを正確に人々に情報を提供していきたいという意欲を感じさせてくれます。昨年のトーニャの出産は11月3日でした。仮にトーニャが今年も出産するとすればやはり11月上旬ではないかとも思います。風雲急を告げてきたベルリン動物公園です。

(資料)
Berliner Kurier (Oct.17 2017 - Tierpark Berlin Ist Eisbärin Tonja wieder schwanger?)
B.Z. Berlin (Oct.17 2017 - Erwartet Eisbär-Dame Tonja ein Baby?)
Berliner Morgenpost (Sep.27 2017 - Berliner Eisbärendame Tonja könnte neuen Nachwuchs erwarten)

(過去関連投稿)
ベルリン動物公園(Tierpark Berlin)でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 第一関門は週末
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、第一関門の生後72時間を見事に乗り切る ~ 授乳音確認
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃんは生後五日を乗り切る ~ 生後10日間を最初の関門ととらえる同園
ベルリン動物公園で誕生の双子の赤ちゃん、一頭が産室内で姿を消す? ~ 生存は一頭と同園が発表
ベルリン動物公園、産室内のトーニャお母さんに若干の余裕が生まれる ~ 隣室での水分補給
ベルリン動物公園の赤ちゃんが生後20日が経過 ~ 産室内のトーニャお母さんにニンジンとリンゴの差し入れ
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後25日が経過し前脚で踏ん張って前に進もうとし始める
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、順調に満一ヶ月へ
ベルリン動物公園のトーニャお母さんと生後一か月を越した赤ちゃんの様子が公開
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後40日で立ち上がり始める ~ 同園がトーニャを「熟練の母親」と評価
ベルリン動物公園のヴァロージャ(Володя/Wolodja)の来園の経緯 ~ 霧の中に浮かぶ真相
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後50日が経過する
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後約二ヶ月が経過
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃんの性別は雄(オス)と判明 ~ "Es ist ein Junge!"
ベルリン動物公園の雄(オス)の赤ちゃんの故クヌートと重なり合うもの、合わないもの
ベルリン動物公園のトーニャお母さん、散らかった床を片付ける ~ 初めて肉に挑戦した赤ちゃん
ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃんの命名投票が始まる
ベルリン動物公園で誕生の雄の赤ちゃんの名前が "フリッツ(Fritz)" に決まる
ベルリン動物公園がフリッツのために飼育展示場を一部改修の予定 ~ 父親のヴァロージャはベルリン動物園へ
ベルリン動物公園の赤ちゃん、フリッツの近況 ~ 「国際ホッキョクグマの日」に間に合わない一般公開
ベルリン動物公園のフリッツが間もなく生後四カ月へ ~ 自分での行動よりも母親の真似の段階
ベルリン動物公園の赤ちゃん、フリッツの一般公開は三月中~下旬の予定
ベルリン動物公園がフリッツのために飼育展示場を一部改修の予定 ~ 父親のヴァロージャはベルリン動物園へ
ベルリン動物公園の赤ちゃんのフリッツが肝臓に広範囲の炎症で重体となる ~ 憂慮すべき病状
ベルリン動物公園の生後四カ月の赤ちゃんのフリッツが死亡! ~ さようならフリッツ......
ベルリン動物公園のトーニャが息子のフリッツと引き離された後の状態 ~ 難しい今年のシーズンの繁殖再挑戦
ベルリン動物公園のトーニャが息子フリッツの死後初めて屋外に登場 ~ 世界中からの弔意に感謝する同園
ベルリン動物公園で死亡した赤ちゃん、フリッツの死因が依然として不明 ~ ヴァロージャが同園に帰還へ
(*2013年1月 ベルリン動物公園訪問記)
旧東ベルリンのベルリン動物公園へ ~ アイカとトーニャの2頭の雌に御挨拶
トーニャの素顔 ~ その怜悧な性格の魅力
32歳となったアイカの素顔 ~ 老いを感じさせぬプライドの高さと足腰の強靭さ
(*2013年12月 ベルリン動物公園訪問記)
ベルリン動物公園 (Tierpark Berlin) を訪問 ~ アイカ、トーニャ、ヴァロージャの奇妙な三頭同居
33歳になったアイカ、その誇り高きプライド ~ 心配される足腰の衰え
ヴァロージャ (Володя) の素顔 ~ シモーナお母さんの三つ子の一頭は「慎重派ちゃん」?
トーニャの素顔、そしてその血統の謎に迫る ~ 北京に負けたベルリン
by polarbearmaniac | 2017-10-17 20:00 | Polarbearology

オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのミシュカが間もなく生後半年へ ~ 深いプールにデビュー

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ミシュカ Photo(C)Gold Coast Bulletin

オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで今年の4月26日にリアお母さんから誕生した雌(メス)の赤ちゃんのミシュカは間もなく生後半年になろうとしています。ミシュカは今までは小さくて浅いプールで水遊びをしたり泳いだりしていたそうですが、今度はリアお母さんと一緒にもうちょっと大きな展示場 ("Polar Pre-School exhibit" というそうです)にある深いプールにデビューを果たしたそうです。そういった親子の様子を見てみましょう。下をワンクリックして下さい。
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深いといってもそれほどではないですね。母親のリアの背が十分に立つといった程度です。しかしやはりここでは単に遊ぶというよりも泳ぎの技術の多様な発達を促すようなものとなっているようには見えます。

南半球に生まれたホッキョクグマというのは通常の北半球のホッキョクグマとはちょうど半年、その誕生と成長のスケジュールがずれているわけで秋の今頃にこうした姿を見せてくれることは新鮮でもあります。ウスラーダの娘であるリアの母親ぶりも板についているといった感じです。

(資料)
Gold Coast Bulletin (Oct.16 2017 - Sea World polar bear Mishka takes her first swim in refurbished Polar Pre-School exhibit)
Yahoo News UK (Oct.16 2017 - Polar Bear Cub Ventures into Deeper Waters at Sea World Gold Coast)

(過去関連投稿)
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドでホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生!
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の双子の赤ちゃんのうち一頭が死亡
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃんが生後一ヶ月を無事に経過
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドの赤ちゃんが産室内で第一歩を踏み出す
オーストラリアのシーワールドで誕生の雌(メス)の赤ちゃんの名前が「ミシュカ (Mishka)」に決まる
オーストラリアのシーワールドで誕生の雌(メス)のミシュカ (Mishka) の一般公開が開始となる
by polarbearmaniac | 2017-10-17 00:30 | Polarbearology

モスクワ動物園 ヴォロコラムスク附属保護施設のアヤーナがニカと同居の見通し ~ 「適応化」へ

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ウムカ-アヤーナ Photo(C)НВК Саха

ロシア北東部、サハ共和国の内陸部のコルィマ河岸でホッキョクグマの幼年個体が保護され、スレドネコルィムスクからヤクーツクを経てモスクワ動物園のヴォロコラムスク附属保護施設で飼育されることになった、間もなく一歳になる雌(メス)のホッキョクグマがウムカ-アヤーナ (Умка -Аяна) と命名されたところまでは投稿しています。前回の投稿でこの名前を「ウムカ-アヤナ」とご紹介しましたがサハ共和国のTV局のアナウンサーは「アヤナ」ではなく「アヤーナ」と発音していますの、本ブログでもそう表記することとします。さらに今後は彼女の名前を「アヤーナ」とだけ表記することとします。連邦政府・天然資源省の自然管理監督局 (RPN - Росприроднадзор) は、このアヤーナのモスクワ(動物園)での「永住許可 ("Постоянная прописка в Москве")」を出したそうですから、彼女はモスクワ動物園からはよほどの理由がない限り他園に転出することはなくなったというわけです。

このアヤーナがヴォロコラムスク附属保護施設に入ってからもう一週間が経過しているわけですがモスクワ動物園の飼育主任の方がTVニュースのインタビューに答えており興味深い発言を行っています。アヤーナの健康状態は非常によく、今後このアヤーナを昨年同じような経緯でやはりヴォロコラムスク附属保護施設で保護されるようになった一歳年上の雌(メス)のニカと同居させて「適応化 (socialization)」を行う予定だそうです。(ロシア語ではこの適応化については "социализироваться" という用語を用いています。)  さらに、このアヤーナ、そして昨年入園したニカの二頭は野生出身でありホッキョクグマの繁殖計画の中に積極的に組み入れていく意向を示しています。そのためには彼女たちのパートナーはロシア国内の動物園から血統的に孤立度の高い個体から選ばれるだろうとも述べています。 このニュース映像を以下にご紹介しておきます。音声はonにして下さい。アナウンサーは「アヤーナ」と発音していることが聞き取れると思います。



アヤーナとニカが同居になるということは果たしてこの二頭が一緒にモスクワ動物園の本園に移動して行われることになるのか、それともこのヴォロコラムスク附属保護施設で行われることになるのかは明確にされてはいません。常識的に考えれば後者のような気がしますが、アヤーナは近々に本園に移動することが一度報道されていますので、このあたりは微妙です。さらにアヤーナとニカの将来のパートナーですが、今後数年以内にやはり野生孤児個体の雄(オス)が保護されるようなケースが阿多場合はその個体がこの二頭のパートナーになる可能性は高いでしょう。そうでないとすればペンザ動物園のベルィやイジェフスク動物園のバルーが候補になってくる可能性があります。後者の場合ですとザバーヴァとのペアの解消も視野に入ってきそうです。モスクワ動物園としては野生出身の個体同士をペアにし、生まれた個体をロシア国内、そして欧州の動物園に配給しようということでしょう。欧露間のホッキョクグマ繁殖に関する協力体制は目に煮えないところで着々と進行していることをうかがわせる今回の報道です。

(資料)
НВК Саха (Oct.16 2017 - Для медвежонка-сироты из Среднеколымского района выбрали имя Умка -Аяна)
Вечерняя Москва (Oct.12 2017 - Медвежонка)

(過去関連投稿)
ロシア北東部サハ共和国で北極海岸より700キロも離れた内陸で野生孤児が目撃 ~ 保護に動く自然管理監督局
ロシア北東部の内陸をさまよう個体への対応の二つの選択肢 ~ 動物園での保護か生息地への移送・解放か?
ロシア北東部 サハ共和国の内陸でホッキョクグマの幼年個体が保護 ~ 生後一年未満の雌(メス)と発表
ロシア北東部 サハ共和国の内陸で保護された雌(メス)の幼年個体がスレドネコルィムスクの街に移送される
ロシア北東部 サハ共和国の内陸で保護された幼年個体がヤクーツクに到着 ~ ただちにモスクワへ
ロシア北東部サハ共和国で保護された幼年個体がモスクワ動物園のヴォロコラムスク附属保護施設に無事到着
ロシア北東部サハ共和国で保護された幼年個体、検疫終了後にただちにモスクワ動物園の本園に登場の予定
モスクワ動物園 ヴォロコラムスク附属保護施設で保護された孤児の名前が「ウムカ-アヤーナ」に決まる
(*ニカ関連)
ロシア極北・チュクチ自治管区 リィルカイピ村でホッキョクグマの生後約8ヶ月の孤児が発見・保護される
ロシア極北 リィルカイピ村で保護された推定生後8ヶ月の孤児はモスクワ動物園で保護・飼育が決定
ロシア極北で保護されたホッキョクグマの野生孤児がモスクワ動物園・ヴォロコラムスク附属保護施設に到着
ロシア極北で保護のホッキョクグマの野生孤児のモスクワへの移送の様子が公開 ~ ロシア軍が輸送に協力
モスクワ動物園・ヴォロコラムスク附属保護施設に移送された野生孤児は雌(メス)で「ニカ」と命名
モスクワ動物園で保護された野生孤児ニカに欧州の多くの動物園が重大な関心を抱く
モスクワ動物園 ヴォロコラムスク附属保護施設の野生孤児ニカ (Ника) の近況 ~ 順調な成育
モスクワ動物園が「国際ホッキョクグマの日」にヴォロコラムスク附属保護施設を希望者に限定公開へ
モスクワ動物園が、今後ロシア国内で誕生の個体はロシア国内と欧州だけで飼育の意向を表明
モスクワ動物園の「国際ホッキョクグマの日」~ ヴォロコラムスク附属保護施設を一般来園者に初公開
デンマーク・コペンハーゲン動物園がロシア・イジェフスク動物園のノルドの来園予定を正式発表
モスクワ動物園のアクーロヴァ園長が語る同園のホッキョクグマへの方針 ~ 野生孤児保護の新施設をオープン
モスクワ動物園のシモーナがヴォロコラムスク附属保護施設に移る ~ 血統調整で繁殖の舞台から引退か?
モスクワ動物園・ヴォロコラムスク付属保護施設の野生孤児出身のニカの近況 ~ 公式予想クマとなる
モスクワ動物園・ヴォロコラムスク付属保護施設の野生孤児ニカの近況 ~ 次世代を担う有力騎手の姿
by polarbearmaniac | 2017-10-16 18:00 | Polarbearology

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