街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ・トレド動物園の赤ちゃんの名前が決定

アメリカ・オハイオ州のトレド動物園で昨年12月に誕生した赤ちゃんについては、1月6日3月29日そして4月26日に投稿していますが、動物園より正式の発表があり、とうとう名前が決定しました。「シークー(Siku)」という名前です。アラスカの先住民族イヌピアトの言葉で「氷」を意味するそうです。この赤ちゃん、動画で見る限り非常に活発ですね! 私が先日サンクトペテルブルクとモスクワで会ってきた5頭の赤ちゃんたちよりも活発なような気がします。


# by polarbearmaniac | 2010-05-07 12:00 | Polarbearology

ロシア・プーチン首相のホッキョクグマ保護政策の後ろにあるもの

ロシアのプーチン首相がホッキョクグマの保護政策を推進することを表明した件については以前3月16日の投稿で御紹介いたしました。そのプーチン首相、北極圏に出かけていって麻酔銃で眠らせたホッキョクグマの首に自分で発信機を取り付ける作業を行ったニュースが流れてきています(ノーボスチ通信)。マスコミ向けのパフォーマンスとはいえ、「ホッキョクグマの保護をちゃんとやるぞ。」という意思表示でしょう。(その模様は下の動画をご参照下さい。)



しかしこのプーチン首相の意思表示ですが、前回も申し上げましたように実は背後に別のもっと重要な意味があるわけです。ロイター/共同電のニュース(日本語)がいみじくも触れていますがプーチン首相が重視しているのは実は「北極圏におけるロシアの権益」です。「ホッキョクグマの保護」というのは表側のきれいな「顔」なわけです。それから、さらに私たちが考えねばならないのは、このプーチン首相の「ホッキョクグマの保護」政策が今後もたらすであろう影響です。

プーチン首相がたとえ表向きだけであるにせよ推進しようとしているのは「自然界におけるホッキョクグマの保護」なわけです。これを、「もっともなことだ」と簡単に評価しきれない部分が残ってくるわけです。 なぜかといえば、「自然界におけるホッキョクグマの保護」は時として、「動物園におけるホッキョクグマの保護・繁殖」と矛盾する状況を作り出します。カナダがいい例です。カナダは自国領内における野生のホッキョクグマの保護にはそれなりの努力をしています。なにかの理由でホッキョクグマを保護しても、その個体は可能な限り自然界に戻すわけです。そういった個体を、外国に売却・譲渡することはしないわけです。今まで何度か申し上げてきましたが、日本の動物園におけるホッキョクグマの繁殖は危機的な状況の一歩手前です。ロシアの血統(正確にはアンデルマ/ウスラーダ系の血統)が年齢の若い雄に集中しているわけです。これを打開しようとすれば、本当はカナダから新しい血の個体を入れる必要があるのですが、それができない状況です。今後ロシアもカナダのような方向に進む可能性があります。プーチン首相が「自然界におけるホッキョクグマの保護」政策をもっと推進しようとすれば、野生で捕獲した個体は外国には出さないという方針を徹底して推進してくる可能性がありますね。そうなるとすれば、日本の動物園におけるホッキョクグマの繁殖にとっては、もう絶望的な状況となることが予想されます。

いずれにせよ、今後のロシアの「ホッキョクグマ政策」の推移を十分に注視していく必要があるでしょう。
# by polarbearmaniac | 2010-05-07 00:05 | Polarbearology

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