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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・カザン市動物園のユーコン、その日常の姿 ~ 遠征での映像より

ロシア・カザン市動物園のユーコン、その日常の姿 ~ 遠征での映像より_a0151913_23164422.jpg
ユーコン (2011年9月16日撮影 於 ロシア・カザン市動物園)

現在カザン市動物園で飼育されている雄のユーコンですが、長年にわたってペルミ動物園であのアンデルマと名ペアを組んできたわけで彼の日本との関係はホクト(姫路)とゴーゴ(大阪)の父親であるという繋がりになります。彼は昨年、長く住み慣れたペルミ動物園を去ってカザン市動物園に移動した件については過去の投稿である「ゴーゴの父親ユーコンがペルミ動物園を去り新天地へ!」をご参照下さい。



このユーコンですが生まれは1988年(推定)で翌年ロシアの極北地方のチェクチ半島にて野生で捕獲されました。ペルミ動物園では1996年から飼育されていました。アンデルマとの間で5頭の子供をもうけています。ペルミ動物園の公式データが欠落している2000年誕生個体であるホクト(姫路)に、もう1頭の双子の妹がいたことが強く推定できますので、それを入れれば合計6頭の父親であるわけです。

このユーコンが現在飼育されているカザン市動物園は非常に飼育環境が厳しい場所であることは旅先からのレポートでもお伝えした通りです。ユーコンはそのカザン市動物園で雌のマレイシュカを新しいパートナーとしています。 ユーコンの性格についてペルミ動物園は、「来園者のカメラにポーズをとるなどサービス精神に溢れた紳士であり常にアンデルマから1歩下がっている。」という言い方をしており、これもモスクワ動物園のウランゲリの性格に近いものを感じさせる点で興味深いところです。私がカザン市動物園で実際にユーコンをじっくり観察した限りでも、このペルミ動物園のユーコンの性格描写は正しいように思いました。しかし、いかんせんあの檻の中という飼育環境ですからユーコンも私に十分にサービス精神が発揮できていなかったようにも思いました。

ユーコンの魅力はなんといっても彼の持つあの「渋さ」でしょう。比較的飼育環境の悪くないペルミから厳しい環境であるカザンへ移ってもユーコンはそれにじっと耐えている様子が私には可哀そうに思います。彼に大きな声援を送りたいと思います。そして彼がマレイシュカとの間での繁殖に成功してペルミに帰還できる日を心待ちにしたいと思います。

(資料)
gazeta.aif.ru (Звери, как люди: умеют любить)
Пермский зоопарк (Белый медведь отправляется в "командировку")
Пермский зоопарк (ВИКТОРИНА КО ДНЮ БЕЛОГО МЕДВЕДЯ)
Комсомольская правда (Nov.12 2008)

(過去関連投稿)
ゴーゴの父親ユーコンがペルミ動物園を去り新天地へ!
ロシア・ペルミ動物園のホッキョクグマ、「生ける伝説」となったアンデルマ
カザン市動物園へ ~ 貧弱な飼育環境と大きな繁殖実績との間の巨大なパラドックス
カザンで見たユーコン (天王寺動物園、ゴーゴの父) の素顔
カザン市動物園訪問2日目 ~ 疑惑から事実の確定へ
by polarbearmaniac | 2011-10-15 17:30 | Polarbearology

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