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ロシア、ホッキョクグマ狩猟割当数を放棄 ~ 全面禁猟へ踏み出す

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チュクチ半島でのホッキョクグマの密漁の被害  
Photo (C) Варвара Семенова/РИА Новости

ロシア政府が先週12日に明らかにしたところによりますと、ロシアは昨年アメリカとの間でもたれた「米露ホッキョクグマ委員会」が取り決めたイヌイットなどの極北の少数民族に認めていたホッキョクグマの狩猟割当数(29頭)を放棄し、ホッキョクグマの全面禁猟に踏み切ることとなったとのことです。 ホッキョクグマ狩猟の原則禁止はすでにソ連時代の1957年から確立していたわけですが、今回からはその禁止の「例外」が極めて限定され、その「例外」から少数民族に認めていた狩猟枠を外し実質的な完全禁猟となるわけです。

この政策はプーチン首相の強いリーダーシップによって推進されたことは明白で、その趣旨に関してはプーチン首相の公式HPに書かれていますが、なんのかんの言いながらアメリカ(特にアラスカ州)はホッキョクグマの保護には不熱心であるのだというニュアンスがにじみ出ています。狩猟割当枠の放棄もアメリカに対する当てつけの意味もあるように感じます。なぜなら理屈では、ロシアが放棄した枠の頭数についてはアメリカがそれを取得することになるからです。ロシアも来年3月に大統領選挙がありますし、プーチン首相がそれに向けてイメージ作りを行っていることは明白です。絶滅を危惧されている動物の保護政策を推進するのはまさにこのことです。ホッキョクグマ狩猟の全面禁止といっても取り締まりなどの実効面はあまり期待できません。実質上はあくまでも「姿勢」「方針」という域を出ないような気もしますが、「全面禁止」はしないよりはするほうがよいでしょう。
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ホッキョクグマ生息地分布

ロシア(特にチュクチ半島)におけるホッキョクグマの密漁ですが、ある数字(WWFなど)によれば年間150~200頭だとも言われていますが、過大な数字のようにも思います。密漁を行うと最低賃金における年収の200~500倍の罰金か、それとも最長2年の強制労働の刑というのがロシア刑法258条で定められているそうですが、幾分かでもその取締まりの実効性を期待したいところです。

(資料)
ロシア連邦政府 プーチン首相(Председатель Правительства Российской Федерации) 公式サイト (News - Apr.12 2011)
KM Онлайн (Apr.14 2011)
РИА Новости (Sep.6 2010) (Apr.15 2011)
(過去関連投稿)
ロシアのプーチン首相、ホッキョクグマ保護への施策推進の支持を発表
ロシア・プーチン首相のホッキョクグマ保護政策の後ろにあるもの
by polarbearmaniac | 2011-04-18 18:00 | Polarbearology

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