街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア極東・沿海州のハバロフスク動物園のハバルの満四歳の誕生会が開催される ~ 難航するパートナー探し

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ハバル Photo(C)Зоосад "Приамурский"

つい先日も改めて御紹介しました間もなく24歳となるロシアのホッキョクグマ界では「偉大なる母」であるシモーナ(現 ニジェゴロド・リンポポ動物園)がモスクワ動物園におけるその最後の繫殖となったのが2014年11月10日に産んだ雄(オス)と雌(メス)の双子でした。雄(オス)は現在ロシア極東・沿海州のハバロフスク動物園で飼育されているハバル (Хабар) であり雌(メス)はハンガリー・ニーレジハーザのソスト動物園で飼育されているスネジンカ(スネジャナ)(Snezhinka/Sznezsana)です。私はモスクワ動物園時代のこの双子の成長を追い続けていたわけで、それは私がシモーナの卓越した育児技量をじっくりと観察することのできた最後の機会となってしまいました。それは実に貴重な体験でした。これについては過去関連投稿の「モスクワ動物園訪問記」を御参照下さい。現在でもこの双子の成長をネット上で追い続けていることにはかわりがありません。
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Photo(C)Зоосад "Приамурский"

ロシア極東・沿海州のハバロフスク動物園(正式には「シソーエフ記念・プリアムールスキー動物園」 - Зоосад Приамурский имени В.П. Сысоева)で暮らしている雄(オス)のハバルの満四歳の誕生会が11月14日に開催されて地元の学校の子供たちがそれに参加したニュースが報じられています。同園のベテランの飼育員さんより子供たちや来園者にハバルの一日の給餌量などについて説明があった後に特別給餌が行われてハバルには肉や果物などの好物が与えられたそうです。その様子が写真や映像で紹介されていますので下の写真をワンクリックしてご覧下さい。
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Photo(C)Зоосад "Приамурский"

このハバルのパートナー探しにハバロフスク動物園は大変苦労しているわけですが、なにしろ彼は「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」の直流ですのでロシア国内にはほとんどパートナー候補はいない状態です。野生出身の雌(メス)の幼年・若年個体ならば何頭もいるのですがモスクワ動物園が主導しているロシア動物園水族館協会のホッキョクグマ繁殖に対する考え方は野生個体同士のペアによる「新血統」を誕生させることですからあえてハバルを貴重な雌(メス)の野生出身の雌(メス)の個体とペアを組ませることに極めて消極的なのです。

極東のハバロフスクは実は日本からかなり近く、東京から札幌までの空の便で行くのとあまりかわりがありません。ノヴォシビルスクに行くよりは遥かに楽なのです。気楽に行ける場所なのですが難点はこの動物園はハバロフスクのかなり郊外にあるという点です。しかしこの動物園の入口近くからはアムール川の雄大な眺めを楽しむことができますし私の好きな動物園でもありますので来年は是非ともハバルに再会したいと思っています。

(資料)
Комсомольская правда (Nov.16 2018 - Хабар из зоосада отметил день рождения)

(資料)
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ロシア極東・ハバロフスク動物園のハバルが三歳となる ~ 個体の認知度が増すロシアのホッキョクグマたち
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ロシア極東・沿海州 ハバロフスク動物園のハバルの夏の日 ~ パートナー獲得の難しさに悩む同園
ロシア極東・沿海州のハバロフスク動物園で深まりゆく秋 ~ ハバルの近況

(2015年8月 モスクワ動物園訪問記)
シモーナお母さん、今回も本当に御苦労様です、双子の赤ちゃん初めまして!
モスクワ動物園の双子の赤ちゃんの性別を予想する ~ 「雌(f)/雌(f)」か「雌(f)/雄(m)」か?
シモーナ、偉大なる母のその素顔 ~ より一層洗練され磨きがかかった世界最高の育児技量
モスクワ動物園二日目 ~ 連日の好天の下でのシモーナ親子の日常の姿
モスクワ動物園三日目 ~ 快晴の土曜日のモスクワ動物園に勢揃いした主役たち
ウランゲリ(旭山動物園イワンの父)、その省力化された生活が生み出す持久力のある活躍ぶり
ムルマ(男鹿水族館、豪太の母)、その最後の繁殖を狙おうとするモスクワ動物園
モスクワ動物園四日目 ~ ウランゲリとムルマの相互不干渉の同居
シモーナお母さんと双子の赤ちゃんとの関係
雪ちゃん(仮称)とポリちゃん(仮称)は果たして雌(メス)の双子か? ~ 瓜二つの外見と行動
モスクワ動物園五日目 ~ ムルマ(豪太の母)とウランゲリ(イワンの父)はやはり相性が悪い?
シモーナお母さんと雪ちゃん(仮称)とポリちゃん(仮称)の双子の様子 ~ 今日のアルバムより
(2015年9、10月 モスクワ動物園訪問記)
モスクワ動物園六日目 ~ 一か月後のシモーナ親子の変化を探る
シモーナ(Белая медведица Симона)、偉大なる母親としてのその素顔
ウランゲリ(Белый медведь Врангель)の憂鬱 ~ ムルマとの微妙な関係
ムルマ(Белая медведица Мурма)の置かれた苦境 ~ ウランゲリとの微妙な関係
モスクワ動物園七日目、今日のアルバムより ~ 子供たちの活動とテンポが合うシモーナの優秀さ
モスクワ動物園八日目、今日のアルバムより ~ 秋に見せるホッキョクグマたちの表情
モスクワ動物園九日目、今日のアルバムより ~ 寒風晴天下のホッキョクグマたち、そして驚きの解題
シモーナ(Белая медведица Симона)、その心に染み入るような美しさを放つ母性
# by polarbearmaniac | 2018-11-17 01:00 | Polarbearology

ロシア・クラスノヤルスク動物園で保護された野生孤児個体の名前が "ウルスラ(Урсула)" に決定

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ウルスラ (Урсула) Photo(C)"Роев ручей" Красноярский зоопарк

ロシア・シベリア中部のクラスノヤルスク動物園から突然の発表がありました。ロシア極北のディクソンの街で孤児として10月に保護されクラスノヤルスク動物園に移送された雌(メス)の幼年個体の名前が "ウルスラ (Урсула)" に決まったそうです。この名前はディクソンの街の学校の生徒さんから提案された名前だったそうですが現在行われている候補名の公募のなかでも繰り返し提案されてきた名前であり賛同者も多いということのようです。この "ウルスラ (Урсула)" というのはラテン文字の綴りでは "Ursula" となるわけですが、これは当然ホッキョクグマのラテン名である "Ursus maritimus" にちなんだ名前となっています。ロシア人の方によりますとこの名前の愛称としてのロシア語の短縮形は "ウーリャ (Уля)" となるようです。
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ウルスラ (Урсула) Photo(C) "Роев ручей" Красноярский зоопарк

非常に意外に感じるのは、クラスノヤルスク動物園の園長さんはメディアの取材に対してこの孤児個体の命名については複数の候補名をノミネートしてから投票で決めるという内容を述べていたわけですが、それが突然決定してしまったというわけです。これは私の憶測ですが、ロシアの飼育下のホッキョクグマたちを支援しているロスネフチ社がこの名前を強く支持したのではないかと思います。"ウルスラ (Урсула)"、なかなか素晴らしい名前だと思います。

(*追記)
この野生孤児の命名についてのTVニュースが放送されましたのでご紹介しておきます。



クラスノヤルスク動物園は今回のこの野生孤児個体の命名のための名前の優れた候補名を提案してくれたファンのなかから何人かを選考して同園の入園証をプレゼントすることを明らかにしています。選ばれた提案者の中に私が先日ボリシェリェーチェ動物園でお会いしたオムスクの方が選ばれています。

(資料)
Новости Красноярска (Nov.15 2018 - Для юной белой медведицы с Диксона выбрали имя)
(*追加資料)
ТВ-Енисей (Nov.16 2018 - Спасенной на Диксоне медведице придумали имя)

(過去関連投稿)
ロシア極北 ・ カラ海に面したディクソンの街に現れるホッキョクグマたち ~ 住民とホッキョクグマの未来
ロシア極北・カラ海のディクソンでホッキョクグマの幼年個体が保護 ~ クラスノヤルスク動物園へ
ロシア・シベリア中部のクラスノヤルスク動物園で保護されている野生孤児のその後の様子
ロシア・クラスノヤルスク動物園で保護された野生孤児にロシア国内の複数の動物園が飼育希望を表明
ロシア・クラスノヤルスク動物園で保護された野生孤児個体の性別は雌(メス)と発表される
ロシア・クラスノヤルスク動物園で保護された野生孤児個体の名前の候補名の公募が始まる
# by polarbearmaniac | 2018-11-16 00:30 | Polarbearology

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