人気ブログランキング | 話題のタグを見る


街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カナダ・チャーチルでホッキョクグマまた射殺される ~ 街への出没回数の増加か?

カナダ・チャーチルでホッキョクグマまた射殺される ~ 街への出没回数の増加か?_a0151913_1494993.jpg
チャーチル付近の野生のホッキョクグマ Photo(C) Winnipeg Free Press

カナダ・マニトバ州のチャーチルで、また7月29日の金曜日にホッキョクグマが射殺されました。7月4日にも同じチャーチルでホッキョクグマが射殺された件は「カナダ・チャーチルで狂暴化したホッキョクグマが射殺される」で投稿しています。場所はやはりチャーチルの健康センター付近で、今回は4歳と2歳の子供を連れた地元の女性がホッキョクグマに遭遇したそうです。その女性は非常に動揺し、持っていたバッグを現れたホッキョクグマの鼻先で振りかざし大声をあげたところホッキョクグマは方向を変えて去ったそうです。やがて現れた自然保護官はホッキョクグマを追いかけ街から追い払おうとしたそうですが、そのホッキョクグマはさらに攻撃的な姿勢を見せ、あたりを徘徊して街に入ろうとしたところで保護官によって射殺されたということです。その個体は3歳から4歳ほどの雌だったとのこと。

こういった街の付近に現れたホッキョクグマへの対応ですが、自然保護局のスポークスマンに言わせれば麻酔銃で眠らせて街の外に移動させる処置をとるそうです。しかし麻酔銃がうまく命中せず麻酔薬の効果が十分に得られなかった場合、ホッキョクグマは興奮してさらに凶暴化してしまう恐れがあり、今回は射殺という措置となったと弁明しています。ここ2~3週間でこれで3頭目の射殺だそうで、昨年は射殺がなかったのに何故最近こんなに増えたのか訝しく感じている様子です。 しかし今回の場合、それほどの緊急性があったのかどうかは、やや疑問に感じられないわけではありませんね。

これが本当にチャーチル付近でのホッキョクグマの生活環境の悪化なのかどうかは、もうしばらく様子を見ないとはっきりとは言えませんね。今回ホッキョクグマに遭遇した女性は、そのホッキョクグマが射殺されねばならなかったことを聞いて大変悲しかったと語っています。自分はこれからもこのチャーチルで暮らしていくつもりなので、もっともっとあたりを注意して行動したいと言っていますが、本来ホッキョクグマの生息地である場所に自分たち人間も住んでいることへの一種の諦めのような気持ちが感じられることは興味深いです。

さてさて....、何と言ったらよいかわかりませんがチャーチルの自然保護官の方々には今迄通り辛抱強い対応をお願いするしかありませんね。いきなり射殺してしまえばその場は簡単に事が解決してしまうようにも感じるのですが、チャーチルは “Polar Bear Tourism” でも潤っているわけであり安易に彼らを射殺するなどという方法はとらず、ホッキョクグマというものは「観光資源」でもあるわけですから、そういうものは極力守ってほしいと思います。

(札幌にて記す)

(資料)
CBC News (Jul.29 2011 - Polar bear shot dead in Churchill)
Winnipeg Free Press (Jul.30 2011 - Close encounter with polar bear too much for mom)

(過去関連投稿)
カナダ・チャーチルで狂暴化したホッキョクグマが射殺される
メルセデス(1980 – 2011)、その生涯の軌跡
by polarbearmaniac | 2011-08-01 07:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類

最新の記事

........and so..
at 2023-03-27 06:00
モスクワ動物園のディクソン(..
at 2023-03-26 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-25 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2023-03-24 02:00
鹿児島・平川動物公園でライト..
at 2023-03-23 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-22 03:00
名古屋・東山動植物園でフブキ..
at 2023-03-21 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-20 02:00
モスクワ動物園のディクソン ..
at 2023-03-18 22:20
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2023-03-18 03:00

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索