街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルが28歳となる ~ 故スネジンカ、コメタを想う

a0151913_17541422.jpg
アリコル (Белый медведь Алькор / Eisbär Alkor)
Photo(C)Руслан Канабеков

中央アジアのカザフスタンのアルマトイ動物園に暮らす雄(オス)のホッキョクグマのアリコルが去る12月1日に満28歳の誕生日を迎えました。彼は1989年12月1日にロシア西端のカリーニングラード動物園で誕生しています。母親は故スネジンカです。このスネジンカというホッキョクグマは私が今まで会ったホッキョクグマの中でも非常に強い印象を残したホッキョクグマの一頭でした。私はこのスネジンカが38歳を目前にして亡くなる僅か一か月半前にカリーニングラードを訪れて彼女に会うことのできた体験は実に素晴らしいものでした。それについては下の過去関連投稿の「カリーニングラード動物園関連」の投稿を御参照下さい。
a0151913_1835670.jpg
アリコル Photo(C)Руслан Канабеков

そのスネジンカの息子がこのアルマトイ動物園のアリコルなのです。そしてそういった意味つまり血統面での彼への関心は同時に、彼がカリーニングラード動物園からアルマトイ動物園に移動して以来、劣悪な飼育環境に暮らし続けてきたという状況への同情という面における関心が重なっているというわけです。しかし27歳となっていたアリコルは今年の夏にようやく芝のある新しい飼育展示場に移ることができたというニュースを大きな喜びを持って受け止めることができたことは幸運だったと思います。
a0151913_17473986.jpg
(C)Алматинский зоологический парк

このアリコルの満28歳の誕生会が7日の11時からアルマトイ動物園で開催されました。その様子をご紹介しておきましょう。二番目の映像は写真をワンクリックしていただくと開始画面が現れます。



a0151913_17362257.jpg

アリコルは今年の6月に旧展示場の隣の新しい飼育展示場に移ったわけですが、それ以降の彼の変化についてですが食欲が増して体重も増えたとのことです。特に鮭が好物だそうで毎日食べているとのことです。全体的な健康状態が非常に良好になって、やはり芝と大きなプールのある新しい飼育展示場への移動は彼にとって全てがプラスに働いているようです。この新しい飼育展示場を増設する資金を全額負担したのはセルゲイ・スピーツィン氏という実業家なのですがスピーツィン氏が子供のころにアルマトイ動物園を訪れて最もお気に入りだったのがホッキョクグマのアリコルだったそうです。当然その頃はアリコルは劣悪な飼育環境で暮らしていたわけですが、そういったアリコリにもっと良い環境を与えてやりたいというのが子供のころからのスピーツィン氏の夢だったそうです。そしてとうとうそれを実現したというわけです。地元のファンの一部には、何故ホッキョクグマだけが新しい飼育展示場が与えられて他のクマは依然として惨めな状態で飼育され続けているのかといった不満の声も湧いてきたわけすが、資金を負担するスピーツィン氏にとってみれば自分はホッキョクグマだけに関心があったのだというわけで他のクマの新しい飼育展示場建設への資金負担を行う気持ちは全く無いようです。それについてはアルマトイ動物園が建設することになっています。ただしそれがいつになるのかは明らかになっていません。

そういった地元のいろいろな思惑はともかくとしてアリコルにはまだまだ元気で暮らしていってほしいものです。カリーニングラード動物園で私が魅了されたスネジンカの血は息子であるこのアリコルからチェコ・ブルノ動物園のウムカ(あのコーラのパートナー)、そしてウムカの子供であるコメタ(ロストフ動物園)へと繋がっており、今年の夏にロストフ動物園でコメタに会った時に私は6年前のカリーニングラードでのスネジンカの姿を懐かしく思い出していました。

(資料)
Вечерний Бишкек (Dec. 7 2017 - Старейший белый медведь отметил день рождения в зоопарке Алматы)
BNews.KZ (Dec.7 2017 - Старейший белый медведь отметил день рождения в зоопарке Алматы)

(過去関連投稿)
カザフスタン・アルマトイ動物園、アリコルの独居の「孤独」
カザフスタン ・ アルマトイ動物園に暮らすアリコルへの朗報 ~ 動物園大改修計画による飼育環境改善へ
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの近況 ~ 地元のファンの温かいまなざし
カザフスタン・アルマトイ動物園の「国際ホッキョクグマの日」のアリコルの姿 ~ 氷のケーキのプレゼント
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの夏の日 ~ 情報の少ない旧ソ連圏のホッキョクグマたち
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルが飼育展示場で三匹の猫たちと平和に共存
カザフスタン・アルマトイ動物園、アリコル(Алькор) の「国際ホッキョクグマの日」
デンマークのオールボー動物園が雌のメーリクとヴィクトリアのパートナー候補の雄を世界中に求めて調査中
カザフスタン・アルマトイ動物園がアリコルのパートナー探しを開始 ~ 旧ソ連圏の事情の背景を読む
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの近況、そして同園のスキャンダルと背後の「黒い影」
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコル、抜歯治療はX線検査の結果次第とモスクワ動物園主任獣医が診断
カザフスタン・アルマトイ動物園がモスクワ動物園主任獣医の診断に反発 ~ アリコルのX線検査は様子見へ
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルが病気であることを同園が明らかにする
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの近況 ~ 新飼育展示場の建設へ同園の背負う課題
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの27歳の誕生会が開催 ~ 動向不明期間が長い旧ソ連圏の個体
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの新しい飼育展示場が完成 ~ 27歳で初めて芝のある飼育展示場へ
(*カリーニングラード動物園関連)
カリーニングラード動物園を訪ねる ~ 老ホッキョクグマの姿を求めて
世界最高齢のホッキョクグマ、間もなく38歳になるスネジンカの姿に感激!
カリーニングラード動物園訪問2日目 ~ スネジンカさん、お元気で! 必ずまたお会いしましょう!
ロシア・カリーニングラード動物園のスネジンカ、その日常の姿(1) ~ 遠征での映像より
ロシア・カリーニングラード動物園のスネジンカ、その日常の姿(2) ~ 遠征での映像より
ロシア・カリーニングラード動物園のスネジンカ、その日常の姿(3) ~ 遠征での映像より
ロシア・カリーニングラード動物園、最高齢のスネジンカ逝く...
ロシア・カリーニングラード動物園で一昨年亡くなった故スネジンカのソ連時代 (1980年) の貴重な映像
# by polarbearmaniac | 2017-12-10 00:30 | Polarbearology

ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のハールチャーナへの市民の関心の高さ

a0151913_1653992.jpg
ハールチャーナ Photo(C)Ленинградский зоопарк

ロシア北東部・サハ共和国のヤクーツク動物園から12月1日にサンクトペテルブルクのレニングラード動物園に移動してきた一歳になったばかりの雌(メス)のハールチャーナ (Хаарчаана) ですがサンクトペテルブルクの市民の関心は大変に高いようです。同市のメディアのほとんどがレニングラード動物園に来園したハールチャーナの引き渡し式の様子を映像で報じています。私も先日の投稿でそういったニュース映像をかなりご紹介したのですが、その時にご紹介できなかったニュース映像はまだいくつかありますのでここでそれらを含め、他の映像もご紹介しておきたいと思います。まず最初の映像はニュース映像ではないのですがこのハールチャーナの引き渡し式を取材に来た地元メディアのカメラマンの様子などが映っています。こういった感じでは撮影の場所を確保するのが大変だったでしょう。引き渡し式は15時から行われたそうですが、その時刻からだんだんと暗くなっていく園内の様子をうまくとらえています。薄暗い園内でのウスラーダの様子も挿入されています。そして最後には夜の闇があたりを覆うといったかなり凝った映像ですが、なかなか素晴らしいと思います。



それから次はレニングラード動物園の公式映像です。動物園のスタッフならば人止め柵を越えて撮影できるといったアドバンテージがあります。但しこの映像は引き渡し式の映像ではなく多分ハールチャーナを移動用ケージから出した後の映像のような気がします。



次はロシアの国営放送のニュース映像ですが日本ではNHKのようなものと考えていいでしょう。非常にオーソドックスな報道のやり方だと思います。下の写真をワンクリックして下さい。
a0151913_16235252.jpg

次は民放のニュース映像ですが非常に美しくて素晴らしいと思います。サンクトペテルブルクのこの時期の寒さが映像から伝わってきます。途中にハールチャーナの父親であるロモノーソフがまだウスラーダと同居していた幼年期の映像も挿入されています。ワンクリックして下さい。
a0151913_19362194.jpg

次も民放の映像です。スキーバ園長がウスラーダのそばでインタビューに応じていますがウスラーダは園長さんを無視しているようです。



次は政府系メディアである Russia Today の映像です。



次はサンクトペテルブルクの放送局ではなくヤクーツクの放送局のニュース映像です。



ロシアの都市で最もホッキョクグマに関するニュースが報じられるのはサンクトペテルブルクでしょう。ウスラーダの赤ちゃんの屋外デビューとか、他園への移動とかについてサンクトペテルブルクのメディアは各社こぞって映像入りのニュースを放送します。サンクトペテルブルクというのは革命前の帝政ロシア時代はペテルブルグと呼ばれて首都だったわけですが、現在でも歴史・文化・芸術の雰囲気が漂う素晴らしい都市です。日本からロシアへの観光旅行客はあまり多くはないのですが、しかしいざロシア旅行となるとほとんどの旅行者は必ずサンクトペテルブルクを訪問します。観光地としての魅力が非常に大きいですね。そういったこの街でメディアの報道では政治、文化を含めた非常に多くの情報、話題が報じられていますがホッキョクグマに関するニュースについても各報道の内容はなかなか充実しています。それはやはり人々の関心があっての話なのです。ウスラーダと故メンシコフという繁殖に輝かしい実績を持つホッキョクグマたちを擁してレニングラード動物園はホッキョクグマに関しては世界でも屈指の動物園である(あった)わけですが、いかんせん飼育環境が良好ではないのが問題でした。しかし今回のハールチャーナの来園は彼女がウスラーダの孫であると同時にウスラーダの後継のホッキョクグマとしてこの街でホッキョクグマの繁殖を担っていくということですから人々にとっては「ウスラーダ王朝」の世代交代といった意味で注目しているということなのでしょう。ホッキョクグマはレニングラード動物園にあってはやはり別格の存在なのです。

(資料)
Ленинградский зоопарк (Новости/Dec.7 2017 - В Ленинградском зоопарке торжественно встретили белую медведицу Хаарчаану.)
ГТРК Санкт-Петербург (Dec.6 2017 - Якутия подарила Ленинградскому зоопарку белую медведицу Снежинку, близкую родственницу знаменитой Услады)
Фонтанка.Ру (Dec.8 2017 - Белый медвежонок Снежинка переехала в Ленинградский зоопарк)
Общественное телевидение России (Dec.8 2017 - В Ленинградский зоопарк из Якутии перевезли самку белого медведя)
RT на русском (Dec.7 2017 - Медведица по имени Снежинка: пополнение в Ленинградском зоопарке)
МИР 24 (Dec.7 2017 - Медведица Снежинка поселилась в Ленинградском зоопарке)
ТВ Центр (Dec.7 2017 - Ленинградскому зоопарку передали медвежонка Снежинку)
Sputnik Узбекистан (Dec.7 2017 - Пушистая Снежинка: медведица из Якутии переехала к бабушке в Петербург)
78.ru (Dec.7 2017 - В Ленинградском зоопарке встретили Снежинку)
Комсомольская правда - Санкт-Петербург (Dec.8 2017 - Снежинка прилетела в Ленинградский зоопарк)

(過去関連投稿)
ロシア・ヤクーツク動物園のハールチャーナが11月にサンクトペテルブルクのレニングラード動物園へ
ロシア・サハ共和国、ヤクーツク動物園のハールチャーナが間もなく満一歳へ
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園がヤクーツク動物園のハールチャーナの12月来園を告知
ロシア北東部 ヤクーツク動物園のコルィマーナが娘ハールチャーナとの別れが迫ったことを直感的に理解
ロシア北東部 ヤクーツク動物園のハールチャーナが満一歳となる ~ ゲルダ/シルカの先例を危惧する同園
ロシア・ヤクーツク動物園のハールチャーナが本日ヤクーツクから予想外の出発 ~ 親子の永遠の別れの唸り声
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園でハールチャーナ到着の日のウスラーダの姿
ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園に到着したハールチャーナの姿
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園でハールチャーナの引き渡し式が行われる
# by polarbearmaniac | 2017-12-09 00:30 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

ロシア・クラスノヤルスク動物..
at 2017-12-13 01:00
ベルリン動物公園で誕生の赤ち..
at 2017-12-12 00:15
大阪・天王寺動物園のシルカの..
at 2017-12-11 01:30
エストニア・タリン動物園のノ..
at 2017-12-11 00:30
カザフスタン・アルマトイ動物..
at 2017-12-10 00:30
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2017-12-09 00:30
ベルリン動物公園でホッキョク..
at 2017-12-08 18:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2017-12-08 01:00
カナダ・マニトバ州チャーチル..
at 2017-12-08 00:15
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2017-12-07 00:30

以前の記事

2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Lenin's Tomb: The Last Days of the Soviet Empire


Resurrection: The Struggle for a New Russia


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag