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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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釧路市動物園のユキオとツヨシ ~ 残された繁殖の時間の限られたペアの姿

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やあユキオさん、お久し振りになりますね! いかがですか釧路での住み心地は?
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ツヨシ、元気でやっていますか?
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ツヨシと上野動物園から来たユキオは同居を開始している。 16歳の年齢差のあるペアである。
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ユキオは実に渋さを感じさせてくれるホッキョクグマだ。 「コジ・ファン・トゥッテ」に登場するドン・アルフォンソのような存在とでも言ってよいだろうか。
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飼育展示場を歩きまわるユキオ
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ツヨシはユキオを少し警戒しているような態度も見える。
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このツヨシとユキオのペアには残された時間は少ない。 ユキオは現在24歳だし、雄としての繁殖可能年齢の上限に達している。 せめて今年もっと早い時期にユキオが釧路に来ているべきだったのだ。 今後のことで難しいのは、ユキオの年齢から考えると彼が再び東京に戻るということがやや考えにくいということである。 余生をこの寒冷地の釧路で過ごすということはユキオにとっては悪い話ではない。 しかしそうなると、またツヨシの(新)パートナー問題が再燃してくることになるだろう。 せめて「ホッキョクグマ繁殖検討委員会」がもう5年早く立ち上げられていたら、ホッキョクグマの繁殖に関してもっといろいろいろな選択肢を持ち得たはずである。 
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「失われた20年」などという言い方がある。 別の言い方をすれば、何かを決断し、そして前に進むことの不得意な日本人だからこそ日本のバブル崩壊からリーマンショックを経て現在まで、日本の長期デフレ傾向が止まらないということでもある。 ホッキョクグマの繁殖の行き詰まりに関してはバブル崩壊やリーマンショックのような顕著な節目のないまま危機が内在しつつ進行してきたために、気が付いてみたらこんな状態だったということである。 

ここ2~3年前になって何故この内在していた危機を明確な形で深刻に感じるようになったかといえば、ズバリそれは「ララの子供たちのパートナーをどうするか?」という問題に直面したからである。 ララの最初の子であるツヨシのパートナーをどうするかでさえ四苦八苦してきた。 これはあくまでも極論ではあるが、眼の前に道は二つあるように思う。 一つは海外の動物園との協力関係の構築、もう一つは「全面降伏」である。 前者は非常に難しい。 少なくとも10年先の話だろう。 となれば後者しかない。それは繁殖のための移動を一切やめるということである。 さらに、ピリカがイワンに怯えるようだったら、もう金輪際同居はさせないということである。 この釧路市動物園を例にとって考えれば、ユキオとツヨシの仲が良いならば、ずっとこの2頭をユキオに寿命のある限り一緒に飼育していくということである。 ホッキョクグマの繁殖には重要である移動はリスクを伴うから止めておき、そしてホッキョクグマの嫌がることもやらないということだ。 要するに繁殖のために何もしないということである。 「何もしない」のは我々日本人の得意なことである。 「ホッキョクグマの繁殖(計画)」、これは実は我々の身の丈には合っていないのかもしれない。 この後者の道が実は正解なのかもしれないと考えてみることも可能ではある。

この動物園に来るといろいろなことを考えてしまう。 それらの考えはおおむね非常に悲観的な見通しばかりである。

今日の釧路は非常に寒い。10℃以下のような気がする。

Nikon D5100
シグマ 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
(Jun.2 2012 @釧路市動物園)

(*後記 - ユキオが釧路動物園に到着した際のニュース営巣をご紹介しておきます。)


釧路の「ツヨシ」にオムコさん 投稿者 samthavasa
by polarbearmaniac | 2012-06-02 22:30 | しろくま紀行

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