人気ブログランキング | 話題のタグを見る


街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

亡きクヌートのパートナー候補だった個体、ロシア・ロストフ動物園で依然待機か? ~ 状況を推理する

亡きクヌートのパートナー候補だった個体、ロシア・ロストフ動物園で依然待機か? ~ 状況を推理する_a0151913_211710.jpg
パートナー(?)の到着を待たずに亡くなったクヌート Photo(C) dapd

5月24日付けで「ベルリン動物園、ロシアのロストフ動物園よりホッキョクグマを入手か? 」という投稿をいたしておりますので、恐縮ですが今一度その投稿をご参照下さい。事の真相と考えられる事実を、特に赤字で記した「後記」に書いておきましたのでご参照下さい。夏に移動が行われるという1歳半になるモスクワ動物園生まれの雌の個体となれば、これはもう消去法でシモーナお母さんが2009年12月に生んだ雌のツインズの一頭ということにならざるを得ません。つまり旭山動物園のイワン、ドイツ・ニュルンベルク動物園のヴェラの一番下の妹ということになります。明らかにベルリン動物園は、このモスクワ動物園生まれの個体をクヌートのパートナーにしようという意図でロストフ動物園経由で入手したと思われますが、まだ移動が行われたという情報がありません。

現在、旧西ベルリンのベルリン動物園(Zoologischer Garten Berlin - クヌートが飼育されていた動物園)ではクヌートの死を引き起こした最初の原因であるウィルスの特定がなされていないため飼育展示場にホッキョクグマを受け入れることが事実上中断したままの状態のようですので、移送がおこなわれるとすれば旧東ベルリンのベルリン動物公園(Tierpark Berlin)に一時的ではあれ移送される可能性があるでしょう。 ひょっとして、もう移送されているのかもしれませんが情報がありません。魑魅魍魎とした国であるロシア側の情報が無いことは不思議ではありませんがドイツ側の情報が無いのは奇妙です。ロシアのコムソモリスカヤ・プラウダ紙やロストフの地元TV局のインタビューでロストフ動物園のイリーナ・エフトシェンコ園長がこの個体のベルリン行きを公言していますので間違いはないはずだと思われます。 やや深読みをしてみますと、ひょっとしてベルリン動物園ではクヌートが亡くなったために、このモスクワ動物園生まれの雌の個体の受け入れを渋っているのかもしれません。それに対してロシア側(ロストフ動物園)が「早く受け入れてほしい。」と言いたいがためにロシアのマスコミに「ベルリン行きの個体の存在」の情報をリークした可能性があるとも思われます。

ベルリン動物園も入園者数が落ち込んで業績にも陰りが出つつあるようです。仮にクヌートが生きていて、そしてロシアから彼のパートナーが来たということにでもなっていれば話題は大きくなっていたでしょう。クヌートの死の時期とシモーナの娘のモスクワからロストフへの移送が時期的に一致していますので、ロストフからベルリンへの移送が一時中断したのはクヌートの死に原因があると推察されます。何故なら、そう考えると一連の奇妙な状況を説明するのに辻褄の合う話だからです。

このシモーナお母さんの娘は5月の段階ですでに2か月ロストフ動物園に留め置かれた形となっていますが、この個体の様子がいくつか映像でアップされていますのでご紹介しておきます。非常に狭い場所に入れられ、「ロシア式」常同行動を行っていますが、こういう状態を早く脱するためにも一日でも早いベルリンへの移送を行ってほしいものです。クヌートは亡くなってしまい、このシモーナお母さんの娘がベルリンに行っても「時すでに遅し」ではあるものの、雄のパートナー個体ならば比較的容易に見出すことが可能ですのでベルリンに移動するのは決して無駄ではありません。





(資料)
Комсомольская правда (May 27 2011)

(過去関連投稿)
ベルリン動物園、ロシアのロストフ動物園よりホッキョクグマを入手か?
モスクワ動物園のシモーナ(3) ~ 豊かなる母性の輝き
by polarbearmaniac | 2011-06-22 17:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類

最新の記事

........and so..
at 2023-03-27 06:00
モスクワ動物園のディクソン(..
at 2023-03-26 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-25 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2023-03-24 02:00
鹿児島・平川動物公園でライト..
at 2023-03-23 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-22 03:00
名古屋・東山動植物園でフブキ..
at 2023-03-21 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-20 02:00
モスクワ動物園のディクソン ..
at 2023-03-18 22:20
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2023-03-18 03:00

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索