街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・ロストフ動物園のコメタの近況 ~ 個体にロシアのファンの関心が深まる

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コメタ (Белая медведица Комета/Eisbärin Kometa)
Photo(C)Ростовский Зоопарк

ロシア南部のアゾフ海近郊の街であるロストフ・ナ・ドヌ (Росто́в-на-Дону́) の動物園で飼育されている間もなく5歳になる雌(メス)のコメタには今年の6月に大改装された新飼育展示場がオープンしていますが、この動物園に対するロスネフチ社の援助はこういった飼育展示場の改造工事の全面的な資金援助に及んでいるわけでロストフ動物園も飼育環境が改善した自園のホッキョクグマたちの姿を最近はよくHPのニュース記事やSNSなどを通じて発信するようになっています。こうした施設改造への援助が終わってもロスネフチ社は引き続いてロストフ動物園のさらなる広いホッキョクグマ飼育展示場の新設計画への資金的援助の意思を示しています。ロストフ動物園はその他にもホッキョクグマに対して大きなおもちゃのプレゼントも行っているそうです。コメタに対しては青いポリ容器がまたもや与えられましたが、それで遊ぶコメタの姿をご紹介しておきます。映像に流れている音楽も勇ましいですがコメタも元気一杯といったところです。





最近このブログではロシアのホッキョクグマの記事が多いのですが客観的に言って最近はロシアのホッキョクグマに関する報道の量が多いためです。こういったロシアのメディアの傾向はここ1~2年非常に顕著になっているのですが私の見たところその理由は二つあるように思います。一つはロスネフチ社のロシア国内の飼育下のホッキョクグマに対する継続的な援助によってホッキョクグマの飼育展示場の改良工事が行われたりしているために、それに伴って報道が多くなっているという事実です。そして二つ目ですが野生孤児個体の保護のニュースなどによってホッキョクグマたちを種として捉える以上に個体として捉える傾向がロシアの一般来園者に見えてきているということです。その傾向に大きく関係したのはノヴォシビルスク動物園に生まれたシルカに関するニュースだったと思います。ライブカメラの映像がそれに大きく関与し、そして地元ファンによるSNSサイトの存在がこういった個体への関心に拍車をかけたと言えましょう。
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コメタ (Белая медведица Комета/Eisbärin Kometa)
Photo(C)Ростовский Зоопарк

日本のホッキョクグマファンというのは国内の動物園を比較的頻繁に訪問してまわるというのは一般的なスタイルなのですしドイツのホッキョクグマファンもそういった方が多いように思います(EU内ということですが)。ところがロシアにはそういった動物園(ホッキョクグマ)ファンはいないでしょう。なにしろ国土が広いので移動が簡単にはいかないということです。ですからロシア国内の動物園がSNSでホッキョクグマたちの姿を紹介するのは大きな意味があるわけです。一方で日本では動物園がSNSを通じて自園で飼育しているホッキョクグマの現況を発信するというケースは極めて少ないです。しかし日本のファンが同好のファンのブログやらSNSのページでどの動物園のどのホッキョクグマがどうしているといったことは比較的よくわかります。

(資料)
Ростовский-на-Дону зоопарк (Oct.10 2017 - Утро нашей белой медведицы Кометы)
Don24 (Oct.11 2017 - Белые медведи из ростовского зоопарка получили новые игрушки)
Rostov gazeta (Oct.13 2017 - Самый большой вольер России для белого медведя появится в зоопарке Ростова)

(過去関連投稿)
(*テルペイとコメタ関連)
ロシア最大の石油会社 ロスネフチがロシアの動物園の全ホッキョクグマへの援助・保護活動開始を表明
ロシア南部 ロストフ動物園のテルペイとコメタの飼育展示場改良工事にロスネフチ社が資金援助
ロシア・ロストフ動物園のテルペイとコメタの近況 ~ ノヴォシビルスク在住のファンの方の映像
ロシア南部・ロストフ動物園のコメタとテルペイとの新ペア ~ 飼育展示場改造による30年振りの繁殖への期待
ロシア・ロストフ動物園のコメタの飼育展示場改造工事は6月に終了の見通し ~ ホッキョクグマを支えるもの
ロシア南部 ・ ドン河下流のロストフ動物園のコメタの飼育展示場の改造工事が終了
ロシア・ロストフ動物園のホッキョクグマたちの一日 ~ ロストフ・ナ・ドヌは欧州とロシアで最も危険な街?
(*2015年9月 ロストフ動物園訪問記)
ロストフ動物園へ ~ サーカス出身のホッキョクグマ、イョシ(Ёши)との5年ぶりの再会
イョシ(Белый медведь Ёши) 、素顔とその性格
ロストフ動物園二日目 ~ 好男子テルペイ(Терпей)との二年ぶりの再会
テルペイ(Белый медведь Терпей)、その素顔と性格
(*2017年8月 ロストフ動物園訪問記)
真夏の猛暑のロストフ動物園、テルペイとコメタのそれぞれの暑さしのぎ ~ "How to live with summer heat"
テルペイ (Белый медведь Терпей)、その将来の不安定性
コメタ (Белая медведица Комета) 、その素顔と性格
ロストフ動物園訪問二日目、36℃を示した温度計 ~ テルペイ (ヤクート)とコメタに幸あれ!
# by polarbearmaniac | 2017-10-13 20:00 | Polarbearology

モスクワ動物園 ヴォロコラムスク附属保護施設で保護された孤児の名前が「ウムカ-アヤーナ」に決まる

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ウムカ- アヤーナ(Умка-Аяна) Photo(C)ИА ЯСИА





ロシア北東部のサハ共和国の内陸部のコルィマ河岸で保護されモスクワ動物園のヴォロコラムスク附属保護施設で保護・飼育されるようになった生後十か月の雌(メス)の幼年孤児個体の命名について、候補名への投票がネットによって行われていましたが昨日締切となりました。結果として最も多かったのが「アヤーナ (Аяна)」でした。本日午後モスクワ動物園から発表があり、この幼年個体は「ウムカ- アヤーナ (Умка-Аяна)」と命名されることになったとのことです。日本語表記ではこういった場合は「ウムカ=アヤーナ」とするのが慣例ですが、あえてそうはしないでロシア語表記のまま "-" で結合させておきます。
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ウムカ-アヤーナ (Умка-Аяна)
Photo(C)ЕДИНАЯ РОССИЯ МОСКВА

この命名の理由はいささか奇妙です。「ウムカ」という名前はモスクワで投票数の多かった名前であり、「アヤーナ」は Айаан というヤクート語で「長くて困難な道のり」という意味からきておりこの幼年個体が本来の生息地からかなり離れた場所で保護された後に遠いモスクワまで運ばれてきたという意味が込められているわけで、これはヤクーチアへの賛辞であるといったような理由づけなのですが下でご覧いただけるように投票数は28.1%を獲得した「アヤーナ (Аяна)」が最も多かったわけです。
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ЕДИНАЯ РОССИЯ МОСКВА

これは私の憶測ですが、今回のこの幼年個体の保護と輸送のスポンサーとなったロシア最大の政党である「統一ロシア」は「ウムカ」という名前をどうしても付けたかったものの一般投票では「アヤーナ」が最も多かったために、この二つをくっつけて「ウムカ-アヤーナ (Умка-Аяна)」にしたのではないでしょうか。「アヤーナ」という名前は明らかに雌(メス)の名前ですが「ウムカ」というのはロシアだけでなく欧米にも同じ名前のホッキョクグマがいますが、それらはほとんど全てが雄(オス)なのです。困ったものですね。本ブログでは若干期間様子を見たいと思いますが「アヤーナ」で統一したいとも考えています。支援者とかスポンサーとかは、えてしてホッキョクグマにセンスの無い名前を付けたがるというのはよくあるケースです。正直言って「ウムカ」という名前とか、日本で言えば「ホクト」といった名前とか既に存在している名前をホッキョクグマに付けたがる人が現在でもまだいるというのは驚きです。一方で本当に素晴らしい名前が付いたホッキョクグマもいます。日本ではピリカ、デア(命名はイタリアですが)を筆頭にしてシルカ、アイラ、リラ、モモなどがそうです。

(資料)
ЕДИНАЯ РОССИЯ МОСКВА (Oct.11 2017 - Голосование на лучшее имя для медвежонка завершено. Жюри подводит итоги)
ИА ЯСИА (Oct.12 2017 - Аяна, Россияна, Северина: Более 20 тысяч россиян придумывали имя для среднеколымского медвежонка) (Oct.12 2017 - Умка-Аяна: В Московском зоопарке выбрали имя якутскому медвежонку)
Комсомольская правда (Oct.12 2017 - Умка-Аяна: В Московском зоопарке выбрали имя якутскому медвежонку)
НВК Саха (пресс-релиз) (Oct.12 2017 - Белому медвежонку выбрали имя в Московском зоопарке)
Вечерняя Москва (Oct.12 2017 - Знакомьтесь, Умка-Аяна. Москвичи придумали имя медвежонку)

(過去関連投稿)
ロシア北東部サハ共和国で北極海岸より700キロも離れた内陸で野生孤児が目撃 ~ 保護に動く自然管理監督局
ロシア北東部の内陸をさまよう個体への対応の二つの選択肢 ~ 動物園での保護か生息地への移送・解放か?
ロシア北東部 サハ共和国の内陸でホッキョクグマの幼年個体が保護 ~ 生後一年未満の雌(メス)と発表
ロシア北東部 サハ共和国の内陸で保護された雌(メス)の幼年個体がスレドネコルィムスクの街に移送される
ロシア北東部 サハ共和国の内陸で保護された幼年個体がヤクーツクに到着 ~ ただちにモスクワへ
ロシア北東部サハ共和国で保護された幼年個体がモスクワ動物園のヴォロコラムスク附属保護施設に無事到着
ロシア北東部サハ共和国で保護された幼年個体、検疫終了後にただちにモスクワ動物園の本園に登場の予定
# by polarbearmaniac | 2017-10-12 18:57 | Polarbearology

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