街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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モスクワ動物園・ヴォロコラムスク付属保護施設の野生孤児出身のニカの近況 ~ 公式予想クマとなる

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ニカ (Белый медвежонок Ника)
Photo(C)RT

昨年2016年の8月にロシア極北チュクチ自治管区のリィルカイピ村の付近で孤児として発見・保護された生後8ヶ月ほどの雌(メス)のホッキョクグマがロシア空軍の協力でモスクワに移送され、モスクワ動物園のヴォロコラムスク附属保護施設で保護・飼育されるようになった件についてはその詳細は全て投稿しています(過去関連投稿参照)。ニカ (Ника)と命名された現在一歳半の幼年個体はモスクワ動物園にとっても希望の星であり、野生出身の彼女はロシアのホッキョクグマ界の血統の遺伝的多様性を維持するためには重要な意味を持っていることは言うまでもありません。とりわけ立ち上げられたばかりのロシア動物園・水族館協会の盟主であるモスクワ動物園がロシア国内ばかりではなく最近は欧州のEAZAとも組んで血統面を最重要視したホッキョクグマの繁殖に邁進していることは言うまでもないわけです。

彼女が暮らしているこのヴォロコラムスク附属保護施設 (Волоколамский питомник московского зоопарка) はモスクワの北西約130キロのところにあり現在日本に暮らすホッキョクグマでは横浜のジャンブイや姫路のホクトも一時期暮らしていた飼育施設です。ごく最近になって限定的に一般公開も開始されてはいますが、まだまだ簡単には訪れることは難しくそこで暮らしているホッキョクグマの動静というものはなかなか外には伝わってきません。この野生孤児出身のニカについても滅多に情報が流れては来ないのですが、今回非常に面白い企画によってこのニカの近況が明らかにされました。

来年2018年にロシアで開催される FIFAワールドカップのプレ大会としてロシアで行われるFIFAコンフェデレーションズカップの結果を予想するということでニカが公式のマスコットとして駆り出されたわけです。これはモスクワ動物園とFIFAとの契約によって行われているそうです。ニカは飼育場でボールを転がせて遊ぶのが大好きだそうで、そういったことでFIFAコンフェデレーションズカップのプロモーションとしても役割を与えられたそうです。まず最近のニカの映像とニカについて語る飼育員さんの話を聞いてみましょう(英語の字幕が入ります)。



そのニカが月曜日に行われるポルトガル vs. メキシコ戦の結果の予想を行っています。



続いて火曜日に行われるドイツ vs. オーストラリア戦の結果の予想です。



同じパターンの映像というのも滑稽は話です。ニカはこうして7月2日まで毎試合の結果を予想するそうで、それまでの期間はこうしておやつが与えらえるということになるわけですから彼女にとっては悪い話ではないでしょう。エンリッチメントの一環だと考えれば差支えないわけです。

ニカも丸々とした体型になっています。典型的なロシアのホッキョクグマという感じになってきました。彼女は将来の繫殖には極めて有望でしょう。日本で「有望だ」と言われるホッキョクグマが本当に繁殖に成功するのかについては全く予想がつかないわけですが、不思議とロシアで「有望だ」というホッキョクグマは本当に繁殖に成功するわけです。あとはニカがどのようなパートナーを得ることができるかどうかでしょう。モスクワ動物園としてはやはり野生出身の雄(オス)をニカのパートナーにしょようと考えていることは間違いありません。

(資料)
Политическая Россия (Jun.18 2017 - Оракул Кубка Конфедерации: полярный Нострадамус предсказал исход турнира)
Федеральное агентство новостей No.1 (Jun/18 2017 - Белая медведица-футболистка в Московском зоопарке стала оракулом Кубка конфедераций)
RT на русском (Jun.18 2017 - Полярный Нострадамус: белая медведица Ника предскажет исход матчей КК-2017)
RT (Jun.17 2017 - Rescued polar bear 'with 6th sense’ joins Hermitage cat in predicting Confed & World Cup results)
WireUpdate (Jun.17 2017 - Nika the Football-Mad Polar Bear Predicts 2017 FIFA Confederations Cup Results)

(過去関連投稿)
ロシア極北・チュクチ自治管区 リィルカイピ村でホッキョクグマの生後約8ヶ月の孤児が発見・保護される
ロシア極北 リィルカイピ村で保護された推定生後8ヶ月の孤児はモスクワ動物園で保護・飼育が決定
ロシア極北で保護されたホッキョクグマの野生孤児がモスクワ動物園・ヴォロコラムスク附属保護施設に到着
ロシア極北で保護のホッキョクグマの野生孤児のモスクワへの移送の様子が公開 ~ ロシア軍が輸送に協力
モスクワ動物園・ヴォロコラムスク附属保護施設に移送された野生孤児は雌(メス)で「ニカ」と命名
モスクワ動物園で保護された野生孤児ニカに欧州の多くの動物園が重大な関心を抱く
モスクワ動物園 ヴォロコラムスク附属保護施設の野生孤児ニカ (Ника) の近況 ~ 順調な成育
モスクワ動物園が「国際ホッキョクグマの日」にヴォロコラムスク附属保護施設を希望者に限定公開へ
モスクワ動物園が、今後ロシア国内で誕生の個体はロシア国内と欧州だけで飼育の意向を表明
モスクワ動物園の「国際ホッキョクグマの日」~ ヴォロコラムスク附属保護施設を一般来園者に初公開
デンマーク・コペンハーゲン動物園がロシア・イジェフスク動物園のノルドの来園予定を正式発表
モスクワ動物園のアクーロヴァ園長が語る同園のホッキョクグマへの方針 ~ 野生孤児保護の新施設をオープン
モスクワ動物園のシモーナがヴォロコラムスク附属保護施設に移る ~ 血統調整で繁殖の舞台から引退か?
# by polarbearmaniac | 2017-06-18 21:00 | Polarbearology

フランス・ミュルーズ動物園の生後7ヶ月になる雌(メス)のナニュクの近況 ~ 体重を落としたヴィックス

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セシお母さんとナニュク 
Photo(C)Parc zoologique et botanique de Mulhouse

昨年2016年の11月7日にフランス・アルザス地方のミュルーズ動物園 (Parc zoologique et botanique de Mulhouse) でセシ (Sesi)お母さんから誕生した雌(メス)のナニュク (Nanuq)は2月末に一般公開され間もなく生後7ヶ月になろうとしています。この親子の情報は実はあまり多くありません。しかし、少ない報道から知ることができるのは、このナニュクはミュルーズ動物園ではスターになっていてミュルーズ動物園の入園者数が記録的な増加となっているということです。

ナニュクは非常に遊び好きな性格だそうですが、まだまだ母親のセシに付き従って行動しているようです。ミュルーズ動物園は次の段階としてこの親子を大きなプールのあるメインの展示場に移動させるという計画を持っているそうです。最近のナニュクの映像を見てみることにしましょう。



上はあまりたいした映像ではないですね。次の映像は短いのが難点ですが、なかなかクリアな映像です。









このミュルーズ動物園では他に推定31歳の雌(メス)のティナも飼育sれ絵いるのですが、彼女も非常に元気だそうです。しかし問題なのはナニュクの父親である6歳のヴィックスで、彼はストレスのためか常同行動を行い春から非常に体重が減少して200キロほどになってしまっているようです。やや心配ですね。とにかく、動物園においてホッキョクグマの親子の存在というのは王様のように尊重されて大事にされるわけですが、父親というのは待遇がないがしろにされてしまうというのが宿命なのです。

さて、ミュルーズ動物園の園長さんが語るには、来年の春にでも一家同居を行ってみたい意向のようです。しかし多分それは実現しないでしょう。やはり雄(オス)を同居させるというのはナニュクにtってはかなり危険だからです。ましてや春となれは繁殖行動期にあたりますから尚のこと無理な話です。まあこれは思いつきの発言だと理解しておいてよいように思います。

(資料)
L'Alsace.fr (Jun.17 2017 - Nanuq, ambassadrice pleine de vie)

(過去関連投稿)
フランス・ミュルーズ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 5歳のセシが二度目にして出産に成功
フランス・ミュルーズ動物園で誕生した赤ちゃんの近況 ~ 大きな喜びに包まれる同園
フランス・ミュルーズ動物園で誕生した赤ちゃんが生後三か月となる ~ ネットによる命名投票受付中
フランス・ミュルーズ動物園の赤ちゃんがセシお母さんと共に屋外に登場
フランス・ミュルーズ動物園の赤ちゃんが遂に一般公開 ~ 性別は雌(メス)で「ナニュク (Nanuq)」と命名
フランス・ミュルーズ動物園で大人気となったセシとナニュクの親子を担当するスタッフの充実した毎日
フランス・ミュルーズ動物園のセシとナニュクの母娘の近況 ~ 「超大物」の母親であるセシ
フランス・ミュルーズ動物園のセシとナニュクの親子の近況 ~ 優れた映像に恵まれない親子
# by polarbearmaniac | 2017-06-17 23:00 | Polarbearology

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