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ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のジョヴァンナとヨギ ~ 飼育責任者が確信する繁殖への自信

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Photo (C) tz-online.de

今年2月の投稿で、欧州で新しく繁殖を期待されているペアとしてドイツのヴッパータール動物園のヴィルマとラルスのペアを挙げて御紹介したことがあります(「ドイツ・ヴッパータール動物園のヴィルマとラルス ~ 繁殖が期待される新ペア」)。今回はまた別のペアをご紹介しておきます。それはミュンヘンのヘラブルン動物園で飼育されているジョヴァンナ(4歳)とヨギ〔12歳〕のイタリア生まれのペアです。

ジョヴァンナ(ジャンナ)については今更改めて申し上げるまでもなく、このヘラブルン動物園の新ホッキョクグマ舎建設工事の期間中にベルリン動物選に預けられ、あのクヌートと同居生活を行った雌の個体です。彼女はヘラブルン動物園の新施設完成後にミュンヘンに戻り、雄のヨギとペアを組むことになりました。ヨギとは8歳の年齢差がありますが、そんなことは問題にもならなかったのは当然です。 さて、そしてとうとう3月末から4月初頭にかけてこの2頭に繁殖行為が確認されました。映像がありますので一応ご紹介しておきますが(CMのあとで開始します)、映像的にはかなり生々しさを感じさせるものですので敢えてご覧いただく必要はないと思います。この繁殖行為は11回も確認されたようで、飼育担当責任者のヘルムート・ケルン氏によればジョヴァンナはこの一連の繁殖行為のあとで、突然性格に変化が生じているとのことです。ジョヴァンナはヨギの傍らで眠るということをしなくなったり、またヨギを追いかけることもしなくなったそうです。ヨギと係り合いを持ちたくない様子のようですね。ケルン氏にしてみれば「してやったり!」という気持ちのようで、11月末には80%の確率で赤ちゃんが生まれると確信しているようです。この80%というのが何を根拠にしているのかはわかりませんが、ある種の「手ごたえ」としては意外に当たっているかもしれません。これから期待して見守っていきたいペアです。

この下の映像は今年3月のもののようで、まだ繁殖行為が確認される以前のものですが、確かにこの2頭は相性がよいようです。そしてこの「相性の良さ」は繁殖に結び付く「相性の良さ」だと言えるもののようです。



上の映像は前にも映像で御紹介しているモスクワ動物園でのシモーナとウランゲリの相性の良さに非常に通じるものがあります。GAOの豪太とクルミも、来年せめてこういう光景が見られなければ繁殖にはつながらないようにも思われます。

以下は比較的最近のジョヴァンナとヨギの様子です。





(*追記) 最近よく思うのですが、非常に抽象的・概念的な言い方になりますがホッキョクグマの雌が「偉大なる母」となるかどうかは天賦の資質が大きく作用しているだろうということです。資質がなければ、「母」にはなれても「偉大なる母」にはなれないでしょう。 繁殖の雄のパートナーに恵まれ、そして飼育環境、飼育担当者に恵まれれば多くの雌は「母」になることが可能であるかもしれません。 しかし「偉大なる母」というのは、何か生まれながらに備わっている資質が物を言うように思います。つまり「母」となるべくして生まれてくるぐらいでなければ「偉大なる母」とは成りえない...そう思います。ウスラーダ(サンクトペテルブルク)やシモーナ(モスクワ)やオリンカ(ロッテルダム)はまさにそういう「偉大なる母」である個体です。 こういう、言ってみれば「生まれながらの母」は飼育環境やら飼育担当者の良しあしとは必ずしもそれほど関係なく次々に繁殖に成功するわけです。 「母」は作り出せますが「偉大な母」を作り出すことは困難です。 そして、そういった「偉大なる母」の資質を持った個体は極めて限られた数しかいないということです。

ジョヴァンナはひょっとして「偉大なる母」なのかもしれません。それを見極めることができるのは今年末から来年にかけてでしょう。 個人的意見を率直に申し上げれば、バフィン、クルミが「偉大なる母」であるとは到底考えにくいですね。両者共に今回のララ2世に備わっているようなキャパがありません。しかし、せめて彼女たち2頭に期待するのは「偉大なる母」ではなく単なる「母」でよいということです。
 

(資料)
Bild.de (Jul. 1 2011)
Bild.de (Video - Münchner Eisbären im Liebesrausch)
(過去関連投稿)
ドイツ・ヴッパータール動物園のヴィルマとラルス ~ 繁殖が期待される新ペア
“Ich möchte ein Eisbär sein ...”  ~ ミュンヘン・ヘラブルン動物園の新施設を祝った人々
2018年ミュンヘン冬季五輪の誘致のシンボルはヘラブルン動物園のジョヴァンナ
by polarbearmaniac | 2011-07-05 20:00 | Polarbearology

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