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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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クルミお母さんの性格と母親像 ~ その 「対象非関与型母性」への評価について

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「ホッキョクグマのお母さんたちは、それぞれ全て別のやり方で育児を行う(子供たちに接する)。」 というのが私がロシアや欧州で何頭も会った世界に名だたるお母さんたちの姿を見ての結論である。 そしてやはり今回のクルミお母さんも、他のお母さんたちと全く違うやり方で子育てをしているのを見て、今更ながら実に興味深く感じるのである。
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このクルミお母さんの子育ては、今日じっくりと観察してみたところ私が事前に予想していたようにデンマークのオールボー動物園でメーリクお母さんがアウゴに対する接し方(子育て)と非常に近いものを感じるのである。 一口に言うと、それは「対象非関与型母性」による育児ということになる。 こういうタイプのお母さんは、自分自身の遊びを子供たちの育児と関連付けるということはあまりやらないのである。 つまりメーリクお母さんもクルミお母さんも、自分の遊びは自分の遊びとしてある程度割り切っているのである。 その点でララお母さんの遊びとは異なっている。 ララお母さんの遊びは基本的に子供たちをそれに引き込むためのものである。 モスクワのシモーナお母さんもそういうやり方をするのである。 ところがメーリクお母さんやクルミお母さんは基本的にはそういうやり方は採用しないのだ。
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ホッキョクグマのお母さんの子育て(子供に対する接し方)には、まず大きく言って2つの対立軸がある。 一つは「情愛型」と「理性型」である。前者として典型的なのはモスクワのシモーナと札幌のララ、そしてロッテルダムのオリンカだが、シモーナのほうがララより一層、「情愛型」である。 一方、後者に属するのがサンクトペテルブルクのウスラーダとレネンのフリーダム、そしてフギースである。 そしてこれらの中間にあるのがモスクワのムルマである。
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さて、次の対立軸としては「対象関与型」と「対象非関与型」がある。 前者に属するのはモスクワのシモーナ、札幌のララ、サンクトペテルブルクのウスラーダ、レネンのフギースである。 後者は、ロッテルダムのオリンカ、モスクワのムルマであり、中間にレネンのフリーダムがいる。
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整理すると、「情愛型」であり、かつ「対象関与型」はモスクワのシモーナ、札幌のララであり、「情愛型」にもかかわらず「対象非関与型」はロッテルダムのオリンカである。 そして多分、ペルミのアンデルマもそうだっただろうと推測する。 一方、「理性型」であるにもかかわらず「対象関与型」はサンクトペテルブルクのウスラーダとレネンのフギースである。 モスクワのムルマはすべてにおいて中間型である。
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ではクルミお母さんはどうかと言えば、「情愛型」と「理性型」の中間にあり、かつ「対象非関与型」なのである。 
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こういうクルミお母さんのような「対象非関与型」の母親に育てられる赤ちゃんは、結果として非常に個性の強いホッキョクグマになる可能性が高いのである。 デンマーク・オールボー動物園のアウゴがまさにそうである。
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デンマークのメーリクお母さんや男鹿のクルミお母さんは基本的に自分の赤ちゃんに対して、お手本を示すということはあまりやらないのである。 だから赤ちゃんは自分で物事の解決策を考えなくてはならない。 そうすると、赤ちゃんは自分のやり方を見つけて自分でそれを追及するということになる。 つまり自主性が育つのである。 しかし欠点もある。 それは、赤ちゃんが間違った「我流」を身に付けてしまう危険性があるということなのである。
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だから、「対象関与型」のお母さんであれ「対象非関与型」のお母さんであれ、あるいは「情愛型」のお母さんであれ「理性型」のお母さんであれ、子供たちがそういった「我流」に陥らないようにコントロールすることができるお母さんは理想的なのである。 モスクワのシモーナやサンクトペテルブルクのウスラーダや札幌のララは、子供たちに正しいお手本を自ら示すお母さんである。 子供たちは母親のやることを見てそれを正しく身に付け、そして育つのである。
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私は、これからクルミお母さんがどのような方法でクーシャ(仮称)を正しい方向に導いていくかについて興味がある。 必ずクルミお母さんはそれをやるだろう。 どういう場面でどうやってやるかに興味があるのだ。
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今日の時点ではクルミお母さんは娘のクーシャに泳ぎを教えようという気持ちは比較的希薄であるように感じるのである。 ララお母さんのようにそういった教育をしようとは考えていないようだ。 娘のクーシャ(仮称)が水に入る気持ちになるのをただひたすら待っているといったところだろう。 敢えて泳ぎを教えようなどという気はないのである。
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これはクルミお母さんのやり方なのである。 それを批判するには間違いだろう。
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現在、札幌で新ツインズを育児中のララお母さんは、体調も万全であり経験も豊富である。 しかし、そういった経験を経ているにもかかわらず一切の手抜きや省略といったものがなく、今回も全てにおいて完璧で非の打ち所がない子育てを行っている。 そのあまりにも素晴らしい母親振りは、世界的に見ても、もうモスクワのシモーナと双璧と言って良い素晴らしさである。 特に今回は過去と比較してみても一層、凄いものなのである。 そしてララお母さんは、子供たちに一日に何度も授乳を行い、母性に満ちたその圧倒的な母親像を我々に誇示しているといってもよいほどである。 子供たちの発育の素晴らしさも特筆に値する。 ララお母さんはもう「世界最高レベル」 の別格の偉大な母親であることを疑う余地は全くない。 しかしだからと言って、この男鹿のクルミお母さんをララお母さんと比較して物足りなく思うとしたら、それは間違いである。 これはクルミお母さんのやり方なのである。 ホッキョクグマのお母さんたちには、それぞれが独自のやり方を持っているのである。 だから、クルミお母さんのやり方を、われわれは大いに尊重して暖かく見守るべきなのだ。 ララお母さんと安易に比較してはいけないのだ。 比較してどうこう言うのは間違いである。 その違いを認識し評価すべきなのだ。
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「このクーシャ(仮称)は札幌の新ツインズより早く生まれているのに、何故札幌ではあれだけ水遊びをするほど泳ぎが上達しているのにもかかわらず、このクーシャは生後150日近く経過しても泳げないのか? こんな赤ちゃんは世界中には彼女以外いない。」 などと考えては絶対にいけないのである。 クルミお母さんは忍耐に忍耐を重ねて、クーシャが自然に水に入るのを待っているのである。 以下のシーンだか、クーシャ(仮称)が泳げないのに滑って水に落ちてしまったシーンである。 クルミお母さんは早速自分も水に飛び込んで水中にでクーシャのそばにいるが、後方にいて何事かあればすぐに対応できるようにしているものの、直ちにクーシャを助け上げようとはしていない。 クーシャがなんとか自ら陸に上がるのを待っているのである。 これがララお母さんだったら瞬時に赤ちゃんを水から助け上げただろう。 クルミお母さんは辛抱強いのである。 すぐ後ろにて娘を守っているだけで、すぐには彼女を助け上げないのである。 こういったことから判断すると、やはりクルミお母さんもララお母さん同様、実は素晴らしいお母さんなのである。 

水に落ちても泳げず、這い上がろうと焦る赤ちゃん

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札幌でララお母さんと新ツインズを見に行った方々には是非とも男鹿水族館でクルミお母さんの子育ても見に行ってほしいと思う。 ここにはララお母さんとは別のやり方で子育てに奮闘している、もう一頭の別のホッキョクグマのお母さんがいるのである。 そしてホッキョクグマのお母さんたちは全てが偉大なのである。 クルミお母さんもその例外ではないのだ。
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あまり天候には恵まれない日だった。

Nikon D7100
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR
(May.1 2013 @秋田県、男鹿水族館)

(*注 - クーシャというのは勿論、この赤ちゃんの正式な名前が決まるまで私が便宜上、勝手につけた仮称である。)
by polarbearmaniac | 2013-05-01 23:50 | しろくま紀行

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