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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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トウチャン、カアチャン健在!

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カアチャンは緑色になっていますが元気!
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貫禄のトウチャンは今年31歳です。元気でよかった!
(Aug.28 2010 @阿蘇 カドリー・ドミニオン)
# by polarbearmaniac | 2010-08-28 12:21 | しろくま紀行

ハンガリー・ブダペスト動物園のレディとヴィタスの不妊検査 ~ ドナウ河岸の憂鬱

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レディ Photo (C) AP

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ヴィタス Photo (C) AP

先日報道されたニュースで49歳になられる女性の衆議院議員の方が、体外受精による妊娠の事実を公表されました。ご本人の「生みたい」という凄まじいばかりの執念は伝わってくるのですが、こう言ってしまってはご本人に大変失礼であることは十分承知の上で申し上げれば、同情以上に私には何か物悲しさを感じてしまいました。

相性がよいにもかかわらずホッキョクグマのペアに長い期間に子供が生まれない場合、切実に繁殖を願う動物園担当者としてはどうするでしょうか。いかんともし難い焦燥感に襲われるのは当然としても、ではいったいどうすればよいのでしょうか? ペアを変えてみる前に何かできることはないのか....そう考えたのがハンガリーのブダペスト(ブダペシュト)動物園だったのでした。この18歳の雄のヴィタス(Vitus)と19歳の雌のレディ(Lady)は1994年以来このブダペスト動物園でペアを組んできました。ヴィタスはドイツのケルン動物園の生まれ、レディはこのブダペスト動物園の生まれで、あのとべ動物園のピースの父親バールの妹にあたります。

ブダペスト動物園は地元ハンガリーの獣医さんたちに加えドイツからも専門家を呼び、2009年1月にこのヴィタスとレディの2頭に順番に麻酔をかけ不妊検査が行われました。ハンガリー・ブダペスト動物園のレディとヴィタスの不妊検査 ~ ドナウ河岸の憂鬱_a0151913_2014632.jpgハンガリー・ブダペスト動物園のレディとヴィタスの不妊検査 ~ ドナウ河岸の憂鬱_a0151913_202112.jpg









まず雄のヴィタスですが、超音波検査が行われ、そして精液が採取されました。その結果ですが、生殖機能の異常は発見されませんでした。性器に若干の傷があったようですが特別の問題ではなかったようです。精液のほうも申し分のない状態だったようです。そのため将来に備えてヴィタスの精液は冷凍保存されることとなりました。次に雌のレディです。場合のよっては人工授精を行う可能性も用意しつつ検査が行われましたが子宮に加齢が原因とも推測できる異状が見出されたわけでした。動物園は最終結果を公表しましたが、結論としてはブダペスト動物園でのホッキョクグマの繁殖を成功させるには新しい雌の個体が必要である....そういう結論に落ち着きました。

こういった一連の検査の様子を報じたハンガリーのTV局の映像がありますのでご紹介しておきます。



人間たちの心配と焦燥をよそにこの2頭は今年の夏も元気にプール遊びをしているそうです。 当分この2頭は仲の良い姿を見せてくれるようですので、これはこれでよいことだと思います。冒頭の写真は一週間目の2頭の様子です。それからこの下は2頭の映像です。かなり体の大きさが違うようですね。





*(資料)
Zoo Budapest (Jan. 28 2009 - Jegesmedve vizsgálat altatásban)
Photo(C) Zoo Budapest
Origo (Jan.29 2009 - Altatásban vizsgálták a jegesmedvepár termékenységét - képes beszámoló) (Video - Jegesmedve-műtét állatkertben)
# by polarbearmaniac | 2010-08-28 00:10 | Polarbearology

モスクワ動物園・ウランゲリ(旭山動物園イワンの父)の虫歯治療 ~ 動物歯科医チームの活躍

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モスクワ動物園・ウランゲリ(旭山動物園イワンの父)の虫歯治療 ~ 動物歯科医チームの活躍_a0151913_2324783.jpg
Photo (C ) Комсомольская правда

ホッキョクグマが虫歯になったときどうすればよいかとなると、抜く以外にうまい治療方法はないようです。さて、今から5年ほど前の2005年のことですがモスクワ動物園で飼育されている雄のウランゲリ(旭山動物園のイワンの父親です)が食事の時にエサを噛むのがつらそうな状態になったそうです。モスクワ動物園の獣医さんがチェックしてみますと、どうもかなりひどい虫歯がある模様。モスクワ動物園としては大変困りました。虫歯を抜く以外に治療方法がないようですが、相手はなにしろ巨大なホッキョクグマです。そしてウランゲリの体重は450キロ、手術台の上に載せるには17人の力が必要になると考えました。もちろん麻酔をかける必要がありますし、抜歯ともなればかなり強い麻酔薬を使用せざるを得ません。実はモスクワ動物園が一番怖れたのはこの麻酔でした。

(私たちはなにかと、園間移動の際や何かの検査をする際にもホッキョクグマに麻酔をかけることを当然と考えていますが、実は欧州やロシアの動物園ではそのような場合でも基本的には麻酔は使用しません。やはり麻酔のリスクを非常に重要視するわけです。実際、私が欧州やロシアの動物園間での個体移動に関して調べた範囲内でも麻酔をかけた事例はごく少数しか見つかりません。)

食事を摂るのも辛そうになってきたウランゲリの姿を見て、モスクワ動物園では以前に象の歯の治療を依頼したZoodentという動物専門の歯科治療チームにウランゲリの虫歯の治療を依頼することにしました。この歯科医療チームを主宰しているケルテス博士と麻酔医、そして何人かのスタッフがアエロフロート機に200キロもの歯科治療機材を積んでモスクワにやってきました。入念に麻酔をかけられた治療台の上のウランゲリには、麻酔の強さを考慮に入れて人工呼吸器が取り付けられました。ケルテス博士は入念にウランゲリの上下の歯をチェックして2本の犬歯の抜歯手術を行いました。この全体の手術は3時間かかったとのことです。手術が終わったあとしばらくしてウランゲリは麻酔から覚め、飼育場へ運ばれていったとのこと。手術は無事成功しました。

このウランゲリですが、モスクワ動物園の発表では体重が450キロとのことですが、旭山動物園のイワンはどれくらいの体重でしょうか? イワンも近くで見ると巨体ですが、父親のウランゲリほどの体重はないようにと思います。ウランゲリは1990年生まれで、名前の通り極北のウランゲリ島で野生で捕獲されモスクワ動物園で1995年より飼育されています。モスクワ動物園からもレポートしましたように、ウランゲリは昨年暮れに生まれたモスクワツインズの父親でもあります。その納涼姿は動画で、すでにこちらの記事の中で御紹介しています。飼育員さんのエゴロフさんが「ウランゲリ、ウランゲリ!」と呼びかけながら水をかけてやっています。

*(資料)
NEWSru.com (2005年5月13日付
Комсомольская правда紙(2005年5月12日付
Zoodent International
Московский зоопарк
# by polarbearmaniac | 2010-08-27 00:05 | Polarbearology

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