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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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モスクワ動物園が期待を持つ将来の新ペア ~ ヴォロコラムスク付属保護施設のホッキョクグマたち

モスクワ動物園が期待を持つ将来の新ペア ~ ヴォロコラムスク付属保護施設のホッキョクグマたち_a0151913_0541043.jpg
アイオン Photo : WWF / Виктор Никифоров

奥が深くてなかなか考えさせられるニュースが報道されています。一昨年の4月に「ロシア・極北の街でホッキョクグマの赤ちゃん孤児を保護!」という投稿をしています。この極北の地で孤児となっていたところを保護された雄の赤ちゃんのアイオンですが、その近況については昨年10月に「モスクワ動物園で保護されている孤児のホッキョクグマ、アイオンの近況」という投稿をしています。 このアイオンは現在モスクワから北西に130キロほど離れたヴォロコラムスクにあるモスクワ動物園の付属保護施設で飼育されているそうです。 このアイオンが、やはり同じ施設で飼育されている同じ年齢(2歳4ヶ月)の雌のミラーナ(Милана)と最近非常に仲が良くなっているそうです。その様子を以下でご覧下さい。



このミラーナというのはアイオンと同じ年齢ということですから、それは2009年11月にモスクワ動物園のシモーナが生んだ雌の双子の一頭ということになりますね。 この双子のうちのもう一頭はベルリン動物園がクヌートのパートナーとしてモスクワ動物園からロストフ動物園経由で入手し、現在旧東ベルリンにあるベルリン動物公園で飼育されているトーニャであるわけです。 このシモーナが2009年11月に産んだ双子の雌は、私も一昨年に2回モスクワを訪問した際にじっくりと見ていますが、このトーニャ以外のもう一頭については実は韓国のソウル動物園が入手しようとした個体だったと以前は消去法で予想していましたが、その後の状況が一切報道がありませんでしたので、やはりずっとモスクワ動物園の管理下にあったということになります。 この個体がミラーナであるということですね。

モスクワ動物園はやはり貴重な雌の幼年個体を外国には出さずにしっかりと自分で確保していて、野生出身である雄のアイオンとの将来の繁殖を計画しているのでしょう。 そのミラーナとアイオンが今からもう相性が良いというのですから、これは朗報です。 このミラーナとアイオンは年齢から言って多分ムルマとウムカの後継ペアとなるでしょう。 自国領土内にホッキョクグマの生息地を持つ国の強みというのを遺憾なく発揮しているということになります。今回のニュースは何気ない報道のようでいて、実はロシア国内の飼育下の複雑なホッキョクグマ事情を解き明かしてくれる貴重な情報だと思います。

(資料)
РИА Новости (Mar.30 2012 - Белый медвежонок-сирота с Чукотки нашел невесту в Московском зоопарке)
Novostimira.com (Mar.31 2012 - Представители WWF в канун "Часа Земли" навестили в Московском зоопарке)

(過去関連投稿)
ロシア・極北の街でホッキョクグマの赤ちゃん孤児を保護!
モスクワ動物園に送られた赤ちゃん孤児のその後の映像
モスクワ動物園で保護されている孤児のホッキョクグマ、アイオンの近況
by polarbearmaniac | 2012-04-04 07:00 | Polarbearology

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