街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カナダ・チャーチルでホッキョクグマまた射殺される ~ 街への出没回数の増加か?

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チャーチル付近の野生のホッキョクグマ Photo(C) Winnipeg Free Press

カナダ・マニトバ州のチャーチルで、また7月29日の金曜日にホッキョクグマが射殺されました。7月4日にも同じチャーチルでホッキョクグマが射殺された件は「カナダ・チャーチルで狂暴化したホッキョクグマが射殺される」で投稿しています。場所はやはりチャーチルの健康センター付近で、今回は4歳と2歳の子供を連れた地元の女性がホッキョクグマに遭遇したそうです。その女性は非常に動揺し、持っていたバッグを現れたホッキョクグマの鼻先で振りかざし大声をあげたところホッキョクグマは方向を変えて去ったそうです。やがて現れた自然保護官はホッキョクグマを追いかけ街から追い払おうとしたそうですが、そのホッキョクグマはさらに攻撃的な姿勢を見せ、あたりを徘徊して街に入ろうとしたところで保護官によって射殺されたということです。その個体は3歳から4歳ほどの雌だったとのこと。

こういった街の付近に現れたホッキョクグマへの対応ですが、自然保護局のスポークスマンに言わせれば麻酔銃で眠らせて街の外に移動させる処置をとるそうです。しかし麻酔銃がうまく命中せず麻酔薬の効果が十分に得られなかった場合、ホッキョクグマは興奮してさらに凶暴化してしまう恐れがあり、今回は射殺という措置となったと弁明しています。ここ2~3週間でこれで3頭目の射殺だそうで、昨年は射殺がなかったのに何故最近こんなに増えたのか訝しく感じている様子です。 しかし今回の場合、それほどの緊急性があったのかどうかは、やや疑問に感じられないわけではありませんね。

これが本当にチャーチル付近でのホッキョクグマの生活環境の悪化なのかどうかは、もうしばらく様子を見ないとはっきりとは言えませんね。今回ホッキョクグマに遭遇した女性は、そのホッキョクグマが射殺されねばならなかったことを聞いて大変悲しかったと語っています。自分はこれからもこのチャーチルで暮らしていくつもりなので、もっともっとあたりを注意して行動したいと言っていますが、本来ホッキョクグマの生息地である場所に自分たち人間も住んでいることへの一種の諦めのような気持ちが感じられることは興味深いです。

さてさて....、何と言ったらよいかわかりませんがチャーチルの自然保護官の方々には今迄通り辛抱強い対応をお願いするしかありませんね。いきなり射殺してしまえばその場は簡単に事が解決してしまうようにも感じるのですが、チャーチルは “Polar Bear Tourism” でも潤っているわけであり安易に彼らを射殺するなどという方法はとらず、ホッキョクグマというものは「観光資源」でもあるわけですから、そういうものは極力守ってほしいと思います。

(札幌にて記す)

(資料)
CBC News (Jul.29 2011 - Polar bear shot dead in Churchill)
Winnipeg Free Press (Jul.30 2011 - Close encounter with polar bear too much for mom)

(過去関連投稿)
カナダ・チャーチルで狂暴化したホッキョクグマが射殺される
メルセデス(1980 – 2011)、その生涯の軌跡
by polarbearmaniac | 2011-08-01 07:00 | Polarbearology

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