ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿(3) ～ 遠征での映像より

アンデルマ　(2011年9月11日撮影　於 ロシア・ペルミ動物園)
Nikon D7000
AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II
アンデルマの街に現れたホッキョクグマ

（前投稿よりの続き）
「アンデルマの物語（仮題）」（掲載原著　“От зверинцев к зоопарку. История ленинградского зоопарка”）の一部を御紹介していますが、今回はその３回目です。レニングラード動物園から派遣された「ホッキョクグマ捕獲隊は北極圏のアンデルマ基地近くのメンシコフ岬で問題の親子のホッキョクグマを発見し、それを捕獲しようとしたところまでが前回でした。

アンデルマ　（２０１１年９月１４日撮影　於 ロシア・ペルミ動物園）

私たちは麻酔銃が命中したホッキョクグマのほうに近づきました。麻酔薬の効き目があった彼らの吐く息が私たちをとらえたのでした。やがて彼らは深い眠りに落ちました。しかし麻酔薬の効き目は限られた時間しかないので我々は非常に急がなければならなかったのでした。私たちは素手でホッキョクグマたちを持ち上げようとしましたが、そう簡単ではありませんでした。時間はどんどん経過していきます。そうこうしているうちに、なんと近くの軍の部隊から私たちを助けるために数人の兵士たちが現れたのでした。私たちはその兵士たちと一緒にホッキョクグマたちを用意したケージに入れ、なんとかヘリコプターに載せたのでした。タイムリミットの１６時までまだ少し時間がありました。私たちはこうしてその日のうちにケージに入れたホッキョクグマたちと共に無事その日の夜にレニングラードに戻ることができたのでした。こうして捕獲したホッキョクグマこそアンデルマ（現・ペルミ動物園）、そして彼女の息子のメンシコフ（現・レニングラード動物園）なのです。アンデルマの街に現れたホッキョクグマ

北極圏のアンデルマの街からレニングラードへ戻る機上で私たちは捕獲したホッキョクグマの外見の検査を行いました。そうしたところ彼らの鼻の部分に外傷が見つかりました。特に雌の個体の外傷は古くからある傷のように見えました。その傷は彼女を捕獲した時にも気が付いたのですが実際にこうして鼻から顎にかけてのこの傷を間近で見てみると、それはこのホッキョクグマたちが民家の押し入ろうとした時に住民が彼らホッキョクグマを追い払おうとしてロケット花火銃を発射したときに、それが彼女の鼻に命中してできた傷だと理解できます。至急この傷の手当が必要だと判断しました。（続く）
アンデルマ基地の民家に現れたホッキョクグマ

（資料）
От зверинцев к зоопарку. История ленинградского зоопарка
（過去関連投稿）
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ロシア・ペルミ動物園、アンデルマの表情（１）　～　捕捉し難き素顔
ロシア・ペルミ動物園、アンデルマの表情（２）　～　その存在への認識
２０１１年ロシア遠征後半（ペルミ動物園関連部分）
ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿(1) ～ 遠征での映像より
ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿(2) ～ 遠征での映像より