街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カナダ・チャーチルで狂暴化したホッキョクグマが射殺される

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Photo(C) Laura Gray-Ellis/CBC

考えさせられるニュースが入っています。実は先日もカナダで野生のホッキョクグマが射殺されたニュースがあったのですが、今回はホッキョクグマの聖地であるマニトバ州チャーチルでの事件です。

月曜日の早朝、一人に観光客がチャーチルのハドソン湾岸を散歩して写真を撮っていましたところ、突然1頭のホッキョクグマに遭遇しました。その模様をすぐそばのチャーチル健康センターの建物の窓から目撃していた人の証言によりますと、そのホッキョクグマは最初はその観光客から一定の距離をおいていたものの彼があわてて逃げようと駆け出した瞬間、ホッキョクグマはその男を追いかけ始めたということです。ホッキョクグマが臭いを嗅ごうと一瞬立ち止まった瞬間その男は落としたカメラを拾い上げてその場所から大急ぎで逃げ出したそうです。

「ホッキョクグマ110番(24-hour Polar Bear Alert line)」の通報ですぐに現れた2名のマニトバ州の自然保護官のうち1名は最初は爆竹のようなものでホッキョクグマを追い払おうとしましたが効果がなく、そのホッキョクグマはその1名の保護官のほうに向かってきたそうです。もう1名の保護官はあわてて車を発進してそのホッキョクグマの進路を絶とうとしました。ところがそのホッキョクグマ、車に対して激しく襲い掛かってきたそうです。自然保護官は、「追い払うのが大変なホッキョクグマもいるし、しぶしぶ立ち去るホッキョクグマもいるが今度のやつほど狂暴なホッキョクグマは見たことがなかった。」と語っています。やがてそのホッキョクグマが街の方向に歩き始めたため自然保護官は威嚇発砲をしたところ、再びそのホッキョクグマは車に襲い掛かってきたそうです。自然保護官は、街の住民に対する安全と、自らの危険を回避するためにいたしかたなくその場でそのホッキョクグマを射殺したそうです。

こうした形でチャーチルで射殺されたホッキョクグマは過去3年間にこれで2頭目だとのこと。今回射殺されたのは17歳(推定)の雄で体重は約270キロとのこと。果たして今回の狂暴なホッキョクグマが「狂犬病」のような病気によってこれだけ狂暴化したものかどうかを(解剖などによって)調べるそうです。

いやはや困ったものです。仮にこれが狂暴なホッキョクグマではなく人間だった場合「自分若しくは他者に対する急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するために、やむを得ない範囲において、侵害相手方に対して何らかの形での侵害行為(殺害等)をした」という刑法上での正当防衛」の範囲内のようにも思えます。しょうがないですね、これは...。 マニトバ州の自然保護官が今までに体験したことのないような狂暴なホッキョクグマだったというのですからやはり何らかの病気だった可能性は排除できません。

ちなみに、こういう例は正当防衛に当たるそうです。

女性Xは駅のホームで帰りの電車を待っていた。そこへ酔っ払いの男性Yがやってきて、Xに執拗にまとわりついた。周囲の人々は笑いながらこれを眺めるばかりでXを助けようとはしなかった。YはXを「馬鹿女」とののしり、胸から首筋のあたりにつかみかかられる状態となった。そこでXは「あんたなんか死んでしまえばいい!」と言ってYの身体を両手でついた。するとYは酔っていたこともあってふらふらとよろめき、ホームから転落した。そこへ運悪く電車がやってきたため、Yは電車とホームに挟まれて死亡した。

相手が人間であってもこれで正当防衛が成立するとすれば相手が所有者のある飼育動物動物だった場合、「器物破損罪」は成立しないでしょう。 野生動物となれば、もうそれは一層無理でしょう。

(資料)
Winnipeg Free Press(Jul.6 2011)
CBC News (Jul.6 2011)
正当防衛(Wikipedia)
by polarbearmaniac | 2011-07-09 01:00 | Polarbearology

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