街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

<   2017年 10月 ( 40 )   > この月の画像一覧

オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドのホッキョクグマ親子のハロウィン

a0151913_1631272.jpg
リアお母さんとミシュカ Photo(C)Sea World

オーストラリア・クイーンスランド州のゴールドコーストにあるシーワールドで今年の4月26日に16歳のリアお母さんが産んだ雌(メス)のミシュカですが、本日エンリッチメントの一環としてハロウィンのカボチャのプレゼントがあったそうです。その様子を見てみましょう。



このハロウィンはケルト起源の収穫祭を祝うものでキリスト教とは関係のない祭りです。そういったことはホッキョクグマたちには関係のない話でありミシュカにとっては普段とは違う奇妙なカボチャを与えてもらって興味津々といったところです。

(資料)
Gold Coast Bulletin (Oct.31 2017 - Gold Coast polar bear at Sea World celebrates Halloween)

(過去関連投稿)
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドでホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生!
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の双子の赤ちゃんのうち一頭が死亡
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃんが生後一ヶ月を無事に経過
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドの赤ちゃんが産室内で第一歩を踏み出す
オーストラリアのシーワールドで誕生の雌(メス)の赤ちゃんの名前が「ミシュカ (Mishka)」に決まる
オーストラリアのシーワールドで誕生の雌(メス)のミシュカ (Mishka) の一般公開が開始となる
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのミシュカが間もなく生後半年へ ~ 深いプールにデビュー
by polarbearmaniac | 2017-10-31 17:00 | Polarbearology

モスクワ動物園 ヴォロコラムスク附属保護施設のアヤーナの近況 ~ 魚の給餌量の多いロシアの動物園

a0151913_0465152.jpg
ウムカ-アヤーナ (Белый медвежонок Умка-Аяна)
Photo(C)Единая Россия официальный сайт Партии

10月初頭にロシア北東部のサハ共和国の内陸部のコルィマ河岸で保護され、モスクワ動物園のヴォロコラムスク附属保護施設で保護・飼育されるようになった生後十か月の雌(メス)のウムカ-アヤーナ (Умка-Аяна) (以下、単に「アヤーナ」と表記します)についてモスクワの複数のメディアがその近況を報じています。

そこでモスクワ動物園の主任担当の方が話している内容によりますと、アヤーナは非常によく動き回るホッキョクグマだそうで外界の様子や近寄ってくる飼育員さんに非常に興味を示すそうです。アヤーナの飼育されている場所の両側には他の二頭のホッキョクグマ、つまりシモーナとニカがいるそうですがアヤーナはこの二頭に非常に興味を示してドアのところに行ったり臭いを嗅いだりといった行動を行って互いに交流を試みているということだそうです。何かホッキョクグマ相互間での独特のコミュニケーションが成り立っているということなのでしょう。そういったアヤーナの様子を報じるTVニュースを二つご紹介しておきます。この日には大きなおもちゃをもらっています。下の二つをそれぞれワンクリックしてみて下さい。
a0151913_0104280.jpg

a0151913_3343078.jpg

アヤーナに対しては獣医さんがすでにトレーニングも行っているそうです。またアヤーナは食欲も旺盛で一日に一回の給餌では肉、魚、野菜、果物などをもらっているそうですが、特に魚は一日に4キロもたいらげているそうです。ロシアの動物園ではホッキョクグマに与える魚の量が非常に多いことは以前にもご紹介していました。実は私は、この事実こそがロシアのホッキョクグマに独特の体型をもたらし、そして繁殖にとって有利に働く何かが作用しているという考えを持っています。欧州や日本の動物園ではロシアの動物園ほどホッキョクグマに魚を与えていません。こういったあたりにロシアの動物園がホッキョクグマの繁殖に多くの実績をあげている秘密だろうと思っています。
a0151913_0544665.jpg
Image:Вести.Ru

それから、モスクワ動物園ではこのアヤーナのモスクワ市内の本園への移動は彼女がもう少し成長してからにしたいと考えているそうです。やはりそのほうがよいでしょう。

(資料)
Вести.Ru (Oct.30 2017 - Спасенному в Якутии белому медвежонку выбрали имя)
Московское городское отделение партии Единая Россия (Oct.30 2017 - Московские единороссы навестили своего подшефного медвежонка)
РЕН ТВ (Oct.30 2017 - Белый медвежонок приходит в себя в Московском зоопарке)

(過去関連投稿)
ロシア北東部サハ共和国で北極海岸より700キロも離れた内陸で野生孤児が目撃 ~ 保護に動く自然管理監督局
ロシア北東部の内陸をさまよう個体への対応の二つの選択肢 ~ 動物園での保護か生息地への移送・解放か?
ロシア北東部 サハ共和国の内陸でホッキョクグマの幼年個体が保護 ~ 生後一年未満の雌(メス)と発表
ロシア北東部 サハ共和国の内陸で保護された雌(メス)の幼年個体がスレドネコルィムスクの街に移送される
ロシア北東部 サハ共和国の内陸で保護された幼年個体がヤクーツクに到着 ~ ただちにモスクワへ
ロシア北東部サハ共和国で保護された幼年個体がモスクワ動物園のヴォロコラムスク附属保護施設に無事到着
ロシア北東部サハ共和国で保護された幼年個体、検疫終了後にただちにモスクワ動物園の本園に登場の予定
モスクワ動物園 ヴォロコラムスク附属保護施設で保護された孤児の名前が「ウムカ-アヤーナ」に決まる
モスクワ動物園 ヴォロコラムスク附属保護施設のアヤーナがニカと同居の見通し ~ 「適応化」へ
by polarbearmaniac | 2017-10-31 01:00 | Polarbearology

カナダ・オンタリオ州コクレーン、「ホッキョクグマ居住村」でヘンリーに再会したオーストラリアのファン

a0151913_0403497.jpg
ヘンリー Photo(C)Polar Bear Habitat

ホッキョクグマの姿を求めて外国にまで行こうとするファンのうち大半はカナダのチャーチルに行って野生のホッキョクグマを見ようとするわけですが、その一方で飼育下の特定の個体に会いに行くというファンもいるわけです。私などは日本の動物園に暮らすロシア出身のホッキョクグマたちの両親やら兄弟姉妹に会ってみたいということでロシアに出かけていくわけで、そういったファンはやはり日本にも何人も存在しています。南半球のオーストラリアのシーワールドで2013年5月に誕生したヘンリーはその後カナダ・オンタリオ州 コクレーンの「ホッキョクグマ居住村 (Polar Bear Habitat)」に移動したわけですが、シーワールド時代のヘンリーを見続けていたオーストラリアのファンがこのほどカナダのコクレーンを訪問してヘンリーと再会した件についてカナダの地元のTV局がニュースにしていますのでご紹介しておきましょう。下をワンクリックして下さい。
a0151913_041304.jpg

「ホッキョクグマ居住村」はこういったファンの存在を非常に喜んでいるわけで、シーワールドと自分たちを結びつける友情の絆といった理解をしているようです。 さて、ロシアのノヴォシビルスク動物園でシルカの旅立ちについてそのスケジュールと移動先について同園は徹底的に隠し続けようとしたものの、本ブログでその内容を投稿したものを地元のファンの方々が見つけたためにノヴォシビルスクで大きな騒ぎになってしまったということがあったのですが、その後になって現地のあるTV局から「あなたが次にノヴォシビルスクに来る時に是非、動物園内でインタビューさせてほしい。」と言ってきたことがあったわけです。そういったことがあったために私はその後ノヴォシビルスクに行くことを止めてしまったという事情がありました。そういったTVに登場するのは私の趣味ではないからです。それからもう一つ、こういったこともありました。今年の7月にペルミ動物園を一週間にわたって訪問した際に私がアンデルマの動画を撮影中に「スミマセン!」という日本語での女性の声が後ろから聞こえました。重要なシーンを撮影しているつもりだった私はその声を無視しました。だいたい海外において日本語で話しかけてくる人には注意が必要なのです。ところがさらに再度また日本語で「スミマセン!」という声が聞こえました。私は動画の撮影を継続したまま無言で後ろを振りむくと一人の若いロシア人の女性がいました。その方はだまって手にしていたスマホの画面を私に見せたのですが、そのスマホの画面に表示されていたのはなんと当ブログのページでした。そのロシア人の女性はおそらく私がペルミ動物園に通い続けているのを本ブログを見て知っていたのでしょう。しかし私はそれでも無視して動画の撮影を続けました。撮影を終了するとその女性の姿は消えていたというわけです。その女性には本当に申し訳なかったと思っています。

(資料)
CTV News Northern Ontario (Oct.17 2017 - Polar bear gets Aussie visitors to Cochrane habitat)

(過去関連投稿)
オーストラリア・クイーンズランド州、シーワールドでホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃん、元気に生後二週間が経過
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃん、元気に生後一か月が経過
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃん、生後9週間を経て産室内を歩き始める
オーストラリア、ゴールドコーストのシーワールドで5月誕生の赤ちゃんが遂に戸外へ! ~ 性別は雄(オス)
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドの赤ちゃん、ヘンリーと命名され明日から一般公開へ
オーストラリア、シーワールドのリアお母さんの出産時の産室内秘話 ~ 「初産成功」 を特別視すべきか?
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の雄の赤ちゃん、ヘンリーが遂に一般公開となる
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドで誕生のヘンリー、生後5か月が経過 ~ 力強い歩み
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのヘンリー、元気一杯に遊び回る ~ リアお母さんの母性
オーストラリア、シーワールドのヘンリーのハロウィーン ~ エンリッチメントとしての意味付け
女帝ウスラーダとシモーナ、コーラ、リアの三頭の娘たち ~ 偉大な母親たちの三代の系譜
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで生後7ヶ月が経過したヘンリーの近況
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのヘンリーが間もなく一歳へ
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのヘンリーが満一歳となる ~ お誕生会が開催
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのヘンリーがリアお母さんと共にメインの展示場に登場
オーストラリア・シーワールドのヘンリーがカナダ・コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」へ旅立ちが決定
オーストラリア・シーワールドのヘンリーがカナダ・コクレーンへの移動のためシーワールドを出発
オーストラリア・シーワールドのヘンリーがカナダ・コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」に無事到着
カナダ・オンタリオ州コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」に到着したヘンリーが屋外に登場
カナダ・オンタリオ州コクレーン、「ホッキョクグマ居住村」のヘンリーに給餌を兼ねた訓練が行われる
カナダ・オンタリオ州コクレーン、「ホッキョクグマ居住村」のヘンリーが前衛美術の画家となる
カナダ・オンタリオ州コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」で拡張された新飼育展示場が完成
カナダ・オンタリオ州コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」で飼育展示場のライブ映像配信が開始
カナダ・コクレーンの「ホッキョクグマ居住村」、ガヌークとヘンリーの雄二頭の同居は大成功
カナダ・コクレーン「ホッキョクグマ居住村」のガヌークとヘンリーに流れるゆっくりとした時間
カナダ・コクレーン「ホッキョクグマ居住村」に新しい池のある飼育場がオープン
カナダ・コクレーン「ホッキョクグマ居住村」、ガヌークとヘンリーとの間に生まれた不思議な友情
カナダ・コクレーン「ホッキョクグマ居住村」のガヌークとヘンリーの冬の日
カナダ・コクレーン「ホッキョクグマ居住村」に到来した寒波 ~ 一方で危機的な北極圏の海氷減少
カナダ・コクレーン「ホッキョクグマ居住村」のホッキョクグマたちの近況 ~ 飼育下で悠々と暮らす
by polarbearmaniac | 2017-10-30 02:00 | Polarbearology

エストニア・タリン動物園に降った雪、そしてフリーダと間もなく満一歳になるアロンの親子の様子

a0151913_20582927.jpg
アロン Photo(C)Rene Suurkaev/ERR
a0151913_2101987.jpg
フリーダお母さん Photo(C)Rene Suurkaev/ERR

エストニアのタリン動物園で昨年2016年の11月26日にフリーダお母さんから誕生した雄(オス)のアロンは母親と共に広々とした新しい飼育展示場に9月末に移動し、親子共に次第に伸び伸びとした様子を見せてくれるようになってきました。
a0151913_21173552.jpg
アロン Photo(C)Rene Suurkaev/ERR

バルト海に面した小国エストニアにも冬の到来が迫ってきており遂に初雪が降ったそうです。そういった中でのフリーダとアロンの親子の様子を地元メディアの映像で二つご紹介しておきましょう。それぞれをワンクリックしていただくと映像の開始画面に移行します。親子の嬉しそうな気持が伝わってきます。
a0151913_20404329.jpg

a0151913_2041367.jpg

この季節の初雪というのは比較的遅いかもしれません。私が驚いたのは数年前に9月末にロシアのカザンに行った時に初雪が降ったことでした。さて、ここでもう一つこの親子の映像をご紹介しておきます。これは先週のもののようです。



さて、このタリン動物園ではこのフリーダのパートナーであるノルトもそろそろこの新しい飼育展示所に移動してくるはずですが彼は夏に脚に炎症をおこして治療中だったわけで、まだそれが治癒していないのかもしれません。ちょっと気になるところですが、私は彼の状態についてタリン動物園は何かを発表していないような気がします。それからアロンの姉であるノラですが、彼女はウィーンのシェーンブルン動物園に移動する予定になっていますので、この新しい飼育展示所には登場しないでしょう。

(資料)
Delfi (Oct.27 2017 - Mängulusti jätkub igasse päeva! Lumes aelev jääkarupoeg Aron pakub fantastilise vaatemängu)
ERR.ee (Oct.26 2017 - Galerii ja video: jääkarud naudivad värsket talveilma)
elu24.ee (Aug.2 2017 - Õõvastavad fotod loomaaiast: jääkaru Nordi käpp veritseb)

(過去関連投稿)
(*アロン関連)
バルト海沿岸・エストニアのタリン動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後10日目となる ~ ノラとノルトの誕生会が開催
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後3週間が経過 ~ 飼育マニュアルを無視した同園の謎
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後4週間が経過 ~ 映像から伝わってくる安定感
エストニア・タリン動物園の赤ちゃん、生後二ヶ月が経過 ~ 秋には新飼育展示場へ移動
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんが生後12週間経過へ ~ 寝心地の悪そうな産室
エストニア・タリン動物園の赤ちゃんは雄(オス)と判明 ~ 一般公開は3月5日からの予定
エストニア・タリン動物園で誕生の雄(オス)の赤ちゃんがフリーダお母さんと戸外に登場 ~ 見事な映像記録
エストニア・タリン動物園のフリーダお母さんと赤ちゃんの追加映像 ~ お披露目は本日のイベントでの予定
エストニア・タリン動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ 赤ちゃんの一般へのお披露目
エストニア・タリン動物園の雄(オス)の赤ちゃんの名前が「アロン (Aron)」に決まる
エストニア・タリン動物園で誕生の赤ちゃんアロンとフリーダお母さんに与えらえた大量の雪
エストニア・タリン動物園で誕生のアロンとフリーダお母さんの近況 ~ 将来の立ち位置が微妙な同園
エストニア・タリン動物園の雄(オス)のアロンの成長 ~ 性格判断の難しさ
エストニア・タリン動物園で秋の新飼育展示場オープンを待つホッキョクグマたち
エストニア・タリン動物園のフリーダとアロンの親子が完成した飼育展示場へ移動
エストニア・タリン動物園の新飼育展示場にフリーダとアロンの親子が初めて登場 ~ 落ち着かない親子の様子
エストニア・タリン動物園、苦節36年の果てに悲願の新ホッキョクグマ飼育展示場が完成
エストニア・タリン動物園の新ホッキョクグマ飼育展示場が公式にオープン ~ 日に日に環境に慣れる親子
by polarbearmaniac | 2017-10-29 01:00 | Polarbearology

カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のホッキョクグマたち ~ 繁殖成功への意欲を失った同園

a0151913_19514234.jpg
Image : Zoo sauvage de Saint-Félicien

カナダ・ケベック州のサンフェリシアン原生動物園 (Zoo sauvage de Saint-Félicien) で飼育されている14歳の雌(メス)のエサクバク (Aisaqvaq /Aisakvak) はイヌクシュクをパートナーとして2009年の11月にタイガとガヌークという双子を出産して以来は数年間にわたって彼女の二番目のパートナーであるイレ (Yellé) との間での繁殖が期待されてきたもののそれが実現しなかっただけでなく2015年と2016年の二つの繁殖シーズンにはエサクバクの三番目のパートナーとしてケベック水族館からエディ (Eddy) が来園したものの、それでもエサクバクの二度目の繁殖はうまくいきませんでした。そして再びイレが戻ってきてエサクバクのパートナーとなったという状態です。そういったこともあってかサンフェリシアン原生動物園は今年はホッキョクグマの繁殖に関する情報をほとんど発信しなくなってしまったようです。

このサンフェリシアン原生動物園では現在、14歳の雌(メス)のエサクバク、8歳の雌(メス)のミラク、11歳の雄(オス)のイレ (Yellé) という三頭が飼育されているのですが、今年の2月の時点での三頭の同居の様子を見ておくことにしましょう。イレとミラクはいずれも欧州のロストック系ですのでこの二頭の間での繁殖は好ましくはないわけですがサンフェリシアン原生動物園ではエサクバクとイレにミラクも加えて同居させています。こういったあたりに同園の何か投げやりな姿勢を感じます。



次は6月の映像ですがエサクバクが水に入っておりイレは寝ているという映像です。



この下の映像は9月初旬のもののようですが水に入っているのはエサクバクとミラクという雌(メス)同士ではないかと思われます。以前ではもうこの時期にはエサクバクを別区画に入れていたわけですが今年はもうそういったことは行わないようです。



こういった映像だけではなくいろいろなことから感じ取れるのですが、このサンフェリシアン原生動物園はもうホッキョクグマの繁殖についてかつてのように強い意欲を持ってはいないようです。エサクバクがもう6シーズンも繁殖の成功から遠ざかっており、しかもその理由はイレの繁殖能力に問題があるらしいことが明白にあぶりだされてはいるものの、では他のどの個体をパートナーにすべきかについても候補がいないといった状況です。エサクバクの最初のパートナーだったイヌクシュクはカナダにおける繁殖計画からは外されてしまっている状態です。今年もサンフェリシアン原生動物園からはエサクバクの出産成功の明るいニュースは聞こえてこないのではないでしょうか。ホッキョクグマの飼育を開始してそう何年も経過しないうちに繁殖に成功した場合などは、えてして二度目の成功は非常に難しくなるというのは意外によくあるケースです。

(過去関連投稿)
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、展示場に復帰 ~ 本命の意外な失望結果
カナダ・ケベック州 サンフェリシアン原生動物園のエサクバクとイレのペアへの大きな期待
カナダ・ケペック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、早々と出産準備のための別区画に移る
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(10) ~ 出産に備えた雌の「隔離」とは?
カナダ・ケペック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバクの産室内の姿が公開 ~ スタッフの余裕
カナダ・サンフェリシアン原生動物園の産室内のエサクバク ~ ” Bonne nuit belle Aisaqvak !”
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、「本命」の2年続きの失望結果
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバクとイレのペアの繁殖への挑戦
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園でのイレの健康チェックトレーニング
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバクの新しいパートナーとしてエディが来園
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、新パートナーとの間で繁殖に再挑戦
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園でイレと検疫期間の終了したミラクの初顔合わせ
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園の深慮遠謀 ~ エサクバクとミラクのダブル出産への挑戦
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、ミラク、イレの近況
カナダ・サンフェリシアン原生動物園のイレ(Yellé) のハロウィーン ~ 「ホッキョクグマ週間」について
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバクが飼育展示場に復帰 ~ 漂う今後への閉塞感
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園でエサクバクとイレの同居始まる ~ 幸運を待つだけか?
by polarbearmaniac | 2017-10-28 01:00 | Polarbearology

チェコ・ブルノ動物園のノリアが間もなく満二歳へ ~ 母親の年齢と子供の潜在能力との関係

a0151913_190883.jpg
コーラお母さんとノリア Image:tn.cz

2015年の11月24日にチェコ・ブルノ動物園で当時17歳を目前にしたコーラから誕生した雌(メス)のノリア(Noria)は間もなく満二歳になろうとしています。母親としての最絶頂期に入ったコーラと共に約二年間を過ごしているノリアは非常に幸運な個体であることは間違いありません。そして彼女が母親と共に屋外に登場してから現在に至るまでのいくつもの映像を見てわかるのは、このノリアの幼年個体としての優秀さと将来の可能性の大きさ、つまり潜在的可能性の大きさといったことです。しかしこういったノリアの優秀さは母親であるコーラがその母親としての最絶頂期に育児を行っているからであるという考え方に直結させるのはやや危険かもしれません。非常に最近のこの親子の様子を映像で見てみましょう。







冒頭の問題設定に戻ってみたいのですが、母親がその人生(Bear's life)における最絶頂期に育児を行った子供は本当に優秀なのか(この「優秀さ」を「潜在的能力、可能性の高さ」と定義しておくことにします)という点ですが、実は私はこれには自分なりの回答を出せずにいます。たとえばウスラーダは彼女が7歳になったばかりの時に最初に産んだのがシモーナですが、そのシモーナはウスラーダの16頭の子供たちのうちで最高のホッキョクグマでした。ところがそのシモーナが彼女が6歳になったばかりの時に産んだ息子は非常に優秀であるとは到底言い難い息子だったわけです。ウスラーダがその母親としての絶頂期の入り口にさしかかったときに育児を行ったのは仙台のラダゴル(カイ)ですが、これは素晴らしい息子であるという気がします。シモーナがその母親としての絶頂期の入り口にさしかかったときに育児を行ったのはジフィルカ(ウクライナのムィコラーイウ動物園)ですが、これは何とも言えません。

札幌のララですが、彼女が最初に育児を行ったツヨシは彼女の8頭の子供たちの中で最高かと問われれば最高でも最低でもなく平均的ではないかといった気がします。しかしララが母親としての最絶頂期の入り口にさしかかったと思われる時期に育児を行ったアイラは、少なくとも私の目で見ればツヨシよりも優れた個体であるように感じます。ノヴォシビルスク動物園のゲルダはこれから何頭の子供たちを育てることになるのかはわかりませんから彼女が最初に産んだシルカが最高であるかどうかといった予想は無理な話です。しかし重要だと思われる要因は子供が母親と過ごした期間の長さはやはりかなり影響してくるような気がします。たとえばあのウスラーダと最も長く暮らしたのはシモーナとラダゴル(カイ)だったわけで、この二頭が優秀であることを説明する理由の一つにはなるでしょう。そうなると、シモーナと最も長く暮らした現在はモスクワ動物園にいるスネジンカとハバロフスク動物園のハバルは非常に優秀であるといった推定は成りたちそうですが私にはそう言い切る自信は全くありません。札幌のリラは間もなく三歳になりますが依然としてララと同居しています。さて、そうなるとこのリラは将来的に最も優秀で有望な個体となるのか....これもわかりません。

といったことで、複数の条件を整理しつつこの問題を突き詰めていきたいとも思いますが果たして何らかの回答があるのかについてもよくわかりません。

(過去関連投稿)
チェコ・ブルノ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ コーラお母さんが待望の出産
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃん、最初の関門を突破 ~ 屋外で出産していたコーラお母さん
チェコ・ブルノ動物園から遂に待望の産室内ライブ映像の24時間配信が開始!
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃんの産室内映像ハイライト ~ コーラお母さんの手堅い育児
チェコ・ブルノ動物園の赤ちゃん、元気に間もなく生後二カ月へ ~ ライブ映像のみに託した情報発信
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃんの近況 ~ コーラお母さんに少量の給餌が再開
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃんが生後80日を無事経過
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃんが突然短時間、戸外に姿を現す ~ 想定外の早さに驚く同園
チェコ・ブルノ動物園で誕生の赤ちゃん、明日3月18日より一般へのお披露目が同園より告知
チェコ・ブルノ動物園の赤ちゃん一般公開開始の様子がネットでライブ生中継
チェコ・ブルノ動物園のコーラ親子の一般への公開が開始となる ~ 深夜でも動き回る親子
チェコ・ブルノ動物園のコーラお母さんの育児スタイルに変化 ~ 経験よりも頭数が重要な要素か?
チェコ・ブルノ動物園のコーラ親子の映像を解釈する ~ 育児方法の転換が不十分なコーラお母さん
チェコ・ブルノ動物園の赤ちゃんの性別は雌(メス)と判明 ~ 名前の公募始まる
チェコ・ブルノ動物園のコーラお母さん、プールに転落した赤ちゃんを救出 ~ 落ち着いた対応
チェコ・ブルノ動物園の雌(メス)の赤ちゃんの名前が「ノリア(Noria)」に決まる
チェコ・ブルノ動物園、幾分どっしり構えるコーラお母さんと遊び好きで活動的な赤ちゃんのノリア
チェコ・ブルノ動物園、コーラお母さんの「水泳教室」 ~ 娘のノリアへの関与性を高める
チェコ・ブルノ動物園の赤ちゃんノリアが泳ぎ始める ~ 母親の役割を見事に発揮するコーラお母さん
チェコ・ブルノ動物園のノリアの水遊び ~ 雌(メス)のほうが雄(オス)よりも遊び好きが多いのは何故か?
チェコ・ブルノ動物園の飼育展示場に落下した帽子をノリアが引き裂いて「首飾り」にしてしまう
チェコ・ブルノ動物園のコーラ親子を的確に捉えた視点 ~ “Nature imitates Art.”
チェコ・ブルノ動物園のノリアが無事に生後半年が経過
チェコ・ブルノ動物園のノリアの近況 ~ コーラお母さんの余裕と熟練の育児
チェコ・ブルノ動物園のコーラお母さんと娘のノリアの充実した時間
チェコ・ブルノ動物園のコーラ親子の近況 ~ 「偉大なる母」の領域に入りつつあるコーラお母さん
チェコ・ブルノ動物園のノリアが母親コーラから会得した行動の規範
チェコ・ブルノ動物園、コーラとノリアの母娘を見つめる同園の一貫した視線
チェコ・ブルノ動物園のノリア、そして母親であるコーラとの間に流れる緊密で濃厚な時間
チェコ・ブルノ動物園のコーラ、その磨きのかかった母親としての存在感
チェコ・ブルノ動物園のコーラとノリアの母娘の近況
チェコ・ブルノ動物園の間もなく一歳になるノリアについて聞こえてこない将来の移動先の噂
チェコ・ブルノ動物園、母親として最絶頂期に差し掛かったコーラお母さんと娘ノリアの楽しい時間
チェコ・ブルノ動物園のノリアの満一歳が祝われる ~ ホッキョクグマ一家の合同お誕生会となる
チェコ・ブルノ動物園のコーラとノリアの母娘、その冬の日の姿 ~ 「偉大なる母」へと変貌したコーラ
チェコ・ブルノ動物園、コーラとノリアの冬の寒波の日
チェコ・ブルノ動物園の一歳のノリアに対して、まだ母親コーラの監視の目が光る
チェコ・ブルノ動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ コーラとノリアの母娘の近況
チェコ・ブルノ動物園の一歳半のノリアの成長 ~ 優れた資質と磨かれた感性
チェコ・ブルノ動物園の一歳半を過ぎたノリアの近況 ~ 欧州ホッキョクグマ界の次世代の有望株の姿
チェコ・ブルノ動物園でコーラ親子に現金で多額の寄付を行い、名も告げず去った人物
チェコ・ブルノ動物園のコーラとノリアの母娘の近況 ~ 母親と娘を長く同居させる最近の欧州の傾向について
by polarbearmaniac | 2017-10-27 01:00

ロシア・カザン市動物園のマレイシュカの近況 ~ 人工授精を行う決断をした同園

a0151913_15575917.jpg
マレイシュカ (Белая медведица Малышка/Eisbärin Malyshka)
Photo(C)Казанский зооботсад

ロシア・タタールスタン共和国の中心都市であるカザンの動物園に一頭で暮らす21歳の雌(メス)のホッキョクグマであるマレイシュカについては本ブログで今まで何度も投稿していますが世界的には全く無名といってよいほどの存在です。彼女はロシアのホッキョクグマ界においては偉大なる母として大きな存在感をもっているものの欧米においては全くといってよいほど知られてはないわけです。こういった状況には大きな不満を感じざるを得ないわけで本ブログで彼女に関する投稿が多いのは彼女に対する正当な評価を反映させたいという本ブログ開設者の願いであるというわけです。
a0151913_134531.jpg
Photo(C)Казанский зооботсад

さて、このマレイシュカに関してカザン市動物園が人工授精を行うことを検討しているという情報について先日ご紹介していました。それについては是非「ロシア・カザン市動物園のマレイシュカに人工授精が計画される ~ ドナー候補はどの雄(オス)の個体か?」という投稿を御参照いただければ幸いです。カザン市動物園は現在21歳であって過去4回の出産経験のあるマレイシュカのさらなる繁殖への貢献は可能であると考えて彼女のパートナーをロシア国内の動物園に求めてきたそうですが現在に至るまで成功していないそうです。過去に一度、チェリャビンスク動物園の雄(オス)のアルツィンが繁殖目的でカザン市動物園に出張してきた件はご紹介していました。しかしその時は繁殖には成功せず、カザン市動物園は引き続いて他園にマレイシュカのパートナーを求めたものの移動のための輸送中の安全性の確保に保障かないことを理由に全て断ってきたそうです。こういった経緯でカザン市動物園はマレイシュカへの人工授精を行うことを決定したというのが経緯だそです。

ここで最近のマレイシュカの映像をご紹介しておきます。ロシアのホッキョクグマらしい、ふてぶてしいほどの面構えには魅了されます。彼女の姿と共に前半ではエンリッチメントについて飼育員さんンが語り後半では副園長がホッキョクグマへの人工授精について語っています。



カザン市動物園は現在建設中の新しい動物園のなかに動物たちの遺伝子データを集めたバイオバンクを設置するそうで、そこでは各種の繁殖上の技術を研究する場所とする予定だそうです。そしてこれも以前にご紹介したことがあったのですが、ホッキョクグマの受精卵をヒグマに移植し、そして出産させる技術にも積極的に取り組む予定だそうです。人工授精はともかくとしてヒグマを代理母とするホッキョクグマの繁殖の話は冗談半分に聞いておいたほうがよいでしょう。次は別のTV局の映像です。映像の一部分には先日アメリカのメリーランド動物園で行われたホッキョクグマへの人工授精の映像が挿入されています。



私はあのウスラーダの妹であるマレイシュカについては非常に応援しています。あの劣悪なカザン市動物園の飼育環境のなかで生まれ育った彼女に強靭な精神を見て取ることができて感動してしまいます。彼女の存在感というのはゲルダをはるかに優っていると感じます。ただしカザン市動物園のスタッフについては経験上私は信用できないという気持ちをもっています。
a0151913_1624360.jpg
Image : ГТРК Татарстан

(資料)
События (Oct.3 2017 - Мишки из банки – как в Казани впервые в России планируют искусственно разводить белых медведей)
Татар-информ (Oct.4 2017 - В Казанском зоопарке создадут уникальный биобанк с генетической информацией животных)
ГТРК Татарстан (Oct.7 2017 - В Казани проведут искусственное оплодотворение белой медведицы)

(過去関連投稿)
ロシアの3つの動物園が共同で異種間移植(ホッキョクグマ → ヒグマへの胎仔移植)の実験を行うことを発表

ロシア・カザン市動物園の「国際ホッキョクグマの日」のマレイシュカの姿 ~ 昨年末には出産に成功せず
ロシア・カザン市動物園に短期出張したアルツィンがチェリャビンスク動物園に帰還 ~ 行方不詳のユーコン
ロシア連邦・タタールスタン共和国 カザン市動物園の20歳のマレイシュカ、昨シーズンは出産ならず
ロシア・タタールスタン共和国 カザン市動物園のマレイシュカの夏の日 ~ 知られざる偉大な母
ロシア・カザン市動物園のマレイシュカの近況 ~ 再び母としての姿を見せるチャンスはあるか?
ロシア・カザン市動物園のマレイシュカの近況 ~ 「甘いおやつの日」のイベント
ロシア・カザン市動物園が誇る自園の雌(メス)の個体の高い「育児成功率」 ~ 根拠薄弱な数字の魔術
ロシア・カザン市動物園のマレイシュカに人工授精が計画される ~ ドナー候補はどの雄(オス)の個体か?

(*2011年9月 カザン市動物園訪問記)
カザン市動物園へ ~ 貧弱な飼育環境と大きな繁殖実績との間の巨大なパラドックス
カザンの星、マレイシュカお母さんの素顔
カザンで見たユーコン (天王寺動物園、ゴーゴの父) の素顔
カザン市動物園訪問2日目 ~ 疑惑から事実の確定へ
(*2013年9月 カザン市動物園訪問記)
成田からモスクワ、そしてカザンへ ~ 別れが目前に迫った母娘への想い
シャリアピンパレスからカザン市動物園へ ~ 別れの時が迫ったマレイシュカとユムカの母娘の姿
マレイシュカお母さんの性格と母性
ユムカの性格と素顔 ~ カザンに初雪の降った日...そして別れ
(*2015年8月 カザン市動物園訪問記)
カザン市動物園、その疑惑と謎に満ちた不可解な状況 ~ マレイシュカとの再会
マレイシュカは年末に出産するか? ~ 劣悪な飼育環境にも逞しく生きるホッキョクグマのロシア魂
ユーコン (Белый медведь Юкон - 姫路ホクト、白浜ゴーゴの父)   (1988 ~ 2014)
by polarbearmaniac | 2017-10-26 01:00 | Polarbearology

アメリカ・コロンバス動物園のアメリア・グレー、ニヴァ、ニューニクの三頭が間もなく満一歳へ

a0151913_22223248.jpg
アメリア・グレー Photo:Tripadvisor
a0151913_22244687.jpg
ニヴァとニューニク Photo:Tripadvisor

アメリカ・オハイオ州のコロンバス動物園 (Columbus Zoo and Aquarium) は昨年の11月にアナーナオーロラという当時9歳の双子姉妹のホッキョクグマが共に出産に成功するという快挙を成し遂げ大いに話題になりました。アナーナには昨年11月8日に後に "アメリア・グレー (Amelia Gray)"と命名された雌(メス)の赤ちゃん一頭、そしてオーロラには昨年11月14日に後に "ニヴァ (Neva)" と "ニューニク (Nuniq)"と命名された雌(メス)と雄(オス)の双子の赤ちゃんが誕生したわけでした。
a0151913_22232373.jpg
アナーナお母さんとアメリア・グレー Photo:Tripadvisor
a0151913_22261360.jpg
オーロラお母さんとニヴァ、ニューニクの双子 Photo:Tripadvisor

この合計三頭の赤ちゃんたちは順調に成育を続け間もなく満一歳になろうとしています。コロンバス動物園はこの三頭の最近の様子とその性格について担当飼育員さんたちが紹介する映像を公開していますのでご紹介しておきます。これはセンスに溢れた実に素晴らしい映像です。音声はonにして下さい。



一語で表せば双子のうちの雌(メス)のニヴァは "independent"、雄(オス)のニューニクは "goofy"、そして雌(メス)の一頭のアメリア・グレーは "special" だそうです。 "independent" というのは他から影響を受けないといった意味ですが、"goofy" は難しいですね。通常は「まぬけな」とでもいった感じですが、実は愛すべき「お馬鹿ちゃん」といった性格という意味でしょう。具体的には "food-motivated" つまり食べ物に眼が眩みやすいといったことだそうです。"special" の具体的な内容は "feisty girl" つまり「思い切りが良い」といった意味でしょう。こうしたホッキョクグマの性格についても当然 personality といった言い方をしています。

登場している三名の飼育員さんたちは毎日のようにこの三頭が成長していく様子を楽しみながら仕事をしているといった感じがします。

(過去関連投稿)
(*アナーナの出産関連)
アメリカ・コロンバス動物園でのオーロラとアナーナの出産準備態勢
アメリカ・コロンバス動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 「双子姉妹の神話」は生きていた!
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナの赤ちゃんが間もなく生後三か月へ
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナお母さんと一頭の赤ちゃんの近況
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナの赤ちゃんが一般公開へ ~ お披露目の様子がライブ中継の予定
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナの赤ちゃんがお披露目となる ~ 性別は雌(メス)と判明
アメリカ・コロンバス動物園の三頭の赤ちゃんが間もなく生後半年へ ~ 稀有な同一園での二組の親子の存在
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナの雌(メス)の赤ちゃんが生後半年の誕生日を迎える ~ 成長の確かさ
(*オーロラの過去の出産関連)
アメリカ・オハイオ州、コロンバス動物園のアナーナとオーロラの双子姉妹はダブル出産ならず
アメリカ・オハイオ州、コロンバス動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃんが誕生するも二頭ともに死亡
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ オーロラが待望の出産
アメリカ・コンロバス動物園のオーロラお母さん、赤ちゃんの育児を突然止める ~ 人工哺育へ
アメリカ・コロンバス動物園のノーラがポートランドのオレゴン動物園へ ~ その背景を読み解く
アメリカ・コロンバス動物園でのオーロラとアナーナの出産準備態勢
アメリカ・コロンバス動物園で再びホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 双子姉妹のダブル出産実現!
アメリカ・コロンバス動物園でオーロラお母さんの産んだ双子の赤ちゃんが生後一週間を無事に通過
アメリカ・コロンバス動物園のオーロラの双子の赤ちゃんが生後三か月を過ぎバックヤードに登場
アメリカ・コロンバス動物園のオーロラお母さんと双子の赤ちゃんの近況 ~ 水に親しむ
アメリカ・コロンバス動物園のオーロラの双子の赤ちゃんが一般公開へ ~ お披露目の様子がライブ中継へ
アメリカ・コロンバス動物園のオーロラの雌(メス)と雄(オス)双子の赤ちゃんが一般へのお披露目となる

アメリカ・コロンバス動物園の産室内の二組の親子(アナーナ親子 & オーロラ親子)の近況
アメリカ・コロンバス動物園で誕生の三頭の赤ちゃんたちの近況
アメリカ・コロンバス動物園の産室内の二組の親子の近況 ~ 三頭の赤ちゃんは全て両目が開く
アメリカ・コロンバス動物園の産室内の二組の親子の近況 ~ 元気に成育を続ける三頭の赤ちゃん
アメリカ・コロンバス動物園の三頭の赤ちゃんたち、生後二ヶ月を過ぎてのの近況 ~ 歩き始める
アメリカ・コロンバス動物園の二組の親子の最新の映像が公開される
アメリカ・コロンバス動物園の二組の親子の近況 ~ 情報を「出し惜しみ?」する同園
アメリカ・コロンバス動物園の三頭の赤ちゃんが間もなく生後半年へ ~ 稀有な同一園での二組の親子の存在
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナの雌(メス)の赤ちゃんの名前は "アメリア・グレー (Amelia Gray)"
アメリカ・コロンバス動物園のオーロラの赤ちゃんの名前が "ニヴァ (Neva)" と "ニューニク(Nuniq)"
by polarbearmaniac | 2017-10-25 01:00 | Polarbearology

ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のクインターナが間もなく満一歳へ ~ 欧州とロシアの母親の違い

a0151913_2018295.jpg
クインターナ Photo(C)Tierpark Hellabrunn

ミュンヘンのヘラブルン動物園で昨年2016年の11月21日にジョヴァンナお母さんから誕生した雌(メス)のクインターナ (Quintana) は間もなく満一歳になろうとしていますが彼女について投稿するのは久し振りになります。彼女についてはドイツのファンの方々が淡々と映像でその成長を追い続けており比較的容易にその近況を知ることが可能です。9月以降の映像をいくつか見てみましょう。

まず最初の映像は9月のもので、いくつかの短いシーンを次から次へと繋ぎあわせた映像です。非常に見やすい映像だと思います。これは一つの典型的な手法です。



次はニンジンに執着するクインターナというテーマで一貫した映像です。ですから上の映像とは全く視点が異なるわけです。



この下は葉に執着する母娘の姿です。この一点だけに視点を絞った映像です。



下の二つの映像は水の中からパレットのようなものを持ち上げようとするジョヴァンナと上にいるクインターナの反応が撮られているのですが、それぞれが短すぎるのが惜しいところです。





このような映像から判断するとクインターナというのはいわゆる「お転婆娘」であるようには見えません。比較的穏健な性格を持った幼年個体ではないかと想像できます。最低10~15分程度の長さのある映像がありませんとこのジョヴァンナとクインターナの親子の関係はよくわからないように思います。以下は最も新しい映像ですがクインターナは札幌のリラのように母親を押しのけ出まで自分の欲しいものを求めるといったホッキョクグマではないようです。



欧州にはホッキョクグマの親子関係といったものに対する細かい関心を抱くファンはあまりいないようです。というよりも、そういったものを類型化するために集中して関心を持つホッキョクグマファンは多分私だけではないかという気がします。しかし間違いなく言えることは、ホッキョクグマの親子の関係、特に母親の育児方法(子供たちへの接し方)は非常に多様であって母親の数と同じだけのパターンがあるということです。その点ではロシアのホッキョクグマの母親たちの方が欧州の母親たちに比べてそのスタイルの違いが大きいように感じます。何故そうなるのかを私なりに推測してみますとロシアの動物園のホッキョクグマのほうが欧州の動物園のホッキョクグマよりも飼育環境が厳しいためにロシアのホッキョクグマの母親たちのほうが欧州のホッキョクグマの母親たちと比較すると自分の子供に対する集中度と関与度が高くならざるを得ず、この点においてロシアの母親たちのほうが自ずから育児スタイルが個性化、明確化する余地の大きくなる結果をもたらせているからではないかということです。私はロシアの母親たちを多く見てきたためにホッキョクグマの母親の育児スタイルの違いに大きな関心を抱く結果となったものの、欧州のファンの方々はそういった個性がやや薄い欧州の母親たちを見ているためにホッキョクグマの母親の育児スタイルへの関心が非常に低くなるということが理由ではないかと私は考えています。
a0151913_20185168.jpg
クインターナ Photo(C)Tierpark Hellaburunn

ジョヴァンナのパートナーでありクインターナの父親でもあるヨギが今年4月亡くなってしまったということもあって、この親子の同居は間違いなく来年も続き、そしてひょっとしたら再来年も続く可能性があります。欧州ではヨギ、ラルス、マナッセといった優れた繁殖能力のある雄(オス)の個体が立て続けに亡くなってしまったことは大きな損失です。

(過去関連投稿)
ドイツ・ミュンヘンのヘラブルン動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ ジョヴァンナが二度目の出産
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃん、生後三週間が過ぎる ~ 際立つ母親の安定感
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃん、生後一ヶ月を経過して両目が開く
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃんが生後40日を超える ~ 「表象」と「核心」
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の赤ちゃん、生後50日が経過 ~ 一般公開開始は2月24日と早々と告知
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃん、生後二ヶ月が経過
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃんの性別は雌(メス)と判明
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の赤ちゃんの活発さ ~ 管理を緩めぬジョヴァンナお母さん
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の雌(メス)の赤ちゃん、あと二週間ほどで屋外登場へ
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の雌(メス)の赤ちゃん、産室からの一歩を踏み出す
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の赤ちゃん、週末より母親と共に屋外登場の予定
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の赤ちゃんの本日2月24日の屋外初登場がドイツよりライブ中継の予定
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の赤ちゃんがジョヴァンナお母さんと共にお披露目となる
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のジョヴァンナ親子の飼育展示場からライブ映像配信が開始
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の赤ちゃんの名前が "クインターナ (Quintana)" に決まる
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のジョヴァンナお母さんと娘のクインターナの近況
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のクインターナが生後半年が経過 ~ 親子で岩場のある区画に登場
by polarbearmaniac | 2017-10-24 01:00 | Polarbearology

フランス・アルザス地方、ミュルーズ動物園のナニュクが間もなく満一歳へ

a0151913_2124423.jpg
ナニュク Photo(C)Zooactu.com

フランス東部アルザス地方のミュルーズの動物園で昨年2016年の11月7日に当時は5歳であったセシ (Sesi) から誕生した雌(メス)の赤ちゃんのナニュク (Nanuq) は間もなく満一歳になります。この親子の情報もあまりメディアには登場しないわけで本ブログでも久し振りの投稿になります。フランスではホッキョクグマの赤ちゃんへの関心はドイツやデンマークなどに比べるとそれほど高くはないものの地元のメディアは内側に入った内容 (behind the scene)を伝えることが多いようです。夏にこのナニュクに対するトレーニング、その後の水遊び、そしてセシお母さんの授乳の様子が報じられていますのでその映像を見てみましょう。以下のワンクリックして下さい。
a0151913_21175099.jpg

次の映像は昼寝している親子の姿です。



母親のセシはこのナニュクを出産した時は5歳だったわけですが最近はこのような非常に若い年齢で出産に成功する母親が多くなっています。そういった意味で上野のデアなどは出産に成功してもおかしくはない年齢になってしるわけでもう少し話題にしていかねばならなくなるでしょう。

(資料)
L'Alsace (Jul.13 2017 - Nanuq et sa mère à l’entraînement)
Zooactu.com (Jul.13 2017 - Des nouvelles de Nanuq, l’ours polaire du zoo de Mulhouse)

(過去関連投稿)
フランス・ミュルーズ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 5歳のセシが二度目にして出産に成功
フランス・ミュルーズ動物園で誕生した赤ちゃんの近況 ~ 大きな喜びに包まれる同園
フランス・ミュルーズ動物園で誕生した赤ちゃんが生後三か月となる ~ ネットによる命名投票受付中
フランス・ミュルーズ動物園の赤ちゃんがセシお母さんと共に屋外に登場
フランス・ミュルーズ動物園の赤ちゃんが遂に一般公開 ~ 性別は雌(メス)で「ナニュク (Nanuq)」と命名
フランス・ミュルーズ動物園で大人気となったセシとナニュクの親子を担当するスタッフの充実した毎日
フランス・ミュルーズ動物園のセシとナニュクの母娘の近況 ~ 「超大物」の母親であるセシ
フランス・ミュルーズ動物園のセシとナニュクの親子の近況 ~ 優れた映像に恵まれない親子
フランス・ミュルーズ動物園の生後7ヶ月になる雌(メス)のナニュクの近況 ~ 体重を落としたヴィックス
by polarbearmaniac | 2017-10-23 00:30 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

ベルリン動物公園で誕生の赤ち..
at 2017-12-19 02:00
チェコ・ブルノ動物園のノリア..
at 2017-12-18 17:30
アメリカ・シンシナティ動物園..
at 2017-12-18 00:30
アラスカ最北部のバロー(ユト..
at 2017-12-17 06:00
イギリスのヨークシャー野生動..
at 2017-12-17 01:00
ロシア・ペンザ動物園のベルィ..
at 2017-12-17 00:15
ロシア・イジェフスク動物園の..
at 2017-12-16 00:30
アメリカ・フィラデルフィア動..
at 2017-12-15 15:30
ロシア・イジェフスク動物園で..
at 2017-12-14 22:30
ベルリン動物公園で誕生の赤ち..
at 2017-12-14 20:30

以前の記事

2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Lenin's Tomb: The Last Days of the Soviet Empire


Resurrection: The Struggle for a New Russia


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag